大阪府高等学校生物教育研究会
実験の紹介

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センチュウの飼育と観察

カビのついた部分にいる	土から出したミカン
×２０（解剖顕微鏡）	観察器具
×１００	×１００
×４００	×４００

◎平成11年10月21日
◎第２回実験研修会於府教育センター
◎江坂　高志先生（大阪府教育センター）
◎１４名参加

• この20年程の間に、自活性土壊センチュウの一種である C．elegans が実験動物としてもてはやされるようになった。　C．elegans は学校での教材生物としても便利な点があるのだが、その飼育は無菌操作などの困難をともなう。　そこで、今回は、他種の自活性土壌センチュウを簡単な方法で増殖させることにより、形態の観察や発生過程の観察教材として利用することを考えた。　課題研究やクラブ活動で扱えるのではないだろうか。

• センチュウの採集
  横に二分したミカンまたはオレンジを畑の土の中に浅く埋め、土をかぶせて放置する。10〜14日後、腐りかけたミカンを取り出す。
• 今回は
  1. ミカンの切り口に付着しているセンチュウを解剖顕微鏡で探し、タングステン針ですくい取り、汲み置き水を入れたシャーレに移す
  2. ミカン汁を吸収させたスポンジ表面をひっくり返してシャーレの水につける

  の２方法でセンチュウを採取した。
  １ではいる所には数百匹もいるが、意外と見つけにくかった。動いている場所を解剖顕微鏡でよく見ると白い半透明のセンチュウがいる。
  ２では比較的かんたんに数匹のセンチュウをシャーレ上で見つけることができた。

• 次に、シャーレの中のセンチュウを水ごとパスツールピペットで吸い、スライドガラスに載せ、カバーガラスをかけて検鏡した。
• センチュウは細胞が透明で、消化管や卵細胞・精子がよく見える。また、センチュウの全細胞（C.elegansでは♂1031細胞、♀♂同体959細胞）が、どの細胞からどの時期に分裂してその細胞になるか、という系譜がすべて解明されており、発生の教材として興味深い。右の最下列の写真では、雌雄同体の体内で受精した卵細胞が卵割しているようすが発生順に並んで観察される。（２枚は続き写真、一部重複）

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