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2019年度 博物館実習 4日目

 実習4日目は、班に分かれた上で、各班につき一人、学芸員の方の指導の下、実習を行いました。
 私達の班は魚類の液浸標本の保管・管理方法について学びました。液浸標本とは、標本を長期間保存するために、エタノールなどに浸けたものを指します。
 まず学芸員の基本的な役割や標本作成方法について簡単に説明を受けた後、実際に液浸標本の作製に挑みました。
 取り掛かる際には、標本は既にホルマリンで固定し水で洗浄されていたので、私たちは標本のラベルと目録を見ながら地域・種ごとに瓶に分け、エタノールを入れる作業を行いました。振り分ける際に魚の身体を間近で見るので、魚の顔が面白かったり、背びれが三本あるのを見つけたりと、変わった特徴を見つけられて楽しかったです。ちょうどいい大きさの瓶を探して、標本が傷つかないように気を付けて瓶に入れるのは少し大変でした。
 次に、作成した標本を液浸収蔵庫と呼ばれる倉庫へ運び、科名と採れた地域ごとに分けて標本を収蔵しました。作成した標本以外に、他の人が以前作った標本も一緒に収蔵しました。棚ごとに収蔵スペースが箱で区切られており、標本を入れる科・地域のスペースはどの棚のどの箱なのか、探しながら収納するのは大変でしたが楽しい作業でした。これだけたくさん棚と箱があるのに、収納スペースが足りないように見えたのが印象的でした。
 最後に、これまで保管された液浸標本の中から、瓶を満たす水溶液が足りていないものを見つけ出し、実習室に持ち帰って液を継ぎ足したり瓶を入れ替えたりするメンテナンスを行いました。液浸標本に用いる水溶液は揮発性のものなので、古い標本ほど液の消耗が激しく、中には干物のようになってしまっている標本もあり、ここまでなるのかと戸惑いました。瓶の蓋がプラスチックのものなら良いのですが、ガラス製のものだとキチキチに締まってしまって開けられず、中の液の交換や継ぎ足しができない、という事態に陥ってしまいました。そうしたガラス製の瓶は、とても大きいものや細長いものは、現状それ以上の大きさの入れ物が手に入らないので、壊してしまったりしてはいけないのだと、学芸員の方から伺いました。お金のやり繰りなど、博物館運営の大変さを想像しました。
 今回の実習は実際に標本を作ったり分類したりと、楽しくもあり、また、これまで学校で学んできた博物館の重要な役割の一つである、収集物の保管・管理について自分の身で学ぶことができたので、とても有意義な時間を過ごせたように感じます。実習生同士の会話もかなり増えたように思います。明日が実習最終日なので、疑問に思ったことがあればすぐに質問するなどして、悔いのないように取り組みたいです。最後の実習が楽しみです。
(奈良女子大学 M.O)

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