平成16年11月19日掲載

分子生物学会ワークショップのご案内

「高校教師が訴える『ぜひ研究者にお伝えしたい遺伝子教育の危機的状況』」
−このままでは生命科学は日本に根づかない−
 
日 時:平成16年12月11日(土) 13:15〜15:30
場 所:神戸国際会議場
    〒650-0046 神戸市中央区港島中町6-9-1
    第27回日本分子生物学会年会「学会と社会との接点等に関するワークショップ」
    E会場(401/402室)
参加費:無料(分子生物学会のプログラムとして実施しますが、本ワークショップのみの参加は無料です)
要 旨: 現在の高校のカリキュラムでは、文系の生徒たちの多くは、「生物」という科目は 
    履修するものの、教科書からは遺伝子教育の基礎が欠落している。そのため彼らはま    
    ったく遺伝子・ゲノムなど生命科学の基礎を理解しないまま卒業することになる。こ    
    のように市民としてこの分野の科学リテラシーが欠如することは、社会的に生命科学    
    に関する研究が認知される上では大きなマイナスであるといえる。
     また理系については、「生物」を履修する生徒が少ないため、高校で生命科学の魅
    力を知る機会がないまま進路決定をする生徒や全く「生物」を履修しないまま医学部
    など生命科学系の学部に進学する生徒が多く、生命科学系に進学する優れた人材の確
    保や大学の基礎教育での躓きが課題となっている。
     このような状況を打破するためには、長期的には初等中等教育における生命科学の
    カリキュラムの見直しが不可欠であるが、短期的には高校教師による学校設定科目の
    設置や実験の開発などの独自のカリキュラムの作成が唯一の打開策であると考える。
    そしてこのような高校教師の活動は、どれだけ大学などの研究者による積極的な支援
    が得られるかにその成果はかかっている。
     今回、学校設定科目を設置し「遺伝子教育」の新しいカリキュラムのあり方を模索
    したり、大学との密接な連携によって「難しいけどおもしろい」遺伝子実験を実践し
    ている高校教師3名の意見発表に対して、研究者側から2名の方に助言をいただく中
    で、これから私たちが連携して行動する方向性を明確にしていけたらと考えている。
     ディスカッションでは、ぜひフロアーからの意見をいただきたい。多くの方々に参
    加していただけたら幸いである。
内 容:司会:藤田 泰一郎(京都市立堀川高等学校 教諭)
    @意見発表15分×3名=45分
    「理科教育の再生への道のり―高校と大学の連携教育によって得られるもの−」
      吉本 和夫(大阪教育大学附属高等学校平野校舎 教諭)
    「高校で生命科学を必修に!新科目『生命』の創設」
      久保田 一暁(立命館高等学校 教諭)
    「学校設定科目『生命科学』の設置−医学を志す生徒への取り組み−」        
      福泉 亮(福岡県立修猷館高等学校 教諭)
    A助言15分×2名=30分
       倉光 成紀(大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻 教授)
       松田 良一(東京大学教養学部 助教授)
    Bディスカッション    40分
    Cフロアーからの意見   20分
 

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