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2022年02月22日

長居公園の植物案内(2月)

2月5日に実施予定だった植物園案内(長居公園編)は、大阪府新型コロナ警戒信号が赤となり、まん延防止等重点措置も実施されているため、コロナウィルス感染症拡大防止の観点から中止となりました。また、3月6日の植物園案内についても、まん延防止等重点措置が延長されることにより中止となります。申込制ではないことから早めの判断になり、申し訳ございませんがご了解頂きますようよろしくお願いします。
2、3月の見頃の植物についてはこのブログで発信していきたいと思います。
2月は何を紹介するか最も迷う時期です。2月15日に長居公園をうろうろしながら探してみました。(長谷川匡弘)
 
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1.ウメ(バラ科)
ウメの花がちらほらと咲いていました。暖かいと早くもニホンミツバチも蜜を集めに来ているを見つけることができます。

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ウメには同じ株に雄の花と両性花が見られます。この写真は雄花です。真ん中がぽっかりと空いていて雌しべが見当たりません。 
 
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一方雌の花は真ん中に雌しべがあり、柱頭が突き出ています。真ん中に注目して二つの写真を見比べてみて下さい。このような同一の株に両性花と雄花を含むことを難しい言葉で、雄性両全性同株といいます(覚えなくてもいいです)。身近な植物ではツユクサもこのようなタイプです。
 

 
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2.タイワンツバキ(ツバキ科)
カンツバキやサザンカの品種も開花が遅いものはもまだ咲いていますが、そろそろツバキの季節になります。長居公園の東側にタイワンツバキを見つけました。花の形はよく似ており、ツバキ科ではありますが、日本のヤブツバキとは別の属になります。もう少し早くから咲いていたようで花は終わりかけでした。
 
 

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3.ツバキ(ツバキ科)
こちらは日本のヤブツバキに近い形をしています。日当たりが良い場所だからか早くもよく開花していました。メジロが2,3匹花弁にとまって蜜を吸っていました。蜜を吸うときは筒状になった花弁に足をかけることが多くて、メジロが頻繁に蜜を吸っている花では花弁が汚く傷ついています。でもこんな花は花粉もたくさん運ばれていることと思います。



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4.ジュウガツザクラ(バラ科)
早くもサクラが開花しているためか、公園を歩く人はよくこの木の前で立ち止まって写真を撮っています。ジュウガツザクラという品種なんですが、名前の通り秋から春先までずっと開花を続けています。ですから早く咲いたわけではなくてずっと咲き続けているんですね。



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5.カワヅザクラ(バラ科)
本当に早咲きなのはこのカワヅザクラです。オオシマザクラとカンヒザクラの自然交雑から生まれた品種と考えられており、その原木といわれる木は今も静岡県河津町にあります。河津町では町を流れる河津川沿いにこのカワヅザクラをたくさん植えており、開花すると本当にきれいです。長居公園ではさすがにまだ蕾でしたが、2月下旬にはちらほら開花しそうですね。


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6.ジンチョウゲ(ジンチョウゲ科)
花には強い香りがあり、2月下旬頃から開きはじめます。どこからともなく漂ってくるよい香りでもう春だなあ、と感じます。よく庭などにも植えられていますが、最近少し減ってきたように思います。ジンチョウゲは中国原産の植物ですが、同じ属のコショウノキは近畿地方にも自生しています。あまり多くはないのですが、林床で早い時は2月中頃から白い花をつけています。ジンチョウゲほど強くはないですがやはりよい香りがします。