芥川トコロジスト調査隊 12月調査結果
芥川トコロジスト調査隊 12月調査(報告書)
~晩秋の樹木の葉っぱと果実~
12月2日に第5回の調査を行い8人の参加があり、あくあぴあ裏手の竹林からトンボ池まで歩きました。小春日和の中、晩秋の生き物(36種)を観察しました。
アオキとアカメガシワの冬芽
冬芽は、春になって葉っぱや花になる芽です。夏から秋にかけて出来てきます。アオキ(写真左)の冬芽のように鱗片に包まれて寒い冬を過ごすものもあれば、アカメガシワの冬芽(写真右)のように葉になる部分が裸のまま(裸芽)のものもあります。裸芽の場合は毛に覆われていることが多いようです。
アオキは冬に赤い実がなると雌株と分かりますがこの樹はどちらでしょうか。アオキは日本では江戸時代から観葉植物として育てられていたようでこの時期やってきたヨーロッパの、一部のプラントハンターと呼ばれた人たちも売り物として持ち帰った言われています。
イヌビワとイヌビワコバチ
あくあぴあ周りにはイチジクの仲間のイヌビワがよく見られます。果実のように見えるのは花嚢(かのう)です(写真左)。この中に小さな花がぎっしり入ってます(写真右)。イヌビワコバチは雄株の花嚢に入ると卵を産み付けることができ、そこで生まれた雄と雌が花嚢の栄養をもらって育ちます。その後交尾した雌だけが雄株を出て雌株に花粉を運び、イヌビワが受粉し種子を作ります。今日は雌株の黒く熟した果実を見ることができませんでしたがもしあればとても甘く食べられるそうです。
花の咲いてた樹木
サザンカ(写真左)ツバキと違って花びらがバラバラと落ちます
ヤツデ(写真右)小花がたくさん集まっていて、一つの小花に5枚の花びらがあります
もうすぐ咲きそうな樹木
ヒイラギナンテン 2月ころに黄色の花が咲きます
赤い実の樹木
サネカズラ(写真左)樹皮からとった粘液を整髪に使ったことから別名ビナンカズラともいいます
カナメモチ(写真右)生垣によく使うレッドロビンはこの栽培品種です
黒い実の樹木
スイカズラ 半常緑のつる性の樹木なので葉は黄色と緑があります。花は5、6月頃咲きはじめ白色から淡紅色、黄色と変化します
紅葉した樹木
カスミザクラ(写真左)ソメイヨシノと比べ葉先が尖るのと腺点の位置が少し下にあることで見分けます
モミジバフウ(写真右)手のひらより大きい葉です。実はゴルフボールくらいの大きさ。ごろっぱ広場にあるので見上げて探してください。
今回、観察した生き物は以下の通りです
アカメガシワ、モミジバフウ、イヌビワ、ヤマブキ、アオキ、クサギ、マンリョウ、ヒサカキ、カスミザクラ、アリ類、シャリンバイ、アラカシ、サネカズラ、ナワシログミ、ナキリスゲ?、モウソウチク、カナメモチ、ソヨゴ、ヒイラギナンテン、スイカズラ、ヤマハゼ、オオサンショウモ、ヤツデ、ハクモクレン、キンモクセイ、サザンカ、ウバメガシ、クサイチゴ、ミョウガ(orショウガ)、フユイチゴ、ジュズダマ、ヨモギクダナシアブラムシの虫こぶ、ミツバアケビ、ガマ、チヂミザサ、クロガネモチ(36種類、?は種名未確認)
次回は、2月10日(日)10:00~ 今回と同じあくあぴあ裏手の竹林を歩きます。テーマは「冬芽とどんぐり」ですが、この時期しか見られない生き物のサインを一緒に感じてみませんか。