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第14回芥川トコロジスト調査隊報告 9月22日

日時:令和2年9月22日(火、祝)10時〜12時
概要:西之川原にて田んぼの野草を観察しました。参加7名、観察数35種でした。今回も観察会終了後、標本づくりに挑戦しました。
観察の様子

講師役の高田さんが絶賛する田んぼです。田んぼには入らず田んぼ脇に咲く秋の野草、水草、藻類を観察しました。

最初に田んぼの雑話、ヒガンバナとモグラの話
ヒガンバナ

お彼岸の頃、畔にニョキっと伸びて真っ赤な花を付けます。今年は花が遅くまだ蕾でした。多年草で球根なので毎年同じ場所に咲きます。球根に毒があってネズミが田畑を荒らさないように植えたとも言われますが他の野草には影響していないようです。ついでに田畑に穴を掘るモグラについて、モグラは農作物を食べると言われますが実は冤罪でモグラは穴を掘りミミズ等を食べる肉食。穴を通るネズミが農作物を食べるとのこと。ただモグラは土を掘り返すことで田畑を荒らすこともあり農業者からすると害獣です。

やや艶やかな野草を2つ
ホソバヒメミソハキ(ミソハギ科)
外来種。田んぼ野草の中では艶やかな紫色の目立つ花を咲かせる。それでも花径4mm(在来のヒメミソハキは1.5mm)。葉は細長く十字対生し基部の耳が張り出す。
ホソバヒメミソハギ

ウリカワ(オモダカ科)
花径2cm、白い3花弁に黄色の雄しべがひときわ存在感を示す。これは雄花で柄が長い。雌花は小さく柄がないので目立たない。
ウリカワ.

小さく可愛い野草シリーズ
アゼナ(アゼナ科)
最近は外来のタケトアゼナ等が多くなり、見られることが少なったとのこと。タケトアゼナは葉に鋸歯があるがアゼナにはない。また花もアゼナが小さく淡紫白色。
アゼナ.

アブノメ(オオバコ科)
花後の果実がアブの眼のようだからアブノメ。上部の葉腋から淡紫色で長さ4~5mmの唇形花をつける。
アブノメ.

キカシグサ(ミソハギ科)
この花がまた小さい。葉腋から直径2mmの花のように見える萼片の中に小さな花弁が4つ。
キカシグサ.

ホシクサ(ホシクサ科)
群生すると文字通り星が散りばめてあるように見える。
小さな頭花に雄花と雌花が混在していて雄花の雄しべがさらに小さく星型に開く。
ホシクサ.

シャジクモ
車軸藻と書き、藻類に分類される。光合成を行う植物ですが、いわゆる水草とは違います。
水草というのは維管束植物で花を咲かせるのですが、藻類は胞子で増えます。
一塊を取ってルーペで見ると透明感のある形態。
シャジクモ.

クログワイ
カヤツリグサ科の植物。緑色の細長い茎で特徴もなくニョキニョキ伸ばす。茎を裂くと間仕切りがあって空洞、指で摘むとパキパキと鳴る。根っこに黒いクワイのような塊茎ができるのが名前の由来。
クログワイ

おまけの話、カイガラムシの不思議
アベリアにつく白い物体は、カメムシの仲間のカイガラムシがロウを吐き出した塊だそうです。この中にカイガラムシいます。カイガラムシは植物の師管を通る液を吸っていて、その液は糖分が多いので取りすぎにならないよう余分な糖分をロウに変えて体外に出しているとのこと。
カイガラムシ

最後に多目的ホールで標本づくり
観察した野草を10種ほど標本にしました。要領は前回と同じでA3サイズに折りたたんだ新聞紙に採取日・場所、種名・採取者名を表に書いて挟み込み、さらに1種づつダンボール片を重ね、最後に板で上下を挟み紐でギュッと縛り付けます。今回は布団乾燥機にかけるところまでやりました。

観察した種
エビモ、アオミドロ、ヒガンバナ、ミゾカクシ、スズメノトウガラシ、ヒメミソハギ、ホソバ、カワニナ、カワセミ、クログワイ、タマガヤツリ、タケトアゼナ、シャジクモ、ミゾハコベ、ウリカワ、アブノメ、ウキクサ、キカシグサ、ホシクサ、チョウジタデ、アメリカタカサブロウ、スベリヒユ、ヒメミカンソウ、ヒナガヤツリ、コゴメガヤツリ、ザクロソウ、イヌホタルイ、マツバイ、イヌビエ、ツユクサ、ヒデリコ、カイガラムシ、ヤマハギ、メドハギ、ゲンノショウコ(35種)

次回は、冬の植物、生き物です。追って当ブログにて案内します。

以上