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実習3日目3班:タコは草を刈るのか

今日は、学芸員の色々なお仕事の中でも、本当に”色々”を実感できる1日でした。

まず午前中は、特別展の会場に設置されていた巨大タコツボの、修復作業を行いました。
外観だけでも、配色やフジツボ、カンザシゴカイの巣などの装飾が細かく、実際にモデルがあって、寸法も10倍になるよう計算してあるという正確さに驚きました。骨格は竹で、その上に段ボールや新聞紙、くしゃくしゃに質感を出した紙を重ねて作られています。この構造も、補強の技術や道具もアイデアがいっぱいで、驚くばかりでした。主に天井部分の段ボールが落ちてきていたので、タコツボの中と外に分かれて、声を掛け合いながら針金でタコ糸を通し、何重かに巻いて天井を固定しなおしていきました。糸を結んだ針金を通す穴を開けるため、内側からブスンとドライバーが突き出してくる光景は、とても奇妙でした。その後、糸を巻いた部分や内側の破れたところに紙を貼りなおして、皆手にボンドや絵具をつけつつ、僕はズボンにボンドを落としつつ、作業を終えました。
タコツボの色付けを終えた後、地層の剥ぎ取り標本を見せていただきました。ウレタン樹脂の特殊なボンドで固めてあるそうで、今まで触れたこともなかったのでとても興味深かったです。
これは午後の20分ほどの出来事でした。午後のメイン実習は......草刈でした。
南側通用口周辺と、植物の圃場の草を刈りました。視界にちらつく蚊を虫よけスプレーで避けながら、草の根元から飛び出してくる越夏中の昆虫と戯れながら、草を刈りました。指導してくださった学芸員の方は、アシナガバチも恐れることなく黙々と刈ってあって、すごいと思いました。僕は、あの2mのタコツボに入るような巨大タコが8つの鎌で刈っていくイメージをしながら刈っていました。これまでで一番体力を使う実習でしたが、皆で刈った後を見るとなんだかすっきりしていて、このすっきりも博物館には大事なことで、そのために学芸員には色々な仕事があるのだと感じました。冬場には学芸員総出で木を刈ることもあるそうです。驚きがいっぱいです。
最後に、タコツボを展示会場に戻しました。

このタコツボですが、中は意外と広く、寝袋のような安心感があります。まだ入られたことのない方は、ぜひタコの気分を味わってみてください。

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