「大阪府高等学校生物教育研究会」協力会だより
一昨年度、「協力会」は名誉顧問・名誉会員・現役の先生等41名の先生方のご賛同
を経て発足しました。引き続き昨年度も40名の先生方の協力を得て、本会の目的を達
成することができました。会員の皆様に心から御礼申し上げます。
本年4月1日付で「研究会」の発展に大きく貢献された顧問の橘淳治先生がご栄転に
なり、会長の牧野修司先生も転勤されました。長い間ご苦労さまでした。今後とも「研
究会」「協力会」をよろしくお願いします。
私たちの現役時代とは異なり、「研究会」の運営は著しく困難になっています。「協力
会」の皆様、「研究会」の活動と発展のために、今後とも引き続きご支援下さいますよ
う、どうかよろしくお願い申し上げます。
なお、今年度の総会は6月1日に、以下の行事予定のとおりに開催します。都合の
つく方は、ご出席ください。最後になりましたが、会員の皆様方のご健勝を祈念します。
1 今年度も続いて会員登録をお願いします。
会費振り込み用紙を同封しますので、5月中に振り込んでいただきますよう、よろし
くお願いします。その際、用紙裏の連絡欄に近況をお書き下されば次号に掲載します。
2 2010年度事業報告
総会 (第3号で報告済み)
2010年6月2日(水)千里ライフサイエンスセンタービル・サイエンスホール
見学・懇親会「近畿大学生物理工学部」(和歌山県紀の川市)
2010年8月6日に行われた研究会の行事に便乗参加しました。(以下に報告記事)
(3)研修・懇親会 「大阪市立自然史博物館」(以下に報告記事)
2010年11月23日(祝)10時から生徒生物研究発表会が行われた。自然史
博物館と植物園の見学、近くの居酒屋で現職教員との懇親会に参加しました。
研究会の会誌は、この協力会の助成金等をもとに刊行されています。5月下旬に出来
上がりますので、次回にはお届けします。
3 行事報告
生徒生物研究発表会―大阪市立自然史博物館―
2010年11月23日(火)、第62回の大阪府高等学校生徒生物研究発表会が長居の
大阪市立自然史博物館の講堂で実施されました。
研究発表部門では、13高校20題の発表がなされた。さらに活動報告部門では、11高
校17題の活動報告がありました。その内容は、DNAから生態に至る幅広い内容であった。
またJAXAの宇宙での生物の反応や韓国などの国際的な生物の交流など現代的な内容のも
のまでと多様であった、
当日は、生徒、教員で約170名ぐらいの参加者があり、大変盛況であった。研究会から
は、牧野会長、柴原、寺岡、田中副会長、北浦事務局の他、教育センタ−の橘総括主任指導
主事、自然史博物館の学芸員の先生や近畿大学の中野悦次先生も参加されました。
なお協力会からは、江藤会長、辻本先生、松本の三名が参加しました。
会終了後、協力会会員3人と研究会の先生方と懇親会を持ち、楽しい時間を過ごすことが
出来ました。 (松本弘 記)
近畿大学生物理工学部施設見学会の報告
2010年8月6日近畿大学生物理工学部(紀ノ川市)の見学を行った。参加者は、協力会4
名(江藤会長、辻本氏、古久保氏とわたし中野俊勝)と研究会9名の計13名であった。
当日午前9時に森ノ宮駅に集合し、大学が用意してくれたバスでキャンパスに向かった。
高速道路を通って約70分程でキャンパスに着くと、事務長さんをはじめ職員勢揃いで出迎
えてもらった。
その後、会議室で学部長さんからの挨拶と広報委員長さんの学部に関する説明があった。
見学内容は、3月に行った事前打ち合わせで、入試情報の色を薄くして研究施設や成果を中
心になるようお願いしていたので、その趣旨に沿ったものとなった。
各学科の見学は、2班に分かれ少人数で研究室を回った。
○ 生物工学科細胞工学研究室では、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを
光合成の代謝系であるカルビン回路に取り込む、遺伝子組み換えをしたシロイヌナズナの研
究。雨季と乾季とでC3型とC4型に切り替えて光合成をする植物などの説明を聞いた。
また、LEDや冷陰極管(CCFL)が設置されている植物細胞培養室や遺伝子組換え植
物培養器を見学した。
○ 食品安全工学科分子生化学研究室では、生物農薬としてBacillus thuringiensis &
cristalsのタンパク質を害虫の幼虫が食べると腸の細胞膜に穴が開いて死んでゆく現象。
ジャンボタニシ、マメコガネの害虫、そしてボウフラについては、空気を除くと発生が
早いという説明を聞いた。また、PCR法実験装置、DNAシーケンス分析器、機能タンパ
ク質分析装置などを見学した。
○ 医用工学科臨床工学研究室では、見学側の希望で、電気メスと人工透析器の説明をお願
いした。電気メスは、高周波の熱によって切開し、その後、血液凝固により止血する様子と
ゲル板によって熱を逃がし、火傷を防ぐ仕組み。人工透析器については、我が国の現状とし
て約30万人位が利用しており、透析樹脂は約15,000本入っていて、その周囲を純水
の透析液が流れている。我が国では透析樹脂は使い捨てであるが、アメリカ、中国などでは
リユースしていることを聞いた。
昼食を学生食堂で済ませ小休止の後、午後の実習棟に向かったが、その移動途中振り返
ると麓の紀ノ川市の市街地が一望出来た。
○ 遺伝子工学科研究室では、学科長さんから、クローン動物の作製法、アマミノクロウサ
ギの交通事故個体からの耳介を用いたクローン胚の作製、マンモス復活プロジェクトで脚の
骨由来の細胞核をマウスの卵に入れて行うクローン作製に関する研究、ES細胞からの生殖
細胞形成に関する研究等の説明を受けた。
体験実習では、前日にホルモン処理されたマウスの卵巣を参加者により摘出し、成熟卵
細胞のある卵管膨大部の観察、そして精巣を摘出し完成精子が存在する精巣上皮尾部を観察
した。その後、顕微受精の基本操作として、マイクロマニュピレーターを用いて精子の尾部
の切断と、固定した卵細胞に細胞質が吐出しないようにマイクロマニュピレーターを挿入す
る操作方法を体験した。この実習は、参加者全員にしっかり体験してもらおうというスタッ
フの熱意もあって、予定時間を30分ほどオーバーした。この意向のために参加人数に制限
があって、多数の会員の参加が叶わなかったのが残念であった。
キャンパスを辞する際に夕立に見舞われたが、事務職員の方々に建物出口からバス乗車
口まで傘のトンネルを作ってもらった。このように、今回の見学会では、終始大学教職員の
方々のご厚意が伺えて、大変有り難い思いをした。
この後、参加者のうち大阪へバスで帰った者10名ほどは、森ノ宮で懇親会を持った。
4 2010年度会計報告(第3号での報告にミスがありました。お詫びします。)
収入 支出
前年度繰越金 57,850円 「協力会だより」
会費・寄付金 154,000円 第2号発送経費 3,700円
2,000円 9人 会費払込料金 4,200円
3,000円 17人 事務費(コピー等) 1,000円
5,000円 10人 助成金 80,000円
6,000円 1人 第3号発送経費 3,480円
9,000円 (3年分) 1人 支出合計 92,380円
10,000円 2人
(計40人) 差し引き 119,470円
「監査の結果、適正に処理されていたことを確認しました。」
5 今年度(2011年)の行事予定
どの行事も、参加者希望者は3日前までに事務局(辻本)へTELかFAXして下さい。詳細をお知らせします。
総会(研究会総会と同日時に実施)
6月1日(水)大阪市立自然史博物館 研究会総会後3:30ころから記念講演
見学・懇親会
できれば昨年同様、研究会で行われる適当な行事に便乗したいと思います。詳細は
次号で案内します。
研修・懇親会
大阪府教育センターで例年行われる研究会の「会員研究発表会」に参加し、現役の
教員と懇談の機会を持ちたいと思います。「会員研究発表会」は毎年1月下旬から
2月初旬に行われます。詳細は次号で案内します。
6 22年度『大阪府高等学校生物教育研究会協力会』会員
(記載順は生物教育研究会会誌役員名簿による)
(正会員)
浅野素雄 今安達也 松田仁志 和佐眞宏 江坂高志
柿迫 修 原本哲也 多々浩爾 中原 圓 山田孝子
渡辺勉治郎 山田 惇 足立 堯 萱村善彦 原田 彰
福坂邦男 平賀正男 古久保俊子 三木正士 江藤昌晴
西川 巌 吉川 浩 河野成孝 中野俊勝 梶村重次
辻本昭信 松本 弘 山住一郎 澄川冬彦 奥本 隆
石崎英男 以上31名
(賛助会員)
牧野修司 奥野嘉彦 杉山友重 冨田織江 大島みどり
小畑和人 寺岡正裕 柴原信彦 田中正視 以上9名
★住所、電話等の個人情報については事務局へお問い合わせください。
7 協力会役員と事務局、
・会長・・・江藤昌晴 ・ 副会長・・・中野俊勝
・幹事(事務、会計、会計監査など)・・・松本弘、梶村重次、辻本昭信
・事務局(辻本昭信) 振替 口座番号 0910−2−226178
住所 高槻市西冠1−10−1 電話 072−675−1710
8 会員の近況
振込用紙やはがき等により連絡があったものを記載します。皆様もどうか一報ください。
牧野修司
7年間にわたり研究会長をさせていただき、皆様に深く感謝申し上げます。
このたび、大阪府教育センター企画室首席指導主事で異動いたしました。また、教育セン
ター関連では、長年活躍された橘淳治先生が成美高校教頭として異動され、広瀬祐司先生が
専属の指導主事として着任されました。
今後も研究会の発展に向け、どうかよろしくお願いいたします。
足立 堯
喜寿を迎えた今年も「自然を学ぶ会」の活動や「自然資料施設」の運営など、市民や子供
たちと自然を楽しみ健康な一年でありたいと願っています。
多々浩爾
定年後にと少々音楽のCDを集めました。暇も少しできた今、聞きますと音が少し物足り
ない気がします。トライアングルやシンバルの音も小さく、さてはと聴力検査をしてもらう
と低音域と特に高音域が相当低下した老化特有のグラフが出てきました。復元できない、生
活には困らない、いろいろな変化が徐々に起きています。私の報告です。
今安達也
文学部の中にある健康スポーツ学科を独立させ、新学部長予定者として申請書作成で忙し
くしております。後輩の方々のご活躍を心からお祈り申し上げます。ありがとう。
原本哲也
「戦時の学窓の想い出」(A5版82ページ)を出版されました。お読みになりたい方は
原本氏か辻本まで連絡ください。以下は辻本の感想です。
○すごい記憶力に感心しました。学校時代を学年ごとに、成長を追ってうまくまとめられ
ています。臨場感のある新鮮な記述はさすがで、興味深く読めました。
○先生の長距離走者としてのいろいろな体験は、私もマラソンを走っていましたので大変
興味深く読ませていただきました。
○高師の受験についてはおもしろく書かれていました。今も昔も「科学する心」の大切さ
を第一にするなど、科学教育の本質は変わっていないと思いました。
○高師2年生(昭和20年)の記述は心を打たれました。特に広島への原爆投下から偶然に
命拾いされたことはすごい体験です。人が生きていることの縁を思います。
○戦時中の軍需工場での労働、原爆投下のこと(キノコ雲や死の行軍)、終戦後11月の広
島への汽車の旅、また戦後の校舎建築のための募金活動、さらに多少落ち着いた後の臨
海実習や勉学をへて大阪への就職など、いろいろ印象的な記述が多くありました。
○この著作により、先生の戦争体験やその時代の学校生活を書き残してもらったことに敬
意を表します。こうした体験を次の時代に伝えていくことは大変重要なことと思います。
私の友人や教え子にも是非読ませたいと思っています。
澄川冬彦
奈良学園中高の教諭、総務部長として公務に振り回され余裕がありませんが、この会には
協力させていただきます。
辻本昭信
浄土真宗本願寺派寺院の住職を務める傍ら、神戸薬大と大阪府大で新入学生に生物学を教
えています。放射線と生物、新型インフルエンザ、口蹄疫、バイオなど自分も勉強でき、
また学生にも教えて生物学を楽しんでいます。
|