「大阪府高等学校生物教育研究会」協力会だより
11号(2014年6月)

だより第10号へだより第10号へ

だより第12号へだより第12号へ
      平成26年度総会を終えて
<研究会の世代交代と各層(?)交代と一致が・・・>         
協力会会長 中野 俊勝
 向夏のみぎり、協力会会員の皆様には日々ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、本年度も5月28日(水)大阪市立南高等学校にて、総会を開催し議案を滞りなく議決いたしました。そして協力会行事を計画いたしまして、会員の皆様のご参加をいただき、近況や懐古談もお聞きしたいと考えております。是非お誘い合わせの上、ご参加賜りますようよろしくお願い申し上げます。
協力会総会の前に開かれた生物教育研究会総会において、今回も来賓としてご挨拶をし、続いて研究会会長吉村烈氏に、協力会会員の皆様の熱いお気持ちのこもった助成金(10万円)を贈呈させていただきました。吉村会長さんからは、「いつも物心両面でのご支援を有難いことと感謝しております」と謝辞がありました。
 ところで、以前から言われていますように、研究会におきましても来春に団塊の世代のおしまいに当たる人たちが退職されます。研究会の核となっておられた方々が抜けられるので、その影響は必至と思います。一方、今年度から新たに若い委員が4名誕生したとのことです。研究会の理想的な構成は、指導力の円熟したベテランと、これに続く中堅そして活力の豊かな若手が、バランス良く夫々の役割を連携して果たすものであると思います。
このことで言いますと、世代交代は各層(?)交代でスライドしていくのが望ましい形です。しかし一時期、教員採用が少ないか殆ど無かった頃の影響で、40代、50代の先生方が極端に少ない状況です。この窮地を研究会の皆さんで、協力し英知を絞って乗り切っていただきたいと思います。そして、大阪府高等学校生物教育研究会の一層のご発展を願っております。
 協力会会員の皆様の今後ますますのご健勝とご多幸を祈念申し上げますと共に、これからも引き続き協力会の運営にご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 なお、今春ご退職されました研究会前会長大島みどり氏に、協力会新幹事として加わっていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 
平成26年度にあたって 
生物教育研究会会長  吉村 烈
 協力会の皆様、大変お世話になっております。
協力会の会長の中野先生は、高津高校で長年生物研究会に関わられ、また生物部を育成されました。その中野先生が転出された後、私は高津高校に赴任しました。当時の生物部が、海の合宿(海産生物の調査やウニの発生)、山の合宿(生物による水質調査)を行い、またすでに長年にわたり大阪城の濠のプランクトン研究を行っていたことは驚きでした。彼らと活動しながら、生徒とともに生物を学ぶという意味を、教えられたような気がします。
「生物」として教えなければならないことは、年々増えているように思います。しかしその根底にある、生き物への、生きているということへの「驚き」「気づき」を生徒たちに伝えるために、また、その思いを若い先生方に伝えるために、研究会は活動を進めていきたいと考えております。
今後とも変わらずご理解・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 
生物教育研究会と協力会について
賛助会員代表(生物研究会副会長)寺岡 正裕
協力会発足6年目、おめでとうございます。私はこの平成26年4月1日に開校しました府立すながわ高等支援学校の校長を拝命し、みなさまに支えていただきながら職責を果たす所存です。そういえば協力会が発足した平成21年(2009年)の夏に体調を崩し、闘病生活を余儀なくされ、ご心配をおかけしましたが、現在は元気でやっております。今は研究会の仲間とともに生物の話で盛り上がるのが一番の楽しみであります。
さて、我々は研究会の一員として生物の面白さを大阪の生物教員だけでなく、全国の先生方に発信し続けてこれたのも、研究会で活動・活躍されてきた先輩教員からの熱い思い、それに応えようとする現役委員の熱き心、おもろいことやったらみんなで共有しようやという大阪人独特のサービス精神いっぱいのメンバーたちだからこそ、無休で勤務時間外に自分の時間をたくさん使ってやってこれたのかなと思います。
しかしそれも使える資金があってこそで、ある時から教科教育研究会への校長裁量予算からの助成がなくなることになり、頭を抱えるはめに。次善の策は個々の生物教員からの個人会費を集めること・・・でも全員が出してくれるわけじゃなく、あてになりません。じゃ、外から集めようということでその当時入試センターにおられた中野先生の仲介で平成21年(2009年)3月に近畿大学から生徒生物研究発表会の要旨集、副賞代を援助してもらうことに。そのおかげで発表会は大いに助かっております。これだけじゃまだ足りないよねということで、現役はどんどんいなくなるけど、卒業した、これから卒業する先輩たちから援助してもらおうということで、牧野会長当時に、足立先生、辻本先生らと相談し、「協力会」という形で平成21年(2009年)6月に発足し、発起人として江藤昌晴、中野俊勝、梶村重次、辻本昭信、松本弘という先生方が名を連ねられることで華々しく立ちあがりました。
この「協力会」は研究会にとって資金面以外にも大きく有りがたい存在になっています。先輩たちとの交流が自然な形で行われるようになり、総会にも生徒生物研究発表会にも来ていただき、あとの懇親会でもいろいろなお話を伺うことができるようになり、現役教員はヒントをいただき、現場で生かすことができ、幸せです。
今後も協力会と研究会が一体となって発展し、相互交流することでマンパワーにあふれた生物教育の面白さを発信し続ける会でありたいと思います。先輩方、今後も会の活動に参加いただき、現役を励ましていただければ幸いです。今後ともよろしくお願いします。
 
 1 今年度(2014年)の行事予定
 どの行事も、参加者希望者は3日前までに事務局(辻本)へTELかFAXして下さい。詳細をお知らせします。
(1)第6回総会(研究会総会と同日に実施済み)  
  平成26年5月28日(水)大阪市立南高校視聴覚室  3:00より研究会総会
研究会総会後記念講演 「高校で遺伝分野をどう教えるか」
(講師は大阪教育大学教授 向井 康比己 氏)
4:30より協力会総会   5:20より懇親会     詳細報告は下記
(2)歴史散歩・懇親会 第6回「天誅組の道を辿る その2」(松本先生による案内)
1、日時:平成26年11月21日(金) 13時00分集合 ・・小雨決行
2、集合解散場所:集合は南海高野線の大阪狭山市町駅西側改札口
 解散は近鉄長野線の川西駅16時30分頃
3、資料は当日配布  コースは@大阪狭山市駅 A報恩寺 B狭山藩邸跡 C狭山池樋
役人の街(東新宿)D加太村龍雲寺 E廿山村長福寺 F西国三十三度行者満願塔(富二中前)G錦織神社 H西国三十三度行者満願塔(2ケ所)I水郡邸 J養楽寺 
K川西駅 
(3)私市の「大阪市立大学理学部 植物園」植物観察会
 1、日時:平成26年10月24日(金)10時30分 小雨決行  
 2、集合:植物園正門   京阪交野線「私市駅」下車 徒歩6分 
              JR学研都市線「河内磐船駅」下車 徒歩20分
 3、弁当持参(各自コンビニで弁当、飲み物を買ってきて下さい。) 入園料350円
(4)研究会行事に参加                   
@「生徒生物研究発表会」 毎年1123日(祝)午前10時から大阪長居公園内
大阪市立自然史博物館で行われる。研究発表部門と活動報告部門とがある。
A「会員研究発表会」   発表を聞いた後、現役の教員と懇談の機会を持つ。「会
員研究発表会」は毎年1月下旬から2月初旬に行われる。
 
《報告記事》    平成26年度 生物教育研究会協力会総会
5月28日(水)午後4時30分から(生物教育研究会総会の後)南高校視聴覚室
出席者:中野、梶村、牧野、辻本と賛助会員数名、 研究会会員はオブザーバー参加
次第   (司会 牧野)
 1、挨拶(協力会会長 中野)
 2、平成25年度行事報告・会計報告(辻本) 協力会だより10号参照
 3、平成26年度行事計画・会計予算(辻本) 協力会だより11号参照
 4、その他
 5、閉会の挨拶(賛助会員代表 吉村生物研究会会長)
  その後、近くの店で総勢20名で懇親会が行われた。
生物教育研究会の平成26年度総会と記念講演に参加
        牧野修司 記
 研究会総会と記念講演が5月28日(水)に、大阪市立南高等学校において行なわれました。協力会正会員は、中野俊勝会長、辻本昭信氏、梶村重次氏、牧野の4名が出席しました。
 研究会総会の冒頭、吉村 烈会長の挨拶があり、その後、来賓挨拶で中野会長が研究会活動への激励を行なうとともに、昨年同様、研究会会長に助成金を贈呈しました。
 研究会総会では、平成25年度の会務、会計、会計監査報告、実験書会計報告の後、平成26年度の議事で、委員が決まりました。20歳代の委員の方も4名ほど入られたとのことで、今後の活躍が期待されます。あと、平成26年度運営方針、予算などが承認されました。
総会後の記念講演があり、印象に残ったことを次にあげます。
<記念講演>
 講師:大阪教育大学 向井 康比己 教授
 演題:『高校で遺伝分野をどう教えるか』
DNAの二重ラセンが様々な本や教科書に載っているが、ラセンが左巻きになっている教科書が初期にはあったらしい。世界で発行された切手の絵柄などにも、間違ったラセン構造が認められる。また、植物などで見られるラセン構造はやはり興味深い。
遺伝学は、英語でジェネティックであり生物学の中でも、極めて論理性が重要視される学問である。しかし、遺伝学の用語についても、誤った解釈がされることがある。遺伝学会では、正確さを高めるべく、遺伝用語を改訂するよう提案している。例えば、「優性と劣性」は「顕性と不顕性」、「対立遺伝子」は「アレル」、「突然変異」は「変異」などである。
大学生の遺伝の理解が充分ではなかったりする。例えば、「分離」について、形質が3:1に別れることだと思っている者がいる。
センター試験においても、理解しがたい問題が出ることがある。
メンデル遺伝は、中学校に降りてしまい、「生物基礎」では遺伝子レベルの内容だけになり、ようやく選択の「生物」にあるが、そこまで受ける高校生の割合が少ないと思われる。
高校で生物を受講するのが、以前は高校生5割以上だったが、今後、さらに増えることが望ましい。
講演の後、質問があり「対合」についての読み方が、教科書にタイゴウとあるが、ツイゴウではないのかとの問に、「関東ではタイゴウ、関西ではツイゴウとなってしまっている。」と答えられ、面白いことであった。
 
2 平成26年度予算
  収入                  支出
  前年度繰越金 182,450円     発送経費(第10号、第11号)
会費・寄付金 130,000円                9,000円
                       会費払込料金     4,000円
                       事務費(コピーなど) 2,000円
                       助成金 交付   100,000円
                      予備費      197,450円
  収入合計   312,450円         支出合計  312,450円
                      
26年度『大阪府高等学校生物教育研究会協力会』会員 (H26.6.25現在)
                  (記載順は生物教育研究会会誌役員名簿による)
(正会員)
  浅野素雄  今安達也   松田仁志   和佐眞宏   江坂高志
  中原   渡辺勉治郎   足立    萱村善彦   原田 彰
  福坂邦男  平賀正男   古久保俊子  江藤昌晴    吉川 浩
中野俊勝  梶村重次   辻本昭信   松本     山住一郎
澄川冬彦  奥本    冨田織江   小畑和人   牧野修司  
大江 進  竹林隆昭   大島みどり             以上28名
(賛助会員)
  吉村 烈  寺岡正裕   杉山友恵   柴原信彦   井上慎一 
幸川由美子 中根将行                   以上7名    ★会員の住所、電話等の個人情報については事務局へお問い合わせください。
4 会員の近況 
この欄は、振込用紙やはがき等により連絡があったものを記載します。皆様もどうか一報ください。また、投稿記事も歓迎します。今回は、事務局から寺岡先生に依頼して書いていただきました。ありがとうございました。
中野俊勝氏 
5年程前に高松、高知に仕事で行った際に、時計を忘れたので慌てて百円ショップで腕時計を買って間に合わせました。この時だけ使えればいいと思っていたのですが、この後も正確に時を刻み、2年半して電池が切れました。時計屋さんに電池交換に行きますと、「この時計だと10個は買えますよ」と言われたのですが、愛着が生まれていて手放す気にはなれませんでした。結局、今も時々腕に巻いていますが、未だに正確に時を刻んでくれています。今は使い捨ての時代ですが、モノを大切にする文化を身近に感じた次第です。
大島みどり氏
協力会の皆様、今年から入会させていただく事と成りました。また、役員を、との事、身に余る事と存じますが、精一杯努めさせて頂きたいと思っております。宜しくお願いいたします。
 さて、私の近況ですが、「プータロー」です。在職中に就活をする事ができなくて、「プー」です。これから、頑張ろうと思っております。併せて宜しくお願いいたします。
古久保俊子氏
 折井先生の近況、感動の一語に尽きる想いで拝読しました。沖縄大会、西表の森林、捕虫網をお持ちで。その後、車いすで会合に。どちらも印象深く思い出されます。例年北海道で講談をご披露との事。昨年7月から北海道森林管理局長として在任中の次男、講談に惹かれていると話していたことがあります。万が一ご縁があれば、と、ふと。
訃報 多々浩爾氏
5月中旬に今年度協力会の総会(5/28)にお誘いするために電話しました。その時奥様より今年の2月7日に急逝されたことを知らされました。誰にも連絡せず親族だけで葬儀を行い、5月5日に納骨をすませたとのことでした。死因は心臓上部の動脈瘤解離でした。
当日の朝も普通に生活しておられ、車に乗ってガソリンスタンドへ給油に行かれました。夜、八尾高校の卒業生と電話しておられた途中に倒れられたそうです。人生無常、突然に85歳の生涯を終えられました。
多々先生は長く豊中高校に勤務され、生物教育研究会の委員として長い間お世話になりました。協力会の設立に際しても足立先生とともに顧問として相談に乗ってもらいました。
私は教師になって以来、いろいろと教えてもらいました。先生の工夫と工作は職人芸で、動物行動(周期性)の自動記録装置の作製や減数分裂(染色体分離)、発生(原稿陥入)をわかりやすく教えるための教具の工夫などを学ばせていただきました。研究会の会合やお酒の席、研修旅行などでもいろいろご一緒させていただきました。昨年の協力会の行事「千里万博記念公園と国立民族博物館見学」が最後になりました。先生との懐かしい思い出がいっぱいです。   法名 釋 法爾 「南無阿弥陀仏」      (辻本昭信 記)
 
5 協力会役員と事務局
・会長・・・中野俊勝     副会長・・・牧野修司
・幹事(事務、会計、会計監査)・・・辻本昭信、松本弘、梶村重次、大島みどり
・賛助会員代表・・・吉村 烈、寺岡正裕
・事務局(辻本昭信)  振替  口座番号 0910−2−226178  
口座名  大阪府高等学校生物教育研究会協力会
   住所  高槻市西冠1−10−1   電話  072−675−1710
FAX 072−675−1736  メール s.tsujimoto@tcn.zaq.ne.jp
《ご意見や、お尋ねなど遠慮なくご連絡ください》
研究会のホ−ムペ−ジ(http://www.omnh.net/seiken/)に「協力会だより」を掲載

トップに戻る Home へ