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現地見学会&フィールドシンポジウムのお知らせ(予告)

 伊吹山(標高1,377m)は滋賀県北東部と岐阜県との県境にあり、日本海型気候と太平洋型気候の境界に位置する。石灰岩が広く分布、露頭するカルスト地形で、表土が薄く岩が多いといった特有の自然条件が伊吹山の多様な高山植生を支えている。花の百名山の一つとして知られるが、平成15年に天然記念物伊吹山頂草原植物群落として指定されている。しかしながら、高山植生に対するシカの採食が激化したため、およそ10年前に伊吹山を守る自然再生協議会が立ちあがり、平成28年に伊吹山入山協力金などによって、山頂に全長約3キロメートルの植生防護柵が設置された。しかし近年、植生保護柵の破損が顕著で実質的なシカ対策は順調ではない。伊吹山の保全は地域・研究者・行政の三者連携で進められているが、高山植生へのシカの採食影響が継続している。
 今回のフィールドセミナーは、伊吹山のフィールド観察(午前中)とシンポジウム(午後)の二部構成で実施する。フィールドでは、長年、伊吹山の保全に関わっている野間直彦氏(滋賀県大,植物生態学)と高柳敦氏(京大,動物生態学)にご案内いただく。その後のシンポジウムではおふたりに加えて、地元で活動を続けている方や若手研究者を交えて、伊吹山での保全のとりくみ、生態系、地域活動、そして今後の課題などについて情報提供いただく。全国的にも課題となっている植生保全、シカの順応的管理および地域の活動について議論したい。

<現地見学会>
日時:2021年8月を予定(次号とHPで連絡;コロナ感染拡大で延期の可能性あり)
場所:滋賀県伊吹山

<フィールドシンポジウム>
「伊吹山の保全と地域連携―過密度シカ個体群が生息する高山植生の現状と課題」
日時:上記「現地見学会」と同日に開催
場所:伊吹薬草の里文化センター(滋賀県米原市春照37)

申込み:必要   参加費:未定

集合解散:JR米原駅(米原駅-伊吹山:大型貸切バス運行予定)

応募方法:メールでKONC事務局(konc@mus-nh.city.osaka.jp)へ以下の項目をご連絡下さい(感染症対策として在宅勤務中ですので、FAXでの申込みは受け付けられません)。

 ①氏名 ②生年月日(保険用) ③携帯電話番号(緊急連絡先) ④メールアドレス ⑤主催団体いずれかの会員か否か

申込締切日:2021年7月下旬を予定(次号とHPで連絡します)

定員:30名(感染対策のため運行バスのサイズが変更になった場合には減少)
*応募者多数の場合は、主催団体の会員を優先の上先着順。

主催:関西自然保護機構・日本生態学会近畿地区会(申請中)