H23.1.19 大手前高校
 

平成23年度大学入試センター試験評価部会 報告

 
全体の話から
@ 今年の問題は、実験思考題と知識題のバランスがとれているか。
・良好だ。
・適当だ。
・サフラニンなどなじみのないものがあったが、意外だという部分は少なかった。
・全体に優しく、基本を押さえていて学力差を測れる問題。
・知識題が多めである。
A 学力とは関係のない非本質的な部分での失点
・特になかった。
・意味不明な問題ということはない。
・誤解や取り違いと言うことはない。
B 出題の難易度
・科目間の格差も少なく、適当な難易度ではないか。
・B問題は落とさず、A問題の知識題で失点しているものがいる。
・センター試験として適当なレベル。
C教科書逸脱
・サフラニンが細胞壁を染めることは出ていないのでは。
 
D出題分野のバランス
・問題で分野わけが行われている。
・あまり文句はない。
 
E高校の実験とかけ離れたもの
・あまりなかった。
・サフラニンは常識的な線ではないか。
・実験しなければいけないメッセージが感じられるが、実質はしんどい。
・昔の出題は実験そのものが出されたことがあった。実験方法を問われることに意味があるのかが問題にされてきた。サフラニンを知ることに意味があるのか。
 
F特定の教科書にしか出ていないもの
・サフラニンが細胞壁を染めること。
G重複解答が考えられるもの
・明らかなものはなかった。
H図がなくてわかりにくいもの
・図は親切なものだった。
I生物の問題か
大問2問1はなくてもよかったのでは。
5題というが、ABCの別れ、細切れになりすぎていないか。
J科目間格差
・あまりない
K問題量
・時間が足りないと言うことはなかった。
・問題量はもう少し減らしてもよかったのではないか。
 
各問について
第1問
A 問1
・消去法でないと解けない問題ではないか。ブラウンはちょっとしんどいのでは。
・3つ連続の選択肢では簡単な出題
・ブラウンの名前を覚えるのに意味があるのか。
・センターの問題としては、覚えるだけの学者の名前が出題されるのはどうかと思う。
・単なる知識は出さないという傾向は、今回変わったと感じた。
・重箱の隅をつつくのは困るが、知識題もありかなと思う。
・年代から(1831)からフックを消すことはできる。
・フックしか覚えてないのは困る。
・電子顕微鏡の細胞構造が出た。
問2
・悪い問題とは思わないが、アントシアンは必要。
・色素でまとめた問題でおもしろい。
・正解でない文章がわかりやすい。
・国語力が関係しない問題。
 
問3
・サフラニン液はすべての教科書に出ているのか?
・載っている教科書は少ないのではないか。
・染色液が省かれるケースが多い。
・あまりいい問題ではない。
・特定の教科書にしかでていない。
・根ではなく、茎の断面ならすぐにわかっただろう。
・昔やっていた先生が作ったのではないか。
・生物の本質からはずれた出題ではないか。
・細胞壁が染まるという記載はないのではないか。
・今回はこれが満点封じの問題か?
・高等学校でやられていない実験である。
B 問4
・このグラフは生物TからUに移ったものではないか。
・発展で生物Tにでている。
・棒グラフで表されていることがある。
・核分裂が終わって細胞質分裂が終わっていないことが分かればいいのだから、このグラフはありだと思う。
・後期終了を選ばせるのだから、これでいい。
・核分裂の前期中期後期終期と細胞質分裂が異なるところに注目して問題が作られている。
・評価が分かれる。良問とも悪問ともいえる。
問5
・平成16年に出ているのでちょっと近い過去問で品がない。
・知識ではなく、データ分析題である。
・個人的にはあまり好きなグラフではない。
・卵割にG1期がないことは教科書にないのではないか。
・細胞の成長がないという記載があるから解答できるのではないか。
・G1期がないことを知っていても解答には影響がない。あまり良問ではない。
・卵割の特徴を浮き立たせているので悪い問題とは思わない。
 
問6
・問5に連動している。
・上のグラフから読み取れと言うなら、そう書いてほしい。
・細胞分裂直後から複製が始まっていると言うことは教えていない。
・あまり親切ではない。
・問5の@を分析して答えるのはちょっとよい問題とはいえない。
・プロの出題とはいえないのではないか。
・教科書になく、ここで考えるのならもっと指示がないとわかりにくい。
・消去法でいくと知識問題といえる。
 
第2問
A問1
・受験生としては解きやすい問題。
・別にかまわないけど、選択肢が6つも必要か?
・あまり意味のない選択肢がある。
・有胚乳種子と無胚乳種子で惑わせようとしているのではないか。
・選択肢の数は昨年より減っている。
 
問2
・問1と同じ。迷いなく平均点が上がる出題。
 
問3
・教科書は原腸を内胚葉としている。と思う生徒は間違うだろう。
・かなりレベルの高い選択問題。
・消去法で出せる。
・冷静に判断していかないと解けない。
・正誤問題としては新傾向?
・良問だと思う。
・このぐらいのレベルのものはいいと思うが、こんなのばかりだと平均点が下がってしまう。
問4
・すごく長いのに、問題がこれだけという感がする。
・出題が省略されたのでは。
・生徒とすればこれだけで助かった。
・図があるのでわかりやすかった。
 
B 問5
・読むのに苦労するが、いい問題である。
・物質X、物質Yが途中からXYになって文系としては違和感がある。
・有名な実験がおおく、発生の問題としてわかりやすい。
・物質X(以下Xとする)といった記述があればよかった。
 
問6
・Yは細胞表面の物質?だからこうなる。
・単純な実験からならこれだけしかいえない。のでいい。
・生徒はそれほど迷っていない。
・消去法で解いた生徒がいた。
 
第3問
A 問1
・ストレートな知識題。
・問1なら妥当な問題。
・2つ完答になるのは珍しい配点。
・3年連続DNAが出た。
 
問2
・やさしい基本的な問題。
・国語の問題でCが選択できる。
・ハーシーとチェイス以前以後というのがわかるか。
B 問3
・理科総合Bの遺伝の問題でよく見る図である。
・生徒の混乱は少なかった。
・計算などのパターンのほうが得点しやすいが、理由の説明が弱い。
・これは学力差がよく出る問題。
・選択肢が9つは多い。
・よい問題。
 
問4
・伴性遺伝と言うほどのこともない。
・いい問題。
・なんでBで別々の問題になっているのか。
・ヒトの遺伝の問題というくくりか。
・学力差がついていい問題ではないか
C問5
・伝統的な入試問題。
・学力差がつく問題。
・この程度はできてほしい。
・連鎖は出ると予想したものが多かった。
・けっこうできている。
・逆に連鎖はこれだけという感想持つ生徒もいた。
問6
・形質を読むのがめんどう。
・基本的な出題。
・理系が有利な問題では?
 
第4問
A問1
・素直な出題。
・標準的な良問
・教科書の文章をそのままとってきたような出題。
問2
・素直な出題。
・標準的な良問
・教科書の文章をそのままとってきたような出題。
 
問3
・チロキシンなどは特定の器官に限られるのか?
・一般的にはこうだということはできる。
・Aが間違いだとすぐわかる。
・BとDに違和感がある。
・排出管←導管、言葉が変わっていることに注意。
・ちょっと微妙な表現があり、問題文を精査してほしい。
・標的器官の受容体という言葉が教科書に載っているか?
・明らかに正しい文でないと不安を覚える。
B問4
・問題文が長く、問5、問6を解くのが面倒である。
・配列を考えると1ページずつに分割できるのではないか。
・まとめて記述することだけがいいのか考える必要がある。
・あまり正解率が高いものではない。
・授業によって差がつく問題だと思う。
・単なる知識でやっていたら、丸暗記では解けにくい。
・知識題の難しいものといえる。
・悪くはない。教科書に準拠している問題だから悪くない。
・学力差がもろに出る問題。
 
問5
・強縮を滑り説でやると収縮がどんどん入っていくと考えるのか。
 最初1回の刺激ですべてすべりこむのか
 1回では少ししか滑らず、2回以上の刺激でどんどん滑り込むことで収縮が大きくなると考えるのか。どのように説明するか?
・問題としては特に問題はない。
問6
・問6になると裏返してみるのでロスが大きい。
・「潜伏期」の定義があいまいではないか。
・特にない。
 ・図3は随分縮小されている。
第5問
A問1
・まあわかりやすい出題である。
問2
・基本的な問題
・別々の得点になっていてよい。
 
問3
・昨年より小問が増え、解答しやすくなった。
・生物を知らなくてもこれしかない。
・ダミーをもう少し考えてほしい。
・一般常識問題。
B問4
・図があってわかりやすい出題である。
・図の活字が随分小さいのは何故か。
・どっちみち3ページになっているのだからもう少し工夫してもよかったのではないか。
・図をつけてもらったおかげで考えやすくなった。
 
問5
・特に問題はない。
問6
・ページが飛んで見にくい。
・図3が入っているので読み取れば解答できる問題である。
・妥当な出題。
以上 

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