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2019年04月29日

第8回芥川トコロジスト調査隊 4月調査報告

日時:平成31年4月28日(日)10時〜12時
場所:ごろっぱ広場〜あくあぴあ裏手の竹林
お題:春の野草、樹木
講師:あくあぴあ小柿さん

10連休2日目、気温が下がりましたが気持ちいい観察日和でした。4月から芥川緑地はバーベキュー禁止なので大賑わいと焼肉の匂いが消え、お弁当持ちで来られた人たちが落ち着いた雰囲気で新緑を楽しんでいました。7名が参加し45種の植物を観察しました。

ごろっぱ広場ではタニウツギやニセアカシア(ハリエンジュ)の花が咲いていると思いきやもう少しでした。あと1週間かな。モミジバフウは雄花が花粉を出し終えたようで既に落下していました。花弁のない雌花が独特です。果実はクリのイガイガのよう。ちなみにフウは楓(かえで)と書いて「ふう」と読みフウ科に属しますがイロハモミジ等いわゆるカエデ類はムクロジ科です。

タニウツギ .jpg モミジバフウの雄花.jpg
タニウツギ蕾(左)、モミジバフウ雄花(右)

モミジバフウの雌花.jpg モミジバフウの果実.jpg
モミジバフウ雌花(左)、モミジバフ果実(右)

ヒメコウゾ.jpg ヒメコウゾの雌花.jpg
ヒメコウゾ葉(左)、ヒメコウゾ雌花(右)
コウゾは昔紙と布の原料になったので紙麻(かみお)が転じたもの。雌花には花弁がなく赤紫色の糸のようなものは花柱、6-7月に熟すので食べてみてください。

熟すといえばクサイチゴの白い花がそこかしこに。花の終わったばかりのものが多くあと少しで赤い苺が食べれますね。美味です。クサイチゴは野草のよう見えますが樹木です。

クサイチゴ.jpg
クサイチゴ

アオキは雌雄別株です。雄株の花は終わりかけで雄しべがほとんで残っておらず、雌株の花は花弁が全て落ちていてこれから緑色に細長く膨らみ後に赤くなります。

アオキの雄株.jpg アオキの雌株.jpg
アオキ雄株(左)、アオキ雌株(右)

アオキの雄花.jpg
アオキ雄株の花と蕾(3/31撮影)、葯に花粉いっぱいの雄しべです。

アケビの白花です。葉の間から花序が垂れ下がり先端に雄花が数個、上部に少し大きめの雌花がついています。花弁のように見えるのは萼です。

アケビ.jpg アケビの花の拡大.jpg
アケビ白花(左)、アケビの雄花と雌花(右)


あくあぴあに戻って小柿さんから竹の話がありました。
竹の皮と筒.jpg
竹の皮は、左から、(1)マダケ、(2)モウソウチク、(3)ハチク

竹の筒の拡大.jpg

竹の筒は、左から、(2)モウソウチク、(1)マダケ、(3)ハチク
節が2重なのはマダケとハチク、1重なのはモウソウチク、節間が一番長いのはマダケ。皮はマダケとモウソウチクはブチ模様で、モウソウチクは毛が多いです。

竹皮は表面が撥水性、裏面は吸湿性があり、加えて抗菌性があります。中でもマダケは他二つと比べて皮が薄く柔らかいのでおにぎりなど食材を包むのに適しているそうです。モウソウチクは毛があり乾くとパリパリになりやすくハチクは節間が短く皮が小さいです。ちなみに筍として美味なのはハチク、モウソウチクの方です。

おまけの野草を二つ
キランソウ.jpg ミズヒキの葉.jpg
キランソウ(左)、ミズヒキの葉:分かりにくいですが薄く黒い斑があり弘法の筆拭きの後と呼ばれているそうです(右)

観察した種
ヒメコウゾ、ヤエムグラ、アカメガシワ、イロハモミジ、イヌビワ、アオキ雄雌、コウヤボウキ、サルトリイバラ、オオハナワラビ、サネカズラ、コナラ、クヌギ、アベマキ、ミツバアケビ、アケビ、ミズヒキ、イノコヅチ、ベニシダ、ヘクソカズラ、マダケ、ヤブタビラコ?、カナメモチ、ハコベ、コバノガマズミorヤブムラサキ?、エゴノキ、チャノキ、カキ、ネズミモチ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、コウゾリナ、エノキ、カモガヤ、オニタビラコ、ヤブニンジン、オヤブジラミ、ソヨゴ、ヒイラギ、ヒイラギナンテン、ヒサカキ、ウバメガシ、シャリンバイ、ヒメオドリコソウ、オオバコ、キランソウ 以上45種

次回、第9回芥川トコロジスト調査隊
日時:令和元年6月30日(日)10時〜12時
集合:10時にあくあぴあ1階池周り
場所:あくあぴあ付近の芥川堤防など
お題:イネ科と夏の花

2019年04月20日

第8回芥川トコロジスト調査隊は、4月28日です

いよいよ暖かくなってきましたね!
新緑が美しく、花の蕾が開き始め清々しい季節です。
今回は、ごろっぱ広場からあくあぴあ裏手の竹林を歩きます。

日時:平成31年4月28日(日)10時~12時
集合:10時にあくあぴあ1階の池周り
場所:ごろっぱ広場〜あくあぴあ裏手の竹林
お題:春の野草、樹木
講師役:あくあぴあ芥川小柿事務局長 
持物:筆記具、ルーペ(なくても大丈夫)、運動靴(傾斜地も歩くので)

以下の写真は昨年のタニウツギとニセアカシアです。
タニウツギは桃紅色が華やか
タニウツギ.jpg

ニセアカシアは正式名はハリエンジュ(針槐)と怖い名前ですが、白いふさふさとした花を咲かせます。ごろっぱ広場の頭上にあって気づきにくいですが、甘い香りを降り注いでいます。見上げてみてください。
ニセアカシア.jpg

2019年04月11日

ハグロトンボしらべ隊 2019年調査予定

ハグロトンボしらべ隊、今年も活動します!
芥川に生息する黒いトンボ、ハグロトンボを捕まえてハネに印をつけて放す調査を行います。
調査は6月から10月まで全9回。
これまでの調査結果はあくあぴあ3階に掲示してあります。

日時 : 2019年6月2日(日)・16日(土)、7月7日(日)・21日(日)、8月4日(日)・17日(土)、9月1日(日)・15日(日) 、10月6日(日) 10:00~12:00
場所 : あくあぴあ近くの川と林
参加費 : 無料
対象 : どなたでも(小学3年生以下は保護者同伴)
申込み : 不要

2019年04月10日

第7回芥川トコロジスト調査隊 3月調査結果

日時:平成31年3月31日(日)10時〜13時
場所:摂津峡桜公園から東に下り芥川を渡った付近の畑周り
お題:春の野草を食べる

今回はいつものあくあぴあ周りのフィールドから少し遠出し、摂津峡桜公園下手、芥川東側の畑周りに出張です。12名が参加し34種の生き物を観察し食べた野草(樹木の新芽も含む)は15種でした。

注)田んぼは農家の仕事場です。今回お邪魔した田んぼは許可をとってあります。
勝手に田んぼに入って採集しないようにしてください。


流れ橋.jpg 観察の様子.jpg
(写真)流れ橋、観察の様子

調理中.jpg 食材全体.jpg
(写真)調理中、食材全体

食べた野草の一番人気は、ムベとアケビ。両方とも小葉が5-7枚セットのつる性の樹木です。ムベは常緑でアケビは落葉です。新芽は茎と合わせて柔らかなワラビのようでもあり美味でした。もちろん生で食べるのではなく茹でた上で醤油をかけ時に鰹節を混ぜて頂きました。
お皿ムベとアケビ.jpg アケビ.jpg
(写真)ムベとアケビ、アケビ

二番人気は、カンゾウ(ノカンゾウまたはヤブカンゾウ)。白い根っこの部分は茹でて酢味噌に合わせると文句なし。同様にノビルも酢味噌が合います。ピリッと美味しいのはクレソン(オランダガラシ)とセイヨウカラシナ。クレソンはフレンチ料理でも付け合わせのサラダで出てくるぐらいなので生でも大丈夫。マヨネーズを添えて食べると美味。
カンゾウの葉.jpg カンゾウ.jpg
(写真)カンゾウの葉、カンゾウ

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(写真)ノビル、クレソン    

三番人気は、ヨメナ。しんなりとしてほうれん草をもう少ししゃきっとした感じでしょうか。
ヨメナの葉.jpg ヨメナ.jpg
(写真)ヨメナの葉、ヨメナ

美味とまでは言えませんがまあまあのグループは、セリ、コオニタビラコ、ハコベといった春の七草シリーズです。ちなみに春の七草は「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」です。ここで言うホトケノザはコオニタビラコのこと。ハコベラはハコベです。
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(写真)セリ、コオニタビラコ

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(写真)コハコベ

タンポポの花はよく茹でて食べればとろけるような不思議感覚でした。調子にのって熱湯にしゃぶしゃぶして食べると苦味が勝りイマイチでした。ちなみに、4月1日放送の朝ドラ「なつぞら」で主人公の女の子が大きなタンポポの花を生で美味しそうに食べていましたね(笑)
カンサイタンポポ.jpg タンポポの1枚の花.jpg
(写真)カンサイタンポポ、タンポポの花1枚

タンポポの花弁がたくさんあるように見えますが、実は花びら(花弁)に見える一つ一つが花です。もともとは5枚の花弁がくっついたものだそうです。よく見れば雄しべと雌しべも合体しています。そしてその花がカンサイタンポポは100個以下、セイヨウタンポポは200個程度だそうです。

ヒメリュウキンカは早春にりっぱな黄色い花を咲かせるので私はフクジュソウ(同科)と見間違えてました。よく見れば花も葉もずいぶん違いますが。。。本花はキンポウゲ科なので一般的に毒性があります。恐る恐る食べましたが大丈夫でした。
ヒメリュウキンカ.jpg フクジュソウ.jpg
(写真)ヒメリュウキンカ、(参考)フクジュソウ

おつまみ程度にしか食べませんとアナウンスしていましたが、あたり一面食べ放題?なので結構お腹が膨れるほどでした。なお、今回食べた種は、新芽や若葉です。大きくなったものは食べても美味しくないので誤解のないように。。。

今回、観察した種は以下のとおり、34種です。
コブシ、テイカカズラ、イタビカズラ、スズメノエンドウ、ナズナ、ゲンゲ、チチゴクサモドキ、ヒメウズ、セトガヤ、スズメノテッポウ、クサイチゴ、ヤブヘビイチゴ、キツネノボタン、ウマノアシガタ、オランダミミナグサ、ノミノフスマ、オニタビラコ、スズメノエンドウ、ウメノキゴケ(地衣類)
以下食べたもの、ムベ、クレソン、セリ、アケビ、カラスノエンドウ、カンゾウ(ノカンゾウまたはヤブカンゾウ)、ノビル、ヨメナ(またはノコンギク)、セイヨウカラシナ、コオニタビラコ、カキドオシ、ヒメリュウキンカ、セイヨウタンポポ、カンサイタンポポ、コハコベ

次回は、いつものあくあぴあ周りで行います。
日時:平成31年4月28日(日)10時~12時
集合:10時にあくあぴあ1階の池周り
場所:あくあぴあ裏手の竹林
お題:春の野草、樹木 
持物:筆記具、ルーペ、運動靴(傾斜地も歩くので)