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長居植物園案内7月(中止)

長梅雨の合間、天気は比較的良かったのですが、行事再開の判断には至らず、今月の植物園案内も中止になってしまいました。きのこも多かったのですが。(佐久間)


1.テングツルタケ テングタケ科

アラカシの樹下に発生していました。テングタケ属ですが根本にツボのはっきりしない種類です。きのこの観察は上から見るだけでなく下からひだを観察し、柄や根本の様子などが重要です。写真を取る場合でも、下からや断面などを観察しておくといいでしょう。標本にするときも簡単にでもいいのでメモを書いておくといいと思います。食べると猛毒です。

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2.アイバシロハツ ベニタケ科

シロハツモドキによく似ており、ひだがやや青みがかる。また傘の上面もやや茶色くなる。梅雨明け頃の夏にたくさん発生する菌根菌。先のテングタケ科も、ベニタケ科もカシなどの樹木の根と共生しているきのこです。きのこは乾くと生臭く、辛味も強いため食用になりません。

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3.ウラジロガシ

きのこを観察していると落ち葉がよく目に入ります。照葉樹ゾーンにわずかに植えられているウラジロガシは、かわいた落ち葉の葉裏の白がよくめだつので、ウラジロガシを見つけるには下を向いて歩いている方がよくわかります。枝先には若いどんぐりがついていました。

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4.ツマミタケ(スッポンタケ科)

落ち葉を腐らせるきのこ。赤い指の間にあるグレバが悪臭を放つ。長居公園では6,7月の常連

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5.モクレン科の果実

春先に咲いたモクレン科の様々な植物が果実になっています。
オガタマノキはよく熟していました。このあと、割れて、赤い種衣におおわれた種がぶら下がります。

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オガタマノキ果実


タイサンボクは熟さず、花序が落ちてしまいます。原因はよくわかりませんが、挿し木で増やした同一個体のクローンが広がっているためかも知れません。(ごくたまに熟した果実もみられます)
左側のくるりと巻いているのが雌しべのあと、赤いうろこ状の部分が雄しべが落ちたあとで、その右側に花弁の脱落痕があります。

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6.イボテングタケの残骸とコブアセタケ
このほかにも梅雨明けの長居植物園にはたくさんのきのこが発生していました。この日はもう倒れていましたが、アカダマスッポンタケもはっせいしていました。

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