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2020年04月23日

ビオトープの日(4月)報告

現在、博物館の閉館と行事中止が続いていますが、博物館のビオトープの様子を報告したいと思います。4月はみんなで田起こしをする予定でしたが、中止となったため、4月22日に学芸員で手入れをしました。(長谷川)
 
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田起こし前の様子。今年の2月に泥を追加で投入して少し深くなりました。
 
 
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田んぼの水面にはアイオオアカウキクサ(水生のシダ植物)が一面に広がっています。
 
 
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田んぼに入り、スコップで泥をひっくり返しました。新たに投入した泥に足をとられて、なかなか大変。行事だったら、ころぶ人、靴を泥の中でなくす人続出で大騒ぎだったと思います。やりたかったなあ…。いや、大変だったとは思うけど。
 
 
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その後、シートの上にも泥をのせてくずしたり、踏み固めたりして終了。残念ながら、来月も行事の中止が決定していますので、引き続き学芸員で手入れをしていきたいと思います。またここで報告しますね。
 
 

2020年04月15日

やさしい自然かんさつ会「レンゲ畑のいきもの」の過去の様子

2020年度のやさしい自然かんさつ会「レンゲ畑のいきもの」は新型コロナウイルスの拡大防止のため中止になりました。楽しみにしてくださっていた方も多いと思いますので、過去の様子をご覧いただければと思います。(横川)

なお、以下のURLで行事当日に配布予定だった資料を公開しています。
こちらも合わせてご覧いただければと思います。http://id.nii.ac.jp/1504/00001432/





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高槻市某所では毎年、田んぼにレンゲの種子がまかれて、4月の中旬ごろにはピンク色のじゅうたんになります。このようなレンゲ畑の中で、行事を行う予定でした。



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参加者は班ごと分かれて、自由に遊びながら、いきもの探しをします。
いきものを見つけたら講師の人に聞いたりして、レンゲ畑のいきものに詳しくなっていきます。



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レンゲの花はどんな形かな?よくよく眺めているとミツバチがやってきます。
花だけでなく、レンゲ畑にすむ様々ないきものを探して観察します。



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おしべが白いセトガヤ(左)とおしべが茶色いスズメノテッポウ(右)。
とても地味な植物ですが、レンゲ畑には欠かせない植物です。
こういったイネ科の植物を草笛にして遊んだりもします。
ほかにもいろんな植物がレンゲ畑の中で生きています。



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レンゲ畑で遊んだ後はタンポポがたくさん咲く淀川の堤防へ。
堤防のいきものを少し観察したあと、みんなでお昼ご飯を食べて、解散、の予定でした。
今年度の行事が中止なったのは残念でしたが、また来年度、レンゲ畑でお会いできるのを楽しみにしております。



過去の「レンゲ畑のいきもの」のイベントレポートも合わせてご覧ください。
●2013年
http://www.omnh.net/event/2013/04/post_23.html

●2014年
http://www.omnh.net/event/2014/05/post_30.html


2020年04月10日

4月の長居植物園案内の記録

新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、博物館の閉館と行事中止が続いています。4月4日は、長居植物園は開園していましたが、植物園案内は中止でした。しかしながら、4月の植生園の様子をチェックしておくと同時に、みなさんに見ごろの植物をお伝えできればと思い、植物園を歩いて4月の記録を作成しました(横川)。




◆アラカシ(ブナ科)
 春は展葉の季節。アラカシも新たな葉を展開させていました。同じ株であっても枝によって展葉のタイミングが少し異なっており、まだ芽が開いていない枝からはっきり葉がわかる枝まで。アラカシは葉の裏面に毛が生えるのが特徴ですが、展葉直後の葉は裏面の毛がとてもわかりやすく、手触りも良いです。線状の托葉も観察できました。
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◆サンゴジュ(レンプクソウ科)
 普通の葉と同じぐらいの大きさまで成長した、黄緑の展葉したての葉が見られました。サンゴジュにはダニ室があるが、以前、出たばかりの葉にはダニ室が確認できないという話をしました。今日見た新しい葉にはすでにダニ室があり、もっと小さなときに目に見える大きさのダニ室ができるようです。
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◆イチイガシ(ブナ科)
 新しく出た葉には毛が多いので見に行ってみましたがまだ葉は開きはじめでちゃんと観察できませんでした。樹種によって、同じ樹種でも個体によって、同じ個体でも枝によって葉が出るタイミングは異なっています。
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◆キンカチャ(ツバキ科)
中国南部原産の樹木。長居植物園内のツバキ科の樹木はツバキやサザンカの類が主なので、赤やピンク、白のイメージがあると思います。キンカチャはそのイメージとは異なり黄色い花を咲かせます。少し見ごろは過ぎており、多くの花はすでに地面に落ちていました。
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◆セイヨウタンポポ(キク科)
 植物園内のあちこちで咲いていました。園内では典型的なセイヨウタンポポばかりではなく、総苞片の反り返りが中途半端な雑種と思われる株も多く見られます。典型的なセイヨウタンポポは総苞片が強く反り返ります。同じ場所に生えているタンポポの花茎の高さを比べてみると、多くの花は地面すれすれで咲いているのに対して、結実して綿毛をつけた花茎は高い位置でした。このようにタンポポは開花の時期と結実の時期で花茎の高さが違います。
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◆メリケントキンソウ(キク科)
 大阪では公園の芝地や河川敷で増えている外来植物。根元に地味な花をつけていましたが、来月には結実して、硬い棘のある果実をつけているでしょう。
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◆トゲミノキツネノボタン(キンポウゲ科)
 果樹園やイナゴマメの近くで群生しており、黄色いじゅうたんになっていました。早く咲いたものは果実が熟しはじめており、果実の側面のとげも出始めていました。黄色のじゅうたんの中をよく見ると、ヘビイチゴやカタバミも混ざっていました。タンポポなどと合わせて春は黄色い花を咲かせる草本がたくさん楽しめる時期です。
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◆ソメイヨシノとオオシマザクラ(バラ科)
 並んで生えており、遠目に違いがわかりやすかったので紹介します。ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種だといわれていますが、花の時期には葉はほとんど出ておらず枝には花だけつきます。オオシマザクラは花と葉が同時に出ます。並んでみると全体ピンクの木と緑とピンクが混じる木で違いは明瞭でした。
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横川のTwitterアカウントでそのほかの写真も紹介しています。興味ある方はご覧ください。
https://twitter.com/yokogawa12/status/1246245145810317315?s=20

2020年04月04日

3月の植物園案内 記録

新型コロナウィルス感染症予防ということで、大阪市立自然史博物館も閉館、行事中止、長居植物園も閉園だったのですが、3月の植物園案内の記録として植物園を巡ってきました。『無観客植物園案内』の記録として書いておきます。早く通常の行事ができるといいのですが。(佐久間)

1. ツバキ (ツバキ科)ツバキは少し盛りを過ぎたあたり。椿の字は日本国内でのみこの植物を指します。ツバキは江戸時代の園芸でも主要な花木です。花の大きさから、八重、白から桃、赤などの花色、絞り、葉の斑入り、などなど様々な品種があります。この3月には長崎県五島市で国際ツバキ会議があるはずだったのですが、こちらも中止になってしまいました。自然史博物館でも『岸川椿蔵書』の展示を準備していたのですが、開館・公開できていません。Youtube で『岸川椿蔵書』の解説をしてみました
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2. ツバキキンカクチャワンタケ (キンカクキン科、子嚢菌)ツバキの樹下の落ち葉に埋もれるように生えるツバキキンカクチャワンタケです。落ち葉に埋もれたツバキの花弁を分解して生えてきます。残念ながら花がらまでたどれませんでしたが、柄の長いこと
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3. オオキバナカタバミ(カタバミ科) 長居公園でじわじわ広がってる感のあるオオキバナカタバミもよく咲いています。植物園外だと3番出口近くのバス停周辺に咲いています。
4. ウメ(バラ科)の花は終わりかけ。雌しべがついた花は枝の一番根元側のみ。
5. ナシ赤星病菌 (サビキン目柄生サビキン科、担子菌類)カイヅカイブキ上のさび病の冬胞子堆。雨などで成長しゼリー状になる。春になって近くのナシの木などバラ科植物が展葉すると胞子が葉の上で成長、ナシ赤星病を起こ。
6. サンシュユは満開。アンズはまだ開いていませんでした。
7. オガタマノキ (モクレン科)どうも鳥たちがついばむようでだいぶ花びらが散っていた。オガタマノキ属はモクレン属のような枝先でなく、枝脇の葉の付け根に咲く。花を覗き込むとたくさんの雄しべと穂のようになった雌しべの束がある。ハクモクレンも満開でした。シキミは開花直前。
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8. マンサクとシナマンサク (マンサク科)葉が残ったままなのがシナマンサク。目に染みるような黄色の糸状の4枚の花弁です。
9. クリスマスローズ (キンポウゲ科)よく咲いているように見えるが、この花ビラのように見えるのは、実は萼。下から覗き込んでみると花が終わって雄しべが全て落ち、ほとんど実になってるものもたくさんある。まだ咲いていて雄しべのついてる花には雄しべの根本にある短い平たいものがある。これが蜜葉(蜜が出る部分)で、これが本来の花びら。
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もう実になりかけた花 と  咲いている花、雄しべの根本に蜜葉が見える。

10. オオカンザクラ、フリソデヤナギが満開
11. 大池は引き続き水を減らしているものの、期待していたハタケゴケなどは見られず。

Twitterで写真付きで見られます・
< a href="https://twitter.com/sakumad2003/status/1236187570872053760">https://twitter.com/sakumad2003/status/1236187570872053760

行事が中止になってご案内できませんが、見かけた不思議なもの、わからないものなどは電話や電子メールなどでお尋ねください。

monitor@mus-nh.city.osaka.jp
通常配布している形式の記録はこちらでPDF形式でダウンロードできます。

2020年04月03日

特別行事「はくぶつかん・たんけん隊」

1月13日(月・祝)に「はくぶつかん・たんけん隊」が開催されました。
博物館には、展示されている標本以外にも、収蔵庫にたくさんの標本が保管されています。
それに、標本を作ったり、それを使って研究したり、いろいろな仕事をしている人が働いています。
この日は、学芸員さんの説明を聞きながら、普段は見られない研究室や収蔵庫など、博物館の裏側を探検しました。

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収蔵庫の入り口で説明。どんなものが保管されているのでしょうか?

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化石処理室で学芸員が実演!化石標本ができるまで、どのような手順で処理されるのでしょうか?

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第一収蔵庫には化石の標本が沢山!動物や植物の化石が大切に保管されています。

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実習室で学芸員が鳥の解剖の実演!鳥のはく製ができるまでの手順に、子供たちは興味津々。

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特別収蔵庫で世界のクワガタムシの紹介。世界にはカッコいいクワガタムシが沢山!


はくぶつかんたんけん隊では、親御さん向けのショートツアーもあり、親子で楽しめる行事です。来年もたくさんの方のご参加お待ちしております!