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第8回芥川トコロジスト調査隊 4月調査報告

日時:平成31年4月28日(日)10時〜12時
場所:ごろっぱ広場〜あくあぴあ裏手の竹林
お題:春の野草、樹木
講師:あくあぴあ小柿さん

10連休2日目、気温が下がりましたが気持ちいい観察日和でした。4月から芥川緑地はバーベキュー禁止なので大賑わいと焼肉の匂いが消え、お弁当持ちで来られた人たちが落ち着いた雰囲気で新緑を楽しんでいました。7名が参加し45種の植物を観察しました。

ごろっぱ広場ではタニウツギやニセアカシア(ハリエンジュ)の花が咲いていると思いきやもう少しでした。あと1週間かな。モミジバフウは雄花が花粉を出し終えたようで既に落下していました。花弁のない雌花が独特です。果実はクリのイガイガのよう。ちなみにフウは楓(かえで)と書いて「ふう」と読みフウ科に属しますがイロハモミジ等いわゆるカエデ類はムクロジ科です。

タニウツギ .jpg モミジバフウの雄花.jpg
タニウツギ蕾(左)、モミジバフウ雄花(右)

モミジバフウの雌花.jpg モミジバフウの果実.jpg
モミジバフウ雌花(左)、モミジバフ果実(右)

ヒメコウゾ.jpg ヒメコウゾの雌花.jpg
ヒメコウゾ葉(左)、ヒメコウゾ雌花(右)
コウゾは昔紙と布の原料になったので紙麻(かみお)が転じたもの。雌花には花弁がなく赤紫色の糸のようなものは花柱、6-7月に熟すので食べてみてください。

熟すといえばクサイチゴの白い花がそこかしこに。花の終わったばかりのものが多くあと少しで赤い苺が食べれますね。美味です。クサイチゴは野草のよう見えますが樹木です。

クサイチゴ.jpg
クサイチゴ

アオキは雌雄別株です。雄株の花は終わりかけで雄しべがほとんで残っておらず、雌株の花は花弁が全て落ちていてこれから緑色に細長く膨らみ後に赤くなります。

アオキの雄株.jpg アオキの雌株.jpg
アオキ雄株(左)、アオキ雌株(右)

アオキの雄花.jpg
アオキ雄株の花と蕾(3/31撮影)、葯に花粉いっぱいの雄しべです。

アケビの白花です。葉の間から花序が垂れ下がり先端に雄花が数個、上部に少し大きめの雌花がついています。花弁のように見えるのは萼です。

アケビ.jpg アケビの花の拡大.jpg
アケビ白花(左)、アケビの雄花と雌花(右)


あくあぴあに戻って小柿さんから竹の話がありました。
竹の皮と筒.jpg
竹の皮は、左から、(1)マダケ、(2)モウソウチク、(3)ハチク

竹の筒の拡大.jpg

竹の筒は、左から、(2)モウソウチク、(1)マダケ、(3)ハチク
節が2重なのはマダケとハチク、1重なのはモウソウチク、節間が一番長いのはマダケ。皮はマダケとモウソウチクはブチ模様で、モウソウチクは毛が多いです。

竹皮は表面が撥水性、裏面は吸湿性があり、加えて抗菌性があります。中でもマダケは他二つと比べて皮が薄く柔らかいのでおにぎりなど食材を包むのに適しているそうです。モウソウチクは毛があり乾くとパリパリになりやすくハチクは節間が短く皮が小さいです。ちなみに筍として美味なのはハチク、モウソウチクの方です。

おまけの野草を二つ
キランソウ.jpg ミズヒキの葉.jpg
キランソウ(左)、ミズヒキの葉:分かりにくいですが薄く黒い斑があり弘法の筆拭きの後と呼ばれているそうです(右)

観察した種
ヒメコウゾ、ヤエムグラ、アカメガシワ、イロハモミジ、イヌビワ、アオキ雄雌、コウヤボウキ、サルトリイバラ、オオハナワラビ、サネカズラ、コナラ、クヌギ、アベマキ、ミツバアケビ、アケビ、ミズヒキ、イノコヅチ、ベニシダ、ヘクソカズラ、マダケ、ヤブタビラコ?、カナメモチ、ハコベ、コバノガマズミorヤブムラサキ?、エゴノキ、チャノキ、カキ、ネズミモチ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、コウゾリナ、エノキ、カモガヤ、オニタビラコ、ヤブニンジン、オヤブジラミ、ソヨゴ、ヒイラギ、ヒイラギナンテン、ヒサカキ、ウバメガシ、シャリンバイ、ヒメオドリコソウ、オオバコ、キランソウ 以上45種

次回、第9回芥川トコロジスト調査隊
日時:令和元年6月30日(日)10時〜12時
集合:10時にあくあぴあ1階池周り
場所:あくあぴあ付近の芥川堤防など
お題:イネ科と夏の花