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2020年09月29日

2020年度 秋 博物館実習 2日目

みなさん、こんにちは。1班のM.Kです。
9/24(木)の実習は前川さんと川端さんの合同で寄贈された金澤コレクションの整理をさせて頂きました。金澤コレクションというのは、香川県金澤氏が個人で集めた化石のコレクションで、その数は600にも上ります。その中には香川県で初めて見つかった恐竜化石(ハドロサウルス類・脊椎)の他、様々なアンモナイト化石などの学術的価値の高いものが多く存在しています。そのため、既に論文などで使用されているものもあり、いつでも取り出る状況にしておかなくてはなりません。なので、館のつけた番号と、元々化石についていた識別番号(もしくはその化石の特徴)を照らし合わせ、整理しておく必要があるということです。
自分自身、この博物館の化石発掘体験などにも参加させてもらった経験があり、化石などにはかなり興味があったため楽しく実習を受けることが出来ました。また、1番驚いたのがアンモナイトの形についてです。アンモナイトにはみなさんがすぐに思いつくような形の他にも巻貝のような形のものなど様々な形があります。これは最近、浮力を調整するためなのでは無いかという研究結果が出ているようで、どんな事にでも理由というものはあるのかなと感じました。
学芸員の方々、お世話になりました。そして、他の皆様にも学びの機会がありますように。
(1班 和歌山大学 M.K)

2020年度 秋博物館実習 3日目

こんにちは。博物館実習3日目、1班は横川学芸員指導の下、今年7月に熊本県豪雨の災害に合った人吉のさく葉標本のレスキュー作業と、収蔵庫での標本の配架作業を行いました。

レスキュー作業は、浸水で濡れてしまった標本1つずつに新聞紙をはさみ、乾燥機に入れていくという作業でした。このとき、標本が台紙や元からはさんである新聞紙にくっついている場合があるので、傷つかないように慎重に行いました。浸水してしまった標本は、カビやバクテリア分解を受けていない場合、乾かせばもう一度資料として保存できるそうです。また、標本に元からはさまれている新聞の中には戦前のものもあり、長年大切に収集・保存されてきた痕跡が伺え、この被災してしまった標本たちもレスキュー作業後長きにわたって大事に保存されてほしいなと感じました。

標本の配架作業では、標本の登録番号に基づき、配架を行いました。1種の植物についていくつもの標本をコレクションしておくことで、地域差や成長段階を知ることができるため、できるだけ多くの標本を集めることが大切だそうです。さく葉標本は植物を乾かし台紙に貼り付け、ラベルを記入するだけなので、誰でも簡単に作成することができます。身近な公園などの植物を用いて、自分だけのさく葉標本コレクションをつくってみてはいかがでしょうか。
(1班 高知大学 R.S)

2020年09月28日

2020年度 秋博物館実習 4日目

こんにちは、4班のT.Mです。
博物館実習4日目の9月26日(土)は、佐久間学芸員指導のもと、被災したさく葉標本の修復作業を行いました。

今年の7月の熊本県で起きた豪雨によって、人吉城歴史館に収蔵されていたさく葉標本約3万点ほどが水害を受けました。しかし、現地ではこれら標本の修復作業は困難だったため、他の博物館で分担して、修復することになりました。今回は点数が多いため、「資料を残す」ということを第一に優先し、この標本の一部を乾燥させる作業を行いました。

まず、標本と包みの新聞紙を分け、間に水分吸収のため新たな新聞紙を挟み込みました。その後、乾燥機に入れ、3日から4日間かけて乾燥をさせます。乾燥したものはリストと照らし合わせ状態などをチェックして、元の博物館に返却します。私たちが扱った標本は形が残っている方だったのですが、新聞紙とかなりくっ付いていて、集中力のいる細かな作業だと思いました。1日でそれほど多くの点数の修復作業をすることができず、被害を受けた館だけでの修復には限界を感じました。災害の多い日本では、こうした事態に直面しても資料を失わないために、博物館同士が協力し助け合っていくことが重要だということを学びました。

また、収蔵庫の色々な標本を見学しました。植物標本は地域の何十年前の環境などを知り、現在と比較し理解するために必要な資料です。手前から1980年代の図鑑順に収蔵されており、膨大な数の標本の中からでも特定の標本が見つけやすくなっていました。これは大阪市立自然史博物館には、外来研究員やアマチュアの方々が頻繁に訪れ、標本を扱い研究を行う機会が多いからです。学芸員だけではなく、外来研究員やアマチュアの方々も活用・研究し発表することで、新たな人が博物館に興味を持つ機会を作り普及していくということが博物館の役割の一つであるということを学びました。
(4班 追手門学院大学 T.M)

2020年09月27日

2020年度博物館実習秋コース 5日目

こんにちは。4班のK.Iです。
博物館実習5日目の9/27(日)は、第四紀研究室の中条学芸員の指導のもと地学分野をメインに学びました。

午前中は日本地質学会の「コロナ禍での地学教育に関するサイバーシンポジウム」というオンラインシンポジウムをYoutubeで視聴しました。このシンポジウムは、中高大の教員、博物館やジオパークの学芸員がコロナ禍の中、どのように地学教育を進めていたかということを発表していました。どの発表でも実験や野外観察が例年通りにできないことに困っているなかで、試行錯誤していました。私は地学を専攻しているのですが、地学に興味を持ち専攻するようになったきっかけが、巡検での露頭観察や顕微鏡で岩石薄片を観察する実習でした。なので、野外観察ができないことは地学の普及には痛手だなと感じました。地学分野に限らずどの分野においても、感染対策をした上での普及教育活動を考えていかなければならなくて、博物館のあり方も少しずつ変わっていくのかなと思いました。

午後からは、はぎとり標本の作成のお手伝いをしました。はじめに、はぎとり標本は露頭から採ってきたままの形でガタガタだったのできれいな長方形になるように、端の余分な部分を切り取りました。その後、はぎとり標本の裏面に寒冷紗を貼り付けて標本を補強しました。「標本」といわれると、専門の道具で作っているようなイメージがありましたが、余分な部分を切り取るときはカッターと物差しを使ったり、寒冷紗を貼り付けるのは木工用ボンドを使ったりと、普段の私達の身の回りにある道具を使っていたのが印象的でした。

博物館実習は今日が最終日でした。毎日新しいことの連続で、お客さんの立場ではわからない学芸員の大変さや楽しさを学ぶことができました。
(4班 神戸大学 K.I)

2020年度 秋博物館実習 最終日

こんにちは。2班のA.Oです。
最終日9月27日(日)、2班は西野学芸員のもと植物化石に関する実習を行いました。
午前中は植物化石に標本番号の記入と、標本カードに情報を記入する作業をしました。展示のときに見えない裏に番号を書くなど、扱いに注意しながら行いました。
整理した化石は「三木茂コレクション」というもので、化石としてメタセコイアを発見した三木茂博士の貴重なコレクションです。
何百万年も前の植物の姿がきれいに残っているもの(松ぼっくりなど!)もあり、とても興味深かったです。
午後には展示ケースの掃除を行いました。壁の展示ケースのガラスを慎重に外し、中の埃をはらい、ガラスを磨きました。お客様にどう見えているのか?という視点の大切さを学びました。
また、収蔵庫にある植物化石の見学をしました。教科書に記載されているような化石など、なかなか機会がなければ見れないものを見ることができました。
5日間という短い期間ではありましたが、貴重な経験をすることができました。
(秋期 博物館実習 実習生 和歌山大学 A.O )

ムシ苦手からムシ好きに?

こんにちは、2班のF.Rです。
10月26日(土)の実習では図書の整理、標本(ムシ)の作成及び点数把握を行いました。

図書の整理ではどの本も貴重なものなので慎重に扱いました。本の中には大阪市立自然史博物館が建てられた時よりも昔の本があって、本という記録媒体はずっと残り続けるのだなと感慨深かったです。整理作業は終わったのですが、まだ氷山の一角だそうで、これを全て整理するにはどれくらいの時間がかかるのだろうと、この作業の大変さ触れました。

また、標本の点数把握では、寄贈された標本を「目」に分類し、何点あるかを記録しました。ナナフシ目や直翅目等、様々な標本に出会いました、もちろんゴキ◯リもです。実はムシはあまり得意じゃないのですが、記録しているときにじっと見てしまう自分に気づきました。もしかすると、これはムシに目覚めてしまったのではないでしょうか、、。

標本の作成ではカメムシやオケラ等を扱いました。うまく足を広げて、よく展示されているような形にしようとしました。ただ、中々想像通りにすることができず、学芸員さんや研究されている方々はすごいなと実感しました。標本作成していると、このムシはこんな翅を持っているんだとか、髭みたいなのはなんなんだろうと、興味が湧いてきました。やはり、ムシの苦手意識は徐々に消えていきました。博物園実習のおかげです!

本実習では学芸員さんの日頃見ることはない、裏側の仕事を体験し、大変さを実感することができ、ムシの苦手意識がなくなった1日でした。時間ができたら、ゆっくりと大阪市立自然史博物館に行きたいと思いました。
(秋期 博物館実習 実習生 高知大学 F.R )

2020年度 秋博物館実習 3日目

 こんにちは、3班のK・Hです。9月25日は、松本学芸員の指導の下、昆虫標本についての理解を深めました。
 昆虫標本を保管するとき、注意事項がいくつもありました。湿度が高い場所に置くと、カビが繁殖し、標本がカビに覆われて台無しになってしまいます。湿度管理が徹底されている場所で保管していました。標本を暗所に置くことも大切です。紫外線のような波長が短いものは、標本の色を変えてしまいます。できるだけ長い期間、採取した時の状態を維持するためには、様々な事を気を付ける必要があることを学びました。
 昆虫標本の作製や種同定を行いました。標本作製では、昆虫の体の一部がとれてしまうこともありましたが、とれてしまった部分も捨てずに標本にしました。種同定では、昆虫の翅脈の分岐の様子や顕微鏡を用いてケヅメの長さなどを見ました。見た目は似ていても、よく観察すると違う昆虫がたくさんありました。種同定をする際、何度もどのように判断したらよいか分からなくなり、難しかったです。
 このように昆虫を標本として残すのは、今身近にいるものでも10年後20年後にはいなくなっている可能性があるからです。標本として残すことの大切さを学びました。
(3班 名城大学 K・H)

2020年度秋博物館実習 4日目

 私の班は、4日目に魚類の標本の事についてを中心に学びました。魚類の標本は、液浸標本と呼ばれる状態にする必要があります。これは、魚が乾燥して本来の特徴が失われることを防ぐためです。この時、使われるのはホルマリンです。ホルマリンは、たんぱく質を固定する役割があります。しかし、ホルマリンは酸性のため、魚のうろこなどを徐々に溶かしてしまうので、1度水洗してから、エタノールで保存すると良いと学びました。
 また、この際、研究などで使うためにホルマリン漬けにする前にエタノールで組織のサンプルを保存しておく博物館もあり、これは、ホルマリンに標本を漬けることによって組織の破壊が起きてしまうからです。
 4日目の実習では、液浸標本(魚類)を配架できる状態にする作業を行いました。手としてはまず、瓶に入っている魚の袋を番号順に並べ、その魚がどこで獲れたもので、何の種類なのかをリストから探します。そして、それぞれ種別に魚を瓶に入れていきます。この際、同じ種の魚が複数いる場合は同じ瓶に袋ごと入れ、1匹しかいない場合は魚を袋から出して瓶に入れます。ポイントは、魚の頭が下に来るように瓶に入れることです。これには理由が2つあります。1つ目に、重要な器官があるため、エタノールが減ってその部分が乾燥するのを防ぐためです。もう1つは、魚類は、頭の方が固く、瓶に入れた時に魚が曲がるのを防ぐためです。最後に、瓶に入れ終わった後、エタノールを入れ、中蓋とふたを閉めて、蓋に情報を書いて完成です。
 そして、大阪水産技術センターから送られてきた魚類の液浸標本を整理し終わった後、自分たちで作った魚類の液浸標本を配架しました。配架作業では、別の科に間違えて標本を置いてしまうと、見つけ出すのが非常に困難になるため注意することを学びました。
 私は、この4日目の実習で、魚類の液浸標本を作る作業が一番大変だと思いました。今回は何十匹かの魚を液浸標本の状態にしましたが、それぞれ同じ種に分けるのがとても難しかったです。種別に1つ1つ瓶の大きさを選び、蓋に情報を書いていくという作業が思った以上に時間がかかりました。また、配架作業の際も、全ての魚類の科に、標本を間違えないように振り分けなければならないため、最初のうちは大変困難でした。このようなことから、博物館は、細かい作業からコツコツと積み上げられてきた努力が詰まっている場所なんだなと思いました。客としてきた時とのその違いを知って驚きです。こんなに苦労して資料を集めたり保存したりしていると思っていなかったからです。しかし、博物館の展示以外の、研究や収集の側面を実際に体験したり、見ることができて、非常に貴重な体験でした。
(1班 追手門学院大学 Y.N)

2020年09月26日

展示にも点字にも配慮が必要です。

 こんにちは、M・Aです。本日9月26日は、石井学芸員指導の下、館内中のバリアフリーを、主に視覚障害者の立場に立って調べました。
 大阪市立自然史博物館は多くの人が訪れる博物館なので漠然と、バリアフリー化は進んでいるのだろう、と思っていたのですが、いざ調べてみると点字ブロックや点字パネル、触れる展示などあるにはあったのですが、問題も多く見つかりました。
 この博物館は建ってから何年も経っているので、受付の位置が変わっていて点字ブロックがきちんと役割を果たせていなかったり、一部の点字パネルが削れて消えてしまっているなど問題は様々でした。また、触ってもよい岩石が並んでいる展示があるのですが、どれも似たような材質で触っただけでは違いが分かりにくかったり、触れる展示物が奥にあって触ることができない、というような事もありました。
 見て回った結果、改善の余地は多くある事が分かりました。改善点以外にも工夫点として、岩石、石炭共に触ってもよい展示だったので、この2つを隣に並べて、それぞれの温度の違いを感じてもらうというのは、私たち健常者にとっても視覚障害者にとっても、楽しいものだと思います。
 最後に点字の解読を行ったのですが、目で凸凹を見て、点字一覧表を参考にしているにもかかわらず読み解くのは大変でした。これを指の感覚のみで読み取ることのできる方は本当にすごいです。このような方は極わずかしかいないそうなので、音声ガイドなどが必要な意味がよく分かりました。
 視覚障害の方はこんなにも大変な世界で生きているということが知れた1日でした。設備を整えるのは今日明日でできることではありませんが、点字ブロックの上に物は置かない、困ってそうな障害者の方がいたら声をかけてみるなど、すぐにできることもあるので、皆さんもこれからは気を付けていきましょう。本日はありがとうございました。
(3班 追手門学院大学 M・A)

2020年09月25日

私が博物館の展示をつくったら?

こんにちは!秋季実習生4班のK. Nです。

本日9月25日の博物館実習では、第2展示室(地球と生命の歴史)とそれ以外の展示室から1つずつ展示を選び、計2つの展示を関連づけて5分ほどの発表を行いました。博物館の展示には大きく分けて、ごく単純に展示物を並べた「陳列型」と、順路に沿って1つの話題が進行する「ストーリー型」の2つに分けることができ、本博物館の展示方法は後者に当たります。本日の実習では、すでに完成されたストーリーを「解体」し、私自身で新たに別のストーリーを「再構築」する気持ちを味わうことが出来ました。まるで、私オリジナルの博物館展示を創っているような体験でワクワクしました。

ちなみに、私は「紛らわしい生き物」をテーマに第2展示室からアロサウルスの骨格標本、そして第3展示室(生命の進化)からタラバガニの標本を題材に発表を行いました。アロサウルスなどの大型肉食恐竜は研究が進むにつれ、ゴジラのように頭を持ち上げ尻尾を地面に引きずった姿勢から、現在私たちがよく知る身体を地面と水平に保ち尻尾を持ち上げた姿勢へと姿を変えました。古生物の復元は研究の進歩に伴って日々変化し、私たちを驚かせてくれます。また、タラバガニはカニの名を有していますが、分類上ではヤドカリの仲間です。太古の時代から現在に至るまで、彼らのような紛らわしい生き物が数多く存在しており、更に「ストーリー」が広がる予感がします。

秋季の実習も折り返し地点を過ぎました。明日はどんな体験が待っているのか楽しみです!

(秋季博物館実習 実習生 4班 広島大学 K, N)

2020年度(令和2年) 秋 博物館実習 3日目

 9月25日は仮剥製の鳥の足にデータの記入してあるラベルを糸でつなげるという作業を主に行いました。
 作業を行う前に、台帳と標本受入票を見させていただきました。台帳を作る理由、特に重要な項目、なぜデジタルで記録を行うだけではなく、紙で記録を残すのかなどを教えていただき、これらの重要性を理解しました。台帳ではボールペンは後々薄くなるので、基本的には色が薄れず紙にしみこむ墨などを用いることを初めて知りました。また、ラベルの中の、鳥類、爬虫類、両生類などの書き方の違いを教えていただきました。標本受入票は台帳に乗らない関連情報が載っていること、登録される前には標本受入票に載っていることをお聞きしました。
 実際に鳥にラベルをつなげてみて、鳥とラベルの間の糸の適切な長さの調整が難しく最初は苦労をしました。ラベルを付けるときに一体一体状態が少しづつ異なるのと、大きい鳥から小さい鳥までいたので、細かい作業になることがあり、注意しながら行うので大変でした。

(2班 千葉科学大学 S.T)

2020年09月24日

チクリと痛いぞアメリカオニアザミ!

僕が所属する3班は長谷川学芸員の元、植物標本についての理解を深めました。
植物の標本は乾燥している為、扱っているとポロポロと落ちてしまいますが、そのカケラも保管しています。ほぼ粉々になった茶色の粉のようなものすら保管していることに驚きましたが、そこにもしっかりと理由があります。そのカケラからDNAを採取し、今現在で生きている植物との違いを比較することができるのです。カケラも大切な標本なんだと感じました。
展示物の片付けも手伝わせていただきました。
僕たちが片付けた展示物は外来植物のアメリカオニアザミ。大きさは2mほどで全身にチクチクとトゲが生えています。標本としては既に収蔵されている為、剪定バサミで細かく切り落として片付けるのですが、それがなかなか痛くて大変でした。3班のメンバー、お疲れ様でした!
(3班 和歌山大学 K.J)