« 2016年02月 | メイン | 2016年10月 »

2016年08月22日

博物館実習最終日 四班

博物館実習の最終日、この日は年に一度の標本同定会が開催されました。私たち実習生は受付と準備などの手伝いを行いました。四班は鉱物・化石・植物化石の部屋の手伝いを担当しました。
朝から、小さなお子さんから年配の方までの幅広い世代の方たちが各々で採集した標本を持ちより、動物、昆虫、植物、化石、鉱物などの分野別に博物館の学芸員さんや専門家さんたちが自身の知識と図鑑やルーペ、顕微鏡を使って鑑定して説明をしてくれました。
一つ一つ標本を手に取り見つめる学芸員さんたちは大変そうでしたが、楽しんでいるようにも感じました。同定会に参加している方々も議論を白熱させたりしながらも楽しそうであり、いくつ年をとっても学ぶことに対する好奇心や欲求を持っていることは素敵なことだなと思いました。
達人による標本トークも開催されました。クモ・海藻・化石、骨の三つの分野の達人たちによって採集の仕方、標本の仕方を中心に、実際に使用している道具や標本を見せて頂きながらのトークショーでした。

あっという間に五日間が終わってしまいました。大きな問題もなく終えることができて良かったです。実際の現場での実習は、より深く博物館の様々な側面を見ることができ、考えさせられることが多かったです。そして、普段では知ることのできない専門的なお話や実習をさせて頂き、とても密度の濃い充実した五日間でした。お忙しい中私たち実習生に熱心に指導してくださった学芸員の皆様には感謝致します。今後も益々のご活躍を願っております。有難うございました。

2016年08月21日

すごいぞアビナン・ミュージアム!実習3日目(地史)

4班実習3日目の日誌です。
勘違いしていて投稿遅れてしまいましたすみません!m(__)m
3日目の4班の実習は、この夏の特別展「氷河時代」の関連イベント「アビナン・ミュージアムの見学」の
補助業務です。

「アビナン・ミュージアム」は博物館のある長居駅から1駅のあびこ駅から徒歩10分のところにある、我孫子南中学校の中にある、知る人ぞ知る小さな博物館です。
9メートル以上の継ぎ目がわからないほどきれいな、地層のはぎとり標本です!
参加者一同、「うおおおお!」です。

美術品のように美しいです。木や、貝化石なども入っているんですよ!
はぎとり標本の足元には、ナウマンゾウやオオツノジカの足跡標本の複製がガラスの床の下に入っていて、上に立って見ることができるのです。もうこれは、見に行くっきゃない!

この博物館は、電話で予約をすると、学校の空いている日に見せていただけるそうですが、いままであまり知られていなかったそうです。そういった地域の資源を掘り起こして利用の契機を作るのも学芸員の仕事の一つなのですね。いつも、アンテナをピーンと張っていなければイカン(`・ω・´) と思いました。

業務内容は、午前と午後の2組の見学者の方たちを、博物館のある学校まで誘導し、午前中は主に見学と中条学芸員・石井学芸員の解説を聞きながら、展示物の内容を把握。2回目の午後からは見学者の方々からの質問にも対応するという、少々ガクブルな内容です。
また、足跡化石のケースは普段は保護のためのアクリル系のシートが置かれているのでそれを外したり、原状回復したりと、少しだけですが会場準備の要素もありました。

「アビナン・ミュージアム」に博物館の行事で行くのは初めてということですが、見学者の都合を考えて2駅集合、名簿づくり、見学の予約、自転車の駐輪場の交渉、資料づくりなど、遅刻などのアクシデントまで織り込んだ、イベント前の仕込みの数々が光ったスムーズな流れで無事にとても楽しい見学会ができたと思います。
目印の旗や、腕章などの小物を携帯することも重要ですが、目立つので、道路を歩く時や集合する時などは、他の通行者の迷惑にならないように気を配るなど、安全面だけでない配慮も大切ですね。

最高気温が38度近い猛暑の中、特に午後の会の方たちの待ち合わせ場所が日向になってしまうのを、交差点の中で最も涼しい場所をチェックして待機場所に指定した判断力、実習生に前日に集合場所の変更を伝達できなかったアクシデントもその場で解決してしまう。「あー、こういう学芸員になりたい!」><と思いました。学芸員は知力・体力・その場その場の判断力のすべてが求められるハードな職業と思います。

私は東京から来ているのですが、驚いたのは、特別展の解説書を持っていき見学会でも販売していたことです。人の手にいかに渡すか、チャンスは逃がさない、という姿勢は東京の博物館では欠けていて、反省すべき点だと思いました。

見学においでの方々は友の会の会員が多く、自然に学芸員とのコミュニケーションが取れているのも関東の博物館とはまったく違います。午後の質問等に答える、という課題は、その蓄積に助けられて、我々もとても楽しく有意義な時間を過ごさせていただきました。
うまく質問に答えられていたら、いいのですが…。

中条・石井学芸員、参加者の皆様、本当にどうもありがとうございました!
アビナン・ミュージアム、ぜひ家族や友人に見せたいです。

ズルして翌日のことも書いちゃいます。
翌日は特別展の関連イベントの講座があり、受付をお手伝いしていると、昨日のイベントの参加者の方々がちらほらと…。あの炎天下を参加してくださって、連続でまた炎天下を来てくれる。すごいぞ!大阪市立自然史博物館!!大阪市民!!

実習4日目・5班

5班の実習4日目は、液浸収蔵庫の整理と、寄贈資料のデータの整理を行いました。

寄贈された資料のデータはエクセルで記録されていますが、データベースが消えてしまう可能性も考慮して、紙媒体での記録を同時に行っています。誤記入を防ぐため2人ペアになり、1人が転記し、1人が読み上げて確認をするという方法をとりました。エクセル記録と紙記録、複数人で行う転記作業の方法、どちらも資料を整理・保存するのにデータがどれだけ重要かということを表しています。名称や日時、場所はもちろんですが、場所に関しては緯度経度まで記録されているものも多くありました。

液浸収蔵庫では、収蔵庫内の整理作業を行いました。所狭しと並べられた資料は、ひとつひとつ番号がつけられ、ラベルが貼られてエクセルデータと紐づけられています。自然史博物館では日本の魚の資料が多いので、よく用いられているネルソン方式ではなく、日本産魚類検索の分類に基づいて整理されています。また、学名は頻繁に変更されるため、和名を重視するとのことでした。普遍的であるはずの分類体系や名称も選び取られているということがおもしろく感じました。増える一方の資料を把握し整理するのは非常に大変です。資料だけでなく、空のビンも大きさごとに整理されています。

収蔵庫やデータの整理作業を通して、資料の管理の大変さを体感した1日でした。

2016年08月20日

博物館実習4日目

実習4日目!
私たちの班では、昆虫標本について色々と教えて頂きました。
午前中は、昆虫標本が出来るまでを説明してもらい、その後収蔵庫で、解説をしてもらいながら実際の標本を見せてもらいました。身近にいる昆虫から、海外の昆虫、まだ名前の付いていない新種の昆虫など貴重なものもたくさん見せていただき昆虫の色鮮やかな姿や、種類の多さ、生態などに、標本を見せてもらう度感心し改めて虫について考えさせられ、急に虫がとても大きな存在に感じました。

午後からは、実際に昆虫標本を作らせてもらいました。
今回はウスバカゲロウの標本で、採取地ごとに分けられたウスバカゲロウをルーペで観察しながら翅の脈や触角や脚のツメの長さなどの細かい違いを見分け、同定し、採取地、採取者、日付などが書かれたラベルと一緒にピンで留め、同定した種類ごとに分けるというところまで行いました。標本の昆虫は乾燥させてあるので、とても脆く、またウスバカゲロウは翅も脚も触覚もとても薄くて、細くピンセットで摘んだり、ピンを刺したりするたびとても緊張する気の抜けない作業でした。でも、その分うまく出来たときの達成感と愛着が湧きとても楽しい経験でした。また、1匹1匹は派手な虫ではないですが標本にして並ぶととても綺麗で圧巻でした。
ウスバカゲロウの同定だけでもとても難しく時間のかかるものでしたが、種類が多く、まだまだ新種が沢山見つかる昆虫達を標本にしていくことを考えるといくら時間があっても足りないなと、、、改めて学芸員の仕事はとても細かく多様で時間と手間のかかるものばかりだなと日ごとに実感しています。

あっという間に4日目も終わり明日で最終日になりますが、少しでも多くのことを吸収し貴重な経験を無駄にしないようラスト1日も気を抜かず頑張りたいと思います!

博物館実習4日目(地史)

本日、私達一班は、コアラなどの骨の整理をし、金澤コレクションの整理、目録作りのお手伝いをさせていただきました。
整理させていただいた骨の中にはとっても小さくて何の骨か全くわからないものや、細くて取り扱うことが非常に不安になるものがたくさんあり、こわごわ詰めていました。私は人文系の学部なので知識が圧倒的に足りなく、骨を見ても何の骨かあまりぱっと出てこないのですが指導学芸員の方や同じ班の方が場所を教えてくれたので、とても勉強になりました。
金澤コレクションの整理では香川県や淡路島でとれた化石を整理しました。知っている地名でとれた化石もあり、あんな場所にアンモナイトの化石があるのかと驚きました。また、象の頭部の化石を見せてもらったのですが、そのとき担当学芸員の方が、象が今の時代に生きていなかったら、鼻を長く復元することができなかっただろう、と仰っていたことが印象に残っています。恐竜も想像できない姿をしているのかもしれない、とも仰っていたので、まだまだ分かっていないことが沢山あるのだなと考えさせられました。たくさんの歴史を感じる化石に触れ、とてもロマンに溢れた一日でした。
さて、博物館実習も残りあと1日となりました。あっという間にここまで来てしまったように感じます。皆さん最後の一日もよろしくお願いいたします。

博物館実習4日目(4班)

博物館実習も終わりが近づいてきています。

本日の実習は主に植物を中心に行いました。午前中はデータベースに入力されていないキノコの標本の整理をしました。キノコの採取ラベルに書かれているデータをまとめ、PCを使ってデータベースに入力しやすい形式のものを作成しました。データがほとんど欠損しているものや、展示を繰り返すうちに標本ラベルを紛失してしまったのだろうと推測されるものも少なからずありました。やはり大学の講義で説明されるような理想的な標本とは異なり、これが実際の現場か、と驚きつつも少し感動しました。

午後からはナラ林の変遷についてのイベント講義の補助をしました。雑務を中心に行ったため、特に難しいということはなかったのですが、訪れる人たちの数にとても驚きました。もしも私が実習生の立場でなければ、専門でないこのイベントを軽んじ、それほど人は入らないだろうと思い込んでいたでしょう。しかし実際は大きく異なり、学問の幅広さを改めて感じ、同時にイベントの企画の難しさも知ることが出来たのではないかと思います。また、友の会の人たちの積極性にも驚きました。前日のイベントにも参加された方や、イベント終了後に熱心に質問される方が多く、その知識への欲求を学生の私も見習わなければならないなと感じました。

残り僅かの実習、悔いのないようにしっかりとやり遂げたいと思います。

博物館実習4日目

実習4日目が終わりました。3班は植物分野に関する実習を行いました。

今日は友の会のイベントである「ビオトープの日」で、午前中は友の会の方達とビオトープやため池、圃場の草刈りを行いました。子供たちもたくさん参加されていて、とても賑やかなものでした。草刈りがメインでしたが、バッタやトンボ、カマキリなどを捕まえる子、ビオトープに入って泥団子を作る子、土の中に埋まっていた貝殻集めに夢中になる子など、それぞれが思い思いに今日のイベントを楽しんでいるように思えました。その一方で、汗だくになりながら、蚊にいたるところを刺されながらの草刈りはとても大変で、友の会の方々のサポートがどれほど大きなものかを実感しました。大学の実習で、ビオトープの管理や、草刈りを行うことがあるので慣れているつもりではありましたが、やはりこの作業は何度やっても大変なものです。参加されていた方が、この博物館はイベントが多く、市民との距離が近いと仰っていました。今日のイベントに参加し、それを身を持って感じることができました。当館は実際に参加して学べる機会が多く設けられており、子供たちの環境教育の場、レクリエーションの場として大変重要な存在であると思いました。また、学芸員は研究や資料保存に限らず、イベント企画から今回のような草刈りまで、多岐に渡る仕事をこなす必要があり、学芸員という仕事の大変さを改めて感じることができた時間でもありました。

午後は午前中の暑い中での作業とはうって変わり、温度管理のされた収蔵庫にて、植物標本のタイプ標本の説明を受け、その後配架作業を行いました。標本にはタイプ標本というものがあり、中でもホロタイプ標本は唯一無二の標本で、記載する際に使われるとても重要なものだと学びました。また、当館に保存されている標本は質が良く、見分ける際に重要になる花や実がついたもの、ラベルがしっかりついたものが多いようです。普段見ることのないカボチャやトウガラシなどの標本も見せていただき、野菜も標本にできることに驚きました。次に配架作業に取り組みました。配架作業とは、新しく寄贈された標本を種ごとに区別された保管庫へ移動させる作業をいいます。この作業が予想以上に大変であり、植物を見て科を分類し、さらにその学名を知らなくてはなりません。私は知識が乏しく、図鑑を何度も引き時間をかけてやっとの思いで正しい保管庫へ移すことができました。この作業を通して、学芸員には幅広い知識、技術が必要であること、また自分の知識の無さを痛感しました。作業の後、収蔵庫の清掃を行ったのですが、この清掃も大切なことで、綺麗にするのはもちろんのこと、標本を食べる虫がいないかチェックするうえでも必要な作業になるようです。最後に収蔵庫に入れるナフタレンの補充をして実習は終了しました。

今日の実習はどの作業も大変なものでしたが、それぞれ終わると達成感が得られるものでした。残るところあと1日となりましたが、最後まで気を抜かず多くのことを学んでいきたいと思います。

学芸員実習 1班3日目

実習3日目となりました。1班は本日、昆虫標本の取り扱いと整理についての実習を受けました。

午前中は、標本に管理用のラベルをつける作業を行いました。学術標本には、その標本がいつ、どこで、誰の手によって採集されたものかについてのデータを記したラベルが必須とされています。特に昆虫標本については、「ラベルのない昆虫標本はただの虫の死骸」という言い方をされるほど、採集データを記したラベルの資料価値が重要視されています。今回扱った移管標本の大半には既にデータラベルが付けられており、作業では博物館が標本を収蔵資料として管理する上で必要となる「誰から(どこから)移管されたか」を記した管理ラベルをつけました。このラベルをつけることで、移管標本を一箇所にまとめておくことなく、収蔵することが出来ます。

午後は、午前中に扱った移管標本に加えて、他の未整理の昆虫標本を対象に同定を行い、標本の整理を行いました。昆虫標本を収蔵する際には、分類ごとに標本を整理し、管理する必要があります。生物の分類は界、門、綱、目、科、属、種の7段階の階層構造になっており、今回の実習では、目までの同定を行いました。目まで同定した標本は、目ごとにひとまとめにして整理しました。科以降の同定は専門的な技能が必要なため、今回は行いませんでしたが、作業では18目を同定することが出来ました。分類が階層構造になっているため、目までの整理が行えていれば科以降の同定と整理が行いやすくなります。

個人的な理由で昆虫については多少詳しかったので、作業自体は特に難しく感じず、楽しくやり通すことが出来ました。昆虫標本を扱うことも初めてではなかったのですが、博物館に移管された標本の管理については全く知らなかったので、単純な管理用のラベル付け作業からも学ぶことは多いと感じました。また、同定・整理の対象とした標本は点数がかなり多く、4人がかりで目までの同定を行ってもかなりの手間と時間がかかりました。この後、収蔵を行う際には更に細かい同定とそれに伴う整理作業を行う必要があるはずであり、17日からの実習で繰り返し伝えられ感じてきた人手不足が今日の実習でも感じられました。特に、博物館業務としての資料整理についての苦労の一端をうかがい知ることが出来たように思います。

2016年08月19日

2016年度博物館実習3日目その②

 実習が始まってから早いもので、3日が過ぎました。実習をともにするメンバーとのコミュニケーションも活発になり、楽しみながら有意義な時間を過ごせていると実感しています。残りの実習を惜しみながらも精一杯取り組み、できるだけ多くのことを学びたいものです。

 さて、実習3日目の今日、私が所属する班は鳥類の仮剥製へのラベル付けとチュウゴクオオカミの骨格の洗浄を行いました。
 まず、鳥類の仮剥製のラベリングですが、作業内容は「予め作成されたラベルを仮剥製の足に結び付ける」だけというとても単純な作業でした。しかし、ラベルに糸を結びつける作業一つにしても、ラベルを破かずに糸がほどけないように強く固く結ぶのは意外と難しいもので、かなり神経を使いました。万一、ラベルが外れてしまうと、標本の情報が失われてしまい、時間と手間をかけて作成した仮剥製がただの「鳥の死骸」になってしまうことを思うと神経を使わざるを得ません。内容は単純であっても、正確に標本を管理する作業は大きな労力を要することを思い知らされる実習でした。
 次に臨んだのがチュウゴクオオカミの骨格標本の洗浄です。この骨の由来はというと、もともと動物園で飼育されていたオオカミの死体を当館が譲り受け、皮や内臓を処理した後に土の中に埋めて肉を分解・除去し、骨だけの状態になってから掘り返して回収して得られたものだそうです。除肉作業にも水の中で腐らせたり、波打ち際に埋めると分解が早く進んだりといろんなコツ・ノウハウがあるなど勉強になったのですが、個人的に一番驚いたのは「動物園で飼育していた動物が標本になり活用されている」ということでした。考えれば想像がつきそうな話ですが、その事実を今回はじめて知り、動物園と博物館に対する印象が少し変わったように思えます。動物園で飼育されている動物たちは、単に飼育・展示されているだけでなく、死後も貴重な標本として学術や教育活動に貢献しているのですね。
 話が逸れましたが、肝心の骨格洗浄はというとそれは地味で大変な作業でした。骨にこびりついた汚れや余分な肉片を歯ブラシでこすり落としてきれいにする、ただそれだけの作業ですが、数が多く、実習生4人がかりで半日を費やしました。今回磨いた個体は比較的若い個体で体もそれほど大きくなく、これがもっと大きい個体で一人で磨くとなるとやりきる自信がなかなかもてません…。
 しかし、最後に磨きあがった骨を並べるとそんな思いは消え去りました。骨の各部位の名称や関節の構造など、生き物の体の機能の基礎となる骨格を知ることで、チュウゴクオオカミという生き物に対する理解が一層深まった気がします。今までは生き物のことを考えるときに骨格を意識したことは少なかったですが、これからはどのような体のつくりをしているのか、それがどんな機能を果たしているのかなども考えながら生き物と接していきたいと思うようになりました。

 残りの実習期間も、今日のような新たな発見と学びを得られるように期待するとともに頑張っていきたいと思います。
(執筆: 3班 実習生A・K)

博物館実習5班 3日目

実習3日目は、御堂筋線あびこ駅から徒歩7分ほどの場所にある、あびこ南中学校に伺いました。あびこ南中学校の中には、大きな剥ぎ取り標本や展示室があって、それらを見学をする『アビナンミュージアム見学』という行事に、運営側として参加するといった実習内容でした。午前の部、午後の部の両方に参加しました。
運営側の主な役割は、駅に集合した参加者に行事受付をすること、参加者を現地まで誘導すること、資料の解説をすることの3つで、誘導の際には、交通ルールや熱中症対策の呼びかけをしたり、解説時には、参加者の質問に積極的に答えるなどの対応が必要でした。参加者は皆有志だということもあり、とても活気のある方が多く、実習生である我々にもたくさん話しかけてくださいました。
恥ずかしながら、地学的な知識に暗かったので、私に出来たことと言えば、地図を見やすいように持ち上げたり、足跡化石の上に被せられた蓋を取り外したりなど、本当に初歩的なものばかりでしたが、博物館でのお仕事の一つである『地域の人々に対する普及教育』に、こうした形で接することが出来、勉強になったと思います。参加者の中には、今回を含め、フィールドワークや勉強合宿が大好きで、毎度行事のお知らせを楽しみにしているといった方もいらっしゃいました。素敵なことだと思います。私自身、この実習が終わっても、一般参加者として、このような行事に出向いたり、友達を誘って行きたいなぁと感じました。
大阪で最高気温を記録し、猛暑日となりましたが、汗だくながら皆満足そうな表情で解散していったのがとても印象的でした。非常に有意義な時間となりました。

2016年度博物館実習夏 3日目

 5日間の博物館実習も今日で折り返しとなりました。私がいる班は、今日は植物分野の実習でした。特別収蔵庫で多くの時間を過ごす一日となりました。

 今日の主たる作業は植物標本の配架作業でした。未収蔵の標本をしかるべき場所に収蔵するという作業です。まず、ご担当いただいた学芸員さんから、棚の並び方についての説明を受けました。棚は、科名のアルファベット順に並べられ、その次には属名のアルファベット順に並べられ、さらにその次には種小名のアルファベット順に並んでいます。
 1万点もの未収蔵の標本があるそうなのですが、本日はそのほんの序章に過ぎない、段ボール一つ分の整理を行いました。標本が貼付されている画用紙には、種名、採集地、採集年月日、採集者が記入されたラベルが貼られており、そのラベルに記載された科名から、科名と棚番号の対応表をもとに収蔵場所を探し当てます。
順調に進むときは進むのですが、博物館が採用している種名は旧体系に準拠しているため、ラベルに記載されている種名が新体系を採用している場合は、学芸員さんが用意したexcelの対応表をもとに照合する必要があり、なかなか一筋縄にいきません。また、標本は水平に扱わなければならず、アルファベット順にきっちりと戻す必要があるため、想像以上に神経を使いました。
 しかし、植物畑の私は、見知らぬ植物も間近で見ることができ、熱中してしまいました。そのため、特別収蔵庫の温度管理によって自分の体温が下がっていることに、昼休み外に出て、太陽で熱せられた手すりに触れるまで気づくことがありませんでした。
 配架作業は午後も続き、段ボール一つをようやく整理し終えたところで次の作業に移りました。次の作業に移る前に、植物研究室の標本作成室を見学させていただきました。ここでの衝撃は乾燥機の存在です。以前、大学の授業でさく葉標本を作ったことがあります。最初の一週間は毎日新聞紙を取り替える必要があり、新聞紙の交換作業は延べ二週間続きました。しかし、乾燥機を使うことで丸一日で美しく、パリッとした標本が完成しており、乾燥機の偉大さに身をもって感じ入りました。

 次の舞台は旧実習室です。段ボールに入った果実標本を、段ボールごと90Lのビニール袋に入れる作業です。これは、殺虫のために冷凍庫に入れた段ボールに霜がつくのを防ぐ目的があるそうです。10個ほどの段ボールを台車に乗せ、冷凍庫に入れたのですが、ここで私は驚きました。動物遺体と植物標本が同じ冷凍庫に入っている・・・。結果には何の影響がないことは頭で分かっていつつも、その両者が同じ冷凍庫で冷却されていることに驚く私がいました。
 その後は実習室に戻り、標本を喰らうタバコシバムシを捕獲するためのフェロモントラップを作成しました。収蔵庫の前室の壁にも一つ掛けられています。10個でなんと一万円するそうです。最後は特別収蔵庫の掃き掃除をして終わりました。標本を整理している途中に、標本からぽろぽろ破片を落としていたことに気づき、反省です。

 最後は反省点も見つかりましたが、とても学びの多い一日でした。時間があっという間に過ぎた一日でもありました。

2016年08月18日

学芸員実習2日目 動物班

博物館実習2日目となりました。今日から班ごとに分かれての実習となりますが、私たちの班は動物研究室にお世話になりました。
今日の活動は大きく2点あり、1つめは収蔵資料に関する活動、2つめは展示資料に関する活動でした。

1つめでは、収蔵庫にこもって、年季の入った貴重な学術資料の整理などをしました。なかには昭和10年に発行されたもので、文字が右から左に書いてある文献もありました。両親が生まれるよりも昔、戦前に発行・収集された情報資料が眠る収蔵庫に、重みを感じた瞬間でした。

2つめでは、特別展のためのハンズオン展示物の制作をお手伝いさせていただきました。
ハンズオン展示は、来館者が展示を「観る」だけでなく実際に手に触れることで表面の感触や重さ、構造などを体験し、理解を深めることができる貴重な展示体験です。今回は実物の貝類をハンズオンで触ってみてもらうための展示用の加工作業でした。本物の貝殻は、エッジがきいていて手を切りやすかったり、角膜が摩耗しやすかったりして、表面をコーティングしたりしますが、加工は最小限にとどめました。できる限り手を加えず、自然の姿で来館者に触れてもらえるように、という学芸員さんの思いが感じられました。

博物館でふだん目にすることが出来る展示の裏には、たくさんの情報や歴史、たくさんの思いや意図が積み重なっているということを改めて感じる日となりました。
(実習生O)

二日目 パネル製作と植物化石の解説

二班は特別展のパネル製作後、植物化石の標本の解説をしていただきました。

パネルの製作で、大昔の大阪にどんな生物がいたのかを予想して大阪で見つかった化石を知るという小学生向けワークで、該当する展示物が一目でわかるようになりました。イラストをパネルに合わせるため拡大、縮小コピーをするとイメージが変わってしまい、難しく感じることも多々ありました。しかし、時間を忘れるほど夢中になり楽しかったです。
最後にパネルを配置して達成感を味わいました。

植物化石の標本の種類やでき方を知り、化石ができるまで長い時間が必要であることを改めて感じました。また、三木茂博士が命名したメタセコイアの化石標本を見ながら崩れやすい化石の保存の難しさを知りました。

どれも貴重な体験で、とても濃い一日になりました。ありがとうございます。
明日もまた、限られた時間の中で少しでも多くのことを吸収したいです。
(実習生K)

博物館実習2日目(4・5班)

今日から班に分かれて本格的に実習が始まりました。

私の班は金沢さんの下で昆虫標本について教えて頂きました。標本に付けるラベルには採集場所・日時などを記入する採集ラベルの他に標本を同定した時に付ける同定ラベルや外部の人から寄贈して貰った時などに受入先を明記するコレクションラベルがありました。
昆虫の標本は体長が小さい場合ラベルの大きさで収容できる数が決まるので出来るだけラベルを小さくする必要があるそうです。
普段ラベルに注目して標本を見ることがなかったので知らないことが多かったです。

その後、実際に収蔵庫に入り、あるコレクターの標本を大まかな分類群・産地ごとにカウントする作業を行いました。作業自体は単純でしたが、海外や日本各地の昆虫標本を間近に見れて楽しかったです。
明日からも様々な分野の実習があるので楽しみたいと思います。

8月18日川端さんのもとで化石のコレクションを標本へ

 今日の作業は地史の専門家である川端さんのもとで当館に市民の方から寄贈された化石のコレクションを標本にするためにデータをまとめました。これだけを聞くと簡単な作業に聞こえますが、コレクションの中には必要なデータが不足している物が混入していて、貴重な資料なので作業は丁寧に行う必要があり、それに加えて化石の中には非常に重たいものもあり持ち運びだけでも一苦労で、とても簡単と言える仕事ではありませんでした。しかし、標本があることでしか分からない貴重な情報があり、学芸員の方の仕事の一部を担っている実感があり、とてもやりがいがある仕事で充実した1日でした。
 また川端さんが、当館に来られた方の質問に答えてる場面を見学しました。標本を整理している時から一目見てそれが何の化石を当てる知識に驚かされましたが、来場された方が持ち込んできた化石に対しても二枚貝だと即答し、それの化石についての説明を交えたお話は詳しく知らない人でも分かりやすいものになっていて、幅広い知識を分かりやすく伝える技術に更に驚いたのと同時に学芸員という仕事に就く難しさを感じることにたなりました。
 今日から4人のグループに分かれての実習でしたが、休憩時間などに自分の興味のある分野の話や学芸員への熱意などを話し合い、休憩中もとても刺激になる経験でした。同年代の学芸員への熱意に圧倒されながらもそれに置いていかれないようにこの実習で一つでも多くのことを学びたいです。K.M.

2016年08月17日

2016夏期学芸員実習 1日目

 本日から5日間、博物館実習でお世話になります。

 初日の実習内容はオリエンテーションと館内の見学でした。
 オリエンテーションでは特別展の内容と入館者数の関係性や、予算に対する学芸員さんの苦悩と工夫についてなど、大阪市立自然史博物館について学芸員さんの目から見た姿を知ることができました。当館では、自らの専門分野ではない資料は各学芸員が分担しており、学芸員として求められる知識量の膨大さに圧倒されてしました。また、当館は普及教育事業に特に力を入れており、学問だけではなく来館者への対応、特に子供の対応に関しても同様に重要であると感じました。実習中、子供と触れ合う機会があれば、どのような対応が望ましいのか考えつつ対応しようと思います。

 館内見学では、収蔵庫内に保管されている貴重な標本や、過去に展示で使用された剥製などを見ることができ、それらはとても魅力的でした。丁寧に作られた標本はどれも美しく、学芸員の方々の技術の高さを垣間見ることができました。また、収蔵庫ごとに違った、独特の薬品臭がしていました。これは、資料を保存するためにナフタレンやアルコールなど、標本の保存方法に適した薬品が用いられており、それらが混ざったにおいだそうです。このような違いも、実際に見学させていただいたからこそ知ることができた事だと思います。
 また、当館では開館当初から約40年の間あまり変化していない展示もあり、親子間や祖父と孫が同じ思い出を共有できる良さがありました。しかしその反面、展示の維持管理の不便さなど、長期間展示し続けることによる問題点も生じているそうです。常設展は展示内容を容易に変更できないため、このような時代の変化へ対応しきれないそうです。このような問題は実際に生じてみないとわからないことであり、将来の展示作成に生かせれば、と思います。

 2日目からは班ごとに分かれて作業をすることになりますが、班の皆さんと協力して、見聞を広めることが出来れば、と思います。せひともよろしくお願いします。
(実習生N)

博物館実習1日目

博物館実習のスタートです。
今日は初日ということもあり、午前中のほとんどは配られた資料に目を通しながらの概要説明となりました。解説頂いた内容には今まで知ることのなかった事実がたくさん含まれていて、管理局の違いや、博物館の厳しい現状、それをカバーすべく行っている学芸員さん達のたくさんの努力もお聞きすることができました。
次に施設内の案内をして頂いた後、お昼を挟み、ついに収蔵庫を見せて頂くことに。
今まで展示室でしか見ることの無かった資料達が倉庫にずらりと保管されている姿は圧巻で、主任学芸員である和田さんによるユーモアたっぷりな解説をお聞きしながらの見学は本当に贅沢な時間となりました。また、管理する上での問題、展示効果とメンテナンスについてやデザインと展示の見にくさの関係性についてのお話も浮上し、学芸員の思いとお客さんの見方が食い違ってしまうということもお聞きし、展示がいかに難しいか改めて実感しました。
実習の現場に来なければ知ることが出来なかったであろう学芸員さん達のリアルを知ることで、より博物館に近づけたような、そんな初日でした。