大阪府高等学校生物教育研究会
墓石上の地衣類調査実施要領
- 記録地の選択と調査地点番号
- 明治時代以前の墓石が多数ある場所(墓地・寺院など)を調査地とする。
- 地点は担当高校番号(2ケタ)と地点番号(01〜)で表すこととし、必ず略図をつけるか、地図に地点番号を記入しておく。
- 原則として希望の市町村単位で分担調査するが、重複すれば係で調整する。
- 調査カードに、調査地の環境条件を記録する。
- 墓石の選択
- 墓地の中心部に近いところで、よくみがいてある墓石や清掃してあるものは除いて、ランダムに10基を選ぶ。(戦後のものは除き、できるだげ明治時代以前のものを調べる。また古い墓石の数が少ないときは比較的多く付着している墓石に集中してもよい)なお、新しいみがいた墓石は詞査対象から除き、墓地の中心部で地衣類が比較的よくついてそうなものを10基ずつ選ぶとよい。ついていないときはO%と記入しておく。
- 墓石の概数や調査した石の材質(カコウ岩・砂岩・玄武岩など)・建てられた年代(江戸以前・明治・大正・戦前・戦後)がわかれば記録する。
- 調査対象と同定のポイント
墓石につく「いわゆるコケ類」を次のように区別する。
- ふつう緑色でみずみずしい…蘚苔類(A)
- 灰緑色か灰色で、白い粉をふいたようで表面が乾燥している…地衣穎
- 石のもようのようで、全体としてはがすことができない…固着性地衣類(B)
- 平たい葉(径>1p)のようではがすことができる葉状性地衣類(C)
- ふちの切れ込み浅く、裏面の中央が黒くてふちがこげ茶色…ウメノキゴケ類(D)
- その他
- 測定方法
- 上記のうちBとCの被度は、4つの側面と上面で下記のようにして測定する。・地衣類の付着している部分の面積(金網をあてて地衣類を含む部分の目を数え、一つの目の面積をかける)と墓石の表面積(巻尺で縦と横の長さを測定する)を測定して被度(地衣類/墓石)を計算する。・なお、慣れてくれば、複数の調査者でだいたい何%かを目分量で判断して、それらの平均値を記録するだけでよい。また、側面は4面の平均値のみを記録するだけでもよい。
- AとDについては、4つの側面と上面を合わせて、だいだいの被度を記録する。
(3)わかりにくければ、はがすか、写真を撮影しておき、結果の報告の際に送付すること。5.結果の報告調査は原則として夏休み中に実施し、8月31日までに下記へ調査カードをお送り下さい。(送付先)〒599−8234堺市土塔町2377−5府立東百舌鳥高校・生物科・木村進(メール10)