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緊急シンポジウム「中池見湿地の保全問題」開催について

緊急シンポジウム「中池見湿地の保全問題」開催について

 中池見湿地は、福井県敦賀市に位置し、袋状堆積谷という特異な地形で、一部で水田耕作が行われているが、全体としては低層湿原として維持されている貴重な場所である。この地域には、過去に大阪ガスが液化天然ガス備蓄基地の建設を計画していることが判明。日本生態学会では1996年にこの計画の再考と湿地の保全を求める要望書を提出した。KONCでも、1997年にこの問題に関するシンポジウムを開催すると共にその内容を公表印刷した。その後、この開発計画は白紙撤回され、同湿地はラムサール条約登録湿地となった。
 ところが2012年8月に北陸新幹線施設計画が発表されたが、その路線は2002年に事業アセスメントが行われた際の計画よりも150m湿地側に変更されている。しかし、この変更に関しては、アセスメントは不要で、環境調査のみを実施するという形で事態が進行しつつある。現在の計画路線は湿地から流れ出す小川沿いの後谷と呼ばれ、過去には水田耕作も行われていた場所にある。この場所には、ミズトラノオやトチカガミなどの貴重植物のみならず、アブラボテなども生息しており、計画がこの通り実施された場合には湿地全体に多大な悪影響を及ぼすおそれが強い。
 今回のシンポジウムは、喫緊の課題として、北陸新幹線施設計画が中池見湿地の生物多様性の保全に及ぼす影響について検討し、同湿地を貴重な自然遺産として次世代に継承することを目標として行うものである。

日 時:2013年 3月3日(日) 15:00〜 関西自然保護機構大会の中で行います。若干速める場合があります。
会 場:大阪市立自然史博物館 講堂

15:00~「趣旨説明」村上興正(京都精華大学)
 15:10~「アセスの内容並びに今期計画の概要と問題点」
  笹木智恵子(NPO法人ウエットランド中池見)
15:30~「水生動物から見た中池見湿地」平井規央(大阪府立大学生命環境科学研究科)
15:50~「中池見湿地の植物」 角野康郎(神戸大学理学部)
16:10~「総合討論;新規アセスの必要性について」