大阪府高等学校生物教育研究会  2000/11/03
実験の紹介
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◎生物実習書掲載

30.血球の観察


 魚類のえらから採血し、塗抹漂本をつくって血球を観察してみよう。さらにいろいろな動物の血球と比較してみよう。また、血液凝固を観察してみよう。

観察1 血球の観察 (1)フナなどのえらの部分にバスツールピペットを差し込み、傷口から採血する。
(2)血液をスライドガラス上に落とし、カバーガラスで血球が一層になるように薄くのばす。
(3)血液を5分問自然乾燥させた後、メタノールで3分間固定する。
(4)10倍に希釈したギムザ染色液を数滴落とし、10分間染色する。
(5)ブレパラートを水につけて余分な染色液を除き、検鏡する。形の異なる血球を探してスケッチし、赤血球・白血球等の名称を記入する。

考察
ヒトの血球と比較してどのような点が異なるか。



観察2 血液凝固の観察
(1)3.8%クエン酸ナトリウム溶液と生理食塩水をスライドガラスに別々に取る。
(2)右図のように指を採血針で少し出血させる。
(3)カバーガラスの2つの角を使って血液をすばやく採り、それぞれの溶液と混ぜる。
(4)しばらく放置した後、肉眼および顕微鏡で観察し、両者を比較する。
結果クエン酸ナトりウム溶液中の血液

生理食塩水中の血液

考察クエン酸ナトリウム溶液はどのようなはたらきをしたと考えられるか。

発展蒸留水に、採血した血液を加えて検鏡してみよう(溶血の観察)。



作業 脊つい動物の赤血球の比較
 次はいろいろな動物の血球の顕微鏡写真(同一倍率)である。これらの写真によって赤血球の形態を比較して下の表を完成せよ。短径・長径は3つの血球を測定し、平均値を記人せよ。


考察(1)陸上にすむ動物(注)では赤血球の大きさと形にどのような傾向が見られるか。


(2)(1)はどのような点で有利であると考えられるか。


(3)ほ乳類の赤血球は他の動物の赤血球と比べて数が多く、小形である。これはどのような点で有利であると考えられるか。


(注)生活環境が水中であるコイの血球は比較的小形になっている。



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