大阪府高等学校生物教育研究会 00/10/05
日生教京都大会報告


日本生物教育会(JABE)第54回全国大会は、8月3日から6日まで、京都のノートルダム女子大学を主な会場として開催されました。 今年度の大会の主題は「21世紀をになう子どものための生物教育」でした。 京都での開催とあって、大阪からの参加者は30名余りで、大阪の研究発表は7題、研究協議は1題でした。大会全体の研究発表件数が44題、研究協議件数が8題であることを考えると大阪の発表の多さがわかる結果でした。
全国大会の概要は以下の通りでした。
- 8月3日は全国理事会が行われました。
- 8月4日の午前は開会式に続き総会が行われました。総会では、来年度の開催地が徳島県になることを正式に報告さました。
- 記念講演1では、京都大学名誉教授の川那部浩先生により「生物の多様性、その他」についての講演が行われました。講演内容は京大環境フォーラムの話を高校の教員向けにわかりやすく再構成したもので、「地球環境問題が変える生態学と哲学」という大きな話の中で、「地球は閉鎖系である」、「自然は多様な複合連鎖系である」等々についてでした。
- 午後の研究発表については、
B会場で、
- 府立東百舌高校の木村進先生と府立狭山高校の中田昌実先生が「大阪における高校生による指標生物調査(1)−アンケート調査法の概要−」という題で、大阪府高等学校生物教育研究会50周年記念事業の一つであった指標生物調の概要を報告をされました。
- 府立堺上高校の橘淳治、府立枚方西高校の下野義人先生と府立東百舌高校の木村進先生の「同(4)−高校生の自然観−」では、ここ10年間の高校生の自然観に関する比較研究と今後の大阪府内における環境教育の方向性について発表しました。
- 大阪教育大学付属高校池田校舎の中井一郎先生、府立東百舌高校の木村進先生と府立泉南高校の田中正視先生の「同(3)−セミの抜け殻調査−」では、同記念事業の一つのセミの抜け殻調査の結果をもとに大阪の環境を変遷や他府県との比較研究について報告されました。
- 大変残念なことですが、橘淳治、付属高校の中井一郎先生、府立島本高校の安井博司先生、府立枚方津田高校の坂井正子先生、清教学園高校の永井元一郎先生と府立桃谷高校の岡本恒美先生の「同(2)−河川の水生生物調査−」は、指標生物調査B法の調査について報告する予定でしたが、京都の大会関係者のミスで発表要旨集から抜けてしまい、資料配布にのみ終わりました。
- 府立市岡高校の寺岡正裕先生は「野外活動の場として芦生演習林の利用−芦生演習林における生物部合同合宿の実践報告−」という題で、同記念事業の一つでありました生物部の合同合宿について具体的に報告され、多方面より注目されました。
C会場では、
- 摂稜中高校の塚平恒雄先生の「二軸回転ボールの発見−生物理学の目指すもの−」は、以前からの継続として、生物と物理の融合した新しい分野についての報告でした。
- 府立美木多高校の北浦隆生先生の「総合的な学習の時間と生物教育」は、新設される総合的な学習の時間のの活用について、学会レベルや科学教育の立場から報告され、生物科としての総合的な学習の時間の扱いについて提言されました。
D会場では
- 8月5日の研究協議では、
- 府立美木多高校の北浦隆生先生が「生物の再構成(リストラ)を考えようと」という題目で、次期教育課程の生物1・2の各分野別構成について科学教育の観点から提言され、参加者より注目をされました。
- 記念講演2では、京都大学名誉教授の河野昭一先生により「環境問題−21世紀はどうなる−」という題で、都市生活型環境問題から地球環境問題まで幅広く、現状と今後の対策についてわかりやすく講演されました。
- 閉会式では、中込勝英会長の挨拶のほか徳島大会代表の深加見恒治氏が挨拶されました。
- 午後からは、現地研修と大学実験講座が行われました。
平成12年度は、8月1日〜4日の予定で徳島県郷土文化会館で大会が実施されます。大阪からも多くの参加と発表をお願いいたします。