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2015年10月12日

実習4日目 ~動物分野~

実習四日目の記録を書かせていただきたいと思います。
割り当てられたのは動物分野、その中でも担当したのは「魚」です。
実習内容としては午前中に収蔵庫見学、終了後にその目録製作といった事務的な作業をお手伝いさせていただきました。

この日に見学した収蔵庫に保管されていたのは液浸標本。
学校の理科室にあるような縦長のガラス瓶に入れられたフナ標本のようなものがずらりと並んだ場所です。
基本的に標本は縦長の入れ物に入れて保存したいようなのですが
魚には秋刀魚のような縦長の瓶におあつらえ向きな種類もいますが、鰈のように平たい形をしているものもいるなどなかなかうまくは行かないようです。
また、大きな標本についてはクーラーボックスのようなものに漬け込んでいるものもありました。

さらに、資料の情報が書かれたラベルも一緒に封入されているのですが
年を経ることでそのラベルのインクがかすれたり紙自体が溶けはじめたりと、資料自身も、それに付随するラベルといったものに関しても「経年劣化」といった課題が感じられ、博物館では長い目で見た整理というのが求められているのだなということを実際に目にすることができました。 

その資料の方ですが、過去(2000年代前半)に撮影された写真データをパソコンに取り込んだ画像データに、収蔵庫で見た標本にその情報を書いたラベルが張られていたがごとく
「その画像が何を写した画像なのか」というデータを記す作業と、資料についての情報が書かれたノートに資料となった魚がいつどこで取られたかなどの情報を手書きで記帳する作業をさせていただきました。

資料情報のノートへの記帳に関しては元々エクセルにまとめられた情報を転写するような作業だったのですが、やはりこのような記録はパソコンの上だけでなく、様々な場所で記録を残し、ダブルチェックを重ねていくのが大切ということなのでしょうか。
実際、エクセルデータのコピーミスもありましたし。

今回受け入れてくださいました大阪市立自然史博物館の関係者の皆様、
実習自体は既に終了してしまいましたが、今回の実習は貴重な体験になることが出来たように思えます。
また後日、お世話になることになりましたらその時はよろしくお願いいたします。
また、実習でご一緒した皆様、機会があったらまた会いましょう!

2015年10月11日

博物館実習5日目 2015/10/11

 実習5日目の今日は、友の会の秋祭りのイベントが行われました。私達実習生10人は全員でこのイベントに世話役として参加しました。
 午前の部では参加者にAからDの4班に分かれてもらい、それぞれの班がローテーションで、①カラシ石臼引き②油しぼり③綿摘み④綿繰りの4つの体験をしました。私達実習生も一緒に回り体験しました。手動の綿繰り機や、石臼などの民具を見てとても良くできていて、昔の人達は賢いなとおもいました。
 昼食時にもダチョウの卵で目玉焼きを作って食べさせてもらったりしました。ダチョウの卵の味は白身は鶏卵とあまり変わらず、黄身はとても濃厚でおいしかったです。
 午後の部では、種に関するゲームを植物園全体を使って行い、私達実習生は回答のあるポイントにそれぞれ立ってヒントを出したりしました。僕のいたポイントには種類の少ないくっつきむしの植物があったので、たくさんの子供や大人が来ました。みんな楽しそうにやっててこっちも楽しかったです。
 イベントの後は後片付けを手伝って今日の実習は終わりました。
 今日はほんとにイベントに参加させていただいて、ただ楽しんだみたい感じで、貴重な体験をさせていただいたと思いました。5日間ありがとうございました。(N.A)

博物館実習5日目 2015/10/11

実習最終日は、友の会秋祭り。私たち実習生は、準備や受付、引率、ヒント係としてお手伝いさせていただきました。

今回の友の会秋祭り「たねとたまごを使って遊ぼう」は、その名の通り、特別展「たまごとたね」にちなんだもので、たまごとたねにまつわる体験やゲームをしました。

午前の部ではまず、班ごとに「綿摘み」「綿繰り」「カラシ石臼引き」「ごま油しぼり」の体験をしました。どれも普段の生活ではなかなか体験できないことで、カラシは、ごま油は、綿はこうやって出来ているのか!ととてもワクワクしました。なかでも綿摘みは、摘んで楽しい、手触りがふわふわで楽しい、綿繰りで種をキレイに取り除くことができてビックリ!と各段階ごとに発見や驚きがたくさん潜んでいて、感動の連続でした。

午後の部はゲーム大会。お題の書いたクジをひいて、そのたまごとたねを植物園で見つけてこよう!というゲームで、私たち実習生はそのヒントを出す係として、各ポイントに立っていました。そのお題というのは、「動物がはこぶたね3種」「風にとばされるたね」「ひっつきむし」「どんぐり2種」「たまご・たまごっぽいもの」の5つ。事前の研修ではムツカシイ!と仕事のし甲斐があるのだろうと思っていましたが、参加者の皆様は優秀で、お題の種を目ざとく見つけ、ヒントを出せたのは数組でした。私の立っていた場所が会場に近いこともあり、見つけてきた種をたくさん紹介してもらえました。なかには、研修で説明のなかったもの、想定していなかったものもあって、なるほど!と驚かされました。最後は学芸員さんからのたねとたまごの解説があり、無事にイベントを終えました。

イベントを通して、学芸員からの説明や実際体験するなかで学ぶこと、参加者の皆様の反応で学ぶことがたくさんあり、世話役という立場ではありましたが、とても楽しませていただきました。また、参加者・学芸員・実習生全員の新たな発見に対する貪欲さ、学芸員さんの教育普及活動に対する熱心さを、ひしひしと感じ、博物館という場の重要さを改めて感じました。

5日間の実習、とても短く感じたのは充実していたからに違いありません。展示や研究の裏側を見せていただけただけでなく、教育普及のイベントにもお手伝いとして参加でき、机の上では学べない博物館のことを多方面からたくさん学ぶことができました。また、他の実習生との交流で視野を広げることもできました。

お世話になった博物館の皆様、それぞれの分野で熱心に指導してくださった学芸員の皆様、そして共に5日間過ごした実習生のみんな、本当にありがとうございました。今後の皆様のご活躍をお祈りいたします。

2015年10月10日

博物館実習4日目 2015/10/10

実習4日目の今日、私たちの班は昆虫の標本について学びました。
特別収蔵庫では、数え切れないほどの昆虫標本の中からカブトムシやチョウ、ホタルなど様々な標本を見せていただきました。日常でよく見かけるものから離島の固有種のものまであり、これらの標本の中には一般の方から寄贈されたものも多いということで、地域住民の方々が博物館に寄せる信頼の大きさを感じました。
その後はウスバカゲロウの同定の作業を行いました。羽の脈の形や斑紋などを基準に行うのですが、羽が重なっていたりして標本の状態が悪いものもあり、少し苦労しました。それでも最後のほうにはすばやく見分けられるようになり、オスメスの識別もできるようになりました。
今日一日、普段では間近で見られない昆虫にたくさん触れられて、とても楽しく、良い経験ができました。
明日は友の会秋祭りのお手伝い。楽しみながら頑張りたいと思います。
(N.K)

2015年10月09日

博物館実習3日目(2015/10/09) 3班の活動

大阪市立自然史博物館での博物館実習も3日目を終えました。
始まる前は「これから5日間もあるなー、よっしゃ、頑張ろう」などと思っていましたが、気づけばその半分以上の日数が過ぎてしまったわけです。早いッ!!
残りの2日も充実した活動にしたい所存です。

さて、本日の3班の活動は、[昆虫]にまつわるテーマでした。
大まかには、次のような内容でした。

〈午前〉
・大阪市立長居植物園 内の“バタフライガーデン”にて、アサギマダラ(蝶)の調査。
・植物への水やり,草むしり。

〈午後〉
・翌日に開催されるイベントの配布物作成。
・昆虫標本の収蔵庫見学(特別収蔵庫)

以下、詳細を述べます。

〈午前の活動について〉
明日10月10日(土)、長居植物園内の“バタフライガーデン”にて、長居植物園と自然史博物館による合同イベント『蝶のオアシス in おおさか』が行われます。
バタフライガーデンとは、要するに「蝶にやって来てもらうためのお花畑」で、昨年(2014年)開設されたばかりのエリアです。私たちの実習中にも様々な蝶が飛び交っていました。

バタフライガーデンには多くの蝶がやってきますが、なかでも“アサギマダラ”という蝶は春~初夏に北上し、本州の高地で繁殖した後、秋には急速に南下し、台湾や香港などに到達する個体もいる…という、「ものすごく長距離を旅する蝶」です。

どうしてそんな生態が分かるのでしょうか?
それは、一般の愛好家さんたちによる「マーキング調査」によって分かったものだそうです。
マーキングとは、捕まえた蝶の翅にペンでマーク(捕獲場所、調査者のイニシャル、個体番号、日付など)を書き、それを再び野に放って行われる調査です。
野に放った後、マークが書かれた蝶が別の場所で再び目撃されたら、蝶がどれだけ移動したかがわかりますよね。
今回の『蝶のオアシス in おおさか』は、アサギマダラをはじめとする蝶たちを観察したり、マーキングをしたりする機会なのです。

今回の午前の実習では、翌日の『蝶のオアシス in おおさか』の準備として、以下の活動を行いました。
・バタフライガーデンにどれぐらいのアサギマダラがやって来ているのかを下見。
・アサギマダラに実際にマーキングをしてみる。
・バタフライガーデンの植物に水やり。
・バタフライガーデンの除草(草むしり)

アサギマダラは主に、我々人間にとっても心地よい気温(22~24℃ぐらい)のもとで活動します。
そのため、まだ気温が高くない朝のうちにさっそくバタフライガーデンに向かいました。
バタフライガーデンにはアサギマダラの好む「フジバカマ」という花がたくさん植えてありました。

蝶はあちこちを飛び回っています・・・が、肝心のアサギマダラは見当たりません。
通りかかった写真家の方も「全然いないねぇ」と仰るではありませんか(焦)

仕方なく、先に植物の水やりを始めていると・・・?
現れました!アサギマダラです。
担当学芸員の先生が瞬く間に網で捕獲し、さっそくマーキングと記録の作業に入ります。
(このとき、作業は必ず日陰で行います。アサギマダラは22℃ぐらいの涼しいところを好み、日なたに放置しておくと死んでしまうこともあるのです。)

マーキングに使うのはごく普通~の油性ペン。蝶には申し訳ないですが、日付や場所を翅に書かせていただきました(アサギマダラの翅は丈夫なので、このぐらいであれば平気だそうです)。 ちなみにこの蝶の性別はオスでした。
同時に、記録帳には時刻や天候、気温、蝶の大きさや状態などのデータも記入しました。
(この日の午前中に見つかったアサギマダラはこの1匹だけでした。)

さて、マーキング調査の後は植物の水やりと草むしりの続きです。
特に後者は泥臭く地味~な作業ではありますが、いやいや、これがとても大切な仕事。

というのも、バタフライガーデンは、殺虫剤や除草剤などの農薬を使わないことで、様々な草木・虫などの生物を残すことで、多様性を維持しようという方針があるのです。
これによって、例えば“害虫を食べてくれる虫たち(クモなど)”も生き残るので、結果的に農薬を使わずとも本来育てている植物を維持でき、ガーデンのバランスを保てるのです。

ただし、農薬を使わないおかげで雑草はボーボー…(^_^;)。
やはり来園者あっての「植物園」ですから、見栄えも大事ですし、雑草まみれではどれがどの植物かもわからなくなってしまいますので、草むしりはとても大切なのです!

それに、職員自らの手で作業することで、ガーデンの状態やそこでの生態系の移り変わりといった変化を知ることができるでしょうから、単なる「メンテナンス」以上の意義があると思いました。

〈午後の活動について〉
午後の一発目は『蝶のオアシス in おおさか』で配布する資料の印刷を行いました。
コピー機で印刷するだけの単純な作業でしたが、こうした地道な準備があってこそイベントは成り立っているのだと感じることができました。
また、印刷時には「プリントの端をホチキスやバインダーで綴じる人もいるかもしれない」と、余白の調整なども行いました。こうした細かな気配りが、イベント参加者の満足を少しでも高めることに繋がるのですね。

続いて、虫の標本が保管されている収蔵庫の見学です。一口に“虫の標本”といっても、乾燥標本は特別収蔵庫,化石は一般収蔵庫,幼虫やクモなどの柔らかい虫(加えて、弥生時代などの遺跡から出土した「昆虫遺体」)は液浸収蔵庫...という具合にそれぞれ分けて保管されています。

今回見学したのは「特別収蔵庫」です。ここでも学芸員の先生が丁寧な解説をしてくださりました。特別収蔵庫は初日にも見学しましたが、昆虫標本や植物標本など、害虫の被害を受けやすい資料が保管されています。したがって庫内は低めの温度・湿度に設定され、防虫剤であるナフタレンのニオイが漂っていました。

多くの資料が寄贈によって集められたものだということは実習生のみなさんならご存知でしょうが、なかでも大規模な個人収集物は「コレクション」として収蔵されています(例.“OKAMURA Collection”,“SUMIYOSHI Collection”など)。これらのコレクションの標本は本来ならば分類別に並べたいところですが、収蔵資料は毎年膨大に増えるため整頓が追いつかない,時間や費用の不足,標本の入れ替えのためのスペース確保が難しい…など、さまざまな理由があり、寄贈当初の「コレクション」としての状態のまま保管されるケースが多いようです。それだけ資料が充実しているという意味でもありますが、博物館業務の厳しい実情が伺えます。

ところで自然史博物館には懐かしの「宝塚ファミリーランド」や「宝塚昆虫館」から引き取った資料もたくさん収蔵されています。その中にはもしかすると、あの手塚治虫先生が作成した昆虫標本もあるかもしれないとのこと。現状では手塚先生のお友達の手による標本しか見つかっていないようですが、今後発見されたら…と思うと夢がありますね♪

〈最後に〉
本日の実習は、昆虫についてまったく詳しくない私でもしっかりと理解できる活動内容でした。
先生のご配慮と分かりやすいご指導があったからこそだと感じております。ありがとうございました。
残り2日間の実習もしっかりと頑張ります。
S.M

博物館実習3日目 2015/10/9

実習3日目です。
私達の班は、午前中にパソコン端末の清掃をお手伝いしました。設置されているパソコンで、生き物の鳴き声やビデオ、植物園の見どころ等、様々な情報を得ることができると教えていただきました。また、以前と現在では、設置しているパソコンが違う為、管理をし辛い現状を知りました。
午後からは、収蔵庫の資料が地震等で落ちないように、落下防止器具の調節を行いました。力が要る場面もあり、学芸員さん1人では作業が大変だろうと思いました。
最後には、日曜日に開催される、友の会秋まつりのお土産の準備をお手伝いしました。秋まつりが楽しいイベントになればいいなと思います。
本日は、展示以外にも、日々のメンテナンスや、災害への備え等の業務もされている学芸員さんの苦労を知る事ができました。担当してくださった学芸員さん、有難うございました。
(N.M)

2015年10月08日

博物館実習2日目 2015/10/08

実習二日目は、班にわかれての作業でした。
私達の班は植物研究室のお手伝いをしました。
午前中は特別収蔵庫の清掃を行いました。掃き掃除といっても大切なさく葉標本に虫がついていないかをチェックしながらの作業なので、気づけばあっという間に時間が経っていました。棚がぎっしりとあるので意識しなかったですが、収蔵庫の中はとても広かったんだなと改めて実感しました。
午後は、週末のイベントに向け植物園内を下見しました。特別展のたまごとたねに合わせて、園内を巡って種や実を探しました。本番でどのようになるのか、今から楽しみです。
(R. I)

博物館実習2日目 2015/10/08

博物館実習2日目が無事おわりました。
今日は、それぞれの班に分かれて作業を行いました。
私の班は、石田学芸員が特別展のために使う、ハンズオンの作成を行いました。
今回用いた貝殻は、石田学芸員が1週間かけて西日本各地を旅して手に入れた物だそうです。
二枚貝の貝殻を接着剤で接着したり、子どもたちが持ってもケガをしないように、貝殻に塗料を塗ったりして、たくさんの貝殻を展示用につくりました。
ちなみに、実際の展示では、貝殻でおままごとなどができるようにしたことがあるようです。
このようにしてできた今回の展示物。私たちがつくった展示物は、いったいどのように使われるのでしょうか。非常に楽しみです。特別展が開催されるとき、自分たちの作った展示物をぜひ見に来たいと思います。
貴重な体験ができて非常に充実した実習2日目でした。明日もがんばります! (F.D)

2015年10月07日

博物館実習1日目 2015/10/7

本日より秋期の博物館実習が始まりました!
初日である、今日はオリエンテーションという事で、自然史博物館の概要説明や施設案内が行われました。
普段は見ることの出来ない裏側である、各研究室や収蔵庫には生き物について学んでいる私にとって、とてもワクワクするものばかりでした!
常設展の見学では、メンテナンスや展示においてのトラブルなどのお話を聞き、見学しやすく安全な施設を作るのは大変な事だと改めて感じました。
残り4日間と短い期間ですが頑張りたいと思います!
(Y.R)

博物館実習1日目 2015/10/7

博物館実習一日目である今日は、オリエンテーションと館内見学を行いました。
オリエンテーションでは博物館の歴史や博物館・学芸員の活動の実態、普及教育などについて教えていただきました。特に博物館・学芸員の実態についてはこの機会ならではのお話が聞けました。どうやら博物館の現状としては「お金がない」、「人手がない」、「場所がない」の三拍子がそろっているようで、苦労されているみたいです。研究や展示だけでなく、それらをこのような制限の中でどのようにやりくりしていくのか、まで考えないといけないとは非常に大変なことだと思います。
館内見学では主に収蔵庫見学と展示室見学を行いました。収蔵庫には本当に多種多様な標本があり、圧倒されました。さらに、非常に珍しい蛇の標本やクジラの骨などを本当に間近で見せていただきました。また、動物園などからも動物の死体などをいただくことがあるそうです。ただし、この時、骨格を取り出すために死体を地面に埋めたりするそうですが、そのまま忘れてしまう危険があるそうです。展示室の見学では学芸員の立場として、メンテナンスやコストなどについての視点から見学を行いました。本物の標本よりもレプリカのほうがお金がかかったりすることもあるみたいです。また、メンテナンスの際などにも展示物に傷がつかないように非常に注意を払うそうです。標本などはどれも非常に貴重ですから、私たちも博物館を訪れる際には傷つけないように気を付けないといけません。
明日からは数人の班に分かれて実習を行います。班員のみんなと協力し、残り4日間をがんばっていきたいと思います。(Y.U)