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第15回芥川トコロジスト調査隊報告 12月6日

日時:令和2年12月6日(日)10時〜13時
概要:あくあぴあから塚脇橋を経由し、大河ドラマ「麒麟が来る」でも放送された三好長慶居城の三好山(標高182m)を往復し、晩秋の生き物を観察しました。講師役はあくあぴあの小柿事務局長。参加者11名、観察した種は35種でした。

ぽかぽか陽気の中、あくあぴあを10時に出発し、先日、市民で補修した石の魚道を見ながら、芥川左岸を塚脇橋まで歩きます。西之川原橋のすぐ上流にりっぱなセンダンの木。隣のムクノキには少ししょぼくれた黒い実が残っていて食すも甘みはいまいち。ムクノキの葉はケヤキと似ていますが葉の付け根から3本に分かれる葉脈が特徴です。川に出張った石積みにクヌギの大木が存在感を示していました。
クヌギ
塚脇橋下流の田刈用水井堰の魚みちでは、クサシギを見ました。尾を上下に振りながら餌を探している様が遠目からでも可愛い。クサシギは、イソシギとよくに似ていますが、お腹の白色が羽の付け根の前でくい込んでいない、体上面に白斑がある、過眼線が短いところが違いです。
クサシギ
桜公園の売店横を抜け、赤橙に色づくイロハモミジを見ながら芥川まで下ります。流れ橋を渡ったところに、テイカカズラ、イタビカズラ、サネカズラ(ビナンカズラ)のカズラ三兄弟。テイカカズラは、「樹木の名前」によると、「式子内親王の墓に、彼女を愛した“藤原定家”の執念が“葛”になって巻き付いたという、能「定家」に由来」とありました。
イロハモミジ.

のどかな畑を抜けたところにニワトコの葉。講師役の小柿さんによると、小さい頃、この若枝の中心部にある髄が軽くて丈夫なので、それに葉を挟んで一緒に細かく切ってその裂片を顕微鏡で観察したそうです。見事なビワの花は今の時期なんですね。
ビワ
山道に入るとヤブムラサキの黄色、カマツカの淡いオレンジ、コバノガマズミの濃い紅色の葉。もう少し行くと、ムクロジの大木を仰ぐとこれまた大きな羽状複葉が青い空に黄色く透けていました。ムクロジの硬い実は羽衝きの羽の玉として使われたそうです。
カマツカ コバノガマズミ
ムクロジ
塚脇橋から約1時間で山頂です。芥川山城跡という看板を見ながらしばし歴史の勉強。数年前に比べて間伐が進み山頂からの眺望は素晴らしく、高槻市街はもちろんのこと淀川を超え生駒山系から金剛葛城、紀淡海峡付近まで見えていました。
三好山からの景色.jpeg
ゆっくりお弁当を食べて下山。急勾配の坂道を下ると昔の石垣が残っていて、そのそばにハダカホウズキの赤い実。美しい。ヒヨドリジョウゴに似ていますが、葉の形が違うのと実もハダカホウズキは果柄が葉腋から出ていて先端がくびれています。
ハダカホウズキ.jpeg
帰りの下山路はマダケやモウソウチクの竹林です。小柿さんの竹談義を聞きながら、30分ほどで塚脇橋に到着しました。 

次回、芥川トコロジスト調査隊は、3月末〜4月初めに、お題「春の野草を食す」を予定しています。近づいてきたら、あくあぴあブログ「部活」をチェックしてください。

観察した種:センダン、ムクノキの黒実、クヌギ、エノキ、カワセミ(ちらっと)、セグロセキレイ、クサシギ、コブシにカマキリの巣、アキグミ、イロハモミジ、タチシノブ、マメヅタ、マダケ、モウソウチク、ニワトコ、ビワの花、イタビカズラ、テイカカズラ、ビナンカズラの赤実、テングス病の桜と竹、ヤブムラサキ、カマツカ、ソヨゴの赤実、コバノガマズミ、カラスザンショウ、タラノキ、ガマズミ、ヒサカキの新芽、ヨメナ?、コウヤボウキの花の名残り、イヌツゲ、ムクロジ、縦に割れたスギ、ハダカホウズキ 以上35種