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2022年度夏季博物館実習3日目(8月26日)

こんにちは。京都先端科学大学のHTです。
今回は8月24日より開始となった夏季の博物館実習に参加しました。その中で班に分かれて行う実習で4日目に私たちが5班として行ったことについて話したいと思います。私たちの班では4日目に、チョウやガを主に専門として取り扱う長田さんの元で実習を行いました。午前中は自然史博物館が保存している昆虫標本をどう活用するかについて詳しく解説してくださりました。昼食を挟んだ午後はこの館が保存している珍しい標本についての解説と、長田さんが研究しているテーマについて説明してくださりました。今まで昆虫標本は対象種の見た目を重点的な情報として利用していると考えていたのですが、むしろそれだけの標本はほとんど価値のないものとして扱われるといったことを今回の長田さんの話で初めて知ることが出来ました。標本と共に保存されているラベルの中には採集者名・採集地・採集日が記録されており、それらの情報から当時の環境についても知ることが出来ると知り、目から鱗でした。標本から環境の情報を見出すには、そもそも生体の習性や生息地を熟知いなければならないため、非常に練度のいる技術です。その技術を非常に多くの種がいるチョウで行えている長田さんに感服しました。昼食の後に説明してくださった標本の中には、現在は採集が禁止となっているが当時はまだ採集可能だった多くの希少なチョウについて解説して頂きました。その中にはそもそも住む地が限定されていることで個体数が多くないものや、人為的な作用によって生息地が減少してしまいそれに応じて個体数も激減してしまったものもありました。それらに共通していることは何か環境の変化が起きているということ。日本に住んでいる以上自国でどのような環境の変化があったかを掴むことは非常に意味のあることであり、標本の重要性をより理解することが出来ました。最後に長田さんが研究しているシイタケの害虫であるシイタケオオヒロズコガ属についての解説をしていただきました。研究というものはいずれ世のためとなる未だ解明されていないものを解き明かそうとするものであるといったものであると思うのですが、今回話してくださった長田さんの研究はもっと生活に近く結びつくようなものでありました。害虫についての見解を深めることでできることは、その種への産業的な視点から被害を防ぐといったものとなります。このことで産業をより良いものにすることができ、社会への貢献となります。このようにわかりやすく意味のある研究をされていることを知ることで、研究の意義についてより一層考えさせられた実習となりました。この経験は学びの続く人生の中で忘れられないものとなりました。

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