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2019年度 博物館実習 冬期一般コース 3日目

 博物館実習3日目の今日は4班に分かれて、それぞれ担当してくださる学芸員の方の専門分野について学ぶという内容でした。私の所属する班ではクジラの化石を扱いました。まずはじめに、クジラの化石を収蔵庫へ運ぶ作業を行いました。クジラの化石は骨の一部であっても非常に大きく、膝をうまく使って持ち上げる必要がありました。台車を使用して収蔵庫へ運んだのですが、乗せる時にはできるだけ標本は動かさずに台車の方を乗せやすい位置に持ってくるというような工夫をしていて、危険性の低い動線を考えることがとても重要なのだなと感じました。運んだ後に見せていただいた標本台帳では、すべての標本がきっちりとナンバリングされており、だれが見てもどの標本がどこにあるのか分かるように整理されていました。博物館の標本は人類の財産だという意識があらわれているのだなと感じました。
 また、紙ベースの台帳をPCを使用してデータ化する作業も行いました。私的にはこの時代に紙ベースの台帳が重宝されていることが意外でしたが、複数の媒体で情報を保管しておくことは万が一、PC上のデータが失われてしまったときに役立つのだそうです。標本を後世に引き継ぐには、こういった危機管理も重要になることを実感しました。
 午後からはクジラの頬骨の化石の写真撮影を行いました。化石標本は生物や植物の標本に比べ、色が少ない(ほとんど茶色か黒色)ため、凹凸がしっかり分かるように光の当て具合を調節することが重要だそうです。腹、背、上下左右の計6方向から撮影を行い、その都度光の当て方のコツや編集しやすい背景の作り方を教えていただきました。撮影後にはPCを使って深度合成などの、写真の上手な見せ方を教えていただいたので早速自分の研究でも試してみようと思います。
 今日までの実習で感じたのは学芸員は一研究者であると同時に、市民の皆さんへの普及教育を行う使命や収蔵物を集め後世へ繋いでいく使命などたくさんの役割があり、オールマイティな能力が必要だということです。
 作業や知識は初めてのものがたくさんありますが、自分の研究などに反映できるものが多いので残り2日間もしっかりと学んで自分のスキルアップに繋げたいと思います。

滋賀県立大学 A.S

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