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2016年10月13日

博物館実習2日目

 博物館実習二日目の内容です。
 3班は、地史研究室の林学芸員のもとで、金澤コレクションの同定と整理のお手伝いをさせていただきました。内容は、化石を同定し、出土場所や出土日時などの情報とともにExcel内に保存するというものでした。実習前に林学芸員から、「同定する化石は貝かカニかアンモナイト」と言われていたので、事前にわかっているなら簡単な作業だと思っていました。しかし、実際の化石を見てみると、どこに化石が埋まっているのかすらわかりませんでした。ほとんどの化石は、淡い線状模様や凹凸として、母岩に埋まるように残っていたため、母岩との区別がつきませんでした。普段、博物館の展示で観るような、明確に模様が出ている化石が、いかに保存状態がよくて数少ないものであるかを実習を通して知ることができました。3班には、地学系の学生がいなかったので、同定は学芸員の方を交えて、みんなで聞き合いながら行いました。そうして、100以上の化石の同定作業を終えることができました。初のグループワークでしたが、仲を深めることができたと思います。
 休憩中には、恐竜の卵の化石を見せていただきました。そのときに、恐竜の卵の化石が一昔前に、安価で大量に売られた時期があったというお話を聞かせていただきました。一般人でも手に入るような値段で売られたため、出土場所などの重要な情報が付加されないまま世間に出回ったそうです。現在は、取引に法などの規制がかけられているそうですが、標本としての価値がないものが未だに数多くあるという現状を知りました。標本を伝えていくという使命に、国際的な規約や人間のモラルの必要性と重要性を感じました。 (実習生I)

2016年10月09日

実習の最終日は秋祭り

2016年度秋季博物館実習・最終日のブログ担当、5班のYです。

本日は友の会秋祭り「海藻を楽しもう」が開催されました。
イベント内容は以下の通りです。
・海藻押し葉作り
・ところてん試食会
 
 まず1つ目の海藻押し葉作りでは、たくさんの種類の海藻が登場しました。その種類ざっと見た感じ20種類以上!(もう少しあった気も…)。海藻には大きく分けて、緑色の緑藻、赤色の紅藻、褐色の褐藻の3種類があります。今回はこの3種類の海藻からそれぞれ数種類登場し、机の上が少しずつ色味の異なる様々な色で彩られて、見ているだけでとっても綺麗でした。
 この海藻たちを押し葉標本にしたのですが、この方法が陸上に生えている植物の標本の作り方と少し異なります。陸上植物を標本にするときは、採集してきた植物の形を整えてはさみ紙に挟んでから新聞紙などの吸収紙で挟んで乾燥させ、できたものを台紙に貼り付けます。しかし海藻ははさみ紙に挟んで乾燥させるとはさみ紙に張り付いてしまって上手に剥がすことができません。そのため、まだ濡れている時点で台紙に貼り付けて、さらに吸収紙で挟む前にクッキングペーパーを上に載せます。これでどこにもくっつかずにきれいな標本を作ることができます。私も海藻の標本を作ったことがなかったので、クッキングペーパーを使うのには驚きでした。家でも簡単に海藻標本を作ることができそうです!

 2つ目のところてん試食会では、学芸員さんと実習生で午前中の内に作っておいたところてんを参加者みんなでいろんなタレで食べてみました。私の地元ではあまり食べる風習がないのか、初ところてんでした。煮ている最中も海藻の香りが漂ってきて海にいるような気分になってしまいました。食べるのも初めてなら作るのも初めて、ということで、参加者に混じって天付きで突かせてもらいました!意外と軽い力でプルっと出てきたので楽しくなってこっそり2回もしてしまいました。
 そして完成したところてんは黒蜜でいただいたのですが、食感がとても良くて美味しかったです。メープルシロップを少し足してみても美味しかったですよ。参加者の皆さんも思い思いのトッピングを持参してきており、ちょっとしたディップパーティーのようになっていました。フルーツを乗せている方もいて、とっても美味しそうでいいな〜と思いながら見ておりました。

 また、イベントの最中に標本にしている海藻を見て、「食べられるんですか?」と聞かれました。その時は正解を答えることができなかったのですが、後で聞いてみると海藻にも毒を持っているものもあるそうです。私見ですが、陸上植物よりも海藻の方が似て異なる種が多いよう見思えるので、もしご自分で採集して食べる時は十分注意してくださいね〜。

 博物館実習、短いようで、やっぱりアッという間に過ぎてしまった5日間でした。いつも大学で研究することのない分野を担当できる日も多くあり、昆虫・化石(岩石)・魚類・植物・哺乳類など実習内容以外で個人的にお話を伺ったことも合わせると、様々なものを見て聞いて匂って触れて食べて五感全てで感じ取ることができました。トラの鎖骨を触ることができたのは嬉しい体験でした。
 また、私は標本にとても興味があるのですが、今回の実習で毎日いろいろなものが収められている収蔵庫に入ることができたのは大変嬉しいことでした。びっしりと並んで研究されるのを待っているものたちが眠っている空気感、とても一言では表せませんが私にとっては心踊るような心地でした。
 秋まつりの最中にお子様と参加された方に将来何になるのと聞かれた時、いろいろなものが頭に浮かびました。この実習もこれからを考える際、大切な材料となります。小さい頃から今回のような博物館と直接関われるイベントに参加している子どもたちが、この出来事を材料にしてどのような将来を選択していくのか楽しみに思います。

 ものすごく長くなってしまいました、読んで頂いてありがとうございました。

2016年10月08日

2016年秋 博物館実習4日目(1班)

 今日は植物分野のお仕事を体験しました。

 午前中は完成した押葉標本を科ごとに仕分ける作業を行いました。押葉標本とは、採集した植物を押し花のように乾燥させて作る標本です。
 乾燥させた植物は、カラッカラのペラッペラなので、慎重に扱わなければ簡単に壊れてしまいます。作業をした標本の中には種子が付いているものもあり、ポロっと取れてしまわないかとドキドキの作業でした。

 午後からは、地下の特別収蔵庫で登録が完了した植物標本を収蔵する作業を行いました。科ごとに分類されている標本を、今回は属ごとに分類し、さらにその属の中でアルファベット順に種小名で収蔵庫に収めていくという作業です。午前中と同じく、標本を傷つけないように注意しながら作業を進めました。
 収蔵する際にちょっとでも違う場所に入れてしまうと、標本が必要な時になかなか見つけることができなくなってしまうので、非常に責任重大な作業でした。でもこれは普段見ることのできない学芸員の大切なお仕事の一つでなので、今日の作業は貴重な体験となりました。
 ひんやりと涼しい特別収蔵庫なのですが、薄着で長時間の作業をしてあたので体が冷え切ってしまいました。

 明日は実習最終日です。イベントのお手伝いを頑張ります。(1班 W.Y)

博物館実習 4日目 3班

博物館実習4日目です。本日の3班は植物に携わりました。

 午前中は隣の植物園にドングリを拾いに行きました。ドングリは山にも身近な公園にもあり、興味を持たれる方が多いそうで、ドングリ関連のイベントは人気なのだそうです。
見分けるときはまずドングリの帽子を見てその形や模様を見ました。そこから、毛の有無や軸にたくさんまとまってついているかなどをみてドングリの種類を判断しました。ドングリはみんな似ているし見分けられる自信がなかったのですが、ポイントを抑えると簡単に種類がわかりうれしかったです。これをきっかけに覚えて、役立てたいと思います。種類によってドングリを落とす時期が少しずれており、今回採取できなかったドングリもありました。植物園を回っただけで11種類ものドングリが採取されました。日本に生息するドングリは20種類ほどなのでその半数以上も採取できて驚きました。今回拾ったドングリは来年の行事で使うそうです。その行事でどんなことをするのかは教えていただけなかったので、来年、そのイベントに参加したいと思っています。
 また、貸し出しキットなるものがあると知りました。貸し出しキットは理科のみならず、他教科でも植物や動物が関連するところで学校教育に役立てられるように作られています。ドングリの貸し出しキットもありましたが、タンポポのキットが興味深かったです。花が咲くまでの写真やセイヨウタンポポとカンサイタンポポの違いを見られる資料が入っていました。とても力を入れて作られていて、このキットを使った授業が受けてみたかったと思いました。

 午後は1班が午前中にしていたソーティングを行いました。ソーティングとは、標本を科ごとに分けることです。今回分けた標本は個人採集者からの寄贈や大学との交換で入手したそうです。大阪市立自然史博物館では新エングラー体系に従って分類し保管されているそうです。標本にはラベルがついています。ラベルにはいつどこで誰が採集したかを必ず記載しなければなりません。しかし、学名や和名はあったほうが良いですが、記載する必要はないそうです。なぜなら、研究者が見れば種類がわかるから出そうです。今回は、幸い、学名も和名も記載のない標本はなかったので、素人の私たちでも図鑑やインターネットを使いながら科を調べていくことができました。
 植物標本は同じ個体から複数の標本を作ることができます。そうしてつくられた標本をduplicateといいます。直訳すると「控え」という意味です。同じ標本を複数つくり、いくつかの場所の収蔵庫に保管することで、災害などで一つが失われてもほかの収蔵庫には残すことができます。また、研究の再現性を確認するために他の場所に保管された同じ植物の標本を使用して実験するということもあるそうです。これは植物ならではできることです。
 標本は今後何年も保管され、地理的・時間的スケールをたどるような研究やさらなる研究に用いられる資料となるものもあるでしょう。標本があればそのかたち、組織やDNAなどを用いて目的に応じた研究ができます。標本は貴重な地球の財産だと感じました。

明日で実習が終了します。違う場所で学んできた大学生と情報を交換しながら、実際に働く学芸員から多くのことを吸収できたように思います。ラスト一日、悔いのないように行動していきます!最後までよろしくお願いします!

博物館実習4日目 2班

2班、4日目ブログ担当のKです。
よろしくお願いします。

今日は第四紀研究室の学芸員さんが担当されるとのことで一体どんなことをするんだろうとみんなで予想してましたが、全員の予想は外れました。
午前の実習内容は、博物館敷地内の草刈りです。これも毎年12月に学芸員さんがやるお仕事の1つです。昆虫の苦手な人が多かった2班ですが、初日にアカバネオンブバッタを追いかけ回した私たちは、もうクモもバッタもカマキリもへっちゃらです。黙々と草刈りを行いました。ただ、久しぶりの肉体労働で身体の至る所が悲鳴を上げており、明日はみんな筋肉痛でしょう。草刈りを全てやりきったので達成感のある疲れで今夜はぐっすりと眠れそうですね。

午後からは最初に、一般収蔵庫の掃除を行いました。重い扉で厳重に締め切ってある部屋なのでそんなにゴミはないだろうと思っていたのですが、通路や棚の下から大量の埃や髪の毛が出てきました。これらのゴミが原因となり資料を痛めかねないので定期的な掃除は重要です。

本日最後の実習は、一般収蔵庫に収められている剥ぎ取り標本のデータ整理です。剥ぎ取り標本とは、地層を剥ぎ取って特殊な接着剤を使い、1枚の地層のついた布のようなものを木の板に固定したものです。博物館などで実際に目にしたことがある方もおられるのではないでしょうか? それらの採集場所、採集日、採集者、時代、備考を1枚1枚の確認しながらデータ整理用の用紙に記入しました。
以上が2班の4日目の実習内容です。

2班のメンバーは全員住んでいる所がバラバラです。本当ならお互い駅ですれ違う事もないでしょう。それでもたまたま同じ博物館で同じ班になって仲良くなれて、このメンバーでとてもよかったなと思っています。博物館実習は班のメンバーと仲良くなることが目的ではありませんが、それでも1つ1つの繋がりを大事にすることは何をする上でも1番大切なことです。小さな繋がりがいつか大きな繋がりを作っていってくれたらいいなと思います。

さてさて明日は実習最終日です。
疲れも溜まってきているとは思いますが、最後まで精一杯頑張りましょうね!

2016年 秋季学芸員実習 4班

 学芸員実習4日目、4班は魚類の分類を専門とする学芸員の方の指導のもと、実習を行いました。
 まず、液浸収蔵庫へ行って魚類の液浸標本に使用する薬品、保存のための瓶、ラベルにデータを記入する際に使用するインクについての説明をして頂きました。アルコール中でもラベルに記入したデータが消えずに一番長持ちするのは墨であるということには驚きでした。データを残すためには、標本そのものの管理だけではなく、記入したデータを残す手段を考えることも重要だということに気づくことができました。
 そして、魚類の分類体系の話もして頂きました。博物館では1つの魚類の分類に関する書物に従って学名や標本を並べる順番が決まります。しかし、最近は、遺伝子を調べることで分類体系が大きく変わるということが頻繁にあるそうです。その度に、標本を動かしたり順番を更新したりしなければなりません。今日は、収蔵庫の標本を運んで整理するお手伝いをしましたが、液浸標本は液体が入っていて、さらに、瓶の物もあるので重く、運ぶのは一苦労でした。分類体系が変わってもすぐに対処するためにも、分かりやすい標本の管理の仕方が重要であると思いました。
 また、標本の整理以外に、寄贈されたExcelのデータを台帳に記入するという作業も行いました。その記入には、墨とほぼ同じ成分である、製図に使用するペンを用いました。パソコンのデータだけではいつ消えるか分からないので、手間はかかりますが、紙媒体に記録することも大事だと感じました。

 今日の実習で、標本はデータを残すことが大事であるということを改めて感じました。実際に学芸員の方がどのように標本・データを管理しているのかを知り、さらに、それらを扱うことができたのでいい経験ができました。ありがとうございました。(4班 M・G)

2016年秋 博物館実習3日目 4班

実習3日目の4班ブログ担当のM.Tです。よろしくお願いします。
実習も3日目となり、班のメンバーもとても打ち解けてきたように感じます。

さて、この日の実習内容についてですが、担当であった学芸員の方が午後は用事のため、午後は別の学芸員の方が担当となりました。そのため、1日で分野の異なる2人の学芸員の方の作業を手伝わしていただき、とても内容の濃い一日となりました。

午前中は、植物担当でキノコ類が専門である学芸員の方のもとで、キノコ類の標本の製作から登録までの過程を教えていただき、登録前のキノコ類標本を整理する作業を行いました。
標本というと、昆虫標本のような乾燥標本や魚介類などの液浸標本を思い浮かべますが、キノコ類の標本製作はそれらとは異なります。具体的な製作方法は、まず採集したキノコ類を凍らせ、それをフリーズドライの機械に入れて氷を昇華させ乾燥させます。このような行程をふむことで、標本の細胞などを破壊せずに乾燥させることができるそうです。
そうしてできたフリーズドライのキノコは、採集日時と場所・和名が記されたラベルとともに別々に袋詰めされます。私達はこの行程をお手伝いしました。
フリーズドライによって水分を抜かれたキノコは見た目や色はほとんどそのままのように見え、目にも楽しい作業でした。また、キノコ標本のかさ部分を一部切り出し、顕微鏡で観察してみると、胞子やそれを支える担子器などの細胞が観察でき、この標本は展示だけでなく実際の研究にも活用できるものなのだと実感できました。

午後は、主に鳥類や哺乳類といった陸上の動物を担当している学芸員の方の指導のもと、あらかじめ肉を腐らせていた犬の骨に残った付着物を取り除く作業を行いました。
哺乳類や鳥類の骨格標本を製作するには、まず手に入った動物の死骸の革や内臓を除き、肉を腐らせる必要があります。肉を腐らせるには、水につけたり砂場に埋めるなどの方法があるそうです。そうすると、微生物や昆虫によって肉が分解・摂餌され骨だけが分解されずに残ります。しかし、あまり長時間放置していると骨まで傷んでしまうことがあるので、一番デリケートな頭部の状態を基準として取り出すそうです。
取り出された骨には汚れや昆虫の死骸、そして腐りきらなかった軟骨や筋などが付いているため、これを取り除く必要があります。私達はこの行程をお手伝いしました。そうして余計なものを取り除いた骨は、乾燥させれば標本として完成するそうです。
骨から余計なものを取り除く作業は、とても小さな骨や力を入れすぎると折れてしまいそうな部分があり、また今回扱った骨がペットとして飼われていたシェパードの骨であるということもあり、失敗すると貴重な標本の価値を下げてしまうだけでなく飼い主の方にも申し訳ないため気の抜けない作業でした。しかし、今洗っている骨がどの部分か想像したり、人間と犬の骨格の違いや老いた動物の骨の特徴(この犬は老犬だったそうです)を観察することができ、とても興味深い作業でした。(それとは別に、普段あまり見ることができない腐肉食性の昆虫が混ざっていたりして面白かったです。)

今回の作業で、普段私達が博物館で目にする標本の数々は出来るだけ長く、そして研究対象として価値のある状態で保存するための様々な工夫がされていることを実感することが出来ました。
実習も後半になりましたが、残りの日程も学芸員の仕事についてよく学び、意義のある実習にしたいと思います。

2016年10月07日

2016年秋期博物館実習3日目(2班)

本日は5日間ある博物館実習の折り返し地点・3日目です。ちらほら2班の中ではお疲れの方が出てきたようで・・・。それはさておき2班の博物館実習は次の通りです。

 午前中は収蔵庫に収められている「大山桂文庫」の整理を行いました。「大山桂文庫」とは、貝類研究者の大山桂博士(1917~1995)の蔵書です。大山博士は戦前、日本がインドネシアに設置した科学研究機関、海軍省マカッサル研究所を経て、戦後は地質調査書の調査員となり、退官後は鳥羽水族館の研究員を勤めました。大山博士は論文を重視した研究を行っていたため、18~19世紀の原記載論文や図鑑・雑誌などの膨大な資料を個人で収集しました。没後は鳥羽水族館が保管していましたが、2014年に大阪市立自然史博物館に寄託されました。
 2班はそのほんのほんの一部を整理することになりました。整理した資料の一部には英語・ドイツ語・中国語・旧字体で書かれた書籍が多数あり、年代順に揃えるのに苦労しました。傷んでいる書籍もあったため、みんな慎重に慎重に作業をしていました。また、資料の中には「痛風」という雑誌(もしくは会誌?)があ混ざっており、大山博士は痛風持ちだったのでしょうか・・・・・・?

 午後は大山桂文庫の整理の続きとハンズオンの展示で使う貝の標本づくりを行いました。標本づくりの作業に入る前にハンズオンで使うマテガイやカキの標本を学芸員さんに見せていただきました。種類によっては手に触れて怪我をする可能性もあるため、表面ににニスを塗って表面をコーティングをして、対策を取っていました。しかし、そのようにすると実際の感触が伝わらないとも仰っていました。安全性と両立するのは難しいみたいです。
 標本は指導学芸員の皆様(?)のお腹の中に入ったハマグリ・サザエ・スガイ・クボガイです。ハマグリは口がしっかりと閉じた状態にし、口に沿って瞬間接着材を塗って完成です。サザエ・スガイ・クボガイといった巻貝は貝の中にシリコンを適度な量を注入し、貝の蓋を取り付けます。シリコンを適度な量を入れるのが意外と難しく、多いと蓋が浮き、少ないと沈んでしまいます。しかし、女性陣はてきぱきとこなし、指導学芸員さんに褒められるほど! 男性陣は失敗作がいくつかあったり・・・。これが男女の違いなんでしょうか・・・? 合計して約50個ほどの標本を作りました。これが展示に出されると考えると、私たちが作ったハンズオンの展示がきっかけで「自然に興味を持ってくれる。」と考えると嬉しくも、少し恥ずかしくもあり、不思議な気持ちです。

 実習については以上です。博物館実習も残り2日となりました。そう思うと少し寂しくも感じますが、限られた時間の中で、多くのことを学びとれるよう名一杯がんばりたいと思います。

学芸員実習3日目

今日の日記を担当します、1班のA・Sです。宜しくお願いします。
今日は1班は石井先生と特別展の目録作成を行いました。

まず大項目、中項目、小項目、標本、図、写真のタイトルを全て表に書き出す作業。
班員4人で分担しても膨大な量で大変でしたが、学芸員らしい作業に個人的には楽しんで取り組めました。
自然史系の博物館は、美術館や歴史系博物館とは異なり、特別展が始まるまでに目録を完成させることはできないとのこと。また、特別展が始まった後も展示物の入れ替えや追加はよくあるそうです。その分、学芸員の苦労は増えるかもしれませんが、より良い展示を追求する姿はむしろ他の博物館も見習うべきことなのかなあと思いました。

午前中はリスト表を作るだけで終わってしまったので、Excelに打ち込む作業は午後から。二人一組での作業でしたが、とにかくひたすら打ち込みました。
私のペアは早めに入力が終わったのですが、もう1ペアは今日の最後まで打ち込み作業。分担の割合を間違えたのかな…。石井先生も想定外の時間がかかってしまったみたいで、今日の作業はこれで終了でした。
大変な作業ではありましたが、滅多に経験できる作業ではないですし、今回作成したExcelファイルは大阪市立自然史博物館に保存されるという事で、少しは貢献できたかなあと嬉しくなりました。

作業中心の1日でしたので、せっかくの石井先生の専門のお話をじっくり聞く機会がなく残念でした。また時間があるときにいろんな話をお聞かせいただきたいです!
石井先生は、作業の途中でもお客さんの対応をされていて、声のトーンが自然と上がってしまうほど楽しそうにお話しされていました。好きを仕事にするっていいなあとしみじみ。
私も益々学芸員という狭き門への憧れが高まった気がします。

早いもので今日で実習期間の折り返しです。残りの2日間も真剣に楽しく取り組みたいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました。(1班 A・S)

2016年秋 博物館実習3日目(5班)

 博物館実習も早いもので3日目となり折り返しとなりました。
 5班の実習3日目の本日は、一般収蔵庫で博物館に寄贈されたアンモナイトの化石標本の整理と登録作業を行いました。このアンモナイトは8000年前のものだそうで、研究者に注目されるような非常に珍しい新種も中には混入しており、1つの大きな箱にまとめられた化石を、一つ一つ小さな箱に入れて小分けしていく作業では化石を床に落としてしまわないか心配で、気の抜けない作業でした。化石と言ったら、学校で観察するような小さなサイズのものを想像するかもしれませんが、今日実習で取り扱った化石は一人で持ち上げるのも難しい大きさの化石もあり、箱を移動させる際は、2人掛かりで持ち上げないと運べない重さのものもあります。コレクターで化石が好きな人は2tでも3tでも収集するそうですが、そのようなコレクターの方がいるおかげで、貴重な資料が未来に残されていくため、コレクターの方には感謝しなければと思いました。
 午前中は化石標本を整理で終了し、午後からは登録作業に移りました。登録作業では化石に標本番号を振り、エクセルに産地や年代と言った標本の基本情報を登録していきました。化石の数が多く、想像した以上に手間の掛かる作業でしたが、化石は研究していく上での手掛かりとなる貴重な資料であるため、標本の整理も非常に大切な作業のように思いました。
 今日もとても有意義な時間を過ごすことができました。有難うございました。明日から5班の3名は、それぞれ別の分野で、他の班に混じって実習を行います。私は植物分野となります。明日の実習でも、ここでしか学べないことを吸収できるように頑張りたいと思います。

2016年秋期博物館実習3日目(3班)

 早いもので、博物館実習も3日目を迎えました。3班は昆虫、特に蝶に関する実習を行いました。
 午前は、翌日の10月8日に行われる蝶の観察・マーキングのイベントで用いられるパワーポイントで、バタフライガーデンとアサギマダラについての説明を学芸員さんにしていただきました。バタフライガーデンとは、蝶を集めて観賞するために食草と吸蜜植物を集中的に植栽した場所のことです。大阪には長居植物園のバタフライガーデンの他に、狭山池の蝶の森や彩都バタフライガーデン、梅田スカイビルや伊丹空港駅にもあるそうです。そもそもバタフライガーデンという場所の存在を知らなかった私は、梅田のようなビルの建ち並ぶ場所にもそのような所があると聞いて非常に驚きました。機会があれば是非とも訪れてみたいです。長居植物園のバタフライガーデンは、2014年初めの植物園との定例会議に端を発し、現在では先に述べたようなイベントが開催されるに至っています。バタフライガーデンの開設に関しては、ただただ蝶が好むような植物を植栽すればよいというものではなく、植物を増やす場合は挿し芽などの栄養生殖のみとする、農薬を散布しないといった留意点がいくつかあります。ターゲットである蝶も生き物ですから、人工的に呼び寄せることは簡単なことではないと思います。現在では、長居植物園のバタフライガーデンには様々な蝶が飛び交っていますが、それはバタフライガーデンに関わっている皆さんの努力と細かな気配りの賜物であると感じました。アサギマダラについては、その長距離移動を主として説明していただきました。アサギマダラは日本国内だけでなく台湾や香港にまで旅をする「国境のない」蝶で、春には北上、秋には南下するとのことですが、詳しい移動範囲は明確でないそうです。1980年頃から蝶に油性のサインペンでマークを付けて移動を調査するマーキングが始められ、その調査によって春の北上と秋の南下が判明しました。翌日8日のイベントではそのマーキングが行われるとのことで、もし自分がマーキングを行ったアサギマダラが日本のどこか別の土地、もしくは異国の知らない土地で発見されたときのことを考えてみると、今までに感じたことのないような自然の神秘やロマンを感じるでしょうし、アサギマダラの謎解きに参加したという高揚感も得られると思います。そのような感覚的なことに加えて、自然や昆虫などに興味をもつきっかけとなりうるという意味合いでも、今回行われるようなイベントは重要であると考えました。
 午後は実際に長居植物園のバタフライガーデンに赴き、そこで草取りと植栽を行いました。草取りでは、ガーデン内のワルナスビやヌスビトハギを中心に雑草を取っていきました。ワルナスビは茎や葉に棘があり、ヌスビトハギは根を深く張っていて、どちらも容易に取ることはできませんでした。草取りをしていく中で、除草剤を使いたいという気持ちが芽生えてきましたが、除草剤も一種の農薬ですからバタフライガーデンでは使うことはできません。少しの時間でしたが、草取りをすることでバタフライガーデンの維持・管理の大変さを身をもって感じることができたと思います。植栽では、アサギマダラの食草となるサクラランをガーデン内の2か所に植えました。サクラランは木漏れ日が当たるような半日陰を好むそうなので、一つはそのような場所に、もう一つはより日が当たるところへ実験的に植えました。バタフライガーデンを維持していくだけでなく、より良い環境にしていくことも不可欠だと思うので、その作業にほんの少しでも携わることができて嬉しく思っています。また実習中にはアサギマダラの姿を実際に目にすることができました。バタフライガーデンにはそのアサギマダラを写真に収めようとカメラを持った方たちが多くいて、魅了されている様子が見てとれました。このように、蝶は人を惹きつける力があり、同じ趣味をもつ人たちに交流の場を与える可能性を秘めていると思います。しかしながら、蝶はキャベツなどを食べる害虫としてみられる側面もあるようで、今回の実習で蝶と人間の関係性を改めて考えさせられました。
 残りの実習においても、できるだけ多くのことを吸収し、実りある時間にしていきたいです。

2016年秋期学芸員実習 2日目

アフリカヘラサギとクロトキの属間交雑個体、国内の記録が少ないカワリシロハラミズナギドリ、希少種のミゾゴイ。
これらは、本日の学芸員実習で触れた仮剥製の面々です。大阪市立自然史博物館には多種多様な資料が持ち込まれますが、まさしくそれを印象付けるような強烈なラインナップでした。

学芸員実習2日目は班に分かれ、学芸員の指導に従い専門分野ごとの作業に従事します。我々の班は、動物研究室の和田学芸員の指導のもと鳥の仮剝製整理、及びザトウクジラの骨のラベリング作業を行いました。
仮剥製の整理とは、既に完成した仮剥製のふしょに標本カードを結わえる作業です。
カードは、博物館資料と台帳を番号を介して結びつける重要なものであり、脱落しないように結ぶことが肝要です。標本カードを見ていて、大阪市立自然史博物館に持ち込まれる資料はさまざまな地域から送られたものである、ということに気づきます。例えば、大阪府内で拾得されたハシブトガラスやドバトの死体、南西諸島で拾得されたシロハラの死体、天王寺動物園で死去したペリカンの死体など、その来歴は実に多様です。

収蔵スペースや仮剥作成にかけられる時間は有限であることから、収集努力量をどのように振り分けるべきか、という点に興味を持ちました。
博物館周辺で拾得された資料は、その他の資料と比較して「地域の自然史を代表する資料」としての側面を持ちます。例えば、対象地域にどのような生物が生息しているかを知る際には、あるいは対象地域の保全活動を推進する上でのレファレンスや普及活動のツールとしての価値を持ちえます。
一方で、遠方で採集された資料を大規模な博物館が集約的に管理することは、分類学や系統地理学の礎となりえます。博物館資料から隠蔽種候補を抽出したい、計測値を得て形態的特徴を比較したい、DNAサンプルがほしい、といった場合には複数地域の資料を同時に比較検討できる環境が望ましいでしょう。
ただし、どちらについても博物館資料としての価値にトレードオフの関係があるように思えます。立山で採集されたカヤクグリの死体は、立山周辺の博物館、あるいは都市の大規模博物館、どちらに寄贈されることが博物館資料としての価値を最大化できるのでしょうか...?
ここでまた議論すべきであるのが、仮剥製作成技術を持つ学芸員が少ない、ということです。
寄贈された死体を適切な方法で資料化、長期管理できないようであるならば博物館資料としての価値を損なうでしょう。
私の結論として、各博物館で、仮剥製技術を持つ学芸員や収蔵スペースの有無、地域の自然史資料の収蔵数、論文化/普及啓発活動実績などの情報を共有し、それに見合った管理を行うことが博物館資料としての価値を広域的に最大化できるのではないか、と考えました。
同時に、鳥類の計測値情報は非常に貴重であるので何かしらの形(データペーパーや博物館紀要など)で公開されるのが望ましいと思いました。

2016年10月06日

2016年秋期博物館実習2日目(2班)

 博物館実習の2日目です。2班は昆虫分野に関する実習をしました。
 午前中は主に研究用のアカハネオンブバッタの採集とその飼育の準備をしました。アカハネオンブバッタは近頃大阪を中心に生息域を拡大させている外来生物です。このバッタがどこから来たか、どのような性質を持っているかなどを研究するために採集・飼育しているそうです。
 採集は長居植物園で行いました。サンプル袋を片手に素手でバッタを捕まえていきます。草むらで見つけにくく、見つけても跳ねて逃げていくバッタに、実習生たちは四苦八苦でした。それでも学芸員さんの力も借りながら、雄と雌それぞれ10匹ほど採集しました。このとき、雄と雌は分けて袋に入れておきます。一緒に入れてしまうと「おんぶ」を始めてしまう恐れがあるからだそうです。
 採集の次は飼育の準備です。まずバッタの餌を採りました。餌はアサガオの葉です。しかし今回採った葉には毒性があるらしく、本当に与えて大丈夫なのかと思いつつも、合わせて40枚ほど集めました。次に飼育用のケースにバッタ1匹と葉1枚を入れていきます。この作業では今日捕まえたバッタの他に、以前学芸員さんが捕まえたバッタ、既に飼育を始めているバッタについても行いました。様々なところから採集されたバッタがいるので、ケースのふたには「どこでいつ捕れた何なのか」が分かるように書いていきました。何匹もバッタが入った袋から逃がさないように1匹だけ取り出して移していく作業は難しかったです。しかし作業も後半になってくると実習生たちは作業にもバッタに触れるのにも慣れてきて逃げ出したバッタも電光石火で捕まえて無事ケースに納めるまでになっていました。
 バッタ関連の作業が終わった後は収蔵庫の見学に行きました。収蔵庫見学は昨日も行いましたが、今回は昆虫の区画について、その棚の中の標本を見させていただきました。見た昆虫は色が一見地味なもの、鮮やかなもの、形では極端に触覚や前脚が長いものなど多岐に渡っていました。数箱のドイツ箱を見ただけでも昆虫の多様な世界を垣間見ることができました。
 午後はウスバカゲロウの仲間の標本作りと種の同定、収蔵庫への収納を行いました。標本作りでは乾燥させたウスバカゲロウに小さい三角形の台紙を貼り、ラベルと共に針でまとめます。乾燥した昆虫は非常にもろくなっているので慎重に作業する必要があり、神経を使いました。幼虫もいる場合はカプセルに納めて親と同じ針に刺して親子が分かるようにしたり、脚や触覚が折れたときは同じ台紙に折れた部分を貼り付けておきます。こうすることで研究資料として十分な価値が出るそうです。
 標本作りが終わると、次は種の同定を行いました。ウスバカゲロウの仲間は翅脈や羽の模様、触覚やケヅメの違いを見ることで種を特定していきます。今回は、以前自然史博物館が出版した種の見分け方を著した資料を用い、絵解き検索をしました。肉眼・ルーペでは見にくいところは実体顕微鏡も用いながらの作業でした。それでも見分けがつきにくいものがあったりと難しい作業でしたが、正しく同定できたときは嬉しさと達成感を抱きました。
 種同定したあとは、標本のデータを記録してから収蔵庫に納めて一連の作業は完了です。昆虫の標本は正しく処理をして収蔵庫で保管しておくことで数百年は状態を保てるそうです。自分たちの作成した標本が長い年月残り、将来研究に活用されるかもしれないと思うと感慨深いものがありました。
 実習2日目は以上で終了です。残りの実習日も種々の活動から多くのことを学びとれるように取り組んでいきたいと思います。

秋期学芸員実習 2日目

 本日は秋期学芸員実習2日目です。日誌を担当するのは、5班Hです。
 5班では、初宿学芸員の指導、解説の下、昆虫標本の整理を行いました。

 標本を手に入れる方法としては、採集、寄贈、購入、交換、寄託などがあります。標本を集めるということはとても大切なことですが、集めて終わりというわけにはいきません。採取日や採取地点、寄贈品であるならば寄贈者情報などといった、標本に関する様々なデータを付け、さらに、種類ごとに分類して保管する必要があります。データがそろっていない標本は「ごみ」として扱われます。せっかく手に入れた標本が「ごみ」になってしまわないように、「標本受入票」にしっかりと記録します。
 今回行った作業の一つは、誰からの寄贈品なのか、ということを示すラベルを標本に付けていく作業でした。寄贈者の名前と整理番号(受け入れ簿に記録してある番号のこと)を印刷したラベルを標本に付けていきました。
 標本を扱う際には、周囲にぶつけて壊さないように注意して作業を行います。「ここまで集中したのも久しぶりだ…」と思えるぐらい集中していました。5班では実習中はほとんど話し声が聞こえませんでした。
 
 今回行ったもう一つの作業は、種類がごちゃまぜになっている標本を、種類ごとに分類する作業です。
 昆虫に限らず、地球上の生物は、界、門、綱、目、科、属、種の7段階の構造で分類されています。「科」以降の分類には専門知識が必要となり、私たちでは難しいので、今後の分類作業が行われやすいように「目」のレベルまでで分類、整理を行いました。
 現在みられる昆虫は30目に分けられます。今回の実習では15目ほどの昆虫を分類しました。「目」のレベル、と言っても、分類は簡単ではありません。ハチ(膜翅目)とアブ(ハエ目)というように、見た目はそっくりなのに目が違うものや、セミとカメムシ(共に同翅目)といったように見た目はぜんぜん違うのに同じ目に属しているものがあります。さらに、昆虫は小さいものが多いので、ルーペも使い分類を進めていきます。
 
 標本の整理はとても時間も人手も掛かる作業です。ですが、とても大切な作業でもあります。しかし、博物館では人手不足が問題となっており、今回の作業を通して、人手不足がいかに打撃的かということを再認識することができました。
 明日以降は別分野の実習になります。そちらもしっかりとがんばっていきたいと思います。
 最後になりましたが、初宿学芸員には指導、解説していただき一日お世話になりました。ありがとうございました。

2016年秋 博物館実習2日目

本日担当させて頂く4班のKと申します。
本日から3~4人の班に分かれて、3日間実習することとなっています。
各班に1人学芸員の方がついての実習となっており、4班には今日地史(例えば化石など)を専門とする学芸員の方が担当してくださいました。

始めに植物化石の分類や登録システム等の基本となることを教えて頂きました。植物化石といっても1種類ではなく、鉱化化石、圧縮化石、及び印象化石の3種類あります。私は、今まで鉱化化石と圧縮化石を同じものと認識しており、大きな発見でした。

次に、学芸員の方が採集してきた化石の整理及び、化石群を割って化石の発掘を行いました。湿っているとき、化石は比較的みやすいらしいのですが、乾燥すると白っぽくなり、見にくくなるため、学生にはかなり見つけることが難しいと感じました。しかし、化石を割っていくと突如、実の化石が出てくることもあり、その時はとても嬉しかったです。

昼休憩を挟んで採集現場の写真をスライドで見せて頂きました。同じ地層がどこにあるのかを知る方法なども教えて頂きました。

最後に外に行き、植物の葉序や木の実の種子や果実について、実物を見て教えて下さいました。また、そこにはない植物で私たちの身近なものを例に話を膨らましてお話してくさいました。それにより、現代の植物に見られる特徴が化石の同定にとても役に立っていることがとてもよくわかりました。数千万年前に見られる特徴が今も変わらず見られることがとても興味深く感じました。基本的な構造はとても安定しており、環境に適応しているのではないかと考えました。

本日の実習では化石から現代の植物まで幅広いことを学ぶことができとても有意義な時間でした。特に、化石群を割って新たな化石を探すという経験は、なかなかできるものではないのでとても貴重な経験でした。

2016年10月05日

2016年 秋期学芸員実習 1日目

 本日から5日間、よろしくお願いします。

 1日目の実習内容はオリエンテーションと館内の見学でした。
午前中は、配布された博物館実習資料に基づいて、大阪自然史博物館の特徴や抱えている問題点について、話が進められました。
 大阪自然史博物館の特徴としては、「自然史博物館友の会」との関係の深さを一番に挙げられていました。当館の考え方として、博物館は自発的な学習を促す場だ、ということを何度もおっしゃられていましたが、その考え方を貫いた結果が、自発的な学習を博物館を利用して積極的に行おうとする人々の集まりである「自然史博物館友の会」という形で現れているのだと感じました。また、普段できないような行事を友の会で行ったり、特別展の展示を友の会のメンバーの方々と協力して作ったり、標本の元となる死骸を友の会の方から提供してもらったり、など自然史博物館の活動には、友の会の協力が欠かせないものになっており、その惜しみない協力が大阪自然史博物館が50年近くも続いた一つの要素なのかなと思いました。
 大阪自然史博物館が抱えている問題としては、展示の初期費用はつくが、更新を行うための追加費用がつかないために創館当時から更新されていない展示がいくつかある、ということなどの予算についての問題が多く挙がっていましたが、予算をかけずに済む工夫をたくさん凝らしていることがよくわかりました。
 午後からは、冷蔵室、一般収蔵庫、特別収蔵庫、液浸収蔵庫、各展示室、および特別展の見学をさせていただきました。冷蔵室では、燻蒸して虫害を防ぐ効果を利用していること、収蔵庫では、資料をできるだけ置けるように棚を上下2層に分けてあることなど、様々な工夫が凝らされていました。展示室の見学では、コストパフォーマンス、メンテナンスの視点から色々お話を伺いましたが、限られた予算の中で来館者が見たいと思う展示を作ることの難しさがよくわかりました。また、展示を作るには、メンテナンス、展示を見る側な、ど、あらゆる視点で配慮を必要とするのだと感じました。
 大阪自然史博物館の現状を知った初日の実習を終えて、残りの4日間でもっと博物館がよくなるように貢献したいと思いました。2日目以降もよろしくお願いします。

 

2016年秋 博物館実習1日目

 本日から博物館実習が始まりました。
 1日目の実習内容はオリエンテーションと収蔵庫・展示の見学でした。
 オリエンテーションでは学芸員さんの視点から大阪市立自然史博物館について説明していただきました。特別展と常設展についてや予算など、実習まで知らなかった博物館の現状を知ることができました。学芸員さんは自分の専門分野に加えて他の分野も担当されており、必要とされる知識の多さに驚きました。そして、大学生のうちに様々なことを経験しておくことの重要性を感じました。
 収蔵庫の見学では、収蔵庫ごとにナフタレンやアルコールといった異なる薬品臭がしており、資料の保存方法の違いを体感できました。収蔵庫には展示の何倍もの資料が保存されており、それに圧倒されたと同時に、それらをすべて収集・処理・保存されている学芸員さんの技術を知ることができました。
 展示の見学では、来館者の視点ではなく展示する側の視点で説明を受けたことで、メンテナンスの問題点や展示に込められた思いを知ることができました。展示を作る際には学芸員の思いは必要ですが、来館者の見やすさも重視する必要があり、うまくバランスをとることが大切であると思いました。私も展示を作る際にはその点を意識して制作したいと思います。
 明日からは班に分かれての実習です。実習を有意義なものにできるように頑張りたいと思います。
(実習生Y)