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学芸員実習 1班3日目

実習3日目となりました。1班は本日、昆虫標本の取り扱いと整理についての実習を受けました。

午前中は、標本に管理用のラベルをつける作業を行いました。学術標本には、その標本がいつ、どこで、誰の手によって採集されたものかについてのデータを記したラベルが必須とされています。特に昆虫標本については、「ラベルのない昆虫標本はただの虫の死骸」という言い方をされるほど、採集データを記したラベルの資料価値が重要視されています。今回扱った移管標本の大半には既にデータラベルが付けられており、作業では博物館が標本を収蔵資料として管理する上で必要となる「誰から(どこから)移管されたか」を記した管理ラベルをつけました。このラベルをつけることで、移管標本を一箇所にまとめておくことなく、収蔵することが出来ます。

午後は、午前中に扱った移管標本に加えて、他の未整理の昆虫標本を対象に同定を行い、標本の整理を行いました。昆虫標本を収蔵する際には、分類ごとに標本を整理し、管理する必要があります。生物の分類は界、門、綱、目、科、属、種の7段階の階層構造になっており、今回の実習では、目までの同定を行いました。目まで同定した標本は、目ごとにひとまとめにして整理しました。科以降の同定は専門的な技能が必要なため、今回は行いませんでしたが、作業では18目を同定することが出来ました。分類が階層構造になっているため、目までの整理が行えていれば科以降の同定と整理が行いやすくなります。

個人的な理由で昆虫については多少詳しかったので、作業自体は特に難しく感じず、楽しくやり通すことが出来ました。昆虫標本を扱うことも初めてではなかったのですが、博物館に移管された標本の管理については全く知らなかったので、単純な管理用のラベル付け作業からも学ぶことは多いと感じました。また、同定・整理の対象とした標本は点数がかなり多く、4人がかりで目までの同定を行ってもかなりの手間と時間がかかりました。この後、収蔵を行う際には更に細かい同定とそれに伴う整理作業を行う必要があるはずであり、17日からの実習で繰り返し伝えられ感じてきた人手不足が今日の実習でも感じられました。特に、博物館業務としての資料整理についての苦労の一端をうかがい知ることが出来たように思います。

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