平成16年7月2日(金)掲載
平成17年11月27日(日)更新

動物の消化管運動の神経性調節

大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻応用薬理学研究室 竹内正吉 氏

 動物が生命を維持するために、体を構成する諸器官の緻密な機能調節が行われている。
消化管は動物体内に必須な物質を取り入れるために、消化酵素の分泌、栄養素の吸収に
加えて、腸内容物の口側から肛門側への輸送運動を行っている。消化管は粘膜、平滑筋
そして腸神経叢から構成されている。腸神経系は基本的には中枢神経からの支配を受けて
おらず、結果として腸機能は腸神経系によって自律した調節を受けている。本テーマでは、
小動物の消化管運動を実際に記録し、それらの運動を腸神経がどのように調節しているか
を理解することを目的とする。
実験の模式図
 
消化管の模式図

実習内容の詳細

        モルモットを麻酔下で放血致死させた後、腹部を切開し、         
       腸を摘出し栄養液の満たしたシャーレのなかに浸す。            
       腸内容物を注射筒で洗浄し、上下を糸で結紮した後、マグナス管に装着する。 
       30〜45分程度標本の運動が安定にあるのを待つ。その後、実験を開始する。

       1.腸管の自発運動を観察する。
       2.神経伝達物質や生理活性物質に対する腸組織の反応性を観察する。
       3.最も代表的な腸運動阻害薬であるアトロピンの作用と、
         アトロピン存在下での2.で用いた各種物質の反応を観察する。
       4.時間があれば、ニコチンの作用も観察する。


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