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2012年09月08日

博物館実習4日目

博物館実習4日目の今日は分担作業でした。
寄贈された標本をケース上でわかりやすいように順番通り並べかえる作業、共に寄贈されたその標本のデータがパソコン上のデータだったので、標本台帳に写し記入していく作業、そして明日、日曜日に行われる靭公園でのセミの抜け殻調べに向けて、配布資料のホッチキス止め。
それぞれ並べる、写す、止めるといった単純作業ではありましたが、博物館での研究、運営にとても大切な作業だと感じました。後々の研究を少しでもスムーズに行うために、野外活動において、参加してくださる方々に活動をよりわかりやすく、より楽しんでもらうために欠かせない仕事です。
実習生である私が仕事についてこのように書くのは博物館の方々に失礼かもしれませんが、小さいと思える仕事こそ大きく大切な仕事だと改めて感じました。
明日は博物館実習最終日です。毎日知識的にも技術的にも精神的にも学ぶことが多かったですが、最後まで気を抜かず頑張りたいと思います。

化石と本の一日

今日の実習は、午前中は展示の手入れ、午後は資料整理をしました。

展示の整理は実物の化石をケースからすべて取り出し、一つ一つエアースプレーで埃を取ったり、展示ケース内に閉じこもって自ら展示されながらケース内側のガラスを磨きました。明日博物館に来るお客さんがピカピカになった展示ケースを見てくれることを想像しながら一生懸命拭きました!

きれいにした後は、化石をもとの場所に戻すのですが、これがまた難しい!
取り出す前に撮った写真と見比べながらもとに戻したつもりでも、正面から見ると、手前の化石とラベルが重なって見えなかったり、全体のバランスがおかしかったり、と頑張って並べたつもりでも、ほとんど学芸員さんに置き直してもらうことになってしまいました。
小さい子でも、背の高い人でも、誰が見ても見やすく置くようにと、展示ひとつでもいろいろ考えてしなくてはいけないということを学びました。
学芸員さんが教えてくれる注意点を聞いていると、学芸員さんの展示物への愛情と、お客さんへの思いやりをひしひしと感じました。

午後からは資料整理でしたが、「大学からたくさん本をもらったので、その整理をしましょう」、と言われたので、「何冊ぐらいあるのかな?」と思っていたら、壁一面の本、本、本!隣の部屋に行けば床一面の本、本、本!!
ライトバンで7往復分ぐらいの量だそうです。
必死で分けたつもりでしたが、まったく進まず、気持ちばかり整理した程度で終わってしまいました。

学芸員さんの仕事量の多さにびっくりし、また、自分が出来る仕事量の少なさにしょんぼりしてしまった今日でしたが、明日は公園でセミの抜け殻集めです!!やったー!
天気があやしいようですが、小雨でも頑張って集めます!

実習4日目

今日私の班は、午前中は展示ケースの清掃をさせて頂きました。
展示ケースの中に入り、展示物を取り出して、ガラスや台座、床を清掃し、勿論化石自体も綺麗にしました。展示ケースの中に入る事など、実習が始まってから体験した事なので、とてもある種の昂揚感に満たされました。
午後は、大学から寄贈された資料の整理を行いました。
ロシア語やドイツ語で書かれた書物が多く、始めは四苦八苦しながら行っていましたが、慣れてくると、何処にどんな情報が記載されているかが解ってき、最終的にはとてもスムーズに作業が出来る様に成りました。
さて、明日で実習が終わる。なんだかあっという間でした…
明日は博物館を飛び出して、セミの脱け殻収集を行ってきます!
去年は約15000個だったのですが、予想では今年はもっと多いそうなので、張り切って拾い集めてきます!
でも、その前にセミが触られないという弱点を克服する方法を、なんとかして発見し明日に臨みたいと思います。

膨大な植物標本に囲まれて

実習4日目、私たち3班は収蔵庫内で植物標本の移動を行いました。

植物の標本庫はハーバリウムと呼ばれると教えて頂きました。
ハーバリウム内には大量の押し葉標本以外にも果実や材木、
標本棚には収まりきらな巨大な葉っぱ標本のなどなど、あらゆる物が保管されて満杯状態でした。

そこで、新しく標本棚を設置するためのスペース確保のため、
マウント待ちで保管されている標本を移動させ、お掃除をしました。
貴重な標本な標本なので扱う際には緊張しましたが、
普段は見ることのできないような植物の標本を見せて頂くこともできとっても楽しかったです。

今回移動させた標本が分類ごとに棚に収められるには、
マウントして、ラベルを付けて。。。たくさんの過程を経なければならない、しかもこんなに大量に。。。
そのことを想像するとぞっとしてしまいました。
標本を管理するのは本当に大変なことなのだと感じました。

明日はセミのぬけがら調査の予定です。
一度は参加してみたいと思っていたイベントなのでとっても楽しみです!!!
あした天気にな~~あれっ!

2012年09月07日

博物館実習三日目

 今日は博物館実習の三日目でした。
 午前中は一般収蔵庫の清掃を行いました。収蔵庫の中はおおよそ気温20℃、湿度50%に保たれていて、夏の暑さもあってか涼しく感じました。掃除を終えてみると、塵や埃に混じってキクイムシなどの虫が割と多くいることに驚きました。以前にも駆除を行ったそうですが、今こうして出てきているところを見ると、根絶することは出来なかったようです。害虫の問題は難しいのだなと感じました。また、収蔵庫内でボーリングの資料を見せてもらい、ボーリングを行う方法や、得られたデータの整理法、そしてボーリングによってどのようなことが分かるのかについて解説してもらいました。様々な場所のデータを地道に集めて整理するのは大変そうですが、それらをつなぎ合わせることで、大昔の地形や気候、生物の分布まで調べられるというのはすごいことだと感心しました。
 午後からは、今度行われるイベントのためのテストも兼ねて、ボーリングから得られたデータを基に地層断面図を作成する体験をしました。自分たちの作った図と大阪周辺の地層データを比較しながら解説してもらい、楽しみながら理解を深めることができました。さらにその後館内の地層を取り扱った展示を見て回りました。これらの展示にもボーリング調査の結果が生かされており、自分たちで実際にボーリングによるデータを取り扱って作業した後では、同じ展示でも今までとは違って見えるような気がしました。
 実習も残り後2日、最後まで頑張っていきたいです。

博物館実習3日目

今日は特別展での作業を中心に実習を行いました。
午前中は収蔵庫内の昆虫標本と特別展「のぞいてみよう ハチの世界」の見学をしました。
標本は学芸員の方が採集したものだけでなく寄贈のものも多いことや、保存の仕方がよければ数100年保ち続けることができることなどを学びました。
午後は特別展を見学した際に感じた改善すべき点を挙げました。文字の大きさやライトの当て方などさまざまな問題点が挙がりました。その内、パネルの位置や落下していた昆虫標本、拡大写真(一部)の倍尺の取り付けなど、すぐにできるものを修復しました。このときに、ショーケースやショーウィンドウの開閉も行いました。
実習ならではの貴重な体験もできてとても良かったです。また、展示することで出てくる問題点をどのように解決するかを考えるのは楽しく、しかし、とても大変なことであると感じました。

展示に関してさまざまな体験ができた1日となりました。明日の実習もこの調子で取り組んでいきたいです。


博物館実習3日目‐鳥

今日は博物館実習3日目、折り返しの日でした。

鳥類担当の学芸員さん指導のもと活動しました。
内容は主に鳥の仮剥製に、いつ、誰が、どこで採取したのかということを書いたラベルを
つけていく、というもの、
またその標本の簡単な分類や、収蔵庫に鳥類の液浸標本、哺乳類の骨などを納めるというものです。

数十ある鳥の仮剥製の中にはカラスやハト、スズメといった普段見慣れた鳥から、
あまり見慣れないアカショウビンをはじめ、初めて見る鳥が数多くありました。

鳥についてほとんど知らない状態での実習だったので、
見たことがない鳥を沢山見ることができ、とても興味深かったと同時に、コルリとオオルリが違う科の鳥である、など驚きの連続でもありました。

ラベル付けが終わっていないものやまだ仮剥製にしていない標本などもあるそうで、
標本を管理するためには多くの労力が必要であり、その難しさを感じた実習でした。

博物館実習3日目

博物館実習3日目は、植物研究室の先生のもと、行いました。

仕事の主な内容は、図鑑のスキャンと、図の照合でした。
午前中に、「原色日本菌類図鑑」、「続原色日本菌類図鑑」、「標準原色図鑑全集14 菌類」、「きのこ」の4冊の本の全てのページをパソコンにスキャンしました。自動スキャンシステムを使って、読み込む作業をしました。
また、収蔵庫に行って、きのこの標本や「原色日本菌類図鑑」を書かれた本郷さんの書かれたきのこの原図を見せていただきました。どれも、すごく細かく描かれていたので、驚きました。
午後からは、午前中にスキャンした4つの図鑑と、「原色日本菌類図鑑Ⅰ」の5冊の図鑑を、収蔵庫で見せていただいた、本郷さんが描かれた原図の照合をしました。原図は、もうすでにパソコンにスキャンされていたので、それを見ながら学名を調べ、図鑑の図と絵合わせをしました。同じきのこでも、いろんな絵があるので、しっかり見合わせて調べました。
それが思ったより早く終わったので、もうすでに展示が終わっているディスプレイを写真にとることをしました。

こまかく調べていくには、図鑑、標本、本郷さんのノートを一致させていくことが、第一なんだということを知り、それらを直接見ることができてよかったです。

単純作業だったけれど、流れができるまでは難しかったですが、3人で協力して、スムーズにすることができてよかったです。

2012年09月06日

博物館実習2日目

博物館実習2日目の今日、1班は主に植物の化石に関わることを中心に実習を行いました。
午前中は、貯蔵庫内の植物化石を見学と、資料の整理を中心に作業をしていました。
植物化石と一言で言っても、とても大きい幹の化石や肉眼では見えない花粉の化石など種類も様々です。さらに植物が石化したものだったり、葉の葉脈だけしか残ってないものだったりと化石のタイプもいくつかあって、分類は多岐にわたります。
貯蔵庫内は本当にたくさんの化石がありますが(こうやって普段は見れないバックヤードを見ることができるのも実習の特権ですね)、化石が出来た時代・採集した場所・日にちなど細かなデータが記載されていて、1つの化石についてデータをまとめるだけでも根気のいる作業です。これを貯蔵庫内にある化石でずっと行われていたと考えると…気が遠くなります。地道な作業を継続し続ける力というのが必要なんだなと感じました。
午後は、実際に外で学芸員の方が採集した化石を分類・整理しました。
整理する中でたくさんの化石を手に取って見ることが出来ました。写真で化石を見ることはありますが、なかなかこれほどたくさんの化石を見ることは滅多にないことなので、貴重な時間でした。
また、長居公園内の植物園に出向き、実際に生えている松などの植物が化石になったとき、どうやって種類を同定するかという方法を教えていただきました。普段そのようなことを気にして植物をみたことがなかったので、とても新鮮でした。化石になってしまうと、今生えているものよりも情報は少なくなってしまうので、限られた情報から、判断できる目と知識が学芸員には必要なんだなと感じました。

初日から関心しっぱなしの1日でした。明日もこの調子で頑張っていきたいと思います。

博物館実習2日目

今日は大阪湾に漂着したマッコウクジラの胃から回収された「イカ・タコの歯」のソーティング(分類)を行いました。
この歯は顎板といい、1対の上顎と下顎を持ちます。また、その形から「カラス・トンビ」とも呼ばれるそうです。上顎よりも下顎の方がより特徴的であるということなので、ソーティングには下顎を用いました。
検索表やすでに同定されている見本と見比べながらソーティングしていきました。形や大きさなどの特徴が書かれているのですが、初めのうちは見比べてもどの特徴に当てはまるのかも分からず頭を抱えていました。担当学芸員の方に聞きながらしていくと、徐々に判断がつくようになり、一見してわかるものも出てきました。しかし、確認していただくと間違っていた物も。
個体差があったり、欠けていたりして特徴が分かりづらい物も多く、同定作業の大変さを実感しました。今日は1日この作業でしたが、細かい違いも見極める観察力と集中力が必要だと感じました。

残り3日、まだまだ暑い日が続きそうですが頑張ります。

博物館実習2日目 

 実習一日目は、想像していたよりもずっと地味な作業(でも重要)が延々と続きました。
 まず、午前中は博物館に寄贈された地質学関係の書籍(すべて外国のジャーナル)を整理するという図書館司書のような作業から始まりました。ざっくばらんに紐でまとめられた本をばらし、ジャーナルごとに分類し国・タイトル・年度・巻号をラべリングしました。苦労したのはロシア語らしき言語で書かれた本の時に、いったいどこの国の出版物かわからなかったのと、キリル文字のスペルが難しかったことです。ロシア語の文献なんて読むのも大変だと思うのですが、実際に必要になることもあるそうです。驚きでした。どんな文献でもちゃんと整理して保管することも立派な学芸員の仕事であると実感しました。
 午後からは、博物館の南にあるビオトープへ向かいました。力仕事をやるから汚れてもO.Kな服装がよいと午前中に聞いていたので昼のうちにミュージアムショップで販売していたハチTシャツを買って着ていきました。ビオトープは一見すると、少し稲が植わっている他は何の変哲もないただの草地にしか見えませんでした。実はこのビオトープには昔の長居公園を再現するという立派なコンセプトがあるそうで、そう言われてみると畑と田んぼが広がっていた昔の長居を垣間見たように思いました。ビオトープの説明を受けた後は、隣接する植物栽培演習場的な場所の草刈りをしました。ここは通常は何かしら植物の栽培をする場所らしいのですが、今年の春から担当の学芸員さんがよそに移ってしまったので、放置状態で雑草が好き放題に繁茂していました。それからはひたすら2時間半ほど、途中で休憩を挟みつつも黙々と草刈りをしました。昼から天気が良くなり日差しが強かったこともあって、みんな汗だくになりながらの実習でした。別に実習生が来たからこんなことをやらせているわけではなく、普段から学芸員の皆さんも草刈りしているそうです。やはり自然史系の博物館はフィールドワークも多いし、普段から体力を養っておかねばならぬのだなぁと改めて認識しました。でもせっかく買ったハチTシャツがドロドロになってしまいました。ちょっと残念。

どんな実習があるか分からないので明日からは、もっと活動的な服装で実習に挑もうと思います。