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第11回芥川トコロジスト調査隊 11月調査報告

日時:令和元年11月24日(日)10時〜12時
場所:摂津峡公園桜広場〜もみじ谷〜くぬぎ谷
お題:どんぐりと紅葉
講師役:あくあぴあ芥川 小柿事務局長

快晴で暖かい日和。もみじ谷のイロハモミジの紅葉が赤や橙に色づく中、8名が参加し、観察した植物は31種でした。

イロハモミジ

摂津峡公園桜広場からもみじ谷、くぬぎ谷へと山道を展望デッキまで歩き、キャンプ場をぐるっと回って塚脇橋まで戻ります。桜広場から少し登ったところで、まずは小柿さんと参加メンバーの田中さんによるどんぐりのミニ講習会です。

ドングリ勉強 摂津峡地図

どんぐりのように堅い皮をもつ果実のことを堅果(けんか)、そのどんぐりを覆うお椀を殻斗(かくと)と言います。クリはイガが殻斗です。クヌギとアベマキの殻斗はもじゃもじゃひげ、クヌギの方がそのひげが太いように見えます。下の写真は両方とも、左がクヌギ、右がアベマキです。

ドングリクヌギ、アベマキ ドングリクヌギ、アベマキ

常緑のアラカシ、シラカシ、マテバシイは殻斗が横縞模様、落葉のコナラ、ナラガシワはうろこ状です。

ドングリ ドングリナラガシワ

クヌギ、アベマキ、クリの葉はよく似ています。

アベマキ、クヌギの葉 クリの葉

写真左:上がアベマキの葉裏、下がクヌギ 
写真右:クリの葉の鋸歯

アベマキは葉裏に星状毛が多く白っぽい、触るとふさふさ感があります。樹皮は厚いコルク層です。
クリとクヌギは葉裏が白くなく、クリは鋸歯が針状の先端まで緑色、クヌギは棘だけが目立ちます。
ただ枯葉だと両方とも鋸歯の先端が細く茶色です。樹皮はクヌギがアベマキに似て浅いコルク層でクリはコナラに似た白い縦縞状に見えます。
余談ですが、くぬぎ谷はアベマキしか見当たらないのでアベマキ谷と言うべきかも。。。


晩秋ですが、花を咲かせている草木があります。

リンドウ(写真下左)、公園の入り口を登る坂の法面に紫色の花を咲かせていました。
イナカギク(写真下右)、もみじ谷を少し入ったところに白い花。ヨメナに似ていますが、葉、茎に毛が多く、葉の基部が浅く茎を抱いています。

リンドウ イナカギク

コウヤボウキ、キク科の木本で白い筒状花がたくさん集まりその先端が5つに深裂しています。名前のとおり、その昔、高野山ではこの茎を束ねて箒(ほうき)として使っていたそうです。

コウヤボウキ

赤い果実をたくさんつけたフユイチゴを発見し試食。やや酸っぱいですが美味です。ハイカーが多いのにほとんど手付かずなのはもったいない。

フユイニゴ

ヤブムラサキの葉はビロードの感触があり、枝下にぶら下がる紫色の実が美しい。

ヤブムラサキ


(観察した種)
コブシ、リンドウ、イロハモミジ、イナカギク、ナキリスゲ(ボーベリア付)、コウヤボウキ、ヤマモモ、コバノミツバツツジ、コバノガマズミ、カキノキ、シロダモ、リョウブ、ソヨゴ、カラスザンショウ、タラノキ、カナメモチ、リンボク、ヤブムラサキ、ツルグミ、クリ、イヌザンショウ、センダン、フユイチゴ、ネズミサシ、ドングリ:クヌギ、アベマキ、コナラ、ナラガシワ、アラカシ、シラカシ、マテバシイ

次回、第12回芥川トコロジスト調査隊
日時:令和2年1月25日(土)10時〜12時
場所:あくあぴあ周辺(あくあぴあ1階の池周りに集合)
お題:冬の生き物あれこれ(仮題)
講師役:あくあぴあ芥川 高田主任学芸員