K O N C 主 催 シ ン ポ ジ ウ ム
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共催:大阪市立自然史博物館

「淀川のイタセンパラの絶滅を防げ」
〜 生態を踏まえた対策を〜

(このシンポジウムは修了しました)

 趣旨説明

 イタセンパラは1969年に淀川で再発見されて以来、淀川のシンボルフィッシュとして位置づけられ、その保全のために様々な試みが行われてきた。たとえば、1974年には紆余曲折の上、文化財保護法による天然記念物に、1995年には種の保存法(通称)により国内希少野生動植物種に、いずれも日本の淡水魚類中最初に指定されるなど、法的には手厚い保護を受けてきた。

 日本生態学会では1975年の総会決議で、「淀川の河道工事と河川公園計画に対する要望書」を提出し、この計画がこのまま実施された場合、水−湿地−陸地の連続性を持つ河川敷特有の地形が分断され、そこを生息場所とする生物群集に壊滅的な被害を与えるとして再考を求めた。しかし、当時の近畿地方建設局は、環境に十分配慮しながら工事を行うので、理解と協力を求めるという形で事態が進行した。この要望書のアフターケアー委員会として、淀川問題検討委員会ができて、当時の淀川工事事務所と話し合いを行ってきた。1997年に河川法が改正され、従来の治水・利水に環境が加えられた機会に、淀川環境委員会が設置され、当時の淀川問題検討委員会の委員の大半がその委員として加入することとなった。

 淀川環境委員会でも淀川のシンボルフィッシュとしての本種の保全が優先課題であるとして、本種の保全のために淀川河川事務所にさまざまな提言を行い、淀川河川事務所もこれを尊重し、提言に基づいてワンドの環境改善や浅いワンドの新設など様々な保全策を講じるなど、官民一体の保全のためのとり組みが行われてきた。しかし、それにもかかわらず、最近2年間で仔稚魚が0になり、絶滅した可能性があると考えられる。まさに今、この事態を打開するために何をなすべきかが問われているところである。

 解決のためには原点に戻り、@イタセンパラの生態を踏まえて、その生息条件を検討することA何が原因でこのような事態が生じたかを考察すること。B現在の淀川の条件下で何ができるのか、長期的な目標と短期的な目標設定を行い、保全策として今後我々は何をすればよいのかを考えることが必要と考えられ、今回のシンポジウムを開催することとした。

日 時 : 2008年3月1日(土)10時〜15時
会 場 : 大阪市立自然史博物館講堂
参加費 : 無料 (ただし、博物館入館料が必要です。大人300円、高校生/大学生200円、子供無料)


 ******************** プログラム(敬称略) ********************

10:00〜10:10 はじめに山西 良平(KONC事務局長)
10:10〜10:25淀川におけるイタセンパラ保全活動の歩み紀平 肇(淡水魚保護協会理事)
10:25〜10:40 イタセンパラ仔稚魚個体数の年変動河合 典彦(大桐中学校)
10:40〜11:001970年代における淀川水系の環境とイタセンパラ長田 芳和(大阪教育大学)
11:00〜11:40 淀川におけるイタセンパラの生活史戦略小川 力也(西野田工業高校)
11:40〜12:00 イタセンパラの増殖から見た野生復帰の条件上原 一彦(大阪府水生生物センター)
12:00〜12:10    質疑応答
12:10〜12:50    昼食休憩(イタセンパラのビデオ鑑賞)
12:50〜13:20 何がイタセンパラを絶滅に導いたか村上 興正(同志社大学)
13:20〜13:50 淀川のイタセンパラ保全に向けての対応吉田 延雄(淀川河川事務所)
14:00〜15:00 総合討論
  今後のイタセンパラ保全対策について
座長:村上興正・長田芳和


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*********** 自然史博物館へのアクセス ************

関西自然保護機構(KONC)
〒546-0034
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