« 2020年09月 | メイン | 2021年08月 »

2021年01月29日

博物館実習4日目

高知大学から参加したN.Yです。
4日目の実習では自分で特別展の内容を考えてそのプレゼンを行う、というものでした。僕は社会性昆虫をテーマとした企画展を考え、そのプレゼンを行いました。企画展の内容を考える、というのは自分にとって初めてだったこともあってか多くの反省点を残す結果となってしまいました。

まず、対象を小中学生としたのに対してタイトルが固すぎた点や意外性がないのではないか、という点です。また、社会性昆虫に限るとスペースが余ってしまうのではないか、社会性を持つ哺乳類などにも触れていいのではないか、というご指摘もありテーマを考える上で少し視野が狭くなっていたのかもしれないと感じました。さらに目玉となるようなインパクトのある展示も欠けていたのかなと感じました。

他の方の発表では自分と同じようにアリに触れた企画展を考えた方が2人もいて少しびっくりしましたが自分では考えつかないような企画展を考えた方や工夫を凝らした方がいて参考になると感じました。

今回の実習はオンラインということもあり、博物館内での実習こそありませんでしたが多くの体験をすることが出来ました。今回の実習で得たことを糧にするとともに、これからも勉強・経験を重ねていきたいです。

2021年01月25日

2020年度博物館実習(冬) 1日目

実習一日目担当のS大学のA.K.です。
実習一日目は、まず大阪市立自然史博物館についての概要を伺いました。伺ったお話の中では、学芸員の方の各々の担当分野の幅広さが印象的でした。私はすぐ自分の専門分野に持ち込んで考えてしまう癖があるので、別の分野にも興味を持って積極的に学んでいく姿勢を大切にしたいと思いました。

 一日目の課題として大阪市立自然史博物館様のYouTube動画を拝見しました。詳しい感想等は実習日誌に記載しましたため省略いたしますが、博物館とYouTubeという関係は複雑だなと思いました。これはYouTubeに限らず、他のSNSなどにも言えることだと思うのですが、このような場ではどうしても過剰に強い言葉が好まれる傾向にあります。注目されることだけを考えるのならそれでも(多少誤解されるような表現が含まれても)良いと思うのですが、博物館の公式チャンネルではそうはいきません。つまり、博物館はインターネット上では文脈にのりづらく、短期間で多数から話題にされる状態にはなりにくいと思われます。そのため、YouTubeという媒体は集客目的に使うのは難しいと思いました。反対に、少し興味を持って検索して動画を見つけてくれた人に対してはアピールする場として有効に活用できるのではないかと思いました。
私は博物館のYouTube公式チャンネルという存在について今まであまり考えたことがありませんでした。そのため、今回の課題は博物館とYouTubeの関係、あり方を考える機会となりました。

 私は博物館で展示される側の方のお話を伺うことが好きで、学芸員課程を履修しておりました。今年度は実習自体を受け入れていただけるか不安になることもありましたが、今回こうして実習に参加することができ本当にありがたく思っております。最後になりますが、このような複雑な状況の中、オンラインに切り替えて実習を行っていただきましたこと、心より感謝申し上げます。

2020年度 冬 博物館実習 3日目

こんにちは、博物館実習3日目のブログ担当のK.Tです。本日は植物の標本と標本庫、資料管理・保存への市民参加への説明を受けた後、データラベルの作製実習を行いました。

植物の標本には押し葉標本、液浸標本、封筒包み、果実、種子、木材だけで管理するなどさまざまなものがあり、用途や目的、種類に応じて標本がつくられ、これらの標本は標本庫で管理されています。標本庫に収蔵されるまでの流れは植物の採集、押し葉づくり、同定、ラベル作製、 状態チェック・燻蒸、マウント、データベース登録、ソート・配架となっています。燻蒸とは、標本が虫に食べられないようにすることで、大阪自然史博物館では標本をマイナス30度の冷凍庫に2週間入れて殺虫しています。これらの作業の中で特に重要だと思ったことはラベル作製です。ラベルを伴ってはじめて標本となり、いつ、どこで、だれが採ったかという情報は基本となる絶対に必要な情報となります。加えて、色や生育環境など標本にすると残らないような情報を残すことが大切であることが分かりました。

標本にはさまざまな使われ方があります。植物や動物が新種で見つかったときに基準となるものが標本で、それをもとに外部形態を比較して研究をするというのが標本の最初の基本的な使い方でした。時代が進むにつれて、ある生き物がある時ある場所で生きていた証拠になるという、分布記録や証拠標本としての考え方が生まれました。標本は生き物がその場所に存在していたという記録として残していくためにも使用されています。そして、標本は分析に使う資料としても使用され、DNAを調べたり、化学分析が行われています。標本にもDNAが残っているため、過去の情報を標本から引き出せます。最近では分析技術もあがっており、より詳細な解析ができるようになってきています。

今回の実習ではラベルを実際に読んで、データベースの入力作業を行いました。ラベルにはさまざまな情報が書かれており、どの情報が必要なのかを考えながら入力しました。中には採集場所が曖昧なラベルもあるため、採集場所をデータベースに登録する地点にするべきなのか、もしくは採った植物がどういう場所や環境に生える植物なのかを類推してデータベースに登録するのか、利用目的に応じて入力することが必要だと感じました。また、同じようなところ(場所・タイミング)に似た植物が生えていたときには、それも合わせてラベルに書かれていることがあり、これは形態的な比較の研究をしたいときに役立つということが分かりました。データベースに出す限りは適切な入力をしないといけません。今までその場所に記録がないと思われていたものが、書かれていたり入力されていた場合は、不適切なラベルの記入や読み取りの可能性があります。多くの情報が出るのはいいことですが、もとの標本を細かく検討することが大切であると思いました。そして、標本を採る場合には後の人が分かりやすいようなラベルをなるべく早く作って付けることが重要だと思いました。

自然史資料は多くあり、このような大量の資料をどうやって生かしていくかが問題となります。日本は学芸員で博物館を作り上げていくのが中心ですが、アメリカでは、博物館はみんなの公的なものとして、研究にも使えるようにオープンデータにしています。そして、市民の科学参加を促しています。アメリカの博物館のバックヤードで起きていることをプロジェクトとして、博物館で共同したシステムが出来上がっており、オンラインでの情報入力システムが作られています。具体的には、植物が好きな人、標本に興味がある人を募って市民参加で行うシステムがあります。誰もが均等に参加してくれる訳ではありませんが、博物館のバックヤードで行なっていることを説明する機会となり、博物館は単純に展示室で展示を見せるだけではなく、古い標本があって多くの作業が動いているということを知ってもらえるという考え方です。見えない活動は、存在しない活動になってしまうため、しっかり見せて理解を作ることで、博物館の存続にも繋がります。そして、アメリカでは標本を整理するための論文も出ており、博物館のデジタル化を論文にして発表していく学会があるということにも驚きました。日本でもこういったことは必要であると考えています。全国の博物館で資料のデジタル化を行い、活用していくには、市民の方の理解やサポートが必要になります。われわれも一市民として、市民参加でできる活動をしていきたいです。

2021年01月22日

2020年度博物館実習 3日目

 2020年度博物館実習生のA.Sです。
 まず初めに、緊急事態宣言が発令されるかされないかでコロナウイルスが猛威を振るう中、実習中止になってもおかしい状況下で、「リモート実習」という形で博物館実習が行われたこと大変うれしく思っております。初の試みで、多大な準備、お手数おかけしました大阪市立自然史博物館の皆様には、感謝申し上げます。
 
 さて実習3日目(1月13日)は、植物標本等の解説講義を受けたのち、植物資料のデータ分類を行いました。実際の標本に付けられた紙ベースのラベルからデータを読み取り、それをエクセルに打ち込みデジタルデータ化するというものでした。一見簡単に見える作業で、短時間で終わるだろう…と油断していました。
実際に打ち込み作業を始めると、紙ベースということは手書きされているものがほとんどで、見つけた方の書き癖がありかつ学名が筆記体で書かれていることがほとんどで、「読みにくい…」「なんて書いてあるだろう…」と感じる場面が何度もありました。そのためどうしても、全ての文字が読めない標本に対応するための工夫点として、科名と学名の両方が書かれていたため、筆記体の例文字を参考にしながら、科を何としても読み取るようにして取り組みました。また予想外なところで苦戦しました。年月日の英語表記です。中学校、なんなら小学校で習っていたはずの英語が、普段全く使っていなかったためか読み取ることができず(恥ずかしながら誕生月しか瞬時に読み取れませんでした…)、スマホに頼る羽目になってしまい、時間を費やす灯台下暗しポイントになっていました。何とか後半は覚えはじめ、難所を乗り越えましたが、時すでに遅しとなり、結果二つ目の写真から読み取る課題には進めませんでした。一つ目の標本を読み取るだけで精いっぱいでした。全体でも進めてない方が多々おられ少し安堵した気持ちもありましたが、その中でも進めている方もいらっしゃり、自分の能力の低さを感じる場面となりました。
 普段博物館に訪れても見ることができない、仕事のほんの一部を今回体感しましたが、これだけでも大変だと感じてしまった自分に無力感を覚えてしまいまいたが、これも回数を重ねてこそ効率的になれるものだとプラスにとらえることとして、よい経験ができたと感じております。
 今回の分類能力は、この先必要となる場面は多くあると思われるため、それまでにはしっかりと数を積み、難なくこなせるように努力しておきます…。

2021年01月21日

2020年度 博物館実習(冬期) 2日目

1月11日の実習生ブログを担当しますO.Yです。
今日の実習は、子ども(小学校低学年)向けの展示パネルを作製しました。最初に、担当の石田学芸員から博物館では、子供向けの展示パネルをどのように作製しているかについて説明を受けました。作製する展示パネルは子ども(小学校低学年)向けということで、どのような表現にするか迷いました。
説明を受けた後、各自で自分の貝について、調べて、伝えたいことをまとめる時間に入りました。僕は標本にスーパーで買ってきたアサリを使いましたが、他の実習生の方は琵琶湖で採集したタテボシガイやお土産で飼ってきたヤコウガイなどいろんな貝を使っていて、面白いなと思いました。余談ですが、琵琶湖周辺では、イシガイの仲間をイシガイというため、この貝もイシガイというみたいです。標準和名のイシガイは他にいるので、とてもややこしそうですね。話を戻します。アサリは、「幼生は成体と違う形をしていて海を漂っており、成長して大人の形になると、砂に潜って生活を始める」「アサリは入水管という管から植物プランクトンなどを海水ごと取り込み、プランクトンをこしとって、出水管という管からきれいな海水を出すことで水質浄化に役立っている」という2つの点について、伝えてみたいと思い、このことを展示パネルに書いてみることにしました。
僕が展示パネルについて工夫したところは4つあります。1つ目は、解説文の語尾は、「いるよ!」「くれるんだ!」のように、子どもに親しみやすいように工夫しました。2つ目は難しい表現や漢字は避け、難しい漢字を入れたときは、ルビを振りました。3つ目に工夫した点として、解説文の最初に「おみそ汁によく入っているアサリ」というように、子どもでも興味を持ちやすく入っていきやすい導入を入れました。4つ目は、展示パネルのイラストの貝の絵に顔を書いて、子どもでも親しみやすいようにしました。
最後に完成した解説パネルを発表して、学芸員の皆さんに講評していただきました。同じく、アサリを紹介していた実習生の方は、体の構造について、わかりやすくイラストを描いていました。同じアサリの展示パネルでも、書く人によって、注目するポイントが異なって、全く違う展示パネルになるのはおもしろいなと思いました。
この実習を通して、子ども向けに展示パネルにはどのような表現を使えばいいか、読み手の関心を引き出すにはどうすればいいかについて学びました。また、いろんな貝がいることを知っエ、貝に興味を持ったので、貝殻標本をこの実習以外でも、集めてみたいと思いました。

2021年01月19日

2020年度 博物館実習 冬 5日目

 リモートでの実習最終日は「冬越しの昆虫の資料づくり」でした。事前課題として、野外で昆虫を探し、名前や特徴、その他調べてわかったことを記録する、という課題が出されました。実習当日は学芸員の松本さんから昆虫を中心に、なぜ採るのか、採集方法、採集のマナー、標本にする方法、収蔵庫についてなどの説明がありました。その後に事前課題で調べたことを発表し、その後松本さんから名前の修正やコメントを頂きました。
 実習生の皆さんはこの冬の中でたくさんの様々な昆虫を見つけ、また見つけた昆虫のことを詳しく調べていました。発表を聞いていて、とても楽しかったです。
 この実習で、資料となるものを自分で探して、調べて、【いつ】【どこで】【誰が】採集したのかなど記録することの大切さを学びました。特に記録して資料にラベルをつけることが重要であることがわかりました。つまりラベルがなければどんなに貴重な資料でもただのゴミになる、ということです。これは博物館の資料に限らず、私たちの身近な物にも言えることだと思います。例えば家族と撮った写真でも、どこで撮ったのか、何が写っているのかわからなくなったら、ただの人が写った写真になります。今まで撮った写真に記録を書き残してみるのも良いと思います。
(奈良女子大学 H.M)

2021年01月15日

2020年度博物館実習(冬)3日目

実習3日目は植物標本、キノコのスライド(フィルム)をデータベース化する作業を行いました。
まず、横川学芸員から植物標本とそれに必ずつくラベルの重要性、標本に関わるステークホルダーの在り方などを講義していただきました。佐久間学芸員からは、標本・資料の整理等のための市民参加も含めたネットワーク形成について講義していただきました。その後、資料のデータベース化、評価を行いました。

データベース化は、とても時間のかかる作業でした。
2時間で20種の植物標本と約30枚のキノコのスライドに記載された情報をExcelに入力していったのですが、植物標本の入力だけで手いっぱいとなってしまいました。
2つの資料、いずれにも共通したのは、古い資料は手書きであるために、読み取りに非常に時間がかかる、という点です。また、植物標本では新しいものほど、ラベルの情報が詳細になっている、キノコのスライドでは記載者によって記載内容が少しずつ異なる、というのも時間がかかる一因でした。

ここから、採集~標本作成の時点で、その資料の詳細な情報をラベルに項目ごとにきちんと記載することの重要性を学びました。これにより、採集者以外の人にも利用しやすい価値のある資料となります。
また、管理者(学芸員)によるデータベース化も効率化できるはずです。情報が多いと、作業量自体は増えますが、項目立てて記載されていることで、私たちのような素人(一般市民等)も作業を行えます。市民参加のデータベース化が進めば、学芸員だけで行うよりも早く作業が進んで、資料の利用が促進されるはずです。今回のリモート実習で、博物館にいなくてもできる作業は、わざわざ博物館で、その場にいる人がやる必要がない、ということを痛感しました。多くの市民を巻き込んで、各自のいる場所から作業を行えば、かなりの速さで進むと思いました。

ただ、佐久間学芸員も述べていたのですが、ある程度マニュアル化・システム化しないと、市民参加のデータベース化はうまくいかないと思いました。今回、作業方法について説明を受けたものの、実際に取り組んでみると「これはどうするのだ?」という情報が記載されていたり、読みとれない部分があったりと、途中で学芸員のお二方に何度も質問することになってしまいました。また、私たちの作った入力シートを最後に確認してからデータベースに組み込むとおっしゃっており、そこをシステム化できると良いのだろうなと思いました。例えば、サークルなどの経験・知識のある人が確認したものを、学芸員が最終チェックするシステムなど。このシステムをうまく回し、資料の利用を促進させるのためにも、博物館に対する理解者を増やす努力をつねに考えなければならないと実感しました。

今回の実習は、標本や博物館を取り巻く人々の在り方について考えさせられる内容で、本当に勉強になりました。
(北大 T.M)

博物館実習(冬) 5日目

こんにちは、博物館実習(冬)、5日目のブログを担当させていただきます、S大学のR.Sです。
博物館実習の最終日となった5日目の実習では、松本学芸員の指導の下、午前に昆虫の資料に関する講義を聞かせていただき、午後からは実習生が事前課題として作成してきた、冬超し虫の資料の発表を行いました。
午前の講義では、昆虫についてのお話から始まり、昆虫の採集方法や、標本の作製方法、昆虫の資料収集に関する事柄などを学ぶことができました。その中でも特に興味を持ったものは収蔵庫のお話でした。私は昆虫を観察することが好きなので、120万点を超える標本を実際に見てみたいなと思いました。本来ならば、実際に収蔵庫の中へ入らせていただくことができたかもしれなかったのですが、今回の実習はオンラインで開催されているため、見学ができない状況であることが非常に残念でした。
午後の実習は、各々の実習生が事前に発見した冬越しの虫を、自分たちで調べて資料を作成し、実習本番で発表し、講評してもらう形で行いました。私は発見したミノムシを題材に資料を作成しました。資料を作成する際、インターネットで情報を探索していたのですが、意外にもミノムシに関する情報が少なく、同定が難しいなと感じました。さらに、ミノムシを発見した際にミノの中を調べるという作業をしていなかったため、余計に情報が足りなくなってしまいました。次からは中身まで十分に確認することを覚えておくべきだと学びました。また、他の実習生の方々の発表では、ぎっしりと調べた情報を書き込んでいる方や、数種類の虫を発見した方、ストーリー仕立てで発表している方もいて、自分ももっと情報を詰め込む等の工夫をしなければいけなかったなと思いました。
この5日間の実習では、自分の甘さや弱いところが多く見つかり、もっと努力しなくてはいけないなと感じました。そしてなにより、大阪市立自然史博物館に訪問することができなかったことが非常に悲しかったです。外出が自由になる状況が戻ってきたらぜひ大阪市立自然史博物館に訪れようかと思います。

2021年01月14日

博物館実習4日目

オンラインで山国から参加している博物館実習生I.Y.です。
湖が凍るほどの寒さで、大阪に行きたかった…と思っています。

本日の実習は特別展の企画の考案で、実習生各自が特別展の企画を考えて持ち寄って発表しました。結果は…企画を考えるって本当に難しいです。みんなが発表した企画は僕から見るとどれも考えつかない視点で、なるほど!の連続でしたが、学芸員の方々からは多くの問題点を発見、指摘していただきました。

僕の発表はというと、結構頑張って練った企画だったのですが、「全部見覚えがある」とバッサリ切り捨てられてしまいました。終わってからもう一度見てみると、確かに似たような展示にいくつか心当たりがあります。いろいろ考えすぎた結果、型にはまった企画になってしまっていたようです。学生が背伸びして作った企画は客観的にみるとどうしても穴が目立ってしまうのかもしれません。学生らしい自由な企画や意見を求められることは多いですが、頑張って背伸びしたい気持ちもあり、なかなかぶっ飛ぶのも難しいです。

また、総合的に企画のテーマの大きさがとても重要なんだと感じました。博物館の企画は、アリやハチのように絞りすぎるとボリュームが不足する一方、環境など大きなものを対象とするとテーマがぼやけてしまう問題があり、そのバランスが非常に大切であることが分かりました。

反省点も多い一日でしたが、いろいろな企画や、それに対する意見、学芸員の着眼点が肌で感じられる実習で、非常に有意義でした。
明日は昆虫の実習で、越冬昆虫について各自発表します。頑張ります!

オンラインで実習や学会をすると,お互いに仲良くなるイベントが少ないので,質問や議論をどこまでしていいか悩みます.対面なら懇親会とか休憩時間にできて,仲良くなるきっかけになるのですが...加えて少し辛口な質問や議論って遠慮してしまいますよね.ミーティングの後に先ほどは失礼とか言えないのは困りものです.逆に辛口な教授のいる学会はまるでオフサイドのないサッカーゲームのようです.うまくできているミーティングってあるのでしょうか.早く収束して実際にいろいろな人と会えることを願うばかりです.

2021年01月13日

博物館実習 初日

 初日はオリエンテーションのため、深く書き綴ることはありませんが。
私の中では、SNSとの調和を保つ難しさを身近に感じることのできた1日であると思いました。

 他の博物館も悩みの多くとして、「広報活動」と「SNS」について挙げられることが多いです。
歴史よりも生物の方が興味が持ちやすいので、お忙しさは察しますが、歴史系よりかは写真を見てもらえるだろう。TwitterやInstagramだけで、お客様を招きやすいのだろうし、YouTubeなんて子どもが見れば喜ぶものも多く、家族連れを多く招けるじゃないか。というのが、私の初見での考えでした。
 しかし、課題であったYouTubeページのコンテンツを拝見し考えを一新しました。やはり、SNSとの調和は苦労が多いと思いました。

 私自身、専攻が違うため、ずぶの素人視聴者目線での考えを先に述べます。
・説明を理解したいが、分かりかねる
・貴重な意見交換をしているのだろうけど、理解ができない
・どの世代に向けての動画か分からない
・字幕が欲しい
・説明内容の紹介スケジュールがあれば、内容が頭に入りやすい
・図や写真が見にくい
・アングラ、ってなに?

 以上が、動画を視聴した感想です。動画は専門家でもないので、編集に苦労することは想像できます。新型コロナウイルスが蔓延し、外出自粛を徹底せねばならない中、動画コンテンツは大きな力があると思います。他の自然史系の博物館では、YouTubeのチャンネルが設立されていなかったりするので、独占市場の如く、広告の力を発揮できると考えています。

 ですが、時間と労力を鑑みた時に「学芸員の仕事なのだろうか?」と思いました。少ない資金で出来うること、ではなく「未来投資」として、YouTubeチャンネルや動画を外部に委託することも悪くないのではないかと思いました。
 あくまでも「学芸員」であり、「動画のクリエイター」や「バズる配信者」になってもらうことは困難です。
 この博物館では、地域市民と連携がとれる「サークル」を有しています。そのため、その中で「Twitterの発信力に優れた人」といった力を持つ人を探し、意見をもらうことから始めていけば。自ずと、広報力を強める「育成」に繋がるのではないのか。

 違う畑を知ることで、視野を広げ新しい考えを持ち帰ることができると考えた、私の感想になります。

京都橘大学M.N

2021年01月11日

2020年度 博物館実習(冬)2日目

 前代未聞のオンライン実習、2日目の1月11日は動物研究室の石田学芸員による「貝の展示物作製」でした。本実習では、採集・購入などで入手した貝類を、事前に肉抜きなどを行って殻標本としておき、石田さんチェックのもとで同定の確認をした後、ハガキを使った解説パネル(小学生向け)を作製しました。私は札幌に住んでいるので、市場へ行ってウバガイ(ほっき)とヒメエゾボラ(青つぶ)の殻を準備していましたが、せっかくなので、みんな名前は知っていてもその実詳しくは知らなそうなほっき貝で解説を作りました。ちなみに軟体部は大変美味でした。
 作業自体は、実習生各自が黙々と資料を集めて解説を作成するものでしたが、説明資料・図鑑のスキャン画像の共有や、下書きチェックなど石田さんがスムーズに対応してくださいました。全員のパネル完成後は、標本とハガキパネルを一緒に撮影した写真をPC画面上で共有し、凝らした工夫やコメント・アドバイスを交換する講評会を行いました。この際に、他館など外部からのゲスト4名にも参加していただきました。本来ならばわざわざ遠方から実習博物館へ足を運んでいただかねばならないところを、ネットに繋ぐだけで簡単に参加していただけるというのは、オンラインならではの利点であると思われます。
 講評会ではほかの実習生のパネルや、それに対するコメントなどを見聞きでき大変勉強になりました。ターゲットの設定、図・文字のバランス調整、カラーリングなど、展示解説に限らず情報を他者に伝える上で重要な要素を学べたと思います。絵心がないので、手描きイラストによる分かりやすい解説を実現しているパネルには脱帽しました。個人的には、ルビや漢字かなの配分、私自身が関心を持ったことを盛り込めたことに満足しています。一方で、どのような具体的表現(数字?体の一部?)によって、サイズなどを小学生にとってイメージしやすくするかといった部分で至らない点があったと感じます。貝を調理したり、それについて詳しく調べてまとめたりと、普段あまり体験しない活動ができ、ステイホームしながら充実した実習でした。
(北大 R.T.)

2020年度 博物館実習 2日目

こんにちは、本日の博物館実習のブログ担当のQ大のS.Yです。
1/11のオンライン博物館実習は貝類標本の作製と子供向けパネルの作成、発表を石田惣学芸員の指導の下行いました。

普段から貝殻自体には興味はありましたが、もっぱら昆虫類を専門としているためあまり興味のリソースを割くことはしてきませんでした。興味を持っても美麗な貝ばかりに目が行って身近な貝には目もくれないことが多いのですが、今回立ち返って自宅周辺のフィールドワークの有難さを再確認できたかと思います。貝は普段取る際にも食べる目的だけで取っていることが多く、初めて標本作成するために採取してみると、普段見ない構造や色にまで着目できることが非常に新鮮でした。「マツバガイは乾くとここまで青色がきれいなんだな」「カワニナの他にもウミニナがいるんだな」など貝類の面白さを発見することができました。貝類の論文を調べたのも今回が初めてかもしれません。自宅から海が近い間に今後も昆虫以外の無脊椎動物の標本を作製してみたいと思います。

さて、実習内容についてですが、他大学の皆様も本当によく調べ、展示内容や見せ方を吟味されていて感服するばかりでした。身近に感じている貝類でも一度調べてみると知らないことだらけなんだなと実感することがたくさんありました。実習生の中にはきれいなルビを振ってらっしゃる方もいて、技術的な面でも勉強になることもありました。作成したポスターもセリフ調で普段書かないような文章を書いたり聞いたりすることが非常に新鮮でした。他の実習生の皆さんが発表した展示物にはそれぞれが考えたアピールポイントを全面に押し出した内容となっていると感じることができました。パネルの発表中にも言及されていましたが、「何を伝えたいか、それをどのようにすれば伝えたい相手に伝わるのか」を今回学ばせていただいたと考えております。

具体的な展示の見せ方としては小学生低学年でもわかるように専門用語や熟語をどれだけ分かりやすくできるかを皆さん試行錯誤していたと思います。特に殻長をどのように表現するかは絵で説明したり、横幅として説明したりと実習生の個性が明確に出ていたと思います。また、図解が非常に多様かつ明確なものが多く、見入るものがたくさん見られました。非常に興味深く拝見いたしました。

ゲストの方々の意見も面白く、子供目線の展示内容についてといった、別の角度からの感想やコメントが新鮮でした。