大阪府高等学校生物教育研究会 2000/11/03
実験の紹介
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生物II課題研究
◎平成9年12月12日
◎第3回実験研修会(於府立茨木高校)
◎北村正信(府立茨木高校)
- 班分けおよび実験のテーマ、タイトル
理系クラスP(42名)
- 4名、アポ酵素と補酵素(透析)
- 2名、カエル胚の結紮実験→発生の観察
- 4名、納豆菌の性質と納豆づくり
- 2名、いろいろな植物の同化色素の分離
- 2名、メキシコサンショウウオの幼生の生態→植物ホルモンの組織分化における調節
- 2名、人間のフェロモンの抽出とその効果
- 3名、いろいろなものの殺菌作用
- 2名、エビの眼の再生と走生、アルテミア
- 5名、酵母の発酵(天然酵母の利用)
- 3名、プラナリアについて
- 3名、ネズミの解剖
- 3名、乳酸菌の最適pH
- 1名、組織培養
- 2名、ハムスターに対する動機づけと学習能力の関係
- 4名、ワイン作り
理系クラスG(29名)
- 2名、ニワトリ胚心臓組織片培養
- 1名、有機物の違いによるミミズの変化
- 2名、植物のカルス
- 5名、乳酸発酵
- 4名、血液について
- 4名、ネズミの皮膚移植について
- 3名、アルコール発酵
- 4名、ネズミの交配実験→プラナリアの再生
- 4名、植物の細胞融合
文系クラスH(40名)
- 3名、髪の毛について
- 6名、メダカの順位制と縄張り制
- 3名、体細胞分裂の観察
- 5名、カタラーゼの酵素作用
- 2名、草本の組織培養
- 5名、ヨーグルトきのこの発酵
- 5名、バイオリアクターの作製
- 6名、マメ類の化学成分の分析
- 6名、アルコール発酵
文系クラスR(45名)
- 2名、植物ホルモン
- 3名、天然酵母および固定化酵母によるアルコール発酵
- 2名、ネズミの推理力・洞察力の実験
- 2名、ネズミの学習に関する実験
- 4名、アルコール発酵
- 3名、ネズミの妊娠におけるストレスと(喫)煙の影響→クローンヒツジについて
- 4名、乳酸菌とヨーグルト
- 6名、ミズクラゲとアルテミアの生態
- 5名、酵母菌によるアルコール発酵
- 3名、メダカの実験
- 3名、髪の毛の観察
- 3名、ユリの花を用いた組織培養
- 3名、(ヒトの目についての実験)
- 課題研究を実施、指導しての感想および反省点
- 指導、班分けについて
- 1教師が160名もの生徒の課題研究を指導するのは物理的に無理があり、細かな点まで目が行き届かない。
- 1班の人数には最低4名という制限を設けて班の数をできるだけ少なくすべきであった。
- 実験テーマもいくつかの分野に制限するほうがよいが、生徒の独創性を失わせないような配慮が必要と思われる。
- 実験器具や試薬の保管場所の全体図をわかりやすく書いておくことの必要性を実感した。
- できるだけ実験の途中報告を口頭でも行わせ、教師のアドバイスをその都度受けるように強調すべきであった。
- 実験の方法や結果について写真やVTRに撮ることを勧めた。
- 文系の生徒たちには結果的にはあまり完璧な実験を求めなくてもよいのではないか。テーマを考え、実験の方法を論議し、楽しく実験がまずできることを求めたい。
- 予備実験を実施するよう指導したにもかかわらず、生徒の時間の使い方の問題で予備実験が本実験となってしまい、1回しか結果を出せていない班が多かった。
- 実験は1学期中に終わるように指導したが、時間的にも無理があり夏休み中や体育祭終了後に実施している班もあった。
- 結果の発表とレポート
- 授業との関係で結果発表を2学期の終盤に実施したので、間延びさせてしまったのはまずかった。
- 実験結果を発表する機会を与えたことで、いかに短時間(10分間)にうまく報告するかの体験をさせたのもよかった。劇風、料理番組風、実体験(出来たヨーグルトを試食させる、固定化酵母を作らせるなど)もあって面白い発表も文系クラスにはいくつかあった。
- わかりやすい発表のために結果などを模造紙に書くよう勧めたが、時間的な余裕の無さから直前に板書する班が多かった。
- たとえデータが出なくとも失敗の原因を考えさせ、後輩たちに自分たちの経験を伝えアドバイスを残すことも強調した。
- 発表にもレポートにも班員全員が分担して実施させた。
- 発表を生徒たちにも互いに評価させ、良かった点や改善点を書かせたが、シビヤに評価がなされていた。
- 課題研究は教師にとっては負担の多いものではあるが、生物科(一部には家庭科や」化学科)の先生方や助手の方の協力があってはじめて実施できるものであることを実感した。
- 課題研究のレジメや結果のまとめとなるレポートは、後輩のためにも閲覧できるように保存しておくと彼らの参考になり刺激ともなることがわかった。