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吉良竜夫名誉会員がご逝去されました

 本会の名誉会員で大阪市立大学名誉教授の吉良竜夫先生が去る7月19日に脳梗塞のため、91歳で永眠されましたので、謹んでご報告します。
 先生は大阪市のお生まれで、京都帝国大学農学部を1942年にご卒業後、同大学の助教授を務められ、1949年からは大阪市立大学理学部教授として教鞭をとられました。この間、日本およびアジア地域において植物地理学の研究に取り組まれ、「暖かさの指数」として知られる温量指数を考案されるなど、植物生態学分野で多くの業績をあげられました。
 1982年からはご自身が設立に関わられた滋賀県琵琶湖研究所の初代所長に就任され、1984年に大津市で開催された第1回世界湖沼会議では実行委員長を務められるなど、世界の湖沼環境保全にも貢献されました。これらの業績により、先生は日本学士院エジンバラ公賞、南方熊楠賞、コスモス国際賞などを多くの賞を受賞されています。
先生は本会の創始期からの会員で、副会長や顧問などを歴任され、2007年12月には、本会の30周年を記念する講演会で「モンゴルの自然」と題する壮大なお話を拝聴したのは、まだ記憶に新しいところです。まだまだ多くのことを先生にご教示いただきたかったのですが、本当に残念です。
 吉良先生の長きにわたる本会へのご貢献とご指導に感謝しつつ、慎んで先生のご冥福をお祈りします。
(会長 石井 実)