「大阪府高等学校生物教育研究会」協力会だより
第10号(2014年4月)

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「STAP細胞」:科学における真実はひとつ
                   協力会会長 中野 俊勝
協力会会員の皆様には、日頃より本協力会の運営に多大なるご理解とご支援を賜っていますことに深く感謝申し上げます。
 さて今年1月、iPS細胞に次ぐ万能細胞として、STAP細胞が理化学研究所ユニットリーダー小保方晴子氏によって英科学誌ネイチャーに発表されました。一躍、リケジョ、白い割烹着、ムーミンのある壁面などの話題と共に脚光を浴びました。
しかしその後、コピペ論文、データ改竄、画像流用など一転して批判が集中し、理研調査委員会からは、「不正があった」との最終報告がありました。誠にもって残念な、予想だにしなかった展開となりました。その後、小保方氏から理研への不服申立がありました。その際の記者会見の様子でも、およそ科学の最先端をひた走ってきた研究者と思えない発言があり、客観的なデータの提示がなかったのが残念でした。昔から言われているように、「論より証拠」で、公開の再現実験が事の真相を明らかにしてくれるでしょう。科学に善意も悪意もなく、ただ言える確かなことは、真実は一つと言うことです。
 ところで、3月7日に日本一高い超高層ビル「あべのハルカス」が開業しました。春は黄砂やPM2.5などの影響で眺望が悪いので、空気が澄みわたる秋から冬にかけて登ってみようと思っております。その頃になると、西側では、理化学研究所のあるポートアイランドを越えて、淡路島や明石海峡大橋もしっかり見通せることでしょう。
 そして、STAP細胞についても一定の結論が出ていることが見込まれます。今回のことでは、一時盛り上がりを見たリケジョブームの熱が冷めないように、女性の科学への一層の進出を願いたいです。この点で、教壇に立つ先生方の努力を期待致します。
 それでは結びに、協力会会員の皆様の今後ますますのご健康とご多幸を祈念申し上げます。(5ページに今年度の総会案内が掲載されています。ご都合つけばご出席ください。)
 
今年度もよろしくお願いいたします
大阪府高等学校生物教育研究会
会 長   吉村  烈
 協力会の皆様、お世話になっております。昨年度から生物教育研究会の会長をしております、吉村でございます。
 昨年度の総会より、あっと言う間に1年が経ちました。その間本研究会の行事の他、日本生物教育会全国大会東京大会にも参加させていただき、他府県の方々とも知り合い、また各府県の生物教育研究会の様子も知る事ができました。いくつかの県では、日本生物教育会の会員のいないところもあるなかで、先生方が築き上げてこられた大阪の研究会の組織の重みを感じています。
 協力会の皆様の物心両面のご支援には本当に感謝しております。
 生物教育研究会への若手の先生方の参加も、少しずつではありますが、増えてきております。なんとか、本研究会を20年、30年支えてきてくださったベテランのノウハウや知識を、若手につなげていくのが、現在の最大の課題だと考えております。
 諸先輩の先生方にも、ぜひ研究会諸行事へのご参加をいただき、熱い思いをお伝えいただければと思っております。お会いできることを楽しみに、お待ちしております。
 
 
1 今年度も続いて会員登録をお願いします。
 会費振り込み用紙を同封しますので、5月中に振り込んでいただきますよう、よろし
くお願いします。その際、用紙裏の連絡欄に近況をお書き下されば次号に掲載します。
2 2013年度事業報告
(1) 第5回協力会総会 
2013年6月5日(水)研究会総会と同日に実施 (第9号で報告済み)
(2) 協力会の行事 「千里万国博記念公園」と「国立民族学博物館」
  2013年10月17日(木)に実施  (以下に報告記事)
(3) 協力会の行事 第5回歴史散歩「高野街道を歩く」と懇親会
2013年11月22日(金)に実施   (以下に報告記事)
(4)生徒生物研究発表会 
  2013年11月23日(祝)大阪市立自然史博物館において実施 (以下に報告記事)
(5)生物教育研究会会員研究発表会  
2014年1月29日(金)大阪市立南高校において実施  (以下に報告記事)
 研究会の会誌は、この協力会の助成金等をもとに刊行されています。5月下旬に出来上がりますので、6月の次号発行の際にお届けします。
 
3 行事報告  
@ 「千里万国博記念公園」と「国立民族学博物館」
                平成251017日(木)実施  辻本昭信 記
当日は、中秋にしては少し寒く感じられましたが、天気に恵まれ楽しい一日となりました。参加者は、役員(牧野、松本、辻本)のほか、科学教育センターでお世話になった松田先生、長老の多々先生に参加していただきました。松田先生とは久しぶりにお会いし、お話ができたことは喜びでした。
 モノレール「万博記念公園駅」に集合して、中央口から入場して、太陽の塔の横から梅林を通り抜け、「自然観察学習館」へ入りました。賑やかな幼稚園児の団体が去った後、ゆっくり観察できました。生きた生物が多く展示してありました。魚(メダカやバラタナゴなど)、秋の虫(スズムシ、コオロギなど)、カエル(トノサマガエル、アマガエル、モリアオガエルなど)、貝類(シジミ、モノアラガイなど)、セミの殻(ここは都会と異なり、アブラゼミとクマゼミの割合が3:1、ほかにニイニイゼミやツクツクボウシ)。公園内の草花や樹木の枝などの展示もあってなかなか充実したものでした。
次は「ソラロード」(空の道の意味)へ行き、地上20メートルに作られた木製の道を歩きながらシイ、カシなどの木々の樹冠や遠くの景色を見ました。そのあと、コスモス園に行きました。コスモスは従来の赤色、桃色、白色のほか、黄色のものが目立ちました。満開のコスモスを見ながら、「飲み物」と昼食をとりました。
食後は、プラタナス通りを歩き、バラ園を見て日本庭園を巡りました。公園内にある「国立民族学博物館」では、ちょうど渋沢敬三没後50年企画展「屋根裏部屋の博物館(アチックミュージアム)」が開催中でしたので、入場して、常設展とともにじっくり見ました。
この後は、再び公園の中央通りから中央口へ戻り閉門時間ぎりぎりの5時に出ました。秋の短い日が落ちる直前まで、多少疲れましたが、収穫の多い1日でした。又このような行事を企画しますので、その際には多くの方が奮って参加下さることをお待ちしています。
 
A第5回歴史散歩「高野街道を歩く」  
平成25年11月22日(金)実施   松本 弘 記
 参加者は、中野俊勝会長、辻本昭信氏、石崎英男氏、新城勝文氏、津田雄三氏、松本弘の6名でした。
 南海電車の三日市町駅に13時に集合して、@高野山女人堂へ八里の道標 A三日市の宿場町 B臨時本陣油屋・天誅組の休憩所 C観心寺の建築物、恩賜講堂、七星塚、楠木正成の首塚、天誅組の石碑、阿野廉子の墓などを巡検し、17時頃無事終了しました。 
 なお当日は河内長野市のグル博で槇本院の修理状況の見学や恩賜の講堂や中尊寺経を拝観できました。当日は、金堂のライトアップもあり幽玄の世界を体感しました。ちょうど紅葉の季節であったので観心寺の紅葉も見ることが出来ました。
 散策終了後、河内長野駅付近の居酒屋で懇親会を持ち、18時に散会いたしました。秋の里山や奥河内の山を含む自然を満喫できた有意義な一日でした。
 なお、第6回目については、2014年の秋頃、高野街道の散策を予定しています。会員の皆様のご参加を希望します。詳しくは、次の便りにてお知らせいたします。
 
B64回生徒生物研究発表会
平成25年1123日(祝)実施   梶村重次 記
 午後の部の終了前に少しだけ参加させていただいた。毎年のことながら、多くの生徒たちの参加で会場は熱気にあふれていた。発表の詳細については次回配付される研究会誌を参照下さい。

C生物教育研究会会員研究発表会
               平成26年1月29日(金)実施  中野俊勝 記
 大阪市立南高等学校において会員研究発表会が行なわれました。私は、今回仕事と重なったために、出席できず当日の資料をお届け頂き勉強させてもらいました。
 今回は、生物界の最新の情報や身近な材料を対象にした専門的な研究、そして2013年は5年毎の大阪府内の生物調査年に当たり、この関係の発表がありました。毎回、膨大なデータを集約し結果を分析して、分かり易いように表示されていて、このための労力は並大抵のものではなく、ご努力に深く敬意を表します。
 このようなことで、昨年度に比べて発表数も増え、研究会の力強さを感じました。
 ところで、和歌山県立高校に勤務している知人の生物科担当教員からは、地理的な条件もあって、県内では普段の研究会活動が難しいと聞いています。それで、本府の研究会資料を機会のある毎に送ってあげています。この度の会員研究発表会の資料について、そのお礼のメールを頂いたので一部を紹介させていただきます。
 「さて、この度は大阪府の生物教育研究会の資料を送付いただき、ありがとうございます。いつものことながら、多岐にわたる研究内容で刺激になります。また、普段行っている実験でも、知らないことが多くあり勉強させていただきました。」 
 今後も本府研究会の活動を少しでも広く知ってもらい、これが他府県にも広がって、生物関係の発展につながれば幸いと思っております。
会員の先生方の一層のご活躍を願っております。

4 2013年度 会計報告
 収入                 支出  
前年度繰越金  158,520円    「協力会だより」  
会費・寄付金  138,000円     第8号発送経費    5,350円
   2,000      5人        会費払込料金    3,320円
   3,000     14人         助成金      100,000円
   5,000      14人        第9号発送経費   5,400円
   6,000円      1
10,000      1人
            (計35人)          
収入合計  296,520円       支出合計  114,070円
           差し引き 182,450円  次年度へ繰り越します。  
 
「監査の結果、適正に処理されていたことを確認しました。」
2014年4月5日   会計監査  梶村重次
5 今年度(2014年)の行事予定
 各行事については、総会で決定します。次号にて詳しくお知らせします。
(1) 総会(研究会総会と同日に実施)
5月28日(水)に市立南高校(地下鉄の谷町6丁目、または松屋町下車)視聴覚室にて開催します。研究会総会(230分より開催)後に3時より記念講演(向井康比己大阪教育大学教授による「高校で遺伝分野をどう教えるか」)終了後、4時30分ころより協力会総会を行います。 そのあと近くの店で懇親会を行います。                  
(2) 研究会行事に参加
研究会で行われる事(教員や生徒の研究発表会等)に出席したいと思います。詳細は次号で案内します。
(3) 協力会の行事 第6回「高野街道歴史散歩」 
 昨年同様に松本氏の案内で実施します。紅葉の河内長野をご一緒に歩きませんか。当日は詳しい資料が配布されます。なお、詳細は次号にてご案内いたします。
(4)協力会の行事 植物観察会、博物館見学など
  内容、日時等は未定、詳細は次号で案内します。
 
 2013年度『大阪府高等学校生物教育研究会協力会』会員
                (記載順は生物教育研究会会誌役員名簿による)
(正会員)    浅野素雄   今安達也   松田仁志   和佐眞宏   
江坂高志   多々浩爾   中原    山田孝子   渡辺勉治郎
足立    萱村善彦   原田 彰   福坂邦男   平賀正男
古久保俊子  江藤昌晴   吉川 浩   河野成孝   中野俊勝
梶村重次   辻本昭信   松本弘    山住一郎   澄川冬彦 
奥本 隆   石崎英男   冨田織江   小畑和人   田中正視  
牧野修司   大江 進   竹林隆昭            以上32名
(賛助会員)
  吉村 烈   大島みどり  柴原信彦            以上 3名
    (2012年度は9名でしたが、今回は会長交代で連絡不十分のため減少しました。今年度はまた、復活してもらいたいと思います。)
    ★住所、電話等の個人情報については事務局へお問い合わせください。
 
7 協力会役員と事務局
・会長・・・ 中野俊勝   副会長・・・牧野修司
・幹事(事務、会計、会計監査など)・・・松本 弘、梶村重次、辻本昭信
・事務局(辻本昭信)  振替  口座番号 00910−2−226178  
口座名  大阪府高等学校生物教育研究会協力会
   住所  高槻市西冠1−10−1   電話  072−675−1710
FAX 072−675−1736  メール s.tsujimoto@tcn.zaq.ne.jp
《ご意見や、お尋ねなど遠慮なくご連絡ください》
研究会のホ−ムペ−ジに「協力会」のことを掲載
《事務局より》  生物教育研究会協力会が設立されてから6年目になります。
皆様のお陰により当初の目的である @生物教育研究会への助成金の授与 A生物教育研究会の行事への出席による現役先生との交流 B協力会会員同士の親睦行事 を続けてこられました。厚くお礼申しあげます。これからも引き続きご協力よろしくお願い申し上げます。なお、会の行事や運営等についてのご意見は、遠慮なく事務局までお寄せください。
8 会員の近況・投稿 
この欄は、振込用紙やはがき等により連絡があったものを記載します。皆様もどうか一報ください。また、投稿記事も歓迎します。今回は、事務局から依頼して折井先生に特別に寄稿していただきました。ありがとうございました。
            
 私の近況       折井亮夫
病を得て休職1年の後、職場復帰を果たし、不自由な身体で定年まで勤めました。退職後は、もう仕事は無理と悟り、全くの自由人。身体が思うように動かないので、残念ながら自然相手の趣味やアクションは全く放棄。代わり在職中から始めた講談に没頭。芸名太閤堂海州で活躍しています。「口だけ達者な講釈師」と自称しています。年数回の発表会の他、講談の出演機会があれば東京や北海道へも足を延ばしています。特に北海道は年3回、函館、旭川、北見へも出掛けて一席演じています。
講談をきっかけに文楽にはまり、退職を機に国立文楽劇場の文楽応援団というボランティア団体に加わり文楽解説もやっています。さらにハーモニカ教室にも加入し、不自由ながらアンサンブルなどを楽しんでいる今日この頃です。 
 写真は旭川の嵐山ビジターセンターというログハウスでの公演風景。大学の友人が責任者になっています。次のサイト見て下さい。
http://www.h3.dion.ne.jp/~a.v.c.1/index.html
 
 
(折井氏の「講談道場発表会」は毎年行われます。昨年は、9月14日に大阪市北区民センターで開催され、松本弘氏と辻本が聞きに行きました。12名の熱演を楽しませてもらいました。興味ある方、ご一緒に聞きに行きませんか。事務局の辻本まで連絡下さい。)

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