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2013年10月24日

博物館実習最終日

友の会秋祭りが雨天のため中止となりました。
なので、動物研究室の方について館内での実習作業を行うことになりました。

まずは、特別展の展示の撤収作業を行いました。
実習期間中、何度か展示の撤収作業をする度に感じたことですが、展示として見られる資料は博物館が所蔵する資料のうちの氷山の一角に過ぎないということです。それほど、収蔵庫には多種多様な展示品が収蔵されています。

次に動物の剥製を扱う実習をさせていただきました。
まずは鳥の標本のラベル作成を行いました。今回の実習期間中には植物や昆虫などの様々な標本資料を扱いましたが、ラベルとしてそれぞれの情報をきちんと示しておくということは本当に重要です。ラベルが外れていたり、その情報が不正確であったりすると、標本としての価値は一気に下がってしまいます。
そのためにはラベル作りにおいては、1.標本から絶対に外れないように工夫して取り付けること。2.皆が読める字で記述すること。以上の2点が重要になります。
次に動物の毛皮を薫蒸するために、袋詰めにしていきました。以前では薫蒸は薬品で行うことが多かったようですが、最近では薬害を防ぐために低温で処理することが主流になっています。
自然史博物館では-40℃の冷凍室で処理を行いました。

2013年10月20日

博物館実習4日目 4班

午前中は収蔵庫の様々な植物標本について詳しく説明していただきました。標本が重要である理由はどの学芸員の方も同じことを言われているので、標本の保存がいかに大切かわかります。実際に見せていただいた標本はタンポポの標本です。ほとんどの標本はロゼット葉がわからないようになっていますが、ロゼット葉がわかるように押されているものもあり、これが見せるテクニックか、と思いました。植物標本の中には押されていず、もとの形をそのまま残しているものもあり、面白いものも見せていただきました。大学で学んだこと以上のことを教えていただき、植物標本の奥深さを感じました。
午後からは寄贈された植物標本を収蔵庫に入れるための準備段階の作業をしました。標本と一緒に虫がいないかのチェックで、虫がいる場合は冷凍庫で2週間ほど燻じょうしするそうです。その後台紙に貼るまで何段階か作業があるということで、今回の作業は標本作りのほんの一部であり、数においても何千あるうちの一部ということでした。自然系の博物館の学芸員は展示だけでなく、標本資料の作成・保存という仕事もあるので、仕事量の多さを感じました。
大学では主に文化系の博物館について学び、博物館見学も大学の近くには文化系のものが多いので文化系がほとんどでした。なので、今回の自然系の博物館での実習は新しく学ぶこと、感じることが多くあります。新しい発見が多い分、楽しく実習ができ大変貴重な体験であると思っています。教員向けの講座もあるとお聞きしたので、来年以降機会があればまた学習させていただきたいと思ったのと、自分でも色々な分野で自主的に調べ学習をしたいと思いました。

博物館実習 4日目

本日で実習も4日目と、ついに終盤を迎えました。
私たち二班は、まず午前中に、数日前まで開催されていた特別展の片付け作業をさせていただきました。実習初日の館内案内でも目にしましたが、この「いきものいっぱい大阪湾~フナムシからクジラまで~」と題して行われていた特別展では、大阪湾に由来する様々な生物・環境に関する展示が行われていたようです。ある程度片付けが進んだ後とは言え、展示室内には目を引かれる展示物が数多く設置されていました。まず私たちは、50kg以上は有ろうかという大きなサメの剥製を撤去する作業を行いました。高い天井からワイヤーと鎖でつながれた剥製を、いかにして安全に地上まで下ろそうか、実習生同士で相談しつつ試行錯誤して取り組みました。その後も、展示室内に広げられた装飾や用具など、今回の展示会ために用意された設備の片付けに取り組み、華やかな企画展の裏で行われていた、学芸員の方々の工夫や苦労を知ることができました。
変わって午後からは長居公園内の植物園に向かい、翌週に予定された植物園案内のイベントへ向けた準備を行いました。今回のイベントのテーマが「ダンゴムシとワラジムシ」ということで、まず私たちも、当日のサンプルとなるダンゴムシとワラジムシの採集を行いました。その後、実習室で顕微鏡を用いて、採集したダンゴムシ・ワラジムシを形態的な特徴を頼りに種別に分類する作業を行いました。このような楽しいイベントの裏でも、学芸員の方々が手間をかけた準備の仕事をして下さっているのだと知ることができました。
今日は一日通して、イベントや展示会の前後での学芸員の隠れた仕事を体験することができました。完成した展示や催しを見るだけではわからない、学芸員の方々の影での多大な仕事の一部を見ることができたかと思います。
天候の関係で、明日に予定されていた「友の会秋祭り」は中止となってしまいました。残念ではありますが、ここで気持ちを切り替えて、最終日となる明日の実習でも多くのことを学んで帰れるよう、精一杯頑張りたいと思います。

2013年10月19日

博物館実習 4日目

博物館実習も半分を過ぎて、4日目となりました。
1班は、午前中は一般・特別収蔵庫にて昆虫の標本を見せてもらいながらお話を聞きました。初日にも、一般・特別収蔵庫には入ったのですが、1つの分野でじっくり説明を聞くことがなかったので、とても興味深かったです。
昆虫の標本は、紫外線で色褪せたり、虫に食べられてしまったり、カビが生えてしまうことがあるので、大事な標本は展示できないと知ってもったいないと思いました。標本の保存技術がこれからもっと発達して、貴重なものも現状を維持したまま展示できるようになればいいと思います。

その後は、ヒメバチの標本のデータをエクセルに打ち込む作業を行いました。ラベルに書いてあるデータを『種名・♂♀・採集地・緯度・経度・採集日・採集者』として打ち込みました。単純作業ではありますが、慣れていないため、午前から始めたにもかかわらず、結局15時過ぎくらいまでかかってしまいました。
標本の受け入れ方法や標本の入っているドイツ箱のお話も教えていただきました。ドイツ箱が1箱6000円もすると知ってとても驚きました。
明日の友の会秋祭りは中止になってしまい残念でしたが、最終日は担当学芸員の方が決まっていないので、どの分野を実習をさせてもらえるのかとても楽しみです。

博物館実習 4日目

本日は、博物館実習4日目でした。
私たち3班は、本日は午前中は午後より行われる講演会の準備としまして、会場で配布するアンケート用紙の作成の手伝いをさせていただきました。質問項目を考え、博物館に来ていただいた方の生の声を聞くために、どうすれば良いのか、全員で考え無事に、アンケート用紙を作ることができました。

午後からは、学芸員の方の講演の手伝いとしまして、会場の受付などを手伝わせていただきました。
講演内容も聞かせていただき、自然史博物館とはこういうところなのか、と再認識するとともに、学芸員の方の凄さに再度触れる良い機会になったと感じました。
講演終了後は、来館された方々のアンケートから、今後自然史博物館をどうすれば良いのだろうか、ということを全員で話し合い、レポートにまとめました、みなさん多種多様なものの見方で私では考えてなかった意見も多く、大変参考になる実習だったと思います。
博物館実習も明日で最終日ですが、明日の実習では何をして何を学べるのか今から大変楽しみです。

2013年10月18日

博物館実習 3日目

今日の午前中は、骨に名前を書く作業と展示されていた標本の片付けをさせていただきました。
タヌキやネコといった箱に入れて運べる小さな骨と違って、キリンやゾウなどの大きなものは持ち出すときには骨ごとに動かすので、その一つ一つに名前を書く必要があるそうです。
私たちが書かせてもらったのはキリンの骨でした。大きなパーツから小さなパーツまで、書ける物には全て名前を書いていきました。
独特なにおいの中、骨に囲まれての作業は私には目新しく、とても楽しかったです。

その後は大阪湾展に展示されていたイルカとウミガメの標本の片付けをしました。
標本が固定されている板ごと台車に乗せて収蔵庫に運ぶのですが、ぶつけて欠けたりしないかと緊張しながらの作業でした。また、収蔵庫に運んでからも板を持ち上げ階段を上らなければいけなくて、落とさないよう慎重に運んでいきました。こうした作業を展示を替える度にするのかと思うと、学芸員の方の仕事はほんとうに体力勝負なんだとあらためて感じました。今度から博物館で標本を見るときは、どうやってここまで運んできたのかな、と考えながら見てみようと思います。

午後からは友の会秋祭りの下見に泉佐野漁港へ行きました。
秋祭りに備えて集合場所やトイレの位置、駅から目的地までの道順などあらかじめしっかり確認しておきます。
漁港に来るのは今日が初めてで、下見の段階ですでに楽しく、当日がさらに楽しみになりました!

今日も本当に充実した一日でした。明日の実習も頑張っていきたいと思います。

博物館実習3日目1班

本日は午前中に土壌断面の剥ぎ取り標本の製作及び特別展の片付けを行い、午後は実習生全員で日曜日に行われる秋の漁港での行事の下見として、泉佐野の漁港まで行きました。

土壌断面を見ることでその時代に何が起きたか、あるいはどこで地震が起きたなどがわかるため、地学の標本としてはよく見かけられる資料、とのことです。今回製作した標本は瓜破遺跡で採取されたもので大体大きさは一畳程度とかなり大きかったように思えます。
一度、実習で剥ぎ取り標本を製作したことあったけれど、その時より幾分も大きい故にベニヤ板一枚で貼り付けるだけでは重さで潰れてしまうため支えとなるものがあるとか、当時とは全然勝手が違うなと感じました。何より、一畳程度の大きさでしたので、これだけだと1人だけでは製作することは困難であり、学芸員同士で作るものもあるのだな、と思いました。

午後の下見ですが、200~300人規模と聞いて想像以上の人数で驚きました。本番になった時の対応など日常ではあまり経験しないことなので困惑することもあるでしょうが、できる限り頑張りたいと思います。ぜひとも、日曜日は良い天気であることを願いたいです

博物館実習3日目

実習も3日目に入りました。
午前中、3班は植物標本の収蔵庫見学と、新たに寄贈された植物標本のチェックを行いました。午後は、20日に開催される友の会秋祭りの下見に泉佐野まで全員で行きました。

収蔵庫見学では、植物標本がどのように保管されているかを説明していただきました。これらの植物標本には寄贈していただいたものも多く含まれています。

一般の方から寄贈された植物標本は、普通は新聞紙に挟まれた状態で届き、この標本に害虫が含まれていないかを確認し、標本の数を数える作業を行いました。この害虫は標本を食べてしまい、この虫が蔓延すると標本すべてが大きな被害を受けかねません。こういった作業も学芸員の大切な作業の一つだとわかりました。また、寄贈された植物標本の数はとても多く、こういった寄贈者のご協力があって博物館がますます充実していくのだろうなと思いました。

行事の下見では、当日のスケジュールの確認、安全性・トイレ等の確認をし、当日には参加者の方はもちろん、スタッフも楽しむことが大切だということを学びました。

博物館実習3日目 

午前の部では、植物化石についての説明をしていただきました。
化石の定義は、過去の生物の体、もしくは痕が地層中に保存されたもの、中には生物の生活の痕なども含まれています。今まで化石と聞いたときは、文字通り鉱物や石に化けたものだと思っていました。このような硬化化石以外に、圧縮化石や印象化石などがあることを知りました。、化石は生命の起源を探究していくうえで重要な鍵を握る直接的な資料であると感じました。
化石から、メタセコイアはヌマスギやセコイアとは異なることを発見した博士やのちに中国でメタセコイアが現存することを確認され、生きた化石と言われていることなど、目を向けていなければ知りえないことがあることを実感し、とても勉強になりました。
後半の部では、友の会秋祭りの下見を行いました。
現地の駅から移動し、当日のスケジュールや内容の確認し、どのようなスケジュールで動いて安全を確認し、行事参加者が楽しめるよう様々な配慮がありました。道を普段から間違えるため、会場の誘導に少し不安があります。漁港の市場にはおいしそうな魚介類がたくさんありました。当日は皆さんに楽しんでもらえるよう頑張ります。

博物館実習二日目

博物館実習2日目の今日は博物館内にある検索端末本体周辺や展示ケース内の掃除をさせて頂きました。
色々な種類の検索端末があり、その本体があらゆるところに隠されていて驚きました。
置かれている場所によって汚れ方が違い、出入口付近のものは、特に埃が多くメンテナンスが大変だなぁと思いました。
また、ものによっては、狭いところに入らないとできないものや、画面の反対側にあるものがありました。
もし、博物館の設計に関わることがあれば、後々のメンテナンスのことも考え、あらゆることを想定すべきだということを学びました。
展示ケース内の掃除では、狭いところでの作業だったので展示物を落としてしまわないかヒヤヒヤしました。
展示ケースでの作業では他にも植物の種子の化石が浸されているアルコールの補充や、貝の化石を展示する台の作製をしました。
展示物がより良く見えるように、見やすくなるようにするために学芸員の方が手作りしているものも多くあると知り、驚きました。
今日1日、掃除を通して博物館の裏側を見せて頂いたり、学芸員の方の外からはわからない仕事をさせて頂いたり、驚きの連続でした。ありがとうございました。
残りの日程も色々体験して、吸収したいと思います。どんなことがあるのかとても楽しみです。

2013年10月17日

実習2日目 4班

午前は、陸前高田市立博物館からレスキューした地質資料等の展示の撤去を行いました。 学芸員の方が、標本には学術的な価値だけではなく、地域の風景や自然を記録するものとしての価値もあるということを話されていたのが印象的でした。実習のなかで目にしてきた館内の標本も、さまざまな地域・年代の集積によってできたものであると改めて思いました。また、行政の手が十分に届かない場合であっても、全国30もの博物館が分担して資料のレスキューを行ったというお話を聞き、博物館同士が自発的に協力・分担することの大切さを感じました。

午後は、製本のための文献整理を行いました。文献はオーストリア、ソ連、カナダ、イタリアなど世界各地から集められた地質学についてのものでした。博物館に来館者として訪れる時には展示の方にばかり目がいきますが、貴重な資料を適切に保管するということも博物館の大きな役割の一つであると実感しました。


実習2日目 1班

私たちの班は午前中に企画巡回展の片付けの作業をしました。この展示は、東日本大震災が起きた後の自然系の博物館としての活動を報告しているものです。今回はただ片づけの作業を行うのではなく、それぞれの展示について教えていただきました。その活動として、資料の修復もありますが、地域の方々に博物館の存在の大切さを伝えていく活動もあり、とても奥が深い仕事であると思いました。
午後は、小・中学校の教科書に出てくる植物のリストと、長居植物園にある植物のリストの比較と、教科書のリスト自体が少し古いものであるので、現在の教科書とリストに載っている内容の比較も行いました。この作業により、学校教育と博物館との連携がよりとりやすくなるそうです。つまり、教科書に出てくる植物を実際に見に来ることにより、イメージを持ちやすくなり、より学習効果高まるということです。
作業は、地道で説明を受けて考えていたよりは時間もかかりましたが、これからの小・中学生の学習に生かされるということを考えると非常に有意義な実習であったと思います。
また、質問に来られた方への実際の対応を見させていただいたり、キノコの標本の作り方を教えていただいたり、約200年前の貴重なキノコの標本を見せていただいたりしました。
非常に充実しており、勉強にもなった一日を過ごすことができよかったです。

博物館実習2日目

今日は、大きく分けると、午前中は寄贈標本の受け入れの講義、昆虫の特別陳列の片付けと特別収蔵庫の整理、午後は寄贈標本の受け入れをしました。

特別陳列の片付けは、この前までしていた特別展示に展示されていた昆虫の標本やパネルなどを片付け、特別収蔵庫の整理は貸していた昆虫の標本が戻ってきたので、それらを番号通りに棚に戻していきました。しかし、番号が空き空きだったので、大変でした。

寄贈標本の受け入れは、標本に入っている昆虫をなかま別に分けて、1匹1匹数えるという作業をずっとしていました。これも大変でした。さまざまな種類の昆虫がいて、勉強不足でなにかわからなかったり、数えているときにどこを数えたのかわからなくなったりしました。

そして、昆虫をわけてメモした紙を先生に提出して今日の実習は終わりました。

博物館実習2日目

 3班は本日、魚類のリストの訂正と、特別展の片付けをさせて頂きました。

 リストの訂正は、「日本産魚類検索」という本に照らし合わせて、博物館のリストにある魚の名前を、新しいものに変えたり、間違いを訂正したりする作業でした。本は絵解きで魚を検索できるもので、作業しながらも、様々な魚の特徴を知ることができ、勉強になりました。ちょうど昨日の実習で教わった天然記念物のイタセンパラもリストに載っていたため、確認して知識を深めることができました。

 特別展の片付けでは、標本を収蔵庫に運び、展示ケース等を準備室に収納しました。大阪湾に関する展示だったため、魚類の液浸標本が多数ありました。それらは重く、またガラス瓶のものは割れる危険もあり、運搬の時は緊張しました。様々な標本の種類がある中でも、液浸標本は特に扱いが難しいそうです。

 本日の実習を通して、魚類担当の学芸員の方のお仕事を、ほんの一部ですが知ることができ、よい経験になりました。