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2020年08月29日

2020年度 夏季 博物館実習

博物館実習3日目の実習内容は、植物化石について学びました。
まず、植物化石を扱うにあたって大切な事・必要な事を学習し、その後実際に植物化石の標本を用いて採集された場所・年代などの名札を付ける作業と目録作りをさせて頂きました。
午後からの作業内容は、実際に展示されている植物化石の展示室内のメンテナンスをさせて頂き、植物化石の取り扱いや展示方法を学びました。収蔵庫に保管されている植物化石もそうでしたが、実際に展示されている植物化石も古いモノだった場合、破損してしまったりといった可能性が新しい年代のモノより大きくなってしまうので、より慎重に扱わないといけない事を改めて感じました。
また、今回メンテナンスをさせて頂いた展示コーナーは、他の展示コーナーに用いられているガラスとは違いネジを外し吸盤で取るという方法でガラスの取り外しを行ったので、展示物に対してよりその展示物がよく見えるガラスや形などを選ぶ事を知り、座学では学べない事を知れたと感じました。
メンテナンス作業については、ただ展示コーナーを掃除し展示物もエアスプレーで埃を取り元の場所に直すだけが仕事ではなく、掃除している間の展示物は仮の展示コーナーに置いているのでそれを来館者に伝え、普段は滅多に見れないガラス無しでの展示物という魅力を伝えるのも学芸員の仕事の1つという事がメンテナンス作業の中で知れました。
今回の実習を振り返り、座学では学べない事や学芸員への質問・来館者との触れ合い・展示物または、収蔵庫内のモノに触れる機会は実習でしか出来ない事であり、吸収出来るものが沢山ありました。
博物館実習という貴重な時間を大阪市立自然史博物館で過ごせ、とてもよりよい時間となりました。
大阪市立自然史博物館に携わっている関係者の皆様、知識や技術が未熟な実習生を受け入れて下さりありがとうございました。

東亜大学 A.N

2020年08月27日

2020年度 博物館実習 2日目

私たちの班は2日目は地史に関する実習を行いました。
午前中は収蔵庫で鯨の骨の標本の整理をしました。鯨の体は大きく、骨一つ一つもかなりの大きさになるため、分解された状態で保管されていました。その骨の形から法則のようなものを考えてどの骨が体のどの部分に当たるのかを考え、向きや部位ごとに分けていきました。中には鯨が生きていた頃に骨折し、治ったあとも見られ骨の一部だけで鯨が生きていたときのことまでわかり非常に興味深かったです。その後分けた骨を並べて論文に使用する写真の撮影について教えていただきました。論文をどのように作っていくのか興味があったので参考になりました。
午後は化石の実習をしました。最初に展示室に展示されている化石の解説をしていただいた後、アンモナイトのような大型の化石のクリーニングの体験をさせていただきました。先端が振動するペンのようなものを使って化石の表面に付着した石を砕いていくのですが、案外ポロポロと剥がれていくので作業をしていて気持ちがよかったです。次に、薬品で微化石と言われる小さい化石を抽出する作業を体験した後、電子顕微鏡を用いて微化石の観察をしました。非常に小さなアンモナイトやサメの歯の化石などを見ることができました。
私は普段骨や化石といったものを扱う分野に触れる機会が少なく、この日の実習は知らないことばかりで新鮮な体験ができたとともに、非常に興味深いことをたくさん学ぶことができました。
5日間を通して見ても、様々な分野に触れることができて非常に勉強になりました。親切にいろいろ教えてくださったり、個別な対応も快く聞いてくださったりして、学芸員の皆さんには感謝でいっぱいです。大阪市立自然史博物館に実習に来れてよかったです。ありがとうございました。
(5班 K大学 Y.K) 

2020年08月26日

2020年度夏季博物館実習 初日

 私達4班は初日に「草」をテーマに実習を行いました。

 まずは植物の標本とはどのようにしてできるかや標本にはどのような人々が関わっているかをレクチャーして頂きました。標本は植物を乾燥させ台紙に張り付けて完成し、防虫剤と共に収蔵します。また、標本は外気に触れつつ収蔵するため、標本化した後も標本庫に害虫が侵入しないように細心の注意を払う必要があります。標本には様々な人が関わっており、内訳は植物を採った人、寄贈する人、標本を保管する人、標本を研究に使う人がいます。学芸員の方によると保管する人、研究に使う人は採った人の意向に可能な限り添いつつ、三者が納得出来るように標本を扱うようです。
 
 また、同時に標本庫の役割、管理方法について教えて頂きました。標本庫の役割には標本が痛みにくいような管理をする、被災しにくくさせる、標本庫につき植物を分類し探しやすくするといったことが挙げられました。管理方法については植物を張り付けた台紙を種ごとに積み重ね束にされていました。標本を取り出す際、観察する際に標本の一が容易に欠損しそうであったため、素人の感覚ではあまり扱いたくない標本のように感じました。

 次に先日の熊本豪雨で被災した博物館の収蔵品のレスキュー作業を行いました。この作業では泥を被り張り付いた標本台紙同士を分離、乾燥させるため、傷んだ標本を各々新しい新聞紙と段ボールをその間に挟み乾燥させやすくします。この操作を行うまでの間熊本より届けられた標本は冷凍されていたため一部湿ったままであり、引き離す際には細心の注意を払う必要がありました。
 
 最後に標本を収蔵庫に収容する配架を行う作業を体験しました。先述した通り、標本庫では各種ごとにまとまり、棚が分けられていました。本作業は配架していない標本をそれらに収納することを目的とします。種は科ごとに分けられ棚が並んでいるのですが、植物の科を把握していないと満足に並べることが出来ません。また、分類学的検討などによって棚にはない科や属のものがあるため、かつてはどこに分類していたのかも把握しておく必要があります。一見、棚に収納するだけの単純な作業のことのように思いましたが、然るべき知識を持ち合わせていなければ何一つ作業は進みません。

 今回はこれらの実習を通して、学芸員にはどのような知識が必要か、社会的にどのような立場であるのかの一端を理解出来ました。この度、貴重な体験の場を提供してくださった大阪市立自然史博物館の皆様には感謝の念に堪えません。 (4班 K大 N.S)

2020年08月25日

2020年度博物館実習 2日目

こんにちは、2班のY.Kです。
 博物館実習の1日目は、オリエンテーションで博物館の展示室や収蔵庫の見学、博物館の概要の確認などをして1日目が終わり、2日目から本格的な実習が始まりました。

 本日は、鳥類の標本を扱いました。はじめに動物研究室の学芸員の方に標本の管理の方法について説明していただきました。標本の管理には、標本を寄贈してくださった方との連絡を細かに記録された標本台帳と標本受取票と呼ばれるノートを使っていることを知りました。私は、標本の情報で一番大切なのは、やはり学名なのだろうと今までは思っていました。しかし、標本台帳の説明をされている中で大切なのは、標本の採集された場所と日付でこの2つが分からないと価値がなくなってしまうことを知り驚きました。
 説明を受けた後、剥製にその標本の情報が書かれた札を足の部分にひもで括り付けるという作業をしました。剥製には、本剥製と仮剥製があり、本剥製は展示等に使われる剥製で仮剥製は研究に使われる保管されている剥製で今回は、この仮剥製の方でした。作業をしている中で見かけた種は、タカやメジロ、カワセミ、ミズナギドリ、フクロウなどが見かけられ、20種以上の鳥たちがいました。中でも数がダントツに多かった種は、ミズナギドリで札をつける作業で個人的に一番苦戦したのもミズナギドリでした。札は取れてしまうといけないので取れないようにきっちり結ばなければいけないことと剥製には、もろい部分もあるため注意して作業をしなければいけなくて大変なこともあり、ミズナギドリは、羽の一部が長く、ひもを結ぶときに手に当たるため、結びにくくかつ数が多かったため、大変疲れました。
 作業が終了した後に今回扱った鳥たちの説明を受けました。西日本では珍しい鳥が今回いたことや送られてくる鳥たちは、きれいな色をした種がやはり目につくため多いことなどが聞くことができました。
 最後に収蔵庫に行って初日のオリエンテーションでは、見れなかったところや学芸員さんのおすすめの標本についての説明をしていただきその日の実習を終えました。

 今回の実習を通して、博物館の学芸員の方々の大変さがわかりました。標本の扱いなど大学で知りにくいことが多く学べたと感じました。貴重な体験をさせていただき、5日間という短い期間でしたが本当にありがとうございました。

KUAS Y.K

2020年08月24日

2020年度博物館実習 5日目 昆虫の標本整理

 5日間ある実習もいよいよ今日で最終日となりました。私たち5班は昆虫標本の整理を行いました。
 まず収蔵庫にある昆虫標本を見せていただきました。寄贈された標本には今ではとても貴重な海外の昆虫の標本もありました。チョウやトンボなど標本にしたときとても映える昆虫から、環境を知るためには重要な小さな昆虫まで幅広い昆虫が収蔵されていました。

 収蔵庫の見学の後は、実際に標本作成をしました。採集されたウスバカゲロウという昆虫のラベル付けを行い、種同定を行いました。ラベル付けでは乾燥した昆虫はとても壊れやすく慎重に扱わなければいけないので、集中してラベル付けをしていると時間が過ぎるのはあっという間でした。種同定をするには羽の細かい模様で見分けていくのですが、これもまた似ている模様が多く見分けるのがとても難しかったです。最初は種同定に時間がかかっていましたが、徐々に見分けがつくようになり作業がスムーズにできるようになりました。しかし新たな種が出てくると途端にわからなくなり、学芸員の先生に教えてもらっていました。細かい種まで一目見ただけで同定できていて、さすがだなと思いました。

 過去の研究者の資料を未来の研究者につなげる、このお話を聞いたとき博物館のもう一つの役割を感じとても素敵な場所だなと思いました。今回の実習で様々なことを学び、貴重な経験ができました。お忙しい中いろいろなことを教えていただきありがとうございました。 (5班 岡山理科大学 O.M)

2020年度 博物館実習 4日目 

 博物館実習の4日目は、見る側と見せる側の両方の立場から展示を考える実習でした。午前中は、第2展示室の触れる展示にある、視覚障がい者用の点字の解説文を解読し、視覚障がい者にとって必要な情報が書かれているかの確認を行いました。解読したところ、展示の解説としては成り立っていますが、視覚障がい者にとって必要な情報はあまり載っていなかったと思います。展示物が見えていない人の立場で考えてみると、色や形などの展示物自身の構成が書かれていないとすべての人が触れる点字とは言えないのではないでしょうか。また、点字の解説文は、子どもの視覚障がい者には難しいのも問題点でした。午前中の作業で、全観覧者にわかりやすく伝えるためには、様々な立場から考えて展示をする必要があることを改めて考えさせられました。
 午後からは、貝類の分類をエクセルを使いデジタル化する作業を行いました。実際に採取したり寄贈された貝類をパソコン上でデータ化することで、デジタル資料としてだれでも閲覧が可能な資料ができるそうです。実際にパソコンで打ち込んでいると、かなりの時間がかかり、非常に大変な作業であることがよくわかりました。博物館内にある展示の管理や収蔵庫の整理だけが学芸員の仕事ではないことがよくわかりました。
 今回、点字の解読や資料のデジタル化の作業を行うことで、観覧者側の立場から展示を考えることの大変さが少しは理解できたと思います。来館者の目に見えないところでの仕事の多さにも驚きました。今回の実習で、大学では学べないことをたくさん学べたと思います。ありがとうございました。

岡山理科大学 M.K

2020年08月23日

2020年度博物館実習 3日目 砂の標本整理

砂はコンクリートやガラスなどを作る際に多く必要になるため、世界で取り合いの状態になっています。また、海面の上昇や沿岸部の開発によって砂浜が減少しているため、砂浜の生態系が脅かされています。大阪市立自然史博物館では砂の標本を保存することで自然の記録を未来に伝えているとのことでした。

私たち5班は、午前・午後ともに収蔵庫にて砂の標本を扱いました。班員と分担して標本の瓶が入ったケースを棚から降ろし、地域ごとに分けて作業を行いました。これらの標本は学芸員さんや友の会会員の方々が採集なさったもので、日本だけでなく海外の砂も保存されていました。砂が入った瓶蓋とその中の紙には採集した場所・日付・人名が記載されていて、そこに標本を管理するための番号を記載しました。

収蔵庫での作業を通して、標本を保存することで記録を未来に伝えていく重要性を学びました。また、博物館が過去の記録をこれからの研究者に伝えていく場所であることを改めて実感しました。私たちの班は200近くの標本に番号を記載しましたが、まだまだ標本はあるので先は長い作業だと感じました。今回の実習では学芸員の仕事の一部に携わっただけですが、非常に大変であり、またやりがいのある仕事だと感じました。お忙しい中、5日間の博物館実習を受け入れてくださりありがとうございました。
(5班・M大学 H.K)

2020年度 夏季博物館実習日誌 最終日

 2020年度・夏季博物館実習の最終日、私たち4班は日本各地から集められた砂浜の砂のサンプル瓶に登録番号を記載する作業を行いました。
 コンクリートの材料としての使用・地球温暖化による海面上昇やダム開発によって、日本に限らず世界の砂浜は失われつつあります。そこで、大阪市立自然史博物館では21世紀初めごろから日本各地の砂浜の砂収集を開始し、2020年8月時点で収蔵庫には700ほどのサンプル瓶が並んでいました。担当学芸員さん自ら採集したり、博物館・友の会メンバー皆さんが持ち寄ってくださったりした大量の試料は、地域ごとにまとめられ、サンプル瓶蓋と瓶内の識別カードに “誰が”・“いつ”・“どこで” 採集したものなのかが記載された状態で止まっており、私たち実習生が最後の作業として“登録番号”の記載を行いました。
 「失われていく砂を収蔵し、未来に証拠を残すために必要な作業だ」と最初に説明を受け、博物館の収蔵という役目について理解が深まる経験ができました。また、専門的な知識をもつ学芸員さんに何度も質問ができる環境で活動ができ、あまり知らなかった砂浜についての疑問点やこれからの展開も学ぶことができました。(4班・M大学N)

2020年08月22日

2020年度 博物館実習4日目

こんにちは。1班のF.Mです。

 1班は実習4日目の午前に、特別展の、子供向け展示パネルを作りました(※ここで展示パネルとは、展示物の隣にある説明板のことを指します)。午後は、収蔵庫に保管されているカタツムリの殻の標本に、標本番号を書く作業を行いました。
それぞれについて詳しく書いていきます。

 まず、ただ今開催されている特別展「知るからはじめる外来生物」を見学し、各自で気になる展示パネルを選びました。そして、その展示パネルの子供向けパネルである「キッズパネル」を一人1枚作成しました。
 一般的に、展示パネルは中学生以上向けと言えます。なぜなら、漢字が多く使われ、専門用語も多いからです。そのため、小学生以下の子供達が理解するのは難しいです。そこで、用語を噛み砕いて説明した「キッズパネル」を作成することになりました。こういった工夫をすることで、幅広い年齢の入場者に楽しんでいただけます。

 私の場合、「外来生物であるアメリカザリガニとカブトエビは、いつから・なぜ日本にやってきたか」についてをキッズパネルで説明しました。子供向けということで、イラストを描いてカラフルな作品にしました。
 また、アメリカザリガニが喋っているかのような、擬人化した構成にすることで、子供がよくする「ぬいぐるみ遊び」を彷彿とさせるようにしました。そのほうが、知識を遊び感覚で身につけてもらえると考えたからです。

 班全員が作成し終えたところで、キッズパネルを作る際のポイントについて話し合いました。
①一文の長さをできるだけ短くすること。
②パネル1枚あたりの文字数は最大で200字にすること。できれば150字くらいで簡潔におさめるとよい。
③Q&A形式の構成は子供の興味をひきやすい。
と教わりました。また、パネルの書き手の感覚や判断によって、パネルの内容の意味合いが変わってしまうから気を付けるよう、助言してくださりました。

 午後は、カタツムリの殻の標本に標本番号をかきました。0.1~0.2の細さのマジックペンで、殻の裏側に小さく、正確に書きました。カタツムリの殻によって、すぐにインクが染み込むものと、滲んでしまうものがありました。それは殻の成分による違いだそうです。

 第50回特別展「知るからはじめる外来生物~未来へつなぐ地域の自然~」は、8月30日(日)までの開催です。あと1週間で終わってしまいます。大阪に生息する様々な外来生物について学べるので、ぜひ足を運んでみてください。
 その際、1班の4人それぞれが作成した「キッズパネル」にも注目していただければ嬉しく思います。

S大学 F.M

2020年度夏季博物館実習 最終日 2班

実習最終日です。本日2班は植物標本を扱いました。

まず、収蔵庫にて植物標本が寄贈されてから配架されるまでの流れを教えていただきました。
その後、ソーティングという作業を行いました。ソーティングを簡単に説明すると、寄贈され、登録された標本を『科』ごとに並び替える作業です。この作業を行うことで、標本が収蔵庫で迷子になることを防いでいます。とても大事な作業です。

寄贈された標本には標本に関する情報が載っており、科名も載っています。この情報をもとにソーティングしていくのですが、英語表記であったり、科名が変更されていたりと一筋縄ではいかないと言った感じでした。今回私たちは4人でダンボール8箱分ほどの標本をソーティングしましたが、終わる頃には足がパンパンになりました。この実習期間最もハードな作業で、もっと少ない人数で、多くの標本をソーティングされている学芸員の方、本当にすごいなと思いました。

今回の実習ではとても貴重な体験をさせていただき、多くのことを学ぶことができました。ありがとうございました。

NWU S.H

2020年度 夏期博物館実習5日目 3班

5日間あった博物館実習も最終日です。
今日はまず、鳥類を中心に標本台帳や資料受入票、登録ナンバーについて説明していただき、鳥類の標本とタグを照合しました。鳥類の標本と聞くと、博物館でよく展示されている立ち姿や飛んでいる姿を想像しますが、研究やタイプ標本として保管する場合は収納しやすいように羽がたたまれて頭部から足まで一直線になっている状態で保管すると知り、驚きでした!今日は登録ナンバーや種名、標本が拾われた場所や日付などの必要な情報が書かれたタグとそのタグに対応する標本を合わせていく作業を行いました。

次に哺乳類の標本の作り方について簡単に説明していただき、砂場に置いておく事で肉の部分は虫や微生物に分解された状態のアムールトラの脚の骨を洗いました。アムールトラは脚1本分の骨だけでもそれなりに重量があり、爪も大きくて鋭く、骨だけでもアムールトラの迫力を感じました。骨に残っている筋や肉はメスやハサミを使って取り除くのですが、これがものすごく取りにくく苦戦しました。全ての骨を洗い終わった後、実際に骨格を組み立てながら説明を受けました。アムールトラで肉食動物であるだけに、立派な犬歯に興奮しました!また、胸椎や腰椎などはパズルのようにはめて組み立てられるのが面白かったです。

本来は最終日は博物館での行事の手伝いをするようですが、今年度は新型コロナウイルスの影響で残念ながら行事に関わる事はできませんでしたが、そのかわり学芸員の普段の仕事についてたくさん知ることができたと思います。普段の生活の中では触ることのない標本を取り扱ったり、博物館の裏側について知ることができとても充実した実習でした。
色々なことを教えてくださった学芸員の方々、同じ班の皆さん、ありがとうございました。
大阪市立自然史博物館についてより詳しく知った上で、また来館者として展示を見に行きたいと思います。

奈良女子大学 M.M

2020年度夏季博物館実習 5日目

本日の実習はまず、第二展示室から一点、その他の展示室から一点、合計二点選んで、そのふたつを関連づけて語る、というものでした。展示物を見て回っていても何も思い浮かばず、ずっとうろうろしていたのですが、第三展示室のオウムガイを見て「これだ!」と思い、第二展示室のアンモナイト、第三展示室のオウムガイについて関連づけて語ろうと思いました。
アンモナイトとオウムガイの違いは私自身よくわかっておらず、なぜアンモナイトは絶滅したのに、オウムガイは生き残っているのか、という疑問があったので、そこを調べてみることにしました。アンモナイトは白亜紀末の小惑星の衝突によって絶滅したといわれています。その小惑星が炭酸塩岩に衝突し、酸性雨が降り続いたことによって絶滅したみたいです。アンモナイトは浅瀬の海で生活していたので酸性雨の影響を強烈に受け、絶滅しました。一方オウムガイは、深海で生活していたため、酸性雨の影響を受けずに生き残りました。
これを班員の前で発表し、班員からの質問も答えることができ、学芸員さんからの講評もいただき、とても満足感のある発表になりました。

次に行ったのはクジラの骨の撮影です。班のみんなでどこがどの骨かと考えながら並べていると、学芸員さんがアドバイスをくれるのですが、すごいと思いました。この骨は裏側で、こっちの方が背骨側で、、、と指示を出してくれる学芸員さん、どこまで勉強したらその域になれるのでしょうか…
1番興味を持ったのは、肋骨の骨のコブです。実はこのコブ、骨が折れて治った跡だそうです。初めて知ったし、これから骨格標本をみつけたらそこをチェックしてみようと思いました。
全ての実習がおわり、とても実りのある実習でした。ここの博物館に実習にこれてよかったです!

一班 Kindai T.M

2020年度夏季博物館実習 5班

実習内容は、
1日目-オリエンテーション、バックヤードツアー、展示見学。
展示など見えてる部分も大きいが、収蔵庫など見えない部分は想像以上に大きかったです。

2日目-鯨のアバラ骨の標本整理、化石クリーニング。
鯨の骨は、生前の負傷箇所が目に見えて、興味深いものでした。

3日目-海の砂の標本整理。
海の砂を持ち帰ってはいけないなどという法律があるのを初めて知りました。

4日目-熊本の水害被害にあった博物館の資料整理、キノコの標本整理。全国の博物館のチームプレーを知りました。助け合いで資料の保管ができていることを知りました。

 博物館実習を通して思ったことは、学芸員という仕事は体力と根気強さがいる仕事だと思いました。
私は少し体験しただけですが、重い標本を運んだり、細かい作業を淡々としたり、とても大変だなと思いました。

毎日新しい知識が身につき、様々な発見もあり楽しかったです。特に、毎朝、日誌のお返事を見るのが楽しかったです。私が疑問に思ったことなどをその日の日誌に書くと、私が分かるように解説して翌朝に返却されるので、とても楽しみでした。

 最後に、驚いたことは、専門の分野以外の研究も分担してしないといけないということです。学芸員の仕事は1日50時間あっても足りないと先生が言っていた理由が分かりました。

同志社女子大 K.K

2020年08月21日

2020年度 夏期博物館実習4日目 3班

博物館実習も早いもので4日目です。今日の3班は昆虫標本の分類と学芸員の仕事について教えていただきました。

午前中は収蔵庫の昆虫標本を用いて、チョウ・ガの分類、チョウの科レベルの分類を行いました。チョウとガは明確に分類することが難しく、国によっては分類しない場合もあることを教えていただきました。私はチョウとガは別の種類の生き物だと思っていたので驚きました。
午後は貴重なチョウの標本を見せていただき、そのチョウがどこに分布しているか、何故貴重なのかについて教えていただきました。また、標本に付けられているラベルの採集地と採集日の情報から、かつてその地域がどのような環境であったか、外来種であればいつ頃から見られるようになったのかなど様々な情報が得られることも教えていただきました。学校の授業で採集地と採集日の分かるラベルが付いていない標本はゴミ同然の価値になってしまうという話は聞いていましたが、ラベルの情報が将来このようにして役に立つということが分かり、より理解が深まりました。
また、学芸員は展示についての作業だけでなく、標本の整理、専門分野の研究、教育普及活動など様々な仕事をしていることが分かり、普段からたくさんの知識や経験を持つように心掛けることが大切だと思いました。

毎日様々な分野のお話を聞いたり、作業をさせていただき、とても楽しい博物館実習も残すところあと1日になりました。最終日もたくさんのことを学ばせていただきたいと思います。

滋賀県立大学 W.M

2020年度博物館実習 4日目 展示標本の清掃

今日は第二展示室にあるアンモナイトなどの化石の展示を掃除しました。私が所属する4班は皆海洋系や水産系の大学、学部からきており現在生きている海洋生物には強いものの、アンモナイトや古代の貝などはあまり馴染みがないようでした。私自身静岡にあるT大学からきており、海洋系の大学であり学科の授業では海洋文化財や海洋考古学は学ぶものの、化石にここまで近くで触れるのは初めてでした。そのため未知のものが多く、学ぶことも多い実習でした。清掃で1番心がけたのはやはり破損しないこと。私たちにはただの岩に見えても貴重なものも多く、大きく重たいものから小さく軽いものまで様々でした。落としたり、ぶつけたりしないように気をつけながら、資料を別の場所に動かし、展示台の汚れを落とし、ガラスを磨き、元の場所に資料を戻しました。展示棚によっては扉の取り付け方や、中への入り方が異なり、それぞれ展示してる部屋や台、箱にはそれぞれの取り扱い方があることに驚きました。資料を並べ直す際には元どおりに戻すことを目的とするわけではなく、より見えやすく配置することを目的とすることを学びました。そのため、掃除前と掃除後では配置が少し異なっています。来館者に何を見てほしいかで資料の向きを変え順番を変えたり、小さな人から大人の人まできちんと見えるように資料をずらして並べたりと、来館者として見ているときには気がつかなかった学芸員さんの工夫を知ることができました。他の博物館へ行った際にも、この展示棚はどのようにメンテナンスを行うのだろうか、展示の並べ方にはどのような工夫がされているのだろうか、という点についても着目して、展示をみてみたいと思いました。

2020年08月20日

2020年度博物館実習

実習も折り返しで3日目になりました。私たち2班は今日は昆虫についての作業を行いました。

午前中は収蔵庫で様々な昆虫の標本を見せていただきました。一般の方や他の施設の方など様々な方からの寄贈による標本もかなりあるというお話。ほとんどの標本が学芸員の方によって得られていると思っていたので、意外でした。色々な方々の協力で博物館の標本は成り立っているんだなあと思いました。また、学芸員の方のお話で特に印象に残ったのは、ある時代の昆虫相を把握するためには、綺麗な昆虫やメジャーな昆虫だけでなく、様々な昆虫を幅広く採集することが大事だというお話でした。

収蔵庫で昆虫の標本を見た後は、実際に私たちが標本作成を行いました。ウスバカゲロウという昆虫の標本作成へのラベル付け作業が中心でした。また、ラベルを付けた後は種同定を行い、種ごとに分けていきました。昨日は鳥へのラベル付けを行ったのですが、その作業よりもとても細かい作業で、最初はなかなか上手くいきませんでした。しかし、数をこなすごとに段々と慣れ、徐々に作業スピードも上がってきました。種同定も最初の方は何分もかかって行っていましたが、徐々にパッと見ただけで、目星がつけられるようになってきました。全てのラベル付けと種同定作業が終わった後、学芸員の方が、実はこの種は最近5種に分かれたんだよ、というお話をしてくださいました。その種は、数がとても多く、こんなに同じ種を集めてどうするんや…というぐらいの数でした。しかし、学芸員の先生が5種に分けてみると、実際はとても個体数の少ない種もいて、驚きました。今後、種分化したときのためにも標本は数を集めておくことも重要なんだなあと感じました。私たちは検索表を用いて種同定を行いましたが、学芸員の先生はパッと見ただけで種を分け、さらにはまだ未記載の種まで見ただけで分けていて、さすがだなあと思いました。

タグ付けの作業はとても地道ですが、標本をきちんと管理するためにもとても大事な学芸員の仕事たまなあと感じました。明日からも頑張りたいと思います!

M大学 K.H

2020年度 博物館実習3日目

こんにちは、1班のT.R.です。
今日は、1) 収蔵庫の植物標本見学、2) 被災標本のレスキュー作業、3) 配架体験 を行いました。
これら3つについて、以下に詳しくお話します。

1) 収蔵庫の植物標本見学では、植物の標本が収蔵庫に配架されるまでのフローをお話しいただきました。まず採集者が、採集し標本作製、同定、ラベル作製をして、博物館等の収蔵庫へ寄贈します。そして、管理者となる博物館の担当学芸員が、標本の状態を確認した上で、(押し葉標本の場合は)標本を台紙に貼付し、データベース登録がなされます。最後に、害虫を冷凍燻蒸などで死滅させ、配架となります。
このようにして保管された標本は、たくさんの方々に利用されています。その中には、プロの研究者や環境コンサルタント業の方だけでなく、リタイアした先生や、アマチュアの研究家の方、ボランティアの方もいらっしゃいます。標本は、この方々の心の拠り所となり、博物館の収蔵庫が、憩いの場として活用されているように感じました。

2) 被災標本のレスキュー作業では、令和2年7月豪雨で被災した、熊本県の博物館から寄せられた標本を扱いました。これは、熊本の博物館から、収蔵庫同士のネットワークを通じて、復旧作業が呼びかけられたものだと伺いました。標本は大正時代に作製されたものであり、当時の新聞紙が吸取紙として使用されていました。「脚気に効く薬」の広告や心中の記事など、作製当時の時代背景が窺えました。私たちは、アブラナ科の標本を担当し、被災標本の痛ましさを目の当たりにしました。泥だらけのものや、カビが生えているものから、被害の悲惨さを感じました。
もちろん、標本が被災した時のレスキュー作業についてのノウハウや連携も必要ですが、被災しない場所や状態で保管されることが重要です。しかし、日本は天災の種類や頻度が多いため、安全性と利便性を兼ね備えるのは困難であると思いました。

3) 配架体験では、学芸員の方が作製された標本を、分類体系順に並べられた正しい場所に保管する作業を行いました。これは、「絶対に間違えてはいけない、郵便屋さん」だと教えていただきました。順序に従わないと、いざ標本を見たい時に見つけられず、半永久的に利用できないおそれがあるからです。素人にはさせてはいけないと言われる配架ですが、様々な標本にふれることができ、一番魅力的な業務でした。
ここで、植物標本は、他の生物の標本以上に、作製者の目的意識や美意識を汲み取ることができると感じました。後世に何を残したいかを考えられた標本は、採集季節や部位に気を遣ったり、写真を添えてより汲み取りやすくする工夫があります。この工夫の中に、作製者の人となりや歴史が刻まれていると思うと、より標本が愛おしくなりました。

以上のように、全て標本に関わる内容であり、標本を取り巻く環境や人との関わりを学びました。とても魅力的な実習続きで、明日も楽しみです!ご拝読いただき、ありがとうございました。

令和2年度博物館実習(夏季一般コース) 3日目

早いもので、博物館実習も今日で折り返しです。

私たち4班は、登録済みのヘビの液浸標本を整理・配架する作業を行いました。
液浸標本で用いる保存液には2種類あります。ホルマリンとエタノールです。
ホルマリンは、一般的に「これが標本や!」と言われると「おお、、これがホルマリン漬けかぁ、、」というふうに連想されると思いますが、現在では発ガン性が指摘されていることと、保存中に酸化が進み、ギ酸を生じて標本を劣化させてしまうことから、保存液としての使用はほとんど減ってきています。
そのため、エタノール漬けの標本が主流になっているのですが、ホルマリンと比べるとコストがかなりかかるそうです。また、エタノールには強い脱水作用があるため、ホルマリンを使って形を整え固める、固定という作業をしないと、標本がしわしわに縮んでダメになるそうです。
標本というのは、とってきた、もしくは拾ってきた生きものを、研究者たちが調べられるように残し、保存するのが目的です。
今日私たちが扱ったヘビたちが浸かっている保存液は、見るからに古そうなものがたくさんありました。古いものは、ホルマリンに浸かっている可能性が高いです。うっかりフタを開けると、"今回の場合は"少し厄介なので、フタを開けずに中の溶液がどちらであるかを判断しました。主な見分け方は、少し振ることで出た泡がすぐに消えるか、残るかで見分けます。消えたらエタノール、残ればホルマリンです。
新しい、液が無色透明なものはほとんどがエタノールでしたが、古く、褐色でわずかに白濁していたものはホルマリンであることが多かったです。

私たちの作業は、ヘビの入ったビンの蓋に標本番号とヘビの種類、採集地を書き込んで、収蔵庫を利用する人たちが簡単に目当ての標本を見つけられるように整理することでした。作業を進めていると、未登録のものやホルマリン漬けのものなどがありました。ホルマリン漬けのものは、その旨を書き込み、それぞれ整理して配架を行いました。

今日の作業は、学芸員の管理者としての役割を実感できた上に、「本当は魚の勉強が予定されていたけれどヘビを扱った」という体験で、学芸員に必要とされるオールマイティーさも実感できたので、とても有意義でした。地道な作業は、とても楽しかったです。

Kindai M.

2020年08月19日

2020年度 博物館実習 一般コース二日目

 初日のオリエンテーションを終え、実習2日目ということで今日から本格的に実習が始まりました。実習生が4人1組の班に分かれて、それぞれの班の担当の学芸員さんの指導のもと実習を行いました。
 
 私たちの班は展示物と展示ケースの清掃ということで第二展示室の「三葉虫の海」という展示の清掃を行いました。この展示ケースには主に三葉虫や魚類、植物などの化石標本を展示しており、展示ケースの清掃のために1度展示物をすべてケースの外に出す必要がありました。その際展示物はプラスチックコンテナに一時保管し、清掃中でも来館者の人たちが見られるように並べておきます。展示ケース内の埃を掃除機で吸い取り、ガラスは雑巾で汚れを落とします。展示物についた埃はダスタースプレーを使って吹き飛ばし、ラベルについた汚れはケミカルウェスで落とします。
 展示ケース・展示物の清掃が終われば今度はそれらを元の状態に戻す必要があります。展示物を外に出す前にあらかじめ元の様子の写真を撮っておき、その写真を見ながら展示物を元の配置に戻していくのですが、これが思っているよりも大変で、複数の標本を1つの展示台の上に収まるように他の展示物やラベルに被らないように且つ展示物同士の間隔が偏らないようにバランス良く置いていくことや背の小さい子供や車いすでの来館者の人たちにも見えるような配置にするなど考慮することが多く、元あった配置がいかによく考えられていたかを実感しました。 
 また、取り扱う化石標本には三葉虫のような細い触角のある標本や中には現在では海外から持ち出せないため入手することができないような貴重な標本があり、取り扱いに気をつけなければいけない場面が多く思っていた以上に大変な作業でした。
 
 今日の実習を通して初めて本物の標本を取り扱いその緊張感や大変さを実感しました。また普段自分が博物館で展示物を見ているときは異なる視点から展示を見るとこにより、展示を作ること、またそれを維持していくために重要な事を学ぶことができました。

近畿大学 N.T

博物館実習二日目(昆虫編)

 皆さん、こんにちは。今日はセミの声が少なかったように感じます。セミといえば夏の象徴とあるだけ驚きですね。本日も担当はI.Tがいたします。
 本日は本の整理と標本の作成をしました。本の整理と聞いた時は、図書館じゃないんやしとツッコミを入れたくなりましたが、実際に整理してみるとあら不思議、班員4人で棚一個分2時間かかりました。そりゃ学芸員さんが悲鳴あげるのは当たり前ですね。最近はPDF にまとめているらしく本の冊数は減っているらしいです。標本作業は経験者で、虫を捕まえて、酢酸エチル注射で処理して、ピン刺しするところまではしているのでとても楽しみにしていました。残念ながら時間の都合上虫をとって処理する作業はできませんでしたが、標本の作成で沢山の手法を学ぶことが出来ました。さて標本を作る上で一番難しい虫は何でしょう?答えは、蝶や蛾です。羽が薄くて潰れやすいからです。なので、展翅という羽をテープで固定しつつ固める方法をとるのですが、これがまた神経を使うから難しいんです。気になった方は博物館のイベントをチェックしてみてくださいね。
 本日のブログは以上になります。最後まで読んで頂きありがとうございました。明日からは僕以外の方が投稿してくださるのでお楽しみにしてください!

2020年08月18日

2020年度夏期実習初日

 皆さん、こんにちは。今日から夏期の博物館実習が始まりました。本日の担当は、KUASのI.T がさせて頂きます。
 初日は、オリエンテーションと題しまして博物館の概要や、バックヤードツアーを行いました。博物館の学芸員の方って凄く忙しいの知っていますか?僕は自分のしたい研究に没頭できるしいいなと思っていた人です。しかし、それだけではなく、博物館のレイアウトの作成、特別展の企画、来館者対応など多種多様なんです。自分の研究を忘れることもあるそうです。びっくりですね。なので、最低限収蔵物は大切に扱って下さい。バックヤードツアーでは、珍しい標本や、化石を沢山見ることが出来ました。実は、種によって偏りがあるので、個々の研究者の顔を見ることも出来るんですよ。
これを読んで気になった方は是非友の会にご登録下さい。裏側は思っている以上に面白いです。但し、保存上薬品の匂いがする場合や、通路が狭いなどのことがございますのでお気をつけ下さい。
 本日のブログは以上になります。最後まで読んで頂きありがとうございました。明日以降もおそらく実習即日にブログが上がると思いますので、楽しみにお待ち下さい!