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2021年08月31日

2021年度夏期博物館実習 4日目

4日目のブログ担当のF大学のTCです。
 4日目の博物館実習は、セミの抜け殻調べと行事案の作成を行いました。
 まずは、昆虫研究室の学芸員の方から収蔵庫、資料収集、昆虫標本についての話をして頂きました。写真上ですが、実際の昆虫標本を見ることができ、いい経験になりました。また、収蔵庫、資料収集の方法、昆虫標本について学ぶことができ、良かったです。
 次に、事前課題だった収集したセミの抜け殻調べとセミやその抜け殻を題材にした行事案の計画を発表しました。収集したセミの抜け殻調べの発表では、収集場所が近畿地方の方が多く、アブラゼミとクマゼミが圧倒的に多かったです。中には、ツクツクボウシ、ニイニイゼミ、ヒグラシなどを収集していた方もいました。私は、アブラゼミとクマゼミしか収集することができなかったのですが、自分が取集できなかったセミの抜け殻を見ることができ、良かったです。セミやその抜け殻を題材にした行事案の計画発表では、セミやセミの抜け殻を収集し、観察するという計画が多かったです。中には、宿泊をしながらセミの羽化を観察する計画やセミの抜け殻を用いて作品を制作する計画などがありました。自分が考え付かなかった行事案の計画を聞くことで、さまざまな考え方を知ることや学ぶことができ、良かったです。

2021年度夏季博物館実習 最終日

こんにちは、8月21日の博物館実習のブログ担当、N大のA.Sです。
最終日のオンライン博物館実習では、「貝の展示物作製」と題して、貝の殻標本、およびその種についての子供向け解説パネルを作製しました。作業後は、成果物の発表・評価を行いました。

他の実習においても学芸員の方々の細かい気遣いと工夫を実感することが多々ありましたが、今回のパネル作製についてもそれは同じで、実際の作業や最後の講評を通じて、その苦労を多少なりとも実感することができました。
特に今回はパネルとして指定されていた葉書、その小さな紙の中に、いかに子供たちが分かりやすく、楽しく学べるように情報を入れ込むかということに対して難しさを感じました。また、ただ情報を盛り込めばいいのではなく、その読みやすさについても配慮をする必要があり、一つのパネルを作るだけでも考えることは膨大でとても労力を使う作業なのだと痛感しました。

これからは今まで何気なく見ていた・きちんと見ていなかった子供向けパネルにも目を向けながら、展示を見て回りたいと思います。子供向け解説パネルは必要な情報を端的に書かれていることが多いようなので、場合によっては大人向けの詳しいパネルを見るよりも理解が深まることがあるかもしれません。

2021年08月27日

2021年度夏期博物館実習 3日目(8月19日)

博物館実習三日目担当のH大 M.Sです。
植物研究室 横川学芸員より、植物の資料データの整理の仕方を教わりました。
午前中の初めに、植物の資料データ入力方法の説明を受けた後、お昼休みを挟んで14時まで各自に配布された植物資料データについての入力作業を行いました。14時からは、データ入力中に気になった資料について発表し、横川学芸員に解説していただいた。以上が本日の実習の流れです。
私がデータ入力中に気になった資料は、今から60年以上前、天王寺公園で採集されたムサシモ(Najas ancistocarpa)です。調べてみて初めて知ったのですが、この植物は、絶滅危惧種に指定されていました。検索していくと、2019年龍谷大学の研究者らが琵琶湖岸で発見したとのことでした。天王寺公園では、もう見られないのか気になって、横川学芸員に尋ねてみたところ、見つかる可能性はほとんど無いだろうとのことでした。自然の歴史からすれば、60年などあっと言う間の時間でしかないはずですが、僅かな時間にも滅していく種や生態系が変わるということを実感した次第です。大阪市立自然史博物館は、このような大阪市の自然史を記録するという重要な役割を担っているのでしょう。

2021年08月22日

2021年度夏期博物館実習 最終日(8月21日)

8月21日、最終日のブログを担当いたします、T大 A.Kです。
本日の実習は貝殻標本と小学生向け解説パネルの作成を行いました。

 各自好きな貝を用意し事前に殻標本としておき、同定などの作業を行った後、ハガキに解説パネルを製作しました。作業後はパソコン上で画像を共有し、工夫したことや伝えたいことを発表し、学芸員の方々や他の実習生と感想や改善点などを話し合いました。

 大学でホタテ貝の味や香りの研究を行っている私にとって、貝殻の方に注目しそれを調べることはとても新鮮で、楽しく取り組むことができました。しかし、それを子供向けに正しくわかりやすく伝えることはとても難しく、子供たちに興味を持ってもらえるように書き表すことは大変でした。
 子供のころ何気なく見ていた展示パネルは学芸員の方々のたくさんの工夫とそれまでのご準備があったのだと改めて知ることができました。展示を見た子供たちが興味をもったり、知識を深めてくれることは、子供たちへの教育だけでなく、その分野の発展につながることだと思います。私たち大人がこのように自分の専門知識を伝えていくことが、未来のためにとても重要なことだと感じました。

 今回の実習は大変大きな学びでした。ここで学び得たことを糧に自身の知識をさらに深め、さまざまな経験を重ねていきます。

 最後になりましたが、コロナ禍の大変な状況の中、実習を受け入れてくださった大阪市立自然史博物館の皆さまに心より感謝申し上げます。

2021年度夏期博物館実習2日目(8月18日)

2021年度夏期博物館実習2日目(8月18日)のブログ担当、T大学のK.A.です。
実習2日目は、事前課題で作成した自然史科学分野の特別展の企画を各自が発表するというものでした。また、発表後には実習生どうしや学芸員の方からの質疑や講評の時間もありました。

私は、「あつまれ!海のいきもの展」と題して、海洋生物の生態系などについて扱う特別展を企画しました。大学の授業課題でも何度か特別展の企画はしたことがありましたが、やはり自らテーマを設定してそれに基づいた展示を企画・構成するのは難しい点も多いなと感じました。それと同時に、0から展示を企画していくということの奥深さや楽しさもこれまでより一層感じられたように思います。

発表後には、学芸員の方から、幅広いテーマであるため全てを扱うのは大変であり、伝えたいメッセージを絞ることが必要とのアドバイスをいただきました。また、ほとんどの実習生の企画において、広報の戦略が弱いとのご指摘も受けました。自分の発表に対するものだけではなく、他の実習生の発表に対する質問やアドバイスも非常に参考になるものばかりでした。
特別展の企画に限らず、研究のアウトリーチなど、人に何かを伝える際にも活かしたいと思います。サイエンスコミュニケーションにも興味があり、こうした知識や能力は今後もしっかりと鍛える機会を作りたいです。

対面での実施ができなかったため現場を実際に見たりすることはできず、少し心残りもあります。しかし、今回の博物館実習を通して、他の実習生の発表や学芸員の方々からのご意見を聴くことで様々な視点があるということを再確認でき、多くのことを学べました。

2021年08月21日

2021年度夏期博物館実習 最終日

こんにちは、8月21日の博物館実習のブログ担当のN大のM.Nです。

まず初めに、緊急事態宣言が発令されている中、実習中止になってもおかしくない状況下で、お忙しい時間を割いて5日間もリモートで博物館実習を行なってくださり、誠にありがとうございました。

最終日のオンライン博物館実習は、貝類標本の作製と子供向けの解説パネルの作成、評価を行いました。
普段、私は貝を食べることがメインだったので、今回の実習を通じ、貝を観察したり調べたりできて、とても新鮮な経験ができました。
また、子供向けの解説パネルについてなのですが、どのように伝えれば理解してもらえるのか、言葉選びに苦戦しました。
伝えることの難しさを改めて感じました。

評価の時間では他の実習生の解説パネルの工夫や学芸員の方々のアドバイスを聞き、「どのようにすれば小学生に伝わるのか」について学べました。
個人的に、Q & A で作成されているのが見易くて、わかりやすいと思いました。

2021年 夏 博物館実習3日目

実習3日目、8月19日の実習生ブログを担当いたします、奈良女子大学のYIと申します。
本日は主に植物の腊葉標本の写真を見ながら、ラベルの情報をテキストデータとして書き起こす作業を行いました。1日目と2日目が他の方々の発表を聞いて質問やコメントをする、という交流の時間が多い内容だったため、実習中に個人で作業をする時間があるというのは少し奇妙な感じがしました。個人作業とは言え、淡々とラベルを読み取り地図を調べパソコンで打ち込んでいたわけではなく、実習生は皆それぞれのやり方でこの作業を楽しんでいたようで、最後のディスカッションの時間では乾燥前の生きている状態を調べて見比べてみたという方もいらっしゃいました。私は採集場所を読み取りながら、その植物が採集された時の状況を想像する、という楽しみ方をしていました。読みなれない筆記体を解読することも難しかったのですが、何よりも知らない土地の地名を調べる事に難しさを感じました。ラベルによっては英語だけで記載されているものや、古い地名の記されたものもあり、思うように作業が進みませんでした。それでもどうにか10枚分の記入を終え、疑問や発見も得ながら楽しむことができました。
時間が前後しますが、この作業の前には植物資料についてのレクチャーを受けました。時代とともに標本の利用方法が増えていく事、ラベルの重要性、採取者にしか残せない情報、動物標本の扱いとはまた違った部分があると知りました。特に面白いと感じたのは、果実を標本にする方法です。植物体は押し葉の状態で、果実や種子は種子瓶につめた状態で保存するものだと思いこんでいたため、果実を薄くスライスして押し葉と同様に張り付けて保存する方法があると聞き、その手があったか!と驚きました。私は以前から生物資料の作成・管理に興味を持っていたため、本日の実習は大変有意義なものとなりました。
最後になりますが、コロナ禍の大変な状況の中、リモートという形で博物館実習を受け入れて下さり、本当にありがとうございました。

2021年08月20日

博物館実習_2021.8.20

博物館実習_大阪自然史博物館_2021.8.20
H大学のU.Kです。

 本日の実習は昆虫実習で、昆虫標本の講義と、各自の発表(採集してきたセミの抜け殻の紹介、セミに関する行事案の企画)が行われました。
 昆虫標本の講義では、他の動植物と同様、「いつ・どこで・だれが」といったラベルが重要であることを再確認しました。また、昆虫標本は、カビや、他の虫に食べられてしまうことことへの対策が必要であることも学びました。カビや虫害については、昆虫標本で特に気を付ける必要がある点だと感じ、しっかりと乾燥させることや、防虫剤(ナフタレン)などの対策方法があることを知りました。
 その後、各自の発表が行われました。内容は、採集してきたセミの抜け柄の種同定とセミに関する行事案の企画でした。セミの種同定については、クマゼミとアブラゼミを採集してきた人が多く見られ、またニイニイゼミやツクツクボウシを見つけていた人もいました。北海道で採集したエゾハルゼミもありました。私はクマゼミしか見つけることが出来なかったので、他の人の発表を聞き、他の種の実物写真を見たり、特徴を理解したりすることができてよかったです。また、同定についての説明で、その特徴の拡大写真を表示するなど、分かりやすいスライドがあり、私は個体全体の写真しか見せていなかったので、そのような写真の見せ方は今後参考にしたいと思いました。
 行事案については、セミの抜け殻や鳴き声を観察するというものが多かったように思います。しかし、「セミの抜け殻を食べてみよう!?」というセミを食べる行事や、宿泊を伴った羽化の観察会といった提案があり、とても面白いアイデアだと思いました。私は観察することしか思いつかなかったので、そのように色々な角度から行事を考えていけるようにしたいです。
 オンラインの実習でしたが、自分で採集し、それについて発表し合うことで、想像以上に多くのことを学ぶことが出来たと思います。

2021年度夏期博物館実習3

 8月20日の博物館実習では、セミの抜け殻調べと行事案の発表を行いました。学生が各自で事前にセミの抜け殻を集め、種を調べたものを発表しました。
 発表されたセミの多くは、クマゼミとアブラゼミでした。北海道でセミをとってきた学生がエゾハルゼミのセミの抜け殻を採取していて、見たことないセミだったので、とても興味深かったです。また、ニイニイゼミやヒグラシなどあまり見たことないセミの抜け殻を見ることができて良かったです。ニイニイゼミは体に泥がたくさんついていて独特でした。なぜ、こんなにも泥がついているのかが不思議でした。
 また、いろんな学生の行事案について聞けて良かったです。学習方法などで、鳴き声からセミについて学んだり、採取場所でどのようなセミの種類の分布になっているのかを調べるのは、楽しそうだと思いました。セミを食べることができるのは知らなかったので、驚きました。泊りがけで、セミの羽化を観察するのも楽しそうだと思いました。
 担当はN大学、KNでした。

2021年08月19日

2021年夏期博物館実習 3日目

夏期博物館実習 3日目ブログ担当の K大のT.Kです。

3日目は、植物の資料のデータ入力を行いました。
標本のラベルに書いている情報をデータベースに入力する作業でしたが、筆記体や癖のある字を読み取る難しさを感じました。

2時間ほど作業時間があったのですが、古い標本のラベルでは現在の場所の特定をしたり、標本になる前の植物を調べたりしていると、7個ぐらいしか入力できませんでした。
時間が無い仕事の中で、この作業を行うのは根気のいる作業だと痛感しました。

研究が進んでいく中で、同定されたものが変わっていたり、その変わったものがまた変わったりと、ラベルを見るだけでも面白さがあることを学びました。

博物館実習初日

博物館実習に参加させていただいているK大学のM.Hです。
博物館実習初日はオリエンテーションで始まりました。
初めは長い話聞けるかなと思っていましたが、興味深い話がたくさんあり、とにかく博物館には余分なお金が無く、運営するために学芸員さんを含む多くのスタッフの方々が、日々協力をしながら試行錯誤されているんだなと感じました。
午後からの自己紹介では、今回実習を共にする方々のことを色々知ることが出来ました。プレゼンテーションを作ってということでしたが、作り方や伝え方にもそれぞれの人柄が出ているように感じで、すごく面白かったです。まだ、残り少しありますが、たくさんのことを吸収して学べる実習期間にしたいと思います。

2021年度 博物館実習(夏) 2日目

夏の博物館実習2日目のブログ担当のK大学のA.Kです。
実習2日目の内容は、各自で特別展の内容を考えてそのプレゼンをして、そのプレゼンに対する質疑や講評を他の実習生の方や学芸員の方がするという形で進められました。この特別展の内容を1から考えるというのはとても難しく、この企画の立案を同時並行で複数取り扱うという学芸員の方は、本当にすごいと思いました。

僕はバイオミメティクスについての企画を考えてプレゼンしました。自分の中でベストを尽くしたつもりですが、いくつかの改善点のご指摘をいただきました。やはり、学生という素人が考えた企画ではどう頑張っても企画に穴が多くなるのだと思います。
まず、僕が指摘された点はタイトルを見ただけでは、特別展の内容が正確に伝わらず、誤解を生むこと、さらにタイトルのインパクトがなく、集客にはつながらないという点でした。また、このテーマは比較的グッズも作りやすいため、バイオミメティクスに関連したグッズの作製も考えてみては、というご意見もいただきました。改めて見返してみると確かに、このタイトルでは訪れてみたいとは思わないかなと思います。グッズに関してもあまり深くは考えていなかったので、このプレゼンを通して自分の力不足を実感させられました。
他の実習生の方の発表では、自分では考えつかないような特別展を考えた方や様々な工夫を凝らした方がいて、「その手があったか!」と思うとともに、とても参考になると感じました。

今回の実習はリモートでの開催ということで、実際に博物館を訪れての実習ができず非常に残念ですが、リモートでも多くの学びや気づきがあり、とても良い体験をすることが出来ました。今回の実習で得たことを今後の実習や勉強に活かしていきたいと思います。

2021年度夏期博物館実習 2日目

こんにちは。N大学のM. K. です。

実習の2日目は、それぞれの実習生が企画した特別展を発表し質疑応答を行いました。
自分の研究テーマに近い分野を取り扱っていたり、展示品のおおよその配置などが既に考えられていたり、どの特別展も非常に興味深かったです。

今回は自然史が絡む特別展の企画だったので、環境問題や災害などをテーマにしていた実習生もおり、なんとなく生物系で特別展を考えなければいけないと思い込んでいた私にとって勉強になりました。
私は専攻が化学なので、生物濃縮など自分の専攻にも関連するようなテーマでもよかったのではないかと思いました。

学芸員の方に講評をいただく場面では、授業で学生がよく提案するような展示や広報の仕方について実際やるにはどういった点が問題になってくるかなどをお話しいただき非常に勉強になりました。