平成22年4月28日掲載
SPP阪大タンパク質科学実習のご案内です。
ご遠慮なくご参観、ご参加下さい。
“さあ みなさんも 実験や思考、討論バトルをお楽しみ下さい!”
 
平成22年6月12日(土)実施 阪大タンパク質科学実習 

ホタライトを用いた科学的キャリア教育

〜科学的思考の実践的トレーニングを通じて、問題発見・解決の喜びとその意義を知る〜

(実施主担 大阪大学大学院理学研究科 吉本和夫)
 
実 施 日:平成22年6月12日(土)9時30分〜18時40分ごろ
会   場:阪大豊中キャンパス理学部本館2階b236生物学生実験室
主な対象:大阪教育大学附属高等学校平野校舎・池田校舎
       3年生理系進学志望者約30名,その他 教員研修数名など

[注]場合によっては生徒集まり次第開始となりますので、開始時間が少し早ま
  るかもしれません。
 
 本実習は、従来の阪大分子生物実習ジャイアントインパクト[3日間連続]とは
異なり実験自体は簡単ではありますが、従来の阪大実習と同様、思考あり感動あ
り学びある実習となっております。そして、科学的キャリア教育として科学的思
考を重視し高校生に科学への適性などを考えるきっかけを与えるように工夫され
ております。
 ご参観、参加のご希望やご質問など遠慮なく吉本までお申し出下さい。なお、
わずかなら生徒参加のご希望についてもお受けできる余裕がございますので、
お気軽に吉本までご相談下さい。なお、準備の都合がございますので、ご参観、
参加のご希望は必ず事前連絡をお願いします。
吉本連絡先 e-mail:yosimoto@bio.sci.osaka-u.ac.jp  (TEL)06-6848-5533
 
 本実習では、企業が遺伝子組換え技術で開発した製品ホタライト[発光酵素ル
シフェラーゼ]にこだわり、実験、思考、問題発見、仮説の設定・検証実験立案、
追加実験、研究発表、討論質疑応答バトルまでを1日かけて行い、科学的思考過
程(問題発見・問題解決)を実体験します。科学や思考をエンジョイしながらそ
の楽しさを伝え、高校の教科書(生物U・化学U)の内容であり入試にもよく出題
されますが、授業ではあまり扱われない生命科学・タンパク質科学の本質に迫る
ものです。また、高校生が現実の科学の世界に触れることで、科学へ自己の適性
などを考えるきっかけを与え、さらに、企業の研究者がどのように遺伝子組換え
技術を用いて製品を開発し、それがどうのように実社会に貢献しているのかを知
ることで実社会と科学技術の関わりを学ぶことができる「科学的キャリア教育」
となっております。
 進路選択の時期にも当たっている生徒さんの人生にとって重要なインパクトを
与える可能性のある企画でもありますので一度直接ご覧下さい。
※詳細は、別紙[送信可]の吉本授業指導案・実験書をご参照ください。
 
<実習日程> ※A2名で1班形成 → B2班合併で1グループ形成
@事前指導・スタッフ紹介  9:30〜10:00
Aホタライト実験      10:00〜11:55
 (生徒立案オプション実験もあり)
B実験に関するレポート作成・提出(班別グループ別討論:時間制限あり)
 仮説の設定1[班別]    11:55〜12:00
 仮説の設定2[グループ別] 12:00〜12:40
              (グループ別生徒立案追加実験も含めて) 
昼食(学食不可昼食持参)  12:40〜13:40
              (研究室見学:蛋白質科学・分子遺伝・植物生理)
C講演(実験・小問含む)  13:40〜14:50
              (赤色光を出すルシフェラーゼ)
 :タンパク質と遺伝子の関係、ホタライト試薬大量生産とその応用、ルシフェ
  ラーゼ・GFP・インフルエンザタミフルについてのタンパク質科学など
D実験結果分析解説     15:00〜15:35
E生徒発表・質疑応答バトル 15:40〜17:20
              (生徒発表練習10分含む)
Fキャリア教育事後指導   17:25〜18:40 
GSPPアンケート配布・集合写真撮影   
[注]終了時間が少し遅れるかもしれませんがご了承下さい。
 
長くなりまして恐縮ですが
この実習内容につきまして簡単にご説明しておきます。
この実習は
ホタルの光を試験管内に再現することから初め
実験や思考、不思議や謎の連発で
酵素のタンパク質科学から遺伝子DNA・遺伝子工学の話へ
そして、動物行動の本能行動へ展開し
そして、「人間とは何か」という本丸に迫り、
思考しながら本質に迫るうちに
自己の科学への適性を知ることができるという科学的キャリア教育です。
 
6月実習の生徒感想文から
「ホタライトの光は、小さく、しかし力強い光でした。その光は、確かに私に一
筋の明るい光を差してくれたように思います。」(参加高校生感想文の言葉0906
実習以下同様)という感想文にありますようにこの実習も高校生の心に光を与え
たようです。
 また「"人は たった1日でも 何をするかで変わる"」「実習のおかげで私は
変われました。多分。あの元気も自信もなくした昔の自分ではありません。今は
なぜか幸せな気分で元気です。」「阪大実習に行く度に僕は色々学んでいると思
います。issuesに挑戦する楽しさや、分かった時の嬉しさや楽しさ、新しいこと
を知る面白さ、問題を発見することの難しさ、それを解決するためにどうしたら
いいのか、など・・・。こういうことは授業では学べないし、誰からも教えても
らうことは出来ないと思います。これを学ぶ為には阪大実習のような場が絶対に
必要だと思います」と高校生は言っており、
このホタライト実習もたった1日の簡単な実習ですが存在価値のある教育企画の
ようです。
 高3年の実習で受験期にどうであらろうかと危惧されましたが、逆に「一日受
験勉強するのに費やすより、阪大実習に来たほうが絶対よかったと思いました」
と述べている高校生が多く、むしろ、この実習はこの3年生の時期でよかったか
もしれません。高3になって受験勉強で落ち込んでいる時に心のエネルギーが供
給できてラッキーということでしょう。
 また今回の実習では、高3年生用に難易度を上げたり、また、新規に3年生用
進路指導を少し入れましたが、高3年生も満足して喜んで帰られたようです。
「「問題発見」があってこそ体験できる「解決」、そう思うと、私は今までどれ
ほど「根拠のない解決」を経験してたんだろう?それぞれの「解決」には必ずそ
の問題が存在する意味があり、全ての「解決」が様々な「問題発見」に繋がって
いくんですね。・・・世の中"既に用意されたproblem"(既知)が溢れる中で"
issue"(未解決な難問題)を見つけ出すことが難しくなっている気がします。…
といってもニュートンの時代に「何がものを落としているのか?」と思った人が
ニュートン以外にさほどいないだろうと思えば、「"problem"が溢れている」の
も私の脳の錯覚でむしろ"issue"の方が多いかも。そう思えた瞬間人生が明るく
なりました。全ては世の中に積極的になること、おそらく人類がずっと続けてき
たこのことを私は忘れかけていました。」(参加高校生感想文より)
 
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吉 本 和 夫  
<自宅> 
〒560-0003 豊中市東豊中町5−24−18 
(TEL)06-6848-5533
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