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2021年度秋季博物館実習 2日目

どうも、和歌山大学から来ました2021年度秋季博物館実習生のK.Yです。
博物館実習で今日何をしたのかについて説明したいと思います。

それは2つあります。
1つ目は、博物館の役割や資料収集・保管に関する講義です。
2つ目は、標本の作製と管理の実習です。

まず、1つ目の講義で学習したことについて説明します。
博物館の基本的な役割は、
①資料の収集・整理・保管
②資料に基づく調査・研究
③展示を含む普及・教育
の3つですが、そのほかにも
・シンクタンク活動
・市民連携
・市民の活動・交流拠点
・地域づくり
・管理運営
と役割が多岐にわたります。
今日担当してくださった学芸員も、大阪湾海岸生物研究会というサークルに所属されているそうで、学芸員は博物館外でも精力的に活動されていることを知りました。

資料の収集・保管についての講義では、収集、標本作製、保存・管理の3つに分かれた説明を受けました。
それぞれの項目で学習したことをいくつかあげると、
・寄贈は資料収集において貴重であること。
・資料を冷凍してしまうと、資料の質が落ちてしまうこと。
・麻酔をしてから生物資料を殺す理由は、倫理上のため。
・展鰭(ひれ立て)を行う理由は、分類学研究の際、ひれのふくらみを視認しやすくするためやひれの数を数えやすくするため。
・液浸標本の場合、資料の色が次第に抜けていくため、採集当時の状態を写真撮影で記録することが重要。
・資料の体長を測定することは、研究の際、資料の貸し借りがスムーズになる。
などでした。
担当学芸員は、ただ資料収集・保管の手順を説明するのではなく、それぞれの手順について、なぜこれを行う必要があるのかを説明してくださったので、理解が非常に深まった講義となりました。

次に、今日何をしたのかについての2つ目であります、標本の作製と管理の実習について説明します。
扱う資料は魚類でした。
実際に行った標本作製の手順は、大まかに以下の通りです。
①アルコール漬けした魚に、その魚の種類に対応した標本ラベルを取り付ける。
②重力による尾の変形を軽減するため、魚の頭を底にしてケースに入れ、尾から1㎝上ぐらいまでエタノールを入れる。
③標本台帳を見ながら、ケースの蓋に生物名、標本番号、個体数、採集地点を記入する。
④作製した標本を魚類の科ごとに収蔵庫に保管する。

次に標本の管理は、魚類の液浸標本が十分にエタノールに浸かっているかを確認しました。
魚全体がエタノールに浸かっていなければ、魚を傷付けないように、そっとエタノールを足します。
講義の時でもそうでしたが、実習中も担当学芸員は、1つ1つの作業にその意図や理由を説明してくださったので、実習でしたことは全部私にとって初めてのことでしたが、それでも着実に理解しながら実習を行うことができました。

明日以降の実習では、さらなる理解につなげるために、自分自身で1つ1つの作業に問いを持ち、それぞれの意図や理由を探るように心がけたいと思います。

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