« 2013年01月 | メイン | 2013年03月 »

2013年02月02日

関西自然保護機構大会 ポスター発表募集のご案内

ポスター発表募集のご案内
 関西自然保護機構(KONC)は1978年の創立以来、シンポジウム・講演会・現地見学会の実施、研究助成金の交付、会誌の発行、自然保護および自然環境保全に関する提言と助言を通じて、自然保護に関わる取り組みを推進してきました。この間、各地でさまざまな自然保護上の問題が発生し、また保全・保護を目指した運動が繰り広げられてきました。河川・道路・都市開発など、今後10年を見ても関西での自然保護上の課題が多数あります。こうした諸課題に対応していくには、これらの課題に直面している多くの方々と、これまでの事例・成果を共有するとともに、科学的な成果を各地でのこれからの保全活動にフィードバックすることが必要です。このたび既存の学会や集会にはなかったこうした交流の機会を、関西自然保護機構としてつくっていきたいと考え、関西自然保護機構2010年度大会から、プログラムにポスター発表を盛り込んでいます。
 今回の発表は、学会大会におけるポスター発表のようなものとお考え下さい。内容は、研究報告・活動報告のいずれでもかまいませんが、自然保護や自然環境の保全につながるものでお願いします。原則としてポスター発表ですが、どうしても口頭での発表を希望される場合は、事務局までご相談下さい。
 当日は、講演会なども開催しますので、大学などで関連の研究をしている方のみならず、自然保護や自然環境の保全に関わる活動をしている多くの方の参加・発表をお待ちしています。

■発表要領■
(対象)KONC会員のみならず、自然保護に関連した活動をしている個人・グループ。開発に対する反対運動など狭義の自然保護運動に限らず、自然観察会、ワークショップ、調査研究など、自然保護や野生生物保全についての普及啓発を多少なりとも意識した活動をしていれば充分です。博物館、学校の生物・科学部、大学の研究室・サークルなどの発表も歓迎します。自然保護・野生生物保全にまったく関係のない、あるいは今回のイベントの趣旨にそぐわないと事務局が判断する発表はお断りすることがあります。
(発表に際しての注意事項)
・申込み料・参加費は不要です。ただし植物園に入る場合は入園料、博物館の展示をご覧になる場合は入館料が必要になります。
・申込みが多数の場合はお断りする場合があります(最大40件)。
・原則としてポスター発表のみです。どうしても口頭発表を希望される場合はご相談下さい。
・ポスターのサイズは90×180cmサイズ(縦位置)、机などはなし。
・内容は関西で行っている自然保護・環境保全関連の活動報告、関連研究の報告など。

■申込み要領■
●発表希望者は、発表者全員の名前(代表者に印)、所属、発表タイトル、発表要旨(200字以内)、連絡先を下記事務局まで、できるだけ電子メールでお送り下さい(必ず標題に「関西自然保護機構2013年度大会申込み」と付けて下さい)。なお、連絡先以外は、ホームページに公開しますので、あらかじめご了解ください。
●申込み締め切り:2013年2月15日(金)
●申込み者には、2月下旬に、詳しい案内をお送りします。

(お問い合わせ)
〒546-0034 大阪市東住吉区長居公園1-23 大阪市立自然史博物館内
関西自然保護機構事務局(担当:和田、佐久間、山西、大

緊急シンポジウム「中池見湿地の保全問題」開催について

緊急シンポジウム「中池見湿地の保全問題」開催について

 中池見湿地は、福井県敦賀市に位置し、袋状堆積谷という特異な地形で、一部で水田耕作が行われているが、全体としては低層湿原として維持されている貴重な場所である。この地域には、過去に大阪ガスが液化天然ガス備蓄基地の建設を計画していることが判明。日本生態学会では1996年にこの計画の再考と湿地の保全を求める要望書を提出した。KONCでも、1997年にこの問題に関するシンポジウムを開催すると共にその内容を公表印刷した。その後、この開発計画は白紙撤回され、同湿地はラムサール条約登録湿地となった。
 ところが2012年8月に北陸新幹線施設計画が発表されたが、その路線は2002年に事業アセスメントが行われた際の計画よりも150m湿地側に変更されている。しかし、この変更に関しては、アセスメントは不要で、環境調査のみを実施するという形で事態が進行しつつある。現在の計画路線は湿地から流れ出す小川沿いの後谷と呼ばれ、過去には水田耕作も行われていた場所にある。この場所には、ミズトラノオやトチカガミなどの貴重植物のみならず、アブラボテなども生息しており、計画がこの通り実施された場合には湿地全体に多大な悪影響を及ぼすおそれが強い。
 今回のシンポジウムは、喫緊の課題として、北陸新幹線施設計画が中池見湿地の生物多様性の保全に及ぼす影響について検討し、同湿地を貴重な自然遺産として次世代に継承することを目標として行うものである。

日 時:2013年 3月3日(日) 15:00〜 関西自然保護機構大会の中で行います。若干速める場合があります。
会 場:大阪市立自然史博物館 講堂

15:00~「趣旨説明」村上興正(京都精華大学)
 15:10~「アセスの内容並びに今期計画の概要と問題点」
  笹木智恵子(NPO法人ウエットランド中池見)
15:30~「水生動物から見た中池見湿地」平井規央(大阪府立大学生命環境科学研究科)
15:50~「中池見湿地の植物」 角野康郎(神戸大学理学部)
16:10~「総合討論;新規アセスの必要性について」

2013年度関西自然保護機構 大会のご案内

2013年度関西自然保護機構 大会は以下の要領で開催します
日 時:2013年 3月3日(日) 10:00~17:00
会 場:大阪市立自然史博物館 講堂
<スケジュール>
10:00~17:00 ポスター掲示
10:00~10:30 2013年度 総会 
10:30~10:45 2012年度 四手井賞 授賞式
10:45~11:30 四手井賞授賞記念講演 
受賞論文:「大阪府南部におけるコガタブチサンショウウオHynobius yatsui Oyama)
の分布と生息環境」(会誌33巻1号掲載)
著者:秋田耕佑・平井規央・石井実 (大阪府立大学大学院生命環境科学研究科)
11:30~12:30 ポスター発表 コアタイム
12:30~13:00 休憩
13:00~14:45 2012年度研究助成事業 受給者研究報告会 
1)「兵庫県宝塚市西谷地区における準絶滅危惧種スズサイコ Vincetoxicum pycnostelmaの繁殖特性および訪花昆虫相」
中濵 直之(京都大学大学院農学研究科森林科学専攻森林生物学教室)
2)「タコリグ式釣獲法によるオオクチバス駆除技術の開発」
 小西 雅樹(近畿大学バスバスターズ)
3)「大阪府河内長野市における希少魚類の生息調査とその保全に関する研究」
大門 聖(近畿大学大学院農学研究科農業生産科学専攻・南河内水生生物研究会)
4)「香川県小豆島における淡水魚類相」
井藤 大樹(近畿大学大学院農学研究科環境管理学専攻水圏生態学研究室)
15:00~16:45 緊急シンポジウム「中池見湿地の保全と新幹線建設問題」
 15:00~「趣旨説明」村上興正(京都精華大学)
 15:10~「アセスの内容並びに今期計画の概要と問題点」
  笹木智恵子(NPO法人ウエットランド中池見)
15:30~「水生動物から見た中池見湿地」平井規央(大阪府立大学生命環境科学研究科)
15:50~「中池見湿地の植物」 角野康郎(神戸大学理学部)
16:10~「総合討論;新規アセスの必要性について」

2013年02月01日

地域自然史と保全34(2)会員向けPDF公開

34(2)00.jpg

地域自然史と保全 34巻(2)
のPDFを公開しました。

http://www.omnh.net/konc/konc_member/342/から御覧ください

IDとパスワードは会員に送付されるKONCニュースに掲載されています。また冊子版も発行、送付いたしました。33−34巻はhttp://www.omnh.net/konc/konc_member/からご覧いただけます。

目  次
表紙の言葉 ナニワトンボ
  平井規央

巻頭言
 自然史研究の評価基準を考える−大学の現場から
  角野康郎…… 95

特集 これからのレッドデータブック−地域の生物多様性保全のツールとして−
 大阪生物多様性保全ネットワーク キックオフミーティング「これからのレッドデータブックのかたち」開催趣旨
   和田 岳…… 99

 大阪生物多様性保全ネットワークの取り組み
   道盛正樹…… 103

 兵庫県版生態系レッドデータリストの作成と活用
   三橋弘宗…… 107

 大阪府版レッドデータリストの更新にあたって−府内の淡水魚類の現状とリストの活用−
   上原一彦…… 115

 「生物多様性とくしま戦略」の策定と推進にむけた協働
   鎌田磨人…… 119

 生物多様性保全施策としてのレッドリスト
   佐久間大輔…… 131

報告
 大阪府南河内地域におけるため池の現状と魚類相,およびカワバタモロコの生息状況
  吉村元貴・浦部美佐子・鈴木規慈…… 137
 温帯河川の魚類群集における資源利用と種間のニッチ重複の日周変化−2007年度結果報告
  中川 光・山根秀征・八杉公基・藤田朝彦・横井謙一・足羽 寛・北田直樹・高野裕樹・鈴木規慈・岸本純平・前田 一・山野ひとみ・伊藤毅彦・丸山弘明・富永浩史・畠山絵美・後藤元保・高橋大輔………… 145

 奈良県産ニッポンバラタナゴ集団の保護の現状
  野口亮太・北川忠生…… 157

 滋賀県犬上川流域におけるタブノキ林の多様性保全の必要性
  前迫ゆり・野間直彦・金子有子・横川昌史・渡部俊太郎・東 善広…… 165

編集後記…… 181