平成18年6月27日掲載
広瀬祐司先生(府立茨木高校)
中井咲織先生(立命館宇治中学・高校)より
以下のご案内をいただきましたのでお知らせします。


「進化学教育シンポジウム」のお知らせ
−進化をどのように教えるか−
 
主催 日本生物教育会近畿ブロック各支部
共催 日本進化学会、大阪市立自然史博物館
 
地球上に生息する数百万種とも数千万種ともいわれる多様な生物は、
すべて「進化」して生じたものであるため、
進化は生物学のすべての分野に関係している。
また、進化的な見方を授業に導入すれば、
本質的な「なぜ」に答えることができる。
特に中等教育においては、
進化を学習することによって
個々の生物に関する諸現象がひとつにつながるため、
それぞれの学習分野の重要性・必要性を再認識できる。
本シンポジウムでは、
すぐに使える進化の授業例と進化理論をわかりやすく紹介・解説する。
 
■日時 平成18年8月18日(金) 午後1時〜午後4時
■会場 大阪市立自然史博物館 講堂 
      (大阪市東住吉区長居公園1−23)
※JR大阪駅、天王寺駅より大阪市営地下鉄御堂筋線にて、
  「長居」駅下車徒歩約15分、
  博物館南側の通用門よりお入りください。
 
■内容
 
(1)進化基本の「き」:進化のメカニズムとトンデモ進化理論について
   中井 咲織(立命館宇治中学校・高等学校/日本進化学会会員)
進化のメカニズムについては、
まだ明らかになっていないことが多い、難しい、という誤解がある。
しかし、実際には進化の基本的なしくみは既に明らかになっており、
それはとてもシンプルなものである。
そこで、中学や高校の授業で短時間にわかりやすく
進化の授業を行う方法を紹介する。
さらに、誤りを含む様々な「進化論」と、
現在使用されている「生物II」教科書にみられる
進化のおかしな記述を例に挙げ、
進化に関する正しい理解を示す。
 
(2)生物 I で進化を教える
   池田 博明(神奈川県立西湘高等学校/日本進化学会会員)
生物の構造や機能に関する理由として、
究極要因つまり進化的要因を考察することは
暗記科目でない生物学を構想する際に重要である。
「生物I」の単元の中で扱える進化的観点や教材は意外にたくさんある。
細胞共生説、赤血球、必須アミノ酸、性染色体、植物の器官(葉、花)、
動物の器官(硬骨、腸、肺、眼、中耳、脳、心臓)、PTC遺伝子など
授業で扱った例を紹介する。
 
(3)進化の基本ロジック−自然選択理論と中立理論
   嶋田 正和(東大・総合文化・広域システム/日本進化学会・会長)
生物の進化は、
毎世代の遺伝子頻度の変化から、
やがて新しい種が形成され(種分化)、
そして地質年代史に登場するアンモナイトや恐竜などの栄枯盛衰に至るまで、
幅広い時間スケールを持つ。
そのため、
一般の人々は生物の進化をどのように理解したらよいか戸惑うかもしれない。
しかし、進化の基本ロジックは
「毎世代の遺伝子頻度の変化過程」が約束事であり、
自然選択理論と中立理論の2つの理論的支柱は
それをベースにさまざまな進化の現象を説明している。
今回の講演では、高校生物IIの教科書に照らして2つの理論を平易に解説したい。
 
■申し込み・問い合わせなど
資料準備のため、参加希望の方は下記に、
8月14日(火)までに氏名と所属をご連絡ください。
できましたら、E−mailでお申し込みください。
なお、当日参加も可能です。
 
担当者:広瀬祐司 hirose1@ibaraki.osaka-c.ed.jp(迷惑メール対策で@は大文字です)
     大阪府立茨木高等学校生物科
     TEL. 072-622-3423 FAX. 072-623-0238
 

以上です。

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