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2022年02月22日

長居公園の植物案内(2月)

2月5日に実施予定だった植物園案内(長居公園編)は、大阪府新型コロナ警戒信号が赤となり、まん延防止等重点措置も実施されているため、コロナウィルス感染症拡大防止の観点から中止となりました。また、3月6日の植物園案内についても、まん延防止等重点措置が延長されることにより中止となります。申込制ではないことから早めの判断になり、申し訳ございませんがご了解頂きますようよろしくお願いします。
2、3月の見頃の植物についてはこのブログで発信していきたいと思います。
2月は何を紹介するか最も迷う時期です。2月15日に長居公園をうろうろしながら探してみました。(長谷川匡弘)
 
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1.ウメ(バラ科)
ウメの花がちらほらと咲いていました。暖かいと早くもニホンミツバチも蜜を集めに来ているを見つけることができます。

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ウメには同じ株に雄の花と両性花が見られます。この写真は雄花です。真ん中がぽっかりと空いていて雌しべが見当たりません。 
 
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一方雌の花は真ん中に雌しべがあり、柱頭が突き出ています。真ん中に注目して二つの写真を見比べてみて下さい。このような同一の株に両性花と雄花を含むことを難しい言葉で、雄性両全性同株といいます(覚えなくてもいいです)。身近な植物ではツユクサもこのようなタイプです。
 

 
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2.タイワンツバキ(ツバキ科)
カンツバキやサザンカの品種も開花が遅いものはもまだ咲いていますが、そろそろツバキの季節になります。長居公園の東側にタイワンツバキを見つけました。花の形はよく似ており、ツバキ科ではありますが、日本のヤブツバキとは別の属になります。もう少し早くから咲いていたようで花は終わりかけでした。
 
 

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3.ツバキ(ツバキ科)
こちらは日本のヤブツバキに近い形をしています。日当たりが良い場所だからか早くもよく開花していました。メジロが2,3匹花弁にとまって蜜を吸っていました。蜜を吸うときは筒状になった花弁に足をかけることが多くて、メジロが頻繁に蜜を吸っている花では花弁が汚く傷ついています。でもこんな花は花粉もたくさん運ばれていることと思います。



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4.ジュウガツザクラ(バラ科)
早くもサクラが開花しているためか、公園を歩く人はよくこの木の前で立ち止まって写真を撮っています。ジュウガツザクラという品種なんですが、名前の通り秋から春先までずっと開花を続けています。ですから早く咲いたわけではなくてずっと咲き続けているんですね。



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5.カワヅザクラ(バラ科)
本当に早咲きなのはこのカワヅザクラです。オオシマザクラとカンヒザクラの自然交雑から生まれた品種と考えられており、その原木といわれる木は今も静岡県河津町にあります。河津町では町を流れる河津川沿いにこのカワヅザクラをたくさん植えており、開花すると本当にきれいです。長居公園ではさすがにまだ蕾でしたが、2月下旬にはちらほら開花しそうですね。


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6.ジンチョウゲ(ジンチョウゲ科)
花には強い香りがあり、2月下旬頃から開きはじめます。どこからともなく漂ってくるよい香りでもう春だなあ、と感じます。よく庭などにも植えられていますが、最近少し減ってきたように思います。ジンチョウゲは中国原産の植物ですが、同じ属のコショウノキは近畿地方にも自生しています。あまり多くはないのですが、林床で早い時は2月中頃から白い花をつけています。ジンチョウゲほど強くはないですがやはりよい香りがします。

2020年11月05日

テーマ別自然観察会「秋の木の実」

2020年10月25日(日)天気の良い中、高槻市の上ノ口から摂津峡を通ってあくあぴあ芥川まで歩きながら木の実を観察しました。木の実と題した行事ですが、草のタネもたくさん観察しました。鳥が食べて運ばれるタネ、動物にひっついて運ばれるタネ、風で飛んでいくタネ、普段は動けない植物にとって、タネは唯一の動けるタイミングです。様々なタネの動き方も含めて観察しました。(横川)


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.みんなでノブドウを観察。カラフルな実を付けるつる植物です。

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たくさん「ひっつきむし」を付けた参加者も。「ひっつきむし」は植物のタネです。

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ふわふわの冠毛が付いたセンニンソウ

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行事の途中で見られたたくさんのタネ


観察した植物:アオツヅラフジ、アレチヌスビトハギ、ハナミズキ、ヘクソカズラ、クサギ、キバナコスモス、コウヤボウキ、チャノキ、イノコヅチ、イタドリ、トウネズミモチ、カキノキ、ナラガシワ、ノブドウ、ヤマノイモ、スイカズラ、コセンダングサ、アメリカセンダングサ、ケチヂミザサ、フユイチゴ、イロハカエデ、センニンソウ、ケヤブハギ、チカラシバ、コバノガマズミ、リンドウ、コブシ、ヌルデ、クロガネモチなど


この行事は高槻市立自然博物館あくあぴあ芥川との共催で実施しました。
写真はあくあぴあ芥川から提供していただきました。

2020年06月12日

長居植物園案内(6月)虫スペシャル

毎月行っている植物園案内ですが、どうしても密になってしまうために、残念ながら当面中止となっています。単に中止というのも味気ないので、学芸員が無観客で行事を行ったつもりで、植物園の今の様子を紹介しています。6月は私が担当でしたので、本日の様子を紹介します。(松本@昆虫研)

1.サンゴジュの花
ちょうどサンゴジュの花が咲く時期です。
花には花粉や蜜を求めていろいろな昆虫がやってきます。

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キムネクマバチやコアオハナムグリは花粉まみれ。

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アオスジアゲハは軽やかに飛びながら蜜を吸っていきます。




2.アオスジアゲハ
アオスジアゲハの幼虫はクスノキの葉を食べます。
大阪では街路樹にクスノキがたくさん植えられていますので、アオスジアゲハもよく見られます。
少し育ちの悪い柔らかそうな葉を探すと、卵や幼虫が見つかります。

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3.クモ
クモは網を張って獲物を捕まえます。
種によって網の構造が違うので、それでクモが見分けられることもあります。
写真はマルゴミグモとコガネグモ。

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マルゴミグモは並べた卵のうが目立ちます。


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コガネグモの網にはX字状の白帯が見られることが多いです。モンシロチョウを捕まえたところ。




4.オオスカシバ
いつもはせわしなく飛びまわっていますが、なぜか葉っぱにとまっていました。
幼虫がクチナシを食べるスズメガのなかまです。お腹の先っぽがフサフサ。

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5.ナミアゲハの幼虫
園内には柑橘のなかまが何種類も植えられていて、ナミアゲハの幼虫が見つかります。
若齢幼虫は黒い糞のような色形をしていますが、大きくなると一転、緑色になって葉っぱに溶け込みます。

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6.アカスジカメムシ
見た目そのまんまの名前です。セリのなかまにつきます。
カメムシなのにそんなに臭くありません。

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7.イヌビワオナガコバチ
イヌビワの花嚢にとても長い産卵管をもったコバチがとまっていました。
花嚢の中の虫こぶで育つイヌビワコバチに、外から卵を産み付ける寄生バチです。

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8.セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ
とっても長い名前です。
帰化植物であるセイタカアワダチソウにつく赤くて目立つアブラムシです。
直接幼虫を産んでいるのが分かるでしょうか。

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9.その他見られた昆虫

ベニシジミ
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ヒメアカタテハ
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キマダラカメムシの卵
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カマキリの若齢幼虫(オオカマキリ?)
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街なかの公園ですが、いろんな昆虫が見られます。
来園の際には、ちょっと虫を探してみるのも面白いと思います。
状況が落ち着いたら、ぜひ植物園案内に参加ください。


2020年05月03日

長居植物園案内(5月) 報告

5月の植物園案内も3月、4月に引き続き中止となりましたが、現在の植物園の様子をお伝えしたいと思います。4月、5月は1年のうちで植物園案内がもっとも賑わう時期で、多くの花が咲き、植物の変化を知るにもよい季節です。残念ながら、休館・休園が続いていますが、この事態が落ち着いたら、ぜひ植物園案内に来てください!(長谷川)


◆新緑
落葉樹であるケヤキは当然ですが、常緑樹のクスノキもこの時期に葉が入れ替わり、新しい葉を広げます。落葉樹も、常緑樹も新しい葉が出てくるこの季節は葉の色がとてもきれいです。よく見ると、ほんのり赤かったり、白っぽい緑だったり、種類によってもいろいろな「緑色」がありますよ。
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◆カナメモチ(レッドロビン)バラ科
カナメモチは照葉樹林に育つ低木ですが、この時期に花を咲かせます。また、公園などには特に新葉が赤く染まり美しいレッドロビンというオオカナメモチとカナメモチの交雑によりできた園芸品が栽培されています。この時期、新しい葉が真っ赤に染まっており、とてもよく目立ちます。
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◆ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)ミズキ科
日本には近縁種でヤマボウシがありますが、それよりも少し早く花が咲きます。今年は昨年よりも少し開花が遅れましたが、今、そろそろ咲き終わり…というところです。白い花びらのように見えるところは苞と呼ばれる部分で、その上に乗っている緑色の丸いところが花の集まりです。
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拡大して見ると…
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ちゃんと花弁もありますよ。ハナミズキもヤマボウシもよくコガネムシ科のハナムグリの仲間が花に来ます。水平に伸びた大きな苞は、花を目立たせるだけではなく、花に訪れるため着陸するのにも役に立っているようです。




◆タブノキ(クスノキ科)
照葉樹林を構成する樹木で大木になります。黄緑色の花が咲き始めていました。クスノキ科の花は構造が特徴的です。植物園案内が再開したらぜひ一緒に見てみましょう!
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◆バイカウツギ(アジサイ科)
ウツギよりも少し先に開花します。梅花・・という名前の通り、ウメの花のような形をしています。写真では伝わらないですが、花からはとてもさわやかな良い香りがして、5月のこの季節にはぴったりだなあ、と思います。
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◆ニセアカシア(マメ科)
マメ科の外来樹木です。この時期白い花が木全体に咲きとても美しいです。養蜂にとっても重要な樹木で、ニセアカシアの蜂蜜はよく売られています(アカシア、として売られていることも多いですが…)。この日は、たくさんのクマバチとニホンミツバチが訪れていました。ハリエンジュともいい、普通トゲがありますが、植物園にはトゲのない品種が植えられています。
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◆シラン(ラン科)
美しい花を咲かせるラン科の植物。よく植栽されており、丈夫なランですが日本にも明るい湿地に自生しています。ただ、野生の姿を見かけることは少なくなりました。ラン科にはよくあるのですが、シランは昆虫をだまして花に訪れさせ、花粉を運んでもらっています。昆虫は蜜か花粉を求めて花を訪れますが、シランは蜜がなく、花粉(花粉塊)も取りにくい場所に隠されているのです。植物園ではシロスジヒゲナガハナバチの雄がよく花粉塊をつけて飛んでいます。
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◆フジ(マメ科)
そろそろ花も終わりです。去年は植物園のフジは花付きが悪かったですが、今年はよく咲きました。
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◆コマユミ(ニシキギ科)
紅葉の時期には、葉が真っ赤に染まりとてもよく目立ちますが、花は緑色であまり目立ちません。目立たない花ですが、ハエの仲間にとても好まれます。この日はハナアブがたくさん来ていました。
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2020年04月23日

ビオトープの日(4月)報告

現在、博物館の閉館と行事中止が続いていますが、博物館のビオトープの様子を報告したいと思います。4月はみんなで田起こしをする予定でしたが、中止となったため、4月22日に学芸員で手入れをしました。(長谷川)
 
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田起こし前の様子。今年の2月に泥を追加で投入して少し深くなりました。
 
 
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田んぼの水面にはアイオオアカウキクサ(水生のシダ植物)が一面に広がっています。
 
 
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田んぼに入り、スコップで泥をひっくり返しました。新たに投入した泥に足をとられて、なかなか大変。行事だったら、ころぶ人、靴を泥の中でなくす人続出で大騒ぎだったと思います。やりたかったなあ…。いや、大変だったとは思うけど。
 
 
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その後、シートの上にも泥をのせてくずしたり、踏み固めたりして終了。残念ながら、来月も行事の中止が決定していますので、引き続き学芸員で手入れをしていきたいと思います。またここで報告しますね。
 
 

2020年04月15日

やさしい自然かんさつ会「レンゲ畑のいきもの」の過去の様子

2020年度のやさしい自然かんさつ会「レンゲ畑のいきもの」は新型コロナウイルスの拡大防止のため中止になりました。楽しみにしてくださっていた方も多いと思いますので、過去の様子をご覧いただければと思います。(横川)

なお、以下のURLで行事当日に配布予定だった資料を公開しています。
こちらも合わせてご覧いただければと思います。http://id.nii.ac.jp/1504/00001432/





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高槻市某所では毎年、田んぼにレンゲの種子がまかれて、4月の中旬ごろにはピンク色のじゅうたんになります。このようなレンゲ畑の中で、行事を行う予定でした。



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参加者は班ごと分かれて、自由に遊びながら、いきもの探しをします。
いきものを見つけたら講師の人に聞いたりして、レンゲ畑のいきものに詳しくなっていきます。



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レンゲの花はどんな形かな?よくよく眺めているとミツバチがやってきます。
花だけでなく、レンゲ畑にすむ様々ないきものを探して観察します。



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おしべが白いセトガヤ(左)とおしべが茶色いスズメノテッポウ(右)。
とても地味な植物ですが、レンゲ畑には欠かせない植物です。
こういったイネ科の植物を草笛にして遊んだりもします。
ほかにもいろんな植物がレンゲ畑の中で生きています。



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レンゲ畑で遊んだ後はタンポポがたくさん咲く淀川の堤防へ。
堤防のいきものを少し観察したあと、みんなでお昼ご飯を食べて、解散、の予定でした。
今年度の行事が中止なったのは残念でしたが、また来年度、レンゲ畑でお会いできるのを楽しみにしております。



過去の「レンゲ畑のいきもの」のイベントレポートも合わせてご覧ください。
●2013年
http://www.omnh.net/event/2013/04/post_23.html

●2014年
http://www.omnh.net/event/2014/05/post_30.html


2019年05月15日

テーマ別自然観察会「大阪平野のゼロメートル地帯を歩く」

5月12日(日)にテーマ別自然観察会「大阪平野のゼロメートル地帯を歩く」を実施しました。博物館と地学団体研究会大阪支部との共催で、大阪市立大学の三田村宗樹教授を外部講師にまねいて、デルタ地帯にできた都市・大阪の特徴と地盤沈下の原因とその影響、高潮・津波対策などについて見学しました。

普通の観察会とは違い、JR大阪難波駅という街のど真ん中で行事は開始しました。
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道頓堀川沿いを歩くと、川の中に橋脚のみが残されたところがあります。これは地盤沈下のため橋の高さが低くなって、橋が架け替えられた名残です。
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木津川にかかる大正橋のたもとには「大地震両川口津浪記石碑」が建っています。これは江戸時代の安政地震による津波被害を後世に伝えようと、150年以上前に建てられた石碑です。大阪も大きな津波が襲われることがこの石碑から読み取れます。
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アーチ状の木津川水門は、大阪を高潮被害から守っています。実際に、昨年の台風21号で高潮が発生しましたが、この水門のおかげで広く浸水することはまぬがれました。
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コースの何カ所かで水防碑が見られました。水防碑の背面に、なぜこの場所に水防碑があるのかが書かれています。みなさんの家の周りにもこのような碑はないでしょうか。あればぜひ裏面を見てください。
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デルタ地帯にできた都市である大阪は、今でも渡し船が残っています。この船は「道路」の扱いなので、乗船が無料です。ほんの数分の乗船ですが、水の都・大阪の一端が感じられる風景です。
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大阪が地盤沈下や高潮にどのように対策をしてきたか、そしてそれはがもともとデルタ地帯にできたという立地や都市の発展との関係していることがよく分かる観察会でした。

2018年06月11日

地域自然誌シリーズ「岡田浦から樫井川」

5月20日(日)に大阪府南部の泉南市で地域自然誌シリーズ「岡田浦から樫井川」が行われました。とてもいい天気で、大阪湾を囲む和泉山脈や六甲山地、対岸の淡路島、関西国際空港もきれいに見ることができました。
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 岡田浦は大阪に残された数少ないたくさんの生き物が見られる海岸で、大阪では最も海浜植物の種類が多い場所です。満開のハマヒルガオ、大阪ではとても少なくなったハマボウフウなどの花が咲いており、とてもきれいです。
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 また海で採れた魚たちも観察しました。これはウミタナゴ属の幼魚です。
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 岡田浦の観察を終え、樫井川の河川敷を歩きます。河川敷にはたくさんの花々咲いています。とても美しいのですが、そのほとんどが外来種なので、複雑な心境です。
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 とてもいい天気のもと、砂浜から河川敷へと変化に富んだ自然観察ができました。

2017年11月29日

テーマ別自然観察会「高槻市北部の地質」

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11月5日(日)に、テーマ別自然観察会「高槻市北部の地質」を実施しました。
高槻市周辺の山々を作る地層・岩石を観察し、そのおいたちを巡る観察会です。
参加者・世話役あわせて50人以上の大人数で、まずは川久保渓谷沿いを歩きます。


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川におりて岩石の説明をする川端学芸員。
丹波帯とよばれる地質帯と超丹波帯と呼ばれる地質帯の境界が、このあたりにあるのですが、研究者によって見解が分かれています。
さて、参加した皆さんはどのように感じたでしょうか。


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さらに川沿いを進むとチャートの露頭があり、みんなで観察です。
チャートとは深海にたまった放散虫などのプランクトンの死骸が固まってできた岩石です。


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川久保渓谷から本山寺参道にあがり、参道沿いの緑色岩と呼ばれる岩石を観察します。
緑色岩とは海底に噴出した玄武岩が、変質を受けて緑色をすることが多いため、その名がついています。
しかし本山寺参道の緑色岩はあまり緑色には・・・


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山を下り、芥川沿いで「メランジ」とよばれる砂岩と泥岩がぐちゃぐちゃに入り交じった岩石を観察しました。
これは海底にたまった地層が、海溝で沈み込む際に、もみくちゃにされてできた岩石です。
これまで見てきた、チャートや緑色岩、そしてこのメランジなどの岩石が分布することは、高槻市北部の山々が、かつては海洋プレート上で形成され、それが海溝で付加したことを示しています。


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最後は芥川の河原に降り、河原の石ころを観察しながら今日見てきた岩石の復習とまとめを行いました。


やや長い距離を歩きましたが、参加したみなさんは高槻の山々の地層・岩石からそのおいたちをたどることができたでしょう。

2017年06月07日

地域自然史誌リーズ「泉原」

棚田の残る大阪府茨木市の泉原で、初夏の昆虫や生き物、植物、キノコの観察をしました。
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満開のスイカズラです。
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かつては、棚田にクロゲンゴロウやシマゲンゴロウがのどかに泳いでいたのですが、コシマゲンゴロウとマメゲンゴロウ類しか見られませんでした。
とはいえ、ため池ではヨツボシトンボの姿を見ることができました。
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他にも、カエル4種の成体やオタマジャクシ、モリアオガエルの卵塊を観察したり、シュレーゲルアオガエルを声聞くことができました。

気候に恵まれ穏やかな野外観察会となりました。

2017年05月23日

やさしい自然かんさつ会「海辺のしぜん」

5月14日に、長崎海岸(大阪府泉南郡岬町)にて、やさしい自然かんさつ会「海辺のしぜん」を開催しました。


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前日の13日、補助スタッフの事前研修として、長崎海岸で採集調査を行いました。天気も海況も今一つでしたが、参加者はお構いなしで磯に張り付き、生き物を探しました。


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夜、近くの民宿にて、種同定の勉強会をしている様子です。恒例の有山さんの熱心な海藻レクチャーがありました。海藻の触感や匂いも、同定ポイントになるそうです。


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真ん中の1個体はアサリ、その他はヒメアサリです。今回のイベントとは直接関係ありませんが、今年の大阪湾生き物一斉調査のテーマは「アサリとヒメアサリ」。ということで、勉強にも熱が入りました。山西元館長、石田学芸員によれば、アサリの方がヒメアサリよりも水管が長いということでした。このため、アサリではヒメアサリよりも貝殻の中に水管をしまうためのスペースが大きくなり、貝殻の内側に残る外套膜の跡の湾入(外套湾入)が深くなるということでした。他にも、アサリの方が貝殻の模様(放射肋)がくっきりしている、という違いがあるそうです。この日の調査ではこの1個体を除き全てヒメアサリでした。ヒメアサリの方が外海の影響が強く塩分の高い環境に生息しているそうです。


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14日、イベント当日。前日とは打って変わって、天気も海況も抜群の一日でした。参加率も高く、賑やかなイベントとなりました。生き物を捕まえたときの少年少女たちのキラキラした表情と、張り切りすぎて深い所まで行ってしまいスタッフに注意されるお父さん達が印象的でした。


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班ごとに採集した生き物を分別している様子。たくさんの種が採れました。


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採集後、講師陣によるまとめの様子。種の同定はもちろんのこと、生態や進化にまで言及した解説に惹きこまれました。自然をもっと好きになるような、もっと大切にしたくなるようなお話でした。各班、講師の解説は、拍手喝采で幕を閉じました。

これからもしばらく磯観察のベストシーズンは続きます。是非、海に足を運び、生き物たちに会いに行ってみてくださいね。

2016年11月22日

やさしい自然かんさつ会「ドングリと秋の木の実」

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11月6日(日)、少し寒かったですが秋のお散歩にはバッチリの天気。枚岡(ひらおか)神社と枚岡公園でやさしい自然かんさつ会「ドングリと秋の木の実」をおこないました。


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集合場所の枚岡神社の鳥居の近くでさっそくドングリみっけ! 何のドングリかな?みんなでひろってみよう。


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ドングリをひろったときは必ず上も見てみましょう。ドングリも木の実ですから、近くにドングリがなっている木があるはずです。


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落ちていたドングリはシラカシでした。


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ここではみんなでシイのドングリを拾っています。


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ドングリはタネですから、芽がでてきます。これはクヌギの子ども。まだドングリが付いています。


秋の木の実はドングリだけじゃありません。トキリマメやクサギなど鳥が食べる果実やチヂミザサやヌスビトハギ、キンミズヒキなどのひっつきむしも見ました。

今回の行事では、シラカシ、アラカシ、コナラ、クヌギ、アベマキ、ウバメガシ、シイ、ナラガシワ、9種類もドングリをつける木が見られました。枚岡神社・枚岡公園は気軽にドングリと秋の木の実が楽しめる場所です。
みなさんも秋の天気が良い日には近所の神社や公園にドングリさがしに出かけてみていかがでしょうか?

※写真はすべて補助スタッフの北田晴子さんが撮影したものです。

2015年12月04日

やさしい自然かんさつ会「化石さがし」

 11月29日(日)にやさしい自然かんさつ会「化石さがし」を開催しました。大阪の大地のおいたちを、岩石と化石から探る行事です。

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 集合場所から歩いて最初の観察は花こう岩です。地下深くでマグマがゆっくり冷えて固まった岩石です(1℃下がるのに数千年以上!)。化石は出てきませんが、大地のできる時間スケールの大きさに、みんな一生懸命に岩石を観察していました。


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 お昼ご飯を挟んで、化石探しの場所に到着! しかしケガや事故があってはいけないので、川端学芸員から化石を探すときの注意や安全確認について丁寧に説明がありました。説明が終わり、いよいよ化石探しの開始です。


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 多くの参加者がアンモナイト、二枚貝や巻き貝、植物化石などを見つけていました。変わったものでは魚のうろこやサメの歯を見つけた人もいました。
 参加者の皆さんは、化石や岩石から数千万年の歴史を感じ取ることができたのではないでしょうか。

2015年11月05日

やさしい自然かんさつ会「ドングリと秋の木の実」

10月25日にやさしい自然かんさつ会「ドングリと秋の木の実」を開催しました。東大阪市の枚岡神社と枚岡公園で、いろんなドングリと木の実を観察しました。


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開始早々、アラカシとシラカシのドングリがたくさん落ちていました。見た目はそっくりなアラカシとシラカシのドングリ、講師の田代さんが見分け方を力説しています。ちょっと難しかったかな?


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神社の境内ではスダジイが出てきました。枝についている姿は一見、ドングリに見えないけど、割ってみるとドングリが出てきます。


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神社の境内ではドングリが木になっている様子を間近で観察できました。


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ドングリや木の実以外でも、昆虫やカタツムリも観察しました。

神社や公園を歩きながら、出てきた生きものをゆっくり観察していきました。ドングリに木の実にくっつきむし、天候も暑すぎず寒すぎず秋は自然観察にぴったりの季節です。博物館では秋の自然観察の行事とたくさん用意していますので、ぜひご参加ください。


2015年06月10日

テーマ別自然観察会「六甲山南縁の地質と活断層」

 6月7日(日)にテーマ別自然観察会「六甲山南縁の地質と活断層」を、地学団体研究会大阪支部との共催で開催しました。5月10日開催した地球科学講演会と同様、阪神淡路大震災から20年という節目でもあることから、活断層の観察会を実施しました。30名の参加者がありました。
 コースは東おたふく山から住吉川を降り、阪急御影駅まで至るという博物館の観察会にしてはやや長いコースでした。

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 東おたふく山にいたる道路ではピンク色のカリ長石や透明な花こう岩の目立つ花こう岩の観察をしました。六甲山はほとんどがこの花こう岩からできています。


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 土樋割(どびわり)峠では、大月断層による破砕帯が観察されました。花こう岩が断層活動によって、ほとんど粘土のように軟らかくなっています。


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 東おたふく山からは、神戸の街並みや大阪湾を見下ろし、断層活動による六甲山の上昇について説明を受けました。六甲山が急な斜面と緩やかな地形の段々になっているのは、何本もの断層が山地を上昇させたためです。


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 住吉川を降り、登山道から少しずれて沢沿いの道無き道を進むと、五助橋断層があります。倒木などで断層の境界面は観察しにくかったですが、花こう岩と谷筋を埋める新しい時代の地層が断層で接している様子を観察することができました。


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 山から降り、昭和13年(1938年)の阪神大水害の洪水水位の碑なども見学しました。台座の下の線のところまで水が来たそうです。


 地震や水害などが、山地の地形や地質と関わっていることを実感することができた観察会となりました。

2014年11月16日

テーマ別観察会「二上山の火山岩類」

 10月26日(日)に、テーマ別自然観察会「二上山の火山岩類」を、大阪市立自然史博物館と地学団体研究会大阪支部の共催で行いました。
 二上山は、大阪府と奈良県の間に位置する火山岩の山です。
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電柱や建物の影になっていますが、写真の右側遠景が二上山です。

 当麻寺にある白鳳時代に作られた石灯籠は、二上山の凝灰岩で作られました。この石灯籠の材料になった石は、今日のハイキングでは見つかるでしょうか?
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石灯籠の岩石の説明を聞きながら、柵越しに観察しているところ。石灯籠は、軽石(白い粒)や溶結凝灰岩(黒っぽい粒)の破片が混じった凝灰岩でできていました。

二上山に登りはじめ、しばらくすると、かこう岩と二上山の火山岩の境目が確認できる場所に着きました。境目は土に埋もれてしまって、直接みることはできませんが、岩石を調べると大体どの辺りか分かりました。
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どの辺りでかこう岩から二上山の火山岩に変化しているか、説明を聞きながら確かめているところ。軽石が混じった凝灰岩が観察できました。

さらに沢沿いに登って行くと、凝灰岩は溶結凝灰岩に変化しました。凝灰岩に含まれている火山灰や軽石が、熱と重みでつぶされ、レンズ状のガラスに変化したものが観察できました。
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うっそうとした植林の林で溶結凝灰岩の観察できる場所で説明を聞いているところ。

岩屋峠ではザクロ石や黒雲母を含む安山岩質の溶岩が観察できました。

岩屋峠の大阪側には、「岩屋」があります。奈良時代の岩窟寺院跡です。
岩屋を作る岩石は、いったんできた溶結凝灰岩が爆発で砕けたものが集まってできています。
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岩屋で説明を聞いているところ。

 雌岳頂上の西側のあたりで昼食を撮った後、馬の背で雌岳火山岩を観察しました。
雌岳火山岩には、黒雲母と少量のザクロ石がふくまれます。まだ固まっていないマグマの状態で流れた時にできたすじ模様も、観察できました。
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雌岳火山岩の説明を聞き、岩石の観察している様子。

その後、雌岳火山岩と雄岳火山岩の境目を通り、雄岳頂上に着きました。
雄岳火山岩はキメの細かい黒っぽい安山岩で、輝石や角閃石を含みます。サヌカイトに似ているので、サヌキトイドと呼ばれることもあります。
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雄岳頂上で小休止。

雄岳から下山すると、途中で雄岳火山岩から畑火山岩に変わります。畑火山岩は黄土色をした粒の粗い安山岩です。その後再び雄岳火山岩に変化します。雄岳火山岩にできた「柱状節理」と呼ばれる割れ目を観察できる場所もありました。
さらに下ると、畑火山岩が観察できるようになりました。
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火山岩を観察し、世話役に熱心に質問する参加者。

 麓におりた後、1日の間にみることのできたたくさんの種類の二上山の火山岩について、まとめをしました。二上山の火山岩は、1500万年前にできたものであり、岩石の分布や境目の様子、含まれる鉱物を調べる事によって、どのような順番でできたものなのかが、明らかにされました。
 しかし、二上山の岩石ができてから1500万年の間に、火山の地形は浸食されて失われてしまったので、どのような形の火山だったかは、分かっていません。
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麓の神社の境内で、まとめをしている様子。

 この日は何種類もの火山岩を観察しながら登山をするという、ハードな行事となりました。
参加したみなさん、案内者のみなさん、大変お疲れ様でした。

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ぜひ、ご参加ください。

2014年05月08日

テーマ別自然観察会「テントウムシ」2014.4.26



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 赤や黄色の可愛らしいテントウムシ。虫は大嫌い!という人でも、テントウムシは好き!という方も多いかも? このテントウムシたちを観察する行事を、あくあぴあ芥川と共催で行いました。

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 高槻市の淀川べりは、風のない快晴でした。堤防からは河川敷のようすが広く見渡せました。

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 ノイバラやカラスノエンドウにはこの季節、たくさんのアブラムシがついています。テントウムシたちが、それらを食べにきている様子を観察できました。

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 昼休みには恒例の「ストローのシーソーあそび」。今年は3連の高度な技に挑戦? でも、こちらの思ったとおりに、うまくは歩いてくれないですね。

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 ヤナギの樹では、大きなカメノコテントウも見つかりました!




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2014年05月02日

やさしい自然かんさつ会「レンゲ畑のいきもの」

4月27日にやさしい自然かんさつ会「レンゲ畑のいきもの」を開催しました。好天に恵まれすぎて春にしては暑い日でしたが、約100人の方に参加していただき、高槻市三島江の田んぼでレンゲ畑の生きものを観察しました。

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春の風物詩とも言えるレンゲ畑、最近はあまり見なくなりましたが、高槻市の三島江では毎年4月に一般にレンゲ畑を解放しています。レンゲ畑は田んぼにレンゲの種子をまいたものです。レンゲなどのマメ科の植物の多くは根粒菌と呼ばれるバクテリアと共生して根っこの根粒に窒素をためます。田んぼにレンゲをまくことでイネの大事な栄養である窒素分を増やすことができるのです。

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15-18人の6つグループに分かれて観察しました。レンゲの花はよく見ると小さな花がたくさん集まってできていること、レンゲを掘ってみると根っこに根粒がたくさんついていること、花をじーっとみているとミツバチがやってきて花粉を運んでいることなどを観察しました。レンゲの果実も見つけました。みんなが食べたことあるエンドウマメにそっくりで大盛り上がりでしたが、それもそのはずエンドウマメもレンゲも同じマメ科の植物で近い仲間同士です。
レンゲ畑にはレンゲ以外の生きものもたくさんいます。コオニタビラコ、ナズナ、ハハコグサ、ノミノフスマ、タネツケバナなど小さいけどよく見ると様々な姿をした植物たちが生えていました。虫もたくさんいます。増え始めたアブラムシをテントウムシがむしゃむしゃと食べていたり、カゲロウの仲間が飛んでいたり。レンゲを食べるアルファルファタコゾウムシも見つけました。空を見上げるとヒバリやケリが大きな声で鳴いていました。春の田んぼの観察は飽きることがありません。

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みんなで淀川の堤防でお昼ご飯を食べました。昼食のあと、淀川の堤防でタンポポの観察をしました。総苞が反り返るセイヨウタンポポと、反り返らないカンサイタンポポの違いを観察して、堤防にはどっちが多いかみんなでタンポポ探しをしました。毎年、同じ場所でタンポポの観察をしていますが、どうやら典型的なセイヨウタンポポは年々減っているようです。みんなのお家の近くではどうでしょうか?

お昼過ぎには無事に観察を終えました。帰りのバスではすやすやと眠っている人がちらほら。はじめての自然観察、楽しんでもらえたでしょうか?来年もよろしくお願いします。


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3月29日 植物園案内・動物編「花に来る鳥」

 今日のテーマは花に来る鳥だけど、すでに繁殖をはじめている鳥の様子も観察するよ。と宣言して出発。博物館前の大池で、ダイサギを観察した後、博物館の裏でハシブトガラスの巣を観察。カラスとの付き合い方を説明してたら、コゲラが登場。先日掘っていたコゲラの巣穴も観察。ユーカリ園周辺で、サンシュユの花に来てるヒヨドリ、ボケの花に来ているメジロを観察して、ようやく今日のテーマっぽくなった。その後、ソメイヨシノの花に来ているヒヨドリも観察。

 再び大池に出てみると、岩の上でひなたぼっこしているアカミミガメの上に、アオサギ幼鳥が載っていた。ツルとカメというタイトルを付けられそうな光景。これで喜んでいたら、カワセミがとまっているのが見つかる。みんなで観察。やがて飛んだと思ったら、もう1羽加わって2羽で飛び回る。やがてまた見える場所にとまる。再びみんなで観察していたら、タカとちゃう?!という声、見てみると、カワウの横にオオタカの幼鳥がとまって羽づくろいをしていた。これまた観察。カワセミもオオタカものんびりとまっていて、全員で観察できた。やがて、オオタカが飛び去ったので、ようやく我々も出発。


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 花に来ている鳥も観察したけど、一番印象に残ったのはサービス満点だったカワセミとオオタカであった。解散後、子ども達が拾った羽根の名前調べ。図鑑の相談など。子ども達が、いつの間にかヤマシギの羽根を拾っていたのには驚いた。


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ぜひ、ご参加ください。

2013年12月10日

やさしい自然かんさつ会「バッタのオリンピック」

自然史博物館の名物行事「バッタのオリンピック」は、10月6日(日)の快晴の下で盛大に開催されました。
場所は石川〜大和川河川敷で、約100名が参加して、一日バッタと遊びました。


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選手さがし。
まず選手さがし(バッタとり)をしました。9月の台風と増水でオンブバッタなどが減っていましたが、トノサマバッタがたくさんいました。


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バッタのオリンピック。
午前中に見分け方の実習を行い、午後は種類・性別ごとに飛ばしっこ競争をしました。トノサマバッタはストップウォッチで滞空時間を計り、他のバッタは巻き尺で距離を計測します。


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よく飛んだバッタを見まもる参加者。
小さなお子さんも興味しんしんで見まもっていました。


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見えなくなるまで飛ぶバッタを見つめる参加者。
中には見えなくなるまで高く遠くまで飛ぶバッタもいます。


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メダルの授与。
各種類で1〜3位まで名前が読み上げられ、金、銀、銅メダルの授与が行われました。


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賞品を選ぶ参加者。
1位から順番に好きな賞品を選びます。高価なものはありませんが、楽しい時間です。


バッタと遊べるなんて、なんだかうれしいですね。

他にも楽しい行事やためになる行事がいろいろありますよ!
ぜひ、ご参加ください。

2013年03月16日

テーマ別自然観察会「大阪層群の地層と化石」

3月10日にきしわだ自然資料館と共催で、行いました。
この日は47名ものたくさんの方の参加がありました。
お昼過ぎに寒冷前線が通過するとの天気予報でしたが、午後は室内で化石のクリーニングと観察の予定だったので、実行することにしました。


大阪層群は、300万〜30万年前の地層です。
まず、和泉山地は中生代白亜紀の和泉層群、和泉山脈より手前側にある神於山は花崗岩類、その麓に広がるなだらかな丘陵地が大阪層群でできていることを説明しました。


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その後しばらく歩いて、160万年前の福田火山灰層を観察しました。


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福田火山灰層は今の北アルプスにあった、今は姿の残っていない火山の巨大噴火でできた火山灰層です。
空から降ってきた火山灰がたまった後、火砕流台地がくずれて洪水を起こしたものが、大阪にまで流れてきました。


さらにしばらく歩いた所で、およそ270万年前の大阪層群の観察をしました。
砂・泥・小石からできている様子、ラミナなどを観察しました。


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きしわだ自然資料館のアドバイザーの先生が説明をしてくれました。
ゾウの足跡化石の可能性のある地層の変形構造も観察できました。
貝・骨・植物などの生き物の体の一部だけではなく、足跡や巣穴の跡も化石です。


その後お昼過ぎまで、化石採集を行いました。
化石を多く含む地層を固まりで取ってきて、それを細かく割りながら、植物化石を探しました。


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学芸員さんの説明を聞いているところ。


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地層のかたまりを割って、化石をさがしています。


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雨が降りだす直前まで、皆さん大変熱心に採集をしていました。


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雨が降り出した頃に室内に移動し、お弁当を食べた後、化石のクリーニングを行いました。
メタセコイアの球果、イヌカラマツの短枝や球果の鱗片、イヌマンサクの実、ナツツバキの実、エゴノキの実などが見つかりました。
270万年間の地層の重みでつぶれてしまっているものが多かったのですが、どこを見たら種類がわかるのか、想像力を駆使しながら説明を聞き、顕微鏡で観察しました。
また、観察しやすいように洗い出した福田火山灰の粒を、顕微鏡で観察しました。


参加した皆さんは、見つけた化石をアルコールの瓶にいれたり、乾燥してばらばらにならないように接着剤で補強して、お土産にしました。



自然史博物館やきしわだ自然資料館には大阪層群の化石がたくさん展示してあります。
ぜひ一度ご来館ください。

きしわだ自然資料館についてはコチラ

2012年12月17日

やさしい自然かんさつかい「化石さがし」

12月2日(日)、泉佐野でやさしい自然かんさつかい「化石さがし」が開催されました。
毎年大人気の行事ということもあり、128名ものたくさんの方が参加してくれました。
お天気にも恵まれ、秋の紅葉を楽しみながらの「化石さがし」となりました。



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まずは化石さがしに向けて学芸員から説明。
「大阪では、まだ恐竜の化石が見つかっていません。ぜひ、大阪第一号になってください」という一言にみんなのテンションが一気にアップ。


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午前中は崖に見られる「花こう岩」の観察。
9000万年前から8500万年前、地下のマグマが何十万年、何百万年もの時間をかけてかたまってできたものです。


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化石の発掘場所へ移動中。山の紅葉がきれいです。


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しっかり「化石さがしグッズ」を準備してきました。


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発掘スタート!!落ちている岩石を拾ってたたいて探します。


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岩石の裏側に化石が付いているかも知れないので、よーく観察しながら探します。


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「これは化石ですか?」学芸員に調べてもらいます。


こんな化石が見つかりました。

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ナノナビス(二枚貝)


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巻き貝

ほかにもアンモナイトや植物、サメの歯などそれぞれが色んな化石を発見し、「マイ標本」を手にしました。


今年の化石さがしはこれでおしまいですが、ただ今自然史博物館では「発掘!モンゴル恐竜化石展」を開催中です。
ゴビ砂漠で発掘された「実物化石」を多数ご覧頂けます。
恐竜に関連したイベントなども開催していますので、ぜひご来場ください。
くわしくはコチラ

2012年10月20日

やさしい自然かんさつ会「バッタのオリンピック」

10月8日、藤井寺市の石川・大和川の河川敷でやさしい自然かんさつ会「バッタのオリンピック」を開催しました。
96名ものたくさんの人が参加してくださり、大盛り上がりの一日になりました。



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まずはオリンピックに参加するバッタを探すため、虫取り網と虫かごを持って河川敷へ向かいます。


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金メダル候補のバッタを頑張って捕まえます。


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しばらくしたら虫かごはバッタでいっぱい。



それではエントリー選手を見ていきましょう。

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トノサマバッタ

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ショウリョウバッタ

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イボバッタ

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マダラバッタ


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選手が出そろいましたので、「バッタのオリンピック」いよいよスタートです。
ルールはハンマー投げと同じ。一番遠くまで飛ぶことが出来たバッタが優勝です。


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バッタをスタート地点にセットして…………。


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GO!!!!


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飛び降りたところで計測……なのですが飛びすぎると計測者が見失うことも。どこいった???


優勝バッタの記録です。
・ショウリョウバッタ ♂ 12.00m
・ショウリョウバッタ ♀ 6.41m
・マダラバッタ ♂ 15.86m
・マダラバッタ ♀ 21.95m
・クルマバッタモドキ ♂ 21.47m
・クルマバッタモドキ ♀ 6.80m
・トノサマバッタ ♂ 30.03秒
・トノサマバッタ ♀ 18.88秒※

※トノサマバッタは、巻尺では測れないので、滞空時間で計測。


天気がとてもよかったわりに、河原は暑くなく、バッタがとてもよく飛んでくれました。
参加されたご家族から、とても楽しかった、という声をいただきました。
世話役の方も、謎のオンブバッタが見つかって盛り上がり、終了後に捜索を行い、見事に数頭捕獲して、お祝いしました。



やさしい自然かんさつ会は初心者向けの野外行事です。
次回は12月2日(日)「化石さがし」です。
ぜひご参加ください。

2012年10月03日

テーマ別自然観察会「秋のきのこ」

9月17日、高槻市・神峯山寺周辺で、テーマ別自然観察会「秋のきのこ」が開催されました。
大人から子どもまで60名の方が参加してくださり、秋の山をハイキングしながら、キノコ観察をしました。



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隊列を組んで、いざキノコ探しスタート。
どんなキノコが見つかるでしょう?


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ソウメンタケ。


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シロオニタケ。


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イボセイヨウショウロ。いわゆるトリュフです。スゴイ!!


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色んなキノコが見つかり、みんな大満足。



自然史博物館では他にもハイキングや自然観察会など野外行事がたくさんあります。
ぜひチェックしてください。



写真提供芥川緑地資料館(あくあぴあ芥川)

2012年08月23日

やさしい自然かんさつ会「ツバメのねぐら」

8月11日(土)、奈良市平城宮跡で、やさしい自然かんさつ会「ツバメのねぐら」を開催しました。
天候は悪かったですが、88名の方が参加されました。

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ツバメの集まるヨシ原に全員集合。観察スタート!


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辺りが暗くになるにつれ、どんどんツバメが増え……。


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空一面にツバメが乱舞。集まった数は 約22,000羽!!!


観察中は何とか雨がやんでくれ、無事に終了しました。



やさしい自然かんさつ会は、初心者向けの野外行事です。
次回は10月8日(月祝)「バッタのオリンピック」を予定しています。
自然の面白さを知ってみたいという人はぜひどうぞ。

2012年07月11日

地域自然誌シリーズ「大泉緑地の自然」

6月3日(日)、堺市大泉緑地公園で地域自然誌シリーズ「大泉緑地の自然」を開催しました。
天候も晴れ、38名の方が参加されました。


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自然史博物館の学芸員が公園を案内をしながら、植物、昆虫、鳥など、さまざまな生きものを観察しました。


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池の周りでドクゼリを発見!!


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植物担当の長谷川学芸員は興奮しながら、ドクゼリについて解説をしていました。



都市公園の生きものがたくさん見つかり、楽しい一日となりました。
しばらく地域自然誌シリーズはお休みですが、自然観察ができる野外行事はほかにもたくさんあります。
ぜひ自然史博物館のHPをチェックしてください。

2012年06月19日

やさしい自然かんさつ会「海べのしぜん」

5月20日(日)、大阪府岬町長崎海岸で、やさしい自然かんさつ会「海べのしぜん」を開催しました。

203名の方が参加されました。

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潮の引いた海岸に入り、水たまりをのぞいたり、石をひっくり返したりして生き物を探しました。



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アメフラシを発見。手がムラサキになってびっくり!!



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キアシシギ。海辺の鳥も見つかりました。


天候は曇りでしたが、雨に見舞われることなく、生き物観察にはぴったりの一日となりました。



長崎海岸で発見された生き物は続きからどうぞ

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テーマ別自然観察会「テントウムシ」

4月14日(土)に高槻市上牧〜島本町淀川で、あくあぴあ芥川と共催で行いました。
補助スタッフあわせて31名の参加がありました。

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テントウムシは網ですくったり、樹をたたいて大きな布で受けたりすると、たくさん探すことができます。



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テントウムシも、さわれるようになったよ。



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お昼休みには、即席ワークショップ「テントウムシのシーソーあそび」。洗濯バサミとストローで工作をしました。



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うまくシーソーあそびをしてくれるかな?





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この日はナナホシテントウ、ナミテントウ、ヒメカメノコテントウが見つかったほか、テントウムシによく似たヨツボシテントウダマシ、マルカメムシ、イタドリハムシ、コガタルリハムシ、ナガメもたくさん見られました。

春の淀川べりで、豊かな自然を満喫できました。


お・ま・け