「大阪府高等学校生物教育研究会」協力会だより
第9号(2013年6月)

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だより第10号へだより第10号へ
          新会長 吉村 烈 氏のご活躍を期待!!
                                           協力会会長 中野 俊勝
協力会会員の皆様には、日々ご清祥のことと存じお慶び申し上げます。
 日頃、当協力会の運営にご理解とご協力を賜っていますこと、厚く御礼を申し上げます。
さて、今年度も協力会の行事を、本紙に掲載していますように計画しております。   事情の許します限り、お一人でも多くの方にご参加いただきますようお願い申し上げます。
 ところで、先の「協力会だより第8号」で紹介がありましたが、研究会会長が、今年度から大島みどり氏より、府立山田高等学校長吉村烈氏にバトンタッチされました。
 前会長大島氏に、「お疲れ様でした」と声を掛け、新会長吉村氏には、今後のご活躍を期待し、しっかりサポートすることを心掛けていきたいと思います。
 早速、今年度も生物教育研究会総会におきまして、来賓としてご挨拶をし、協力会からの助成金(10万円)を贈呈させていただきました。
 研究会の方々には、協力会会員の皆様の熱い思いが十分に伝わり、研究会の発展と充実につながるものと確信しております。
 研究会におかれましては、今年度、5年毎に実施されています第6回目の指標生物調査が行われ、これによって25年間の継続調査となります。この成果は全国的にも注目されていて、大いに期待しております。私は、この結果を英訳して、さらにユネスコや他の国際的な環境教育関連機関にも送付していただきたいと思っております。
 結びとして、協力会会員の皆様の今後ますますのご健康とご多幸を祈念申し上げますと共に、続きまして協力会の運営にご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 
              ご  挨  拶
大阪高等学校生物教育研究会会長 吉村 烈
 協力会の皆様、はじめまして。6月5日(水)の総会におきまして、会長に選任されました、吉村でございます。
 明るく、「生物が大好き」という気持ちで会を率いてこられた大島前会長からバトンタッチを受け、責任の重さを痛感しております。
 思えば二校目に赴任した津高校で、協力会会長の中野先生の後、生物を教えさせていただいてから、もう二十年余りが過ぎました。生徒に、生物の面白さを分かってもらいたいという思いだけは、ずっと持ち続けております。微力ながら、少しでもそのお役にたつことができるならと引き受けさせていただきました。どうぞよろしくお願いします。
 今年度から新課程の完全実施となり、ご承知のこととは思いますが、理科の4科目の中で、もっとも大きな波を受けているのが生物ではないかと考えています。
 新しく始まった「生物基礎」におきましても、現在発行されている4社の教科書が、よくいえばそれぞれ個性的でありますが、一方で、どの教科書で授業を受けたかによって、生物そのものの見方や、知識も大きく変わってしまうような状況にあります。
 生物教育界も、いっそう若返りが進むものと思われます。そんな中で、生物教育の屋台骨を支えてこられた諸先輩方に、どんどん研究会行事にもご参加いただき、思っておられること、蓄積されてきたノウハウをぜひ後輩たちにお伝えいただければと思っております。
 今後とも、ぜひご参加いただけることを楽しみに、お待ちしております。
 1 今年度(2013年)の行事予定
 どの行事も、参加者希望者は3日前までに事務局(辻本)へTELかFAXして下さい。詳細をお知らせします。
(1)第4回総会(研究会総会と同日に実施済み)
  6月5日(水)大阪府立高津高校同窓会館  3:00より研究会総会
研究会総会後記念講演 (講師は大阪大学タンパク研教授 篠原 彰氏)
4:30より協力会総会   5:20より懇親会        詳細報告は下記
(2)歴史散歩・懇親会 第5回「天誅組の道を辿る」(松本先生による案内)
1、日時:平成25年11月22日(金) 13時00分集合 ・・小雨決行
2、集合解散場所:集合は南海高野線三日市町駅改札口  解散は同駅16時30分頃
3、資料は当日配布、観心寺入山料300円 が必要
 なお、コースは@三日市駅の解説A三日市の宿場B三日市の油屋C月輪寺D三日市村役場跡・旧三日市交番E真教寺F楠公通学橋G笠松稲荷H松中亭I観心寺境内(建築、仏像、霊宝館、恩賜講堂、一星塚、楠公首塚、天誅組の石碑、阿野廉子の墓、後村上天皇陵、畠山氏の墓、松尾氏の墓、甲斐庄氏の墓、藤田精一の墓、田坂中将の墓、三十三度行者満願供養塔)
(3)吹田の「万国博記念公園」植物観察会
 1、日時:平成25年10月17日(木)小雨決行  コスモスフェスタ開催中
 2、集合:モノレール「万博記念公園駅」改札口に10時30分 モノレールは阪急京都
線南茨木駅または宝塚線蛍池あるいは地下鉄御堂筋線千里中央から乗車して下さい。
 3、弁当持参(各自コンビニで弁当、飲み物を買ってきて下さい。)
(4)研究会行事に参加
@「生徒生物研究発表会」 毎年1123日(祝)午前10時から大阪長居公園内
大阪市立自然史博物館で行われる。研究発表部門と活動報告部門とがある。
A「会員研究発表会」   発表を聞いた後、現役の教員と懇談の機会を持つ。「会
員研究発表会」は毎年1月下旬から2月初旬に行われる。
B「森林生態研究部会」  野外の調査観察会に参加する。10月頃の予定、行先
は未定。
以上の詳細については、事務局(辻本)まで連絡下されば案内します。
 
《報告記事》
平成25年度 生物教育研究会協力会総会
 2013年6月5日(水)午後4時30分から
(生物教育研究会総会の後)   於 高津高校同窓会館
出席者:中野、松本、梶村、牧野、辻本と賛助会員数名、研究会会員(オブザーバー参加)。
次第   (司会 牧野)
挨拶(協力会会長 中野)
平成24年度行事報告・会計報告(辻本) 協力会だより8号参照
平成25年度行事計画・会計予算(辻本) 協力会だより9号参照
その他
閉会の挨拶(賛助会員代表 吉村生物研究会会長)
  その後、近くの店で総勢20名での懇親会が行われた。
 
生物教育研究会 平成25年度総会と記念講演に参加      牧野修司 記
 研究会総会と記念講演が6月5日(水)に、大阪府立高津高等学校において行なわれました。協力会正会員の出席者は、中野俊勝会長、辻本昭信氏、松本 弘氏、梶村重次氏、牧野の5名でした。総会の冒頭、来賓の挨拶で中野会長が研究会への激励を行なうとともに、昨年同様、研究会の大島みどり会長に助成金を贈呈しました。
 研究会総会では、平成24年度の会務、会計、会計監査報告の後、平成25年度の議事では、会長として、吉村 烈(あつし)氏(大阪府立山田高等学校長)がなることが決まりました。
大島会長には、これまでのご苦労に感謝し申し上げます。そして、吉村新会長には、よろしくお願い申し上げます。その後、平成25年度委員、運営方針、予算などが承認されました。委員には、徐々に若い世代が増えています。
総会後の記念講演概要を次にまとめます。
<記念講演>
 講師:大阪大学理学研究科生物科学専攻 蛋白質研究所 篠原 彰 教授
 演題:『遺伝子と染色体から見るヒトの姿
      我々の身体や命の仕組みの精巧さ(大切さ)を学ぶ ヒトの持つ可能性について考える
高校との連携を進める観点から、日本分子生物学会が講師派遣事業(出前授業)をやっており、今回は、高校の生物の先生に直接話ができることに感謝を先ず述べられた。
生物学を何のために学ぶのかということについて、「われわれヒトを知るための学問であり、役に立つ情報である」ことをあげられた。その後、遺伝子は、生物の姿や性質を決めており、生物としての設計図としてレシピとしての働きを持つことを言われた。
さらに、「遺伝子とは何か?」「2つの似た動物でも染色体の形、数が大きく異なる」「ヒトとチンパンジーの違い」「遺伝子と染色体」「癌(ガン)細胞では複数の染色体異常が生じている」「ヒトのガンは遺伝子の変化(欠損)によって生じる」「ガンは遺伝する場合がある」「遺伝子(タンパク質)から見た出産の話」「ヒトの流産と染色体の数」「減数分裂と卵子形成」「老化も遺伝的に決まる」「遺伝子から見た老化の話」「遺伝子から見た性格の話」「環境による変化は世代を超えて伝達する 栄養ストレスの遺伝:胎児プログラミング仮説」などに関して、具体的な写真や最近の情報をあげ、わかりやすく講演をされた。
生徒にもわかりやすく、興味深い多くの題材について話されたが、「ガンの鍵になる変化は5〜6個と言われ、4個では遺伝子の(変化)欠損は起きない。」「生物の性質は、遺伝子(先天的)と環境(後天的)により決まり、7割ほどは後天的と考えられるが、まだよくわかっていない。」などが特に記憶に残りました。
 
 
2 平成25年度予算
  収入                  支出
  前年度繰越金 158,520円     発送経費(第8号、第9号)
会費・寄付金 130,000円                9,000円
                       会費払込料金     4,000円
                       事務費(コピーなど) 2,000円
                       助成金 交付   100,000円
                      予備費      173,520円
  収入合計   288,520円         支出合計  288,520円
 
25年度『大阪府高等学校生物教育研究会協力会』会員 (H25.6.20現在)
                  (記載順は生物教育研究会会誌役員名簿による)
(正会員)
  浅野素雄  今安達也   和佐眞宏   江坂高志
  多々浩爾  中原    山田孝子   渡辺勉治郎   足立 
萱村善彦  原田 彰   福坂邦男   平賀正男   古久保俊子
江藤昌晴  中野俊勝   梶村重次   辻本昭信   松本 
山住一郎  奥本    石崎英男   小畑和人   田中正視
牧野修司  大江 進   竹林隆昭              以上27名
(賛助会員)
  吉村 烈  大島みどり  柴原信彦              以上3名
   ★会員の住所、電話等の個人情報については事務局へお問い合わせください。
4 協力会役員と事務局
・会長・・・中野俊勝     副会長・・・牧野修司
・幹事(事務、会計、会計監査)・・・松本弘、梶村重次、辻本昭信
・賛助会員代表・・・吉村 烈、寺岡正裕
・事務局(辻本昭信)  振替  口座番号 0910−2−226178
口座名  大阪府高等学校生物教育研究会協力会
   住所  高槻市西冠1−10−1   電話  072−675−1710
FAX 072−675−1736  メール s.tsujimoto@tcn.zaq.ne.jp
《ご意見や、お尋ねなど遠慮なくご連絡ください》
研究会のホ−ムペ−ジ(http://www.omnh.net/seiken/ )に「協力会だより」を掲載
5 会員の近況
この欄は、振込用紙やはがき等により連絡があったものを記載します。皆様もどうか一報ください。また、投稿記事も歓迎します。今回は、事務局から江坂先生に依頼して書いていただきました。ありがとうございました。なお、HPには写真がカラーで出ます。
 
渡辺勉治郎氏
生物研究会の先生方には、日々生徒の御指導にご尽力のことと存じます。今後ともご活躍下さい。定年後20年、今はボランティア活動と趣味の俳句に充実の日々を送っています。
中野俊勝氏
 昨年11月、松本弘氏のご案内で第4回歴史散歩「高野街道を歩く」に参加させてもらいました。詳細な資料に加えて、要点を押さえたわかり易い説明が有難かったです。
 帰途の電車の中で、この日同行していただいていた古久保先生が、「今何をしておられるのですか」と尋ねられました。それで、「私の地元の岸和田市教委関係の仕事をしています」と答えると、「えっ」と驚かれました。そして、「私の妹も、同じ岸和田市の教育委員長を以前していました」とおっしゃいました。それで、改めて思いも寄らない不思議な『つながり』を感じました。後日、市の別の審議会で妹さんにお会いして、ご挨拶を交わしましたが、現在も更生保護サポートセンター長をされていて、ご活躍されておられるとのことでした。
小畑和人氏
 退職して3年目になりますが元気に勤めています。機会があれば協力会の集まりに出たいと思っています。
 
サモアで暮らして
元 大阪府教育センター 江坂志
 
 
 JICAのシニアボランティアとして2年間、南太平洋の島国、サモア独立国に行ってきました。ウポル島とサバイイ島からなる、珊瑚礁に囲まれた小さな国です。人口は18万人。ラグビーの強さやサモア島の歌でご存じの方もあるでしょう。気候は年中最高気温が30℃、最低が26℃ぐらいで、雨期と乾期があります。電気、水道、インターネットはOK、治安も良い方です。
 現地の主食はタロイモ、バナナ、ブレッドフルーツで、魚や肉も豊富です。伝統的な食べ方は、ウム料理と言って、熱した石の上に食材を置き、バナナの葉などで覆って作る蒸し料理です。ココナッツミルクや塩で味付けをします。最近では輸入食材も増えてきていて、その多くはニュージーランドやオーストラリアから入ってきます。
 






カツオ1本が400円程度
私の仕事はサモア国立大学看護健康科学部での科学実験の指導でした。微生物学、細胞学、生理学、解剖学領域の実験指導ですが、日本の中学・高校でおこなうような、簡単なものしかできませんでした。算数の理解度が低く、大学生でも掛け算割り算、小数計算が出来ない学生が多く見られます。初等教育に問題があるため、政府は改善に努力していますが、時間がかかりそうです。
生理学の学生たち:年配者も、男性も英会話は私よりよほどましで学生に大分助けてもらいました。この学部では4分の3が女性、4分の1が男性でした。子持ちの女性もいます。教官は7人、すべて女性でした。大学の新学期は2月半ばで、6月までが前期、一週間の休みの後7月から12月半ばが後期です。
 首都アピアのあるウポル島の南端には珊瑚礁のきれいなビーチリゾートがあったのですが2010年の津波で壊滅的な被害を受け、珊瑚の多くも死滅してしまったそうです。徐々に復興はされているものの、まだその影響が残っていました。
 
 
     きれいな海                                   ロッジ

 のんびりするには良い所です。長く滞在すると飽きてしまいそうですが・・・。休みの日にJICAのボランティアグループで遊びに行ってきました。海の青さを眺めていると、環礁の外で鯨が潮を噴きながら泳いでいるのが見えました。
 サモア人の家の庭には、タロ、ブレッドフルーツ、バナナ、パパイア、マンゴー、ココヤシなどが植えられており、鶏やブタ、犬などが放し飼いになっています。魚も豊富なので、日常の食べ物には不自由しません。景色も良く,暖かいので、地球最後の楽園などと言われる所以です。しかしながら、現金収入の道がありません。国の人口と同じくらいの人々が海外に働きに出ており、その送金があてにされています。子供の人数は多いので、学費もままなりません。国内に適当な働き口が不足しています。外国の情報や製品はどんどん入ってきており、見れば欲しくなるのが人情。ローンを組んで車や電気製品を買ってしまい、ローンの支払いに苦労している家庭も多いようです。
 
右はサモア独立国の国花、テウリアです。
毎年、この名を冠したテウリア祭りが1週間
かけて行われます。
 
言葉には苦労しましたが、まあまあ楽しく活
動をすることができました。
 

 
 

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