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2019年度 博物館実習 冬季一般コース 1日目

 博物館実習の1日目に、私たちは実習全体のガイダンスと大阪市立自然史博物館の活動について説明を受けた後、学芸員の目線で展示室をガイドしていただきました。最後に、明日開催される「博物館たんけん隊」の研修としてバックヤードを案内していただきました。
 大阪市立自然史博物館は、収集・保存・調査研究・普及教育 の4つの活動のうち、普及教育に特に重点をおいた活動をしています。博物館や友の会が開催するイベントが年間200回以上も開催され、時には1日に2, 3個のイベントがあると聞いて、運営する学芸員の方々の努力はもちろん、参加する市民の方々の活発さにも驚きました。明日のイベントにも、子どもだけで100人以上が参加するので、そのときに何に心惹かれて参加しているのか観察したいと思います。
 博物館の収集・保存・調査研究 といった活動は不可欠なものですが、お金も、スペースも、人手も足りないといった多くの困難を伴うことをお話していただきました。特に、コレクターから大量に寄贈される標本の問題について、「コレクターが元気なうちに寄贈して博物館で整理してくれれば、コレクター本人も、その家族も、博物館もみんな嬉しい。」とおっしゃっていたことが印象的でした。集めた本人にも、社会にとっても貴重な財産である標本の価値を失わせないために、是非多くの方にそうしていただきたいと心から思いました。
 学芸員目線で展示室を視るときのキーワードは「メンテナンス」でした。蛍光灯が切れたときに交換しやすいか、ほこりが積もっても掃除しやすいか、害虫は入ってこないか、といった点が、展示什器に求められている要素なのだと、それらに苦労したお話を聞いて実感しました。また展示の意図は伝わりやすいが壊れやすい、逆に壊れにくいが展示の意図が不明瞭になってしまう、といった例の説明から、長い時間にわたって十分な効果を上げ続けるには、完成図だけではなく、その後の維持作業のしやすさを考える必要があると学びました。
 バックヤードでは主に3つの収蔵庫を案内していただきました。思っていた以上に通路が狭く、棚には標本がびっしりと置いてありました。子どもたちと標本の安全に気を配り、イベントを無事に終えられるよう、明日はサポートに努めます。

北海道大学 M. T.

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