夢蛤とはタイトルimage
■夢蛤の今日的価値
 日本各地の自然環境は高度経済成長期に大きな開発にさらされました。今日でこそ保全の機運が高まっていますが、環境の保全や復元を実現するには、開発前の過去の記録を知ることが欠かせません。しかしながら、その時期の具体的な記録は非常に限られています。
 夢蛤には、貝類を中心として高度経済成長期以前の分布・出現種記録等が多数記載されています。自然史学分野全体を見渡しても、このようなまとまった量の文献は希有であり、貴重な資料といえます。 また、夢蛤には採集記も多数掲載されており、特に沖縄・奄美諸島、小笠原諸島が日本領でなかった頃の風景や風俗が巧みに活写され、歴史・民俗学資料としても大きな価値を持っています。
マゴコロガイ記事image
マゴコロガイが大阪湾尾崎港で採集されたという記事。現在、マゴコロガイはいくつかの都道府県で絶滅危惧種に指定されている(「マゴコロガイ大阪湾に産す」夢蛤68号(1952年)37ページ)
■電子化による原典保存の必要性
マゴコロガイ記事image図版の多くは線画だったが、写真図版も使われた。印画紙を一枚ずつ糊で貼って完成させるという凝り様だった。写真は電子版の底本として用いた吉良氏所有の合本。(第18 号)
 夢蛤の紙質は藁半紙ですが、吉良氏が丁寧に紙紐で綴じることにより製本していました。図版の多くは線画ですが、必要に応じて写真図版も使われ、配本には印画紙が一枚ずつ貼りつけられています。半世紀をすぎて、当時の原本は紙質の劣化が激しく、ページをめくるだけで紙の端がやぶれそうになるという状態です。
 このような状態で放置していれば、いずれはその存在が失われてしまうことになります。そこで、日本貝類学会会員の松村勲氏の手により、全ページのスキャニングと手入力によるテキストデータ化が行われ、資料としての恒久的な保存が実現しました。
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