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2023年08月31日

2023年夏季博物館実習3日目(8月25日)

こんにちは。8月25日のブログを担当する、京都橘大学のO.Sです。

25日は実習日3日目でした。その日は学芸員の方のご指導のもと、シダ科の植物を学名別に分類するという作業を行いました。この作業はソーティングと呼ばれているそうです。植物標本は乾燥した植物と分類が書かれたメモで出来ています。

最初は何も考えずただ学名が同じものを重ねていっていただけだったので、毎回どこにどの学名のものがあるかを探すところから始めてしまいとても時間がかかりました。途中でアルファベット順に並べていけばいいと気づいてからはかなりやりやすくなったので、作業をする前に効率の良い方法を考えてからやるということが大事だと気付きました。また、思ったよりも時間をかけすぎて指定された量を終えることができなかったためもう少し時間を意識して行動するべきだったなというのが反省点です。私たちが3人で1箱に1時間以上かけて分類したものを、学芸員の方は30分ぐらいで終わらせられると聞き、改めて差を実感しました。

授業で習うような展示や企画といった仕事内容ではなく、実際に学芸員の方がされている作業を肌で知ることができ、とても貴重な体験となりました。一見同じもののように見えていたシダ植物も、何十枚と分類していくうちになんとなくわかってくるようになり楽しかったです。

2023年度夏期博物館実習5日目(8月27日)

こんにちは。8月27日(日)のブログを担当します、滋賀県立大学のY.MAです。

実習最終日であるこの日は、大阪市立自然史博物館友の会の「自作トラップでウミホタルの観察にチャレンジしよう」という行事に参加させていただきました。当日は、参加者の集合時間の一時間前に駅に集合し、参加者が解散後は少し後片付けを手伝ってから現地解散をしました。

私が今回このイベントに参加してまず驚いたのは、参加されていた方の多くが、こういった屋外での活動に慣れている様子だったことです。家族連れの参加者が多かったのですが、普段はあまり使わないようなヘッドライトを持っている方の多さにびっくりしました!軽食の時間にも浜辺で生き物や貝殻を熱心に探し、大人に「これはなに?」と質問しに行くような、自然に興味津々のお子さんが多かったです。その様子を見て、本や博物館の展示などから知識を得るだけでなく、小学生のうちからフィールドに出て、実際に自分の目で見て、手で触れて、五感を通じて体験し学ぶ機会があることは、とても良いことだと思いました。

また、このイベントは学びに繋がるだけでなく、コミュニケーションの場としての役割も果たしていると感じました。受付の様子を見ていると、「顔パスだね。」という声が聞こえました。きっとその方は、友の会のイベントによく参加されていて、係の方とも顔見知りで、他の参加者との交流も楽しみで来られているのかな、と思いました。子どもたちも、「この虫なに〜?」「ウミホタル見れた?」と、すぐに周りの子と打ち解けて仲良くなっていました。これは私たち実習生でも同じで、帰りの電車ではすっかり仲良くなっており、これが実習1日目なら良かったのに、と皆で話していました。私は普段、小学生と交流する機会が少ないので、話しかけられたり、一緒にしりとりをして遊べたことがとても嬉しかったです。

肝心の観察会の内容ですが、ウミホタルの生態についての解説や、夜道は不安であれば一緒に帰る、家にない道具は貸し出す、といった気遣いが感じられて、対応が行き届いているなと思いました。夜の海に一人で行くことは危険ですし、わざわざ自分でトラップを作って観察することもあまりないので、貴重な経験ができて良かったです。

2023年度夏期博物館実習1日目(8月23日)

 2023年度夏期博物館実習の1日目を担当させていただきます近畿大学のT.Kです。8月23日に行われた実習の内容や感想を書かせていただきたいと思います。

 今回の博物館自習の内容としては、午前は全体でオリエンテーションを受けました。そこでは、大阪市立自然史博物館のこれまでの歴史や働いている人にしかわからないような裏話など興味深い話をたくさん教えていただきました。
 そして、午後からは館内を見学させていただきました。館内見学は2回に分けて行い、1回目は収蔵庫などのバックヤード、2回目は正面の展示室を見学しました。
 
 収蔵庫の見学は、普段見ることのできない標本や設備を見させていただくことができ、いい経験になりました。博物館では現状、収蔵庫のスペースが足りないため収蔵できないものがたくさんあるというお話や標本などの燻蒸に冷凍庫を使っているということなど、テレビや大学の講義では学ぶことのできないような話を楽しみながら聞くことができました。

 展示室の見学では、実際に展示されている展示を学芸員の方に解説していただき、展示を行う上での注意点、展示の掃除方法、照明の取り替え方など来館者視点でなく、学芸員の視点で見たときの解説をしていただきました。
 その中で驚いたことは、展示ケースがメンテナンスを考えた作りになっているかということに気をつけなければいけないということです。展示ケースを作成する会社がメンテナンスのことを考慮せずに納品する場合があるという話を聞いて、そのようなことまで学芸員は配慮しなければいけないのだと思い、驚きました。また、どのような展示が学芸員から見て、いい展示なのかという話も学芸員の方の考えを知ることができ、面白かったです。触れることができる展示は壊れにくくて、動かないものが適切であるという話から、東日本と西日本では、博物館の楽しみ方に違いがあるいうことを聴くことができ、来館者に地域差があるというのが興味深く思いました。

 普段来館客としてきている時には考えないようなことを学ぶことができたので、とても有意義な時間を過ごすことができたと思います。今回の博物館実習で、博物館やその展示に対する見方考え方が変わったように思います。学芸員の資格をとる上で貴重な体験をすることができたと思います。今後も博物館に関わっていきたいと思うようになりました。

2023年度夏季博物館実習4日目(8/26)

皆さんこんにちは、摂南大学のY.K.です。
2023年度夏季博物館実習の4日目の5班のの内容について綴りたいと思います。
私たちの班は、石井学芸員指導の下、収蔵庫の清掃や地層に関する実習を行いました。

皆さんは、博物館には展示されている以外にも資料があることをご存じでしょうか?
そのような資料を保管する場として、博物館の地下や展示室の裏に収蔵庫という場所があります。いわゆるバックヤードです。
午前中, 私たちはその収蔵庫を清掃しながら、害虫が発生していないか確認する作業をお手伝いさせていただきました。害虫の発生はなぜ確認するかというと、収蔵庫にある標本にとって虫は天敵だからです。博物館の使命には、①資料の収集、②調査・研究、③公開・普及があります。しかし、それらを適切に行うためには、資料を適切に保管・維持することが必要不可欠です。収蔵庫は広いのもそうですが、貴重な資料が多く掃除用具を当てて破損させてしまわないか、ということにも気を付けながら行わなければならないので大変な作業でした。

今回の収蔵庫の清掃では、直近で害虫が大量発生した痕跡は見つかりませんでした。しかし、過去のに発生したルリホシカムシの痕跡と、最近発生した可能性のあるヒメマルカツオブシムシが見つかりました。ルリホシカムシは動物の骨格標本に残った肉に発生し、発生すると危険だと石井さんはおっしゃっていていましたが、今回は過去のものであるそうです可能性が高いそうです。一方で後者は、特別収蔵庫の外につながる階段に近いこともあるのか、ここ最近発生したものであるかもしれない、とおっしゃっていました。このことをほかの学芸員さんにも共有するとおっしゃっていたので、いかに害虫の発生が重要視されているか、ということが伝わってきました。

午後からは、ボーリングコアというボーリング調査時に採取された地層の資料を見せていただいた後に、ボーリング柱状図というデータをデジタル化(PCに入力)する作業を行いました。打ち込む情報が多く、とても大変な作業でありましたが出来上がったときの達成感はひとしおでした。また、この作業の前に使うソフトについても教えていただき、違う環境や職場間でも一つのデータを同じ形式で表示できるように、様々な工夫がなされていることがわかりました。

最後に、学芸員の活動は本当に多岐にわたるのだなということを学びました。研究や教育といった活動ばかりなのかと思いきや、今回紹介した収蔵庫内の清掃、資料のデータ入力といったことまで担当していると知って勉強になりました。

2023年08月28日

2023年度夏季博物館実習3日目(8月25日)

K大学のT.I.です。8月25日に行った博物館実習の内容と感想について記載したいと思います。

私はこの日、地下収蔵庫で昆虫標本の整理を行っていました。整理した昆虫はカミキリムシで、様々な種の標本が入っているドイツ箱から1種だけを取り出し、別のドイツ箱にまとめるという作業を行っていました。午前中は比較的見分けやすい種の整理を行っていたので、特に苦労も無く作業を進める事が出来ていました。しかし、午後になり難易度の高い種の整理作業に入ると、判別の為に見るべき部分が多くなり、兎に角集中力が必要な点が大変でした。特に、午前中は色や模様だけで判別出来ていたので、それらの要素で判別出来ない個体が非常に大変でした。

班員と協力しながらでないと終わらない様な量でしたので、この作業がきっかけで班員全員と仲良くなれた気がします。この日の作業で、用意されたドイツ箱から大体9種くらいを整理する事が出来ましたが、これ以上の数を一人で行う学芸員や外来研究員の方は本当にすごいのだと思いました。

2023年度夏季博物館実習5日目(8月27日)

岡山理科大学博物館実習生のS.Yです。博物館実習5日目。今日で最終日でした。今回の実習内容は友の会行事の「自作トラップでウミホタルの観察にチャレンジしよう」というイベントの補助でした。補助ということでしたが、ほとんど参加者の心構えで良いとのことで、実習生ながら非常に楽しませていただきました。

当日、駅前で集合。それなりに暑くはありましたが、猛暑というほどでもなく、快晴で観察会日和でした。海につくなり海の香りと潮風が気持ちよく、少しばかりの波音も心地よいものでした。海にいると少し肌がべたつきますが、それも海の良いところです。

肝心なウミホタルのトラップはというと、参加者の方々はペットボトルやプラケースなど多種多様なものを持ち寄り、それぞれの個性が出ており、それも面白かったです。私たち実習生は班ごとに一つのトラップを貸していただき、それぞれ海に沈めました。トラップにウミホタルが入るのを待っている間、貝殻を観たり海の中を観たりしていました。

その中で、波打ち際に牡蠣の殻を見つけました。よく見ると面白い形をしていて、「珍しいな」と思っていると、参加者の方から「近くの箱作の方で牡蠣の養殖をやっているよ」と教えていただきました。大阪でも牡蠣の養殖を行っていると知り、少し驚きました。機会があればぜひ食べてみたいものです。

トラップの引き上げの時間が訪れ、各自海からトラップをサルベージしました。場所によっては「うわ!光った!」という声が聞こえてきました。さて、自分たちのトラップを調べると、見事に小さく青く光るものがありました。ウミホタルです。この簡易的なトラップでもウミホタルを捕まえることができるんだと感心しつつ、神秘的に光を放つウミホタルに見を奪われました。             
                                     
ウミホタルはずっと光っているわけではなく、光るのは一瞬で意外でした。数秒の間でも、綺麗に光るウミホタルをうらやましく思いました。私たちは光りませんから。大人も子供も、光るウミホタルを見て大興奮し、楽しい雰囲気に包まれました。

参加者の創意工夫あふれるトラップや海の美しさに魅了されつつ、ウミホタルの神秘的な光り輝きに感動しました。光るウミホタルの一瞬の美しさは大人も子供も楽しい空間に包み込み、非常に素晴らしい体験になりました。

2023年08月27日

2023年度夏季博物館実習5日目(8月27日)

こんにちは、岡山理科大学のT.Hです。

 実習5日目最終日、月例の友の会行事である「自作トラップでウミホタルの観察にチャレンジしよう」に同行・参加しました。行事内容を紹介していこうと思います。

 参加者が集合してから淡輪海水浴場へ向かい、桟橋付近の浜辺に到着してから人物紹介を行い、ウミホタルの生態と採集方法の説明が行われました。ウミホタルがどのように光っているのか、泥の海底よりも砂の海底に生息している理由、なぜエサとしてカニかまぼこがおすすめなのかなどの話と、トラップを仕掛ける際の注意点として、海に投げ入れる前に紐を桟橋に括り付けておくか自分の腕に通すなどして、回収することができない状況にしない工夫や、海に落ちないように注意を払うことなどの話を聞きました。話が終わるといよいよトラップを仕掛けに桟橋へ向い、参加者の各グループごとに持参した手作りのトラップを仕掛けていました。仕掛けてすぐにトラップを引き上げるのではなく、40分ほど時間をおいてから引き上げました。ウミホタルは辺りが暗くなってから動き出すので、完全に辺りが暗くなるまでの待ち時間です。待ってる間の40分では、各々持ってきていた軽食を食べたり、波打ち際で貝殻を拾ったり自由に過ごしていました。時間が経ちトラップを引き上げ、目の細かい網でトラップ内の海水をこすと、青色に光る小さなウミホタルを発見しました。その後、もう1,2回トラップを海に投げ入れ回収し、ウミホタルの観察を行いました。最後に浜辺集合し、1日のまとめと質問タイムが行われました。ウミホタルを家で飼おうとした場合、食塩水はNGですぐに亡くなってしまうため、人工海水を用意するか海から海水を直接持って帰るかする必要があるみたいです。質問タイムが終わった後、解散の流れとなりました。

 今回の行事に実習生として参加し、物事を大勢の前で説明する時には声だけでなく、体の動きやスケッチブック、小道具などを使い工夫することの大切さ、参加者の方との接し方などの勉強するだけでは身につけにくい技術などを、実際に体験することができました。実際に体験することは早々にできないことなので、とても良い経験になりました。

2023年度夏季博物館実習4日目(8月26日)

 みなさんこんにちは!奈良教育大学のY.Yです。今回は実習4日目、4班の活動を紹介します。
 まず私たちは、学芸員の前川さんご指導の下、展示室の無脊椎動物の標本や鉱物の標本を見て回りました。そこで展示品と収蔵品の違いに注目しながら説明いただき、解説パネルに記載されている内容の解説などをしていただきました。
 その後、地下にある収蔵庫で岩石標本の撮影、データの入力作業を行いました。岩石標本のデータを入力していると、同じ鉱物なのに違う名前が付けられていることに気が付き、岩石標本の命名について興味を持ちました。また、販売店等から購入した標本も多く、それらの標本には値段も記載されていました。値段を見ると、とても小さいのに3万円もする鉱物があると思えば、逆にとても大きいのに1000円しかしないものがあったりととても面白いと感じました。さらに標本室に保管されている鉱物や化石の観察も行いました。今まで博物館の展示室や教科書などではわかりやすい・見やすい標本が展示されていましたが、収蔵庫の標本は本当に同じものなのか分からないものも多かったです。自然の鉱物はすべてがきれいなものなのではなく、展示室や教科書にはわかりやすいきれいなものを選んで展示されているのだということが分かりました。
 最後に、展示室で行われていたワークショップの観察を行いました。このワークショップはNPO法人が請け負っているもので、いま企画展が行われている恐竜に関するワークショップでした。このワークショップでは、未就学児が対象で、難しいことが分からないのではないかと思っていましたが、子どもたちは私が思っていた以上にいろんなことを知っていてとても驚きました。また、ワークショップを担当されていた方も、子どもたちの発言をうまく拾いながら話に引き込んでいてとてもすごいなと思いました。前川さんからは「子どもたちに話をするときは、一方的に教え込むのではなく子どもたちの発言をうまく拾いながら進めることが大切」と教えていただき、子どもたち向けに話をするときには実践してみたいと思いました。
 今日の実習では普段触れることができない鉱物に触れ、実際に行われているワークショップを学芸員の視点から観察することができとても貴重な体験ができたと思いました。

2023年08月26日

2023年度夏季博物館実習4日目(8月26日)

こんにちは、滋賀県立大学のS.Mです。
実習4日目、私たち1班は植物研究室の横川学芸員にご指導いただきました。内容としては、まず植物標本の概要や収蔵過程を学び、収蔵庫を見学した後、標本整理を行いました。
研究室を見学した際には、最近採集した植物を押し葉標本にするため、乾燥している様子を見ることができました。また、朝ドラで話題となっている牧野富太郎がいた時代に用いられていた、「胴乱」も見せていただきました。胴乱とは、当時採集した植物を持ち帰るための缶のようなものです。缶の蓋の幅がちょうど標本に適した大きさになっているため、それを目安に採集したそうです。
次に、収蔵庫を見学しました。植物標本は虫食いなどのリスクが高いため、主に特別収蔵庫に保存されています。植物標本と言えば押し葉標本がよく思い浮かびそうですが、液浸標本や果実・種子だけの標本、木材標本などもあることを、実際に見て知りました。
標本整理としては、大阪府産の押し葉標本のソーティング作業を行いました。今回はキク科とユリ科の標本の一部を、大阪府産のものとそれ以外の産地のものに分けました。分ける際には、標本の根幹であるラベルを見て判断します。ラベルにはその種の和名や学名はもちろん、いつ・どこで・誰が採集したか、また、植物体に残らない情報(周辺環境)なども書き残します。日本各地、時には海外で、様々な人たちによって採集された押し葉標本は、同じ種であっても多様でした。よく標本を作る人は自身のオリジナルのラベルを用いていたり、海外のラベルには地図が載っていたりしていました。また、植物の貼り付け方も多様で、葉が見やすく貼られているものもあれば、重なって貼られているものもありました。形態を深く知るためには見やすい方が良いですが、その標本が何を伝えたいかによって作り方が異なる、という話を聞き、また見方が変わりました。
標本によっては、種子や一部の葉が袋に入れられて台紙に貼り付けられていました。これはDNA分析などに用いるためです。他にもデジタルアーカイブの話も聞きました。このような技術の進歩は学問を発展させられると思うと同時に、それにかかる時間と労力の問題も深刻だと感じました。
今日までの植物の分類と標本のおかげで、近年大阪府で拡大している帰化植物の存在を知ったり、新たな分類方法が判明した植物が発見されたりする話も聞き、標本の重要性を改めて学ぶことができました。

2023年度夏期博物館実習4日目

こんにちは、岐阜大学のH.Oと申します。

博物館実習も4日目となりました。本日3班は、学芸員の石田さんご指導のもと、午前はイベント「池のプランクトン」のお手伝いを、午後からは収蔵庫にて、液浸標本のエタノールを補充する作業を行いました。

「池のプランクトン」では、長居植物園の大池にて表層・深層の水を採取し、その中に含まれるプランクトンの観察を行ったのですが、ここで私たちは主に、参加された方たちの明視顕微鏡操作のサポートを行いました。参加者は大人・子供合わせて30人弱ほどで、顕微鏡,図鑑とにらめっこしながら、皆さん夢中になって観察されていました。私自身も、参加者の方と一緒に顕微鏡を覗いたり、種の同定をしたりと、楽しませていただいたため、博物館主催のイベントを、運営側と参加者側、双方の立場から経験する機会になったと思います。観察したプランクトンの中には活発に動き回るものも多くて、その様子がとても可愛らしく、癒されました。私は、プランクトンに関する知識をほとんど持っていない状態でしたが、今回のイベントを通し、改めて生態や形態に興味を持つことが出来ました。また、石田さんの説明はとても分かりやすく、私も年代問わず、誰でも理解できるような話し方を身に付けたいと、強く思いました。

イベントの片づけをし、昼休憩を取らせていただいた後は、収蔵庫にて、液浸標本のエタノール補充に取り組みました。まず、石田さんから液浸標本に適する生物やエタノールとホルマリンの利用条件の違いなど、液浸標本に関する説明をしていただきました。標本は多くの場合、70%エタノールに漬けられています。恥ずかしながら、私はこれまで、液浸標本=ホルマリン漬けと思っていたため、正しい知識を得ることが出来て良かったです。また、適切な処理を行うことで、何百年にも渡る保存が可能であることに驚きました。補充作業は、4人で担当の棚を決めて行いました。ビンを一つ一つ見て、エタノール残量・蓋の劣化状態を確認し、適宜補充・交換を行います。私は貝のエリア担当で、ヒメタニシの標本から取り掛かりました。今まで触れる機会が無かったため、たくさんの液浸標本に囲まれて行う作業は楽しかったですが、数が多く、少し大変でした。担当学芸員の方たちは、研究・教育普及活動に加え、これの何倍もの標本の管理を行うのですから、本当にお忙しいと思います。

今回の実習でも、座学では学べないような貴重な経験をさせていただきました。ここで得た学びを、今後の自身の活動に生かせるよう、励んでいきたいです。

2023年度夏期博物館実習4日目(8月26日)

 こんにちは!岐阜大学のU.Nです。2023年度の夏期博物館実習に参加させていただいたので、今回は4日目の実習内容を紹介しようと思います。
 今日の午前の実習ではまず、博物館の裏側を見学しました。担当してくださった学芸員さんはチョウを専門としていたため、昆虫研究室や昆虫標本作製室、大量の書籍が保管されている書庫、標本が保存されている収蔵庫など様々な場所を見せてもらいました。研究室や書庫に置かれている書籍をちらりと見ましたが、ほとんど全てが英語で、わずかにある日本語の本も専門用語であふれていました。担当学芸員さんいわく、論文や研究に必要な書籍はほとんど英語で書かれているから、学芸員に英語スキルは必須とのこと…。今後論文を読む機会が増えるであろう私には、うぅっとなるお言葉でした。ひととおり収蔵庫の見学が終わった後にはチョウとガの分類、トンボの分類を行いました。チョウとガは触角、トンボは頭と体の大きさで分類できることを初めて知り、実際に分けられるのがとても楽しく勉強になりました。その後虫を標本にする際の注意点などを聴き、虫を採集した場所、日付、採集者をラベルとして残すことの大切さを学びました。貴重な標本、ラベルがなければ価値はなし、という事実には衝撃を受けました。せっかくの標本がそんなことになったら悔やんでも悔やみきれませんよね…。
 午後は希少な日本のチョウ、珍しい世界のチョウの観察から始まりました。生息している地域や体や翅の色・形の特徴、ラベルから読み取れる当時の環境の解説を聴きながら実物の標本を観察できるという非常に貴重な体験でした。日本で生息域が減少して天然記念物に登録されて保護されているチョウや、外国の密林に生息しており発見が困難なチョウなど、本当に貴重な経験でした。見せてもらったチョウはカラフルな色や独特の形をしているものが多く、面白くてついつい興奮してしまいました!チョウの観察の後は、担当学芸員さんが取り組んでいる研究内容の話を聴きました。研究論文も読みながら、研究対象のシイタケの害虫であるガの識別方法などを教えてもらいました。学芸員がどのように自身の研究を進めていくのか、博物館の仕事との兼ね合いについて聞けたため学芸員の大変さを学びました。
 今日の実習ではほとんど見ることができない様々なチョウを見たり、分類の方法など珍しくて楽しい学びを得ることができました。もう4日目だということが信じられないくらい時間があっという間に感じます…。今日も充実した一日でした!

2023年度夏季博物館実習2日目(8月24日)

こんにちは、大阪成蹊大学のO.Aです。
実習2日目、私たちの班では田中学芸員のご指導のもと、化石を扱う作業を行いました。
最初に教わったのは重い物の持ち方です。腕の力だけで持ち上げようとすると腰を痛めてしまうため、自分の体の近くで持つことや、膝を使って持ち上げると負担が少なくなることを教えていただきました。今後仕事や生活で荷物を持つ機会は度々あると思うので、その際に活きるとても大切なことを教わりました。
午前は化石の梱包についての実習をしました。過剰にしないこと、できるだけコンパクトにすることがポイントです。1番重要なのは箱の中で資料が動かないようにすることです。新聞紙などで箱と資料の隙間を埋め、揺らしても動かないよう保護する必要があります。突起や薄い部分などの資料が壊れやすい場所を理解し、そこを傷つけないような梱包をすることも大切です。実際に化石の梱包をさせていただき、学んだことを実践しました。
午後は目録に載せる化石の写真撮影をしました。資料の特徴がわかるよう、さまざまな角度から撮影します。ライティングは左上を照らし、右下に影ができるようにするらしいです。化石の実物は1つしかなく貴重な資料なので、壊さないよう細心の注意を払いながら扱いました。緊張しましたが、実物に触れられるとても貴重な体験ができました。
中国から留学してきた方の訪問があり、その対応も見せていただきました。私は英語が得意ではないので会話内容はあまり理解できませんでしたが、生きた英語を見るいい機会でした。
最後は化石の研究を見学しました。酢酸を使用し砂を取り除くクリーニングや、写真を撮るために塩化アンモニウムを使用し色を均一にするホワイトニングを見させていただきました。顕微鏡で見ながら化石の解説もしていただきました。実際の研究や化石に触れるとても貴重な経験ができました。

2023年08月25日

2023年度夏季博物館実習3日目(8月25日)

 みなさんこんにちは!三重大学のI.R.と申します。
 実習3日目になる本日は松井学芸員ご指導の下、魚類の液浸標本の作製と、それらの収蔵庫への配架を行いました。

 みなさんは液浸標本とはどんなものかご存じでしょうか?
 一般に昆虫などでイメージされるようなカサカサに乾燥した生き物をピンで固定して観察のために保存する乾燥標本とは違って、生き物をホルマリンやエタノールなどの薬品で満たした容器の中に入れて保存する方法です。液体に漬けて置いておくので、魚類などの柔らかい体を持つ生き物の標本を作るのに適しているのです。

 ですが、ただ魚類を薬品に漬けるのではありません。その魚類がどこで採れた何という魚なのかをはっきりさせておく必要があります。そうしないと、後でその標本を探そうと思っても、手掛かりが少ないために探しようがなくなってしまうからです。ですので、まずは標本番号を記した布製のタグを魚類に付けなくてはなりません。このときに重要なのが、そのタグをつける場所です、魚類は観察をしやすくするために体表の左側を綺麗な状態にしておかなければなりません。ですから、タグをつける場所はほとんどの場合その反対側、体表右側になります、裁縫針のような針に糸を通して、魚の口からえら口に糸を通し、その糸にタグを通して糸を結ぶことでタグ付けを行います。
 そこまで行った後、標本を入れた容器薬品を満たし、蓋に標本の種名とそれの採取場所を記載します。このようにして一つの液浸標本が出来上がるのです。
 今回作成した液浸標本の数は体感で少なくとも40から60といったように感じましたが、これらを複数人で分担することで今回はやり遂げることができたものの、もっと大量の標本を作製すると考えると、なかなか果てしない作業だな、と感じました。

 液浸標本を作製した後はそれらを収蔵庫へと収める配架作業を行いました。標本の数はかなり多いと感じていたのですが、いざ標本が保存されている収蔵庫へと向かうと、その標本数に驚きました。見渡す壁がすべて標本でできているかと感じるほどでした。標本は等間隔に並べられた収蔵棚に科や種ごとに収められており、作成した標本に記載されている種名や採集地をもとに、その標本が配置されるにふさわしい場所に配架を行います。
 配架作業の中で最も印象に残っているのがハゼ科の配架作業を行ったときのことです。ハゼ科は魚類の中でも特に多い種が存在しているとされ、収蔵棚の端から端までハゼ科の標本が並べられていました。ハゼの標本一つをふさわしい場所に配架するのに非常に時間がかかってしまったことはよく覚えています。

 今回、このような作業を行ったことで、また一つ博物館を見るときの視点が増えたように感じます。このブログをご覧になっているみなさんも、液浸標本を見たときには上で書いたような作業を想像しながら見てみると普段とは違うことに気づくことができるかもしれません。

2023年度夏季博物館実習3日目(8月25日)

 こんにちは、滋賀県立大学のO.Sです。
 本日、実習3日目(8月25日(金))に2班は地史研究室の西野学芸員に担当していただき、午前中に論文の整理と書籍の登録、午後には展示ケースの清掃と収蔵庫の見学を行いました。
 午前中は粉川昭平博士が生前に所有されていた論文の整理と書籍の登録でした。博物館での作業と聞くと標本作成などを思い浮かべますが、保管されている紙資料や書籍の管理も重要な仕事の一つです。所有されていた論文は膨大な量で、様々な国の研究者の論文を所有されていました。これらの論文の多くは古く、現代のようにデジタルで発表されていないため、今後の利用のためにも整理は大切な作業であること、整理する中で見つかるお手紙やメモなどから粉川先生の研究史、交友関係がわかることを説明していただきました。中には今にも破れてしまいそうな論文もあり、細心の注意を払いながらの作業となりました。
 午後に行った展示ケースの清掃は第二展示室の植物化石のケースを担当しました。壁に埋め込まれているケースの枠とガラス板を取り外し、中の化石を取り出して中を掃除するという作業です。文にしてみれば簡単そうに見えますが、それぞれの作業は慎重に行う必要があり、二人一組で作業を進めました。これまで学芸員の仕事を来館者として見る側でしたが、見られる側に立って清掃をする貴重な経験を積むことができました。清掃中には普段の展示からは見えない学芸員の工夫が見られ、展示を作る側の視点を体感できたように思います。
 今日の作業では標本の作成や展示だけではない、学芸員が多忙と言われる理由を垣間見ることでき、より学芸員という職業のリアルを感じることができる貴重な経験となりました。明日以降もより理解を深めていきたいと思います。

2023年度夏季博物館実習3日目(8月25日)

博物館学芸員実習3日目、担当は滋賀県立大学のO.Yです。が、別の班で活動しているもう一人の滋賀県立大生も本日のブログ担当のようなので、3日目は滋賀県立大生成分多めとなっております。
本日は私の所属する班では、第四紀研究室の中条学芸員にご指導いただき標本整理をおこないました。
今回扱った標本は海浜砂と漂着軽石、というあまり標本として聞きなじみのない(私の感想ですが)ものでした。海浜砂は名前からわかるとおり海の砂浜の砂を500ml容量のビンにつめたもので、漂着軽石は数年前に小笠原諸島近海の海底火山から噴出し、主に南西諸島沿岸に大量に漂着していた軽石を採取したものです。漂着軽石については記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。
これらの標本を、データベースに登録するための通し番号をつける作業をしました。採集地や日時を参考に、リストと標本ラベルにそれぞれ番号をつけます。およそ半日がかりで、私の所属する班員4名で約100点の標本に番号をつけました。
中条学芸員によると、これで収蔵されているほとんどの海浜砂・漂着軽石に番号がついたとのことです。つまり標本を収蔵する速度に整理が追いついたということ。大学で学芸員課程を履修し、世の中に整理しきれていない標本がたくさんある現状を知っている身としては大変喜ばしいことです。
標本を適切に保存していくために整理作業は欠かせませんが、現代の博物館学芸員はさまざまな業務に追われており、標本整理に費やす時間はほとんどありません。しかし標本はどんどん増えていきます。
そのため、我々実習生や友の会、アルバイトの方々など多くの人の協力が必要不可欠であると考えます。基本的に博物館に収蔵されている標本は、博物館だけのものでなく公共のものです。そして標本は研究の基盤です。人類に今までもこれからも恩恵をもたらす標本を、これからも残していくためには博物館関係者だけでなく、さまざまな立場の人が標本のあり方について考える必要があるのではないでしょうか。
標本整理のためのお金があったらどれだけよいことでしょう(心の声)

2023年08月24日

2023年度夏季博物館実習2日目(8月24日)

こんにちは、大阪成蹊大学のT.Nです。
実習2日目、私たち1班は川端館長と一緒に鉱物の展示ケースの清掃と清掃後、展示物(鉱物)を元に戻す復元作業を行いました。
作業中は、開館中に行った為、パーテーションの設置や清掃中であることが一目でわかるようにポップを作成する必要がありました。私は芸術学部出身なので、ポップを制作するならば率先して制作を担当した方がいいと考え、制作を任せていただく事になりました。川端館長が作業中に仰っていた子どもや車椅子の方のような目線が低い場合でも展示物が見やすいように工夫することも重要というお話を聞き、ポップ制作にも通じる話だと感じました。私が制作したポップでは、子どもにとっては分かりにくい表記になっており、配慮が足りていなかったと考えました。その為、改善案としてふりがなをつけ、誰でも読みやすい言葉を心掛ける、文字はできるだけ大きくするべきだと考えました。また、作業中はパーテーションの内側に展示物をそのまま見せる展示として配置していたので、自然と触りにくい配置になっていましたが、誤って触らないように「さわらないでください」という表記やマークが必要だったと感じました。

今回の作業では、来館者が訪れる中で清掃を行う為、パーテーションや作業している私たちが邪魔になってしまう問題がありました。しかし、作業を行っていく中で、デメリットだけでなくメリットも多くあると気付くことができました。1点目は、展示物をパーテーション内に設置することで、普段は展示ケース越しでしか見られない展示物が直接見る事ができることです。2点目は、川端館長から来館者に向けて直接鉱物の解説をして頂いたことで、鉱物への理解が深まること、3点目は来館者が気軽に質問ができる機会が生まれており、学芸員との距離が近くなっていることです。いずれにしても、来館中に作業を行ったことで生まれたメリットで、来館者の方にとっても貴重な経験になったのではないかと感じました。また、来館者がいることで普段よりも集中して取り組むことができたように感じました。
作業中は鉱石について誕生石という概念が生まれた経緯や、鉱石にも正面があり角度や位置にも気を付けなければならないと教えて頂きました。また、光源が展示ケースの手前にある関係上、光の当たり方や配置を調整することが必要だとお聞きしたので、何度も鉱物一つ一つのバランスを班のメンバーと相談して決めていきました。何度も展示ケースを清掃・復元を行ううちに始めた頃よりも展示物への配置の捉え方がかなり変化したと感じました。最終的にはラベル(キャプション)の位置が少し違うだけでも展示物への印象がかなり異なると考え、ギリギリまで調整を行いました。普段は見ている側の視点でのみ見ていた展示物・ケースが、今回の作業を経て違う見方があることを知るきっかけになり、貴重な経験が出来たと思います。

2023年夏期博物館実習 2日目(8月24日)

2日目ブログ担当の、京都先端科学大学Y.N.です。
本日、博物館実習2日目(8月24日)は、各班に分かれての活動でしたがその中で3班は、昆虫研究室の松本学芸員に収蔵室をご案内いただき、ウスバカゲロウの標本づくりについてご教示いただきました。
収蔵室では、班員それぞれが興味・関心のある昆虫標本についてご説明いただく時間や質疑応答の時間があり、班員それぞれにとって有意義な時間になりました。私自身も知らなかった昆虫について知ることができましたし、質疑応答の中で昆虫の標本は数百年単位での保存が可能であるという話を聞いて保存状況を適切に保つことの重要性を改めて知りました。
標本づくりでは、繊細な作業が多く失敗しまうことも多かったのですが、班員の方のお声がけや学芸員の方の丁寧なご教示のおかげで、無事に終えることができました。この経験を通して、学芸員の方の技術力の高さとその苦労の両方を改めて実感しました。また、標本づくりの過程で、同定という作業にも取り組みましたが、個体ごとの羽の違いや大きさの違いを実際に観察できたことは貴重な体験になりました。この体験から新たな知識を得ることができましたし、写真ではなく実物を保存することの重要性を理解することができました。

2023年度夏季博物館実習2日目(8月24日)

こんにちは、名城大学のY.Mです。
実習2日目の今日は、学芸員の和田さんのご指導のもと、骨格標本について学びました。
骨格標本を作る上では、どのように肉を除去していくかが重要であり、熱や薬品、水、砂など様々な方法があります。今回は比較的放置していてもダメージの少ない砂や水を利用した分解で肉が除去され、パーツごとに分けられた後の骨を洗浄し、綺麗にするという作業を行いました。トラとシカの骨格の洗浄作業を行ったのですが、砂の分解では微生物や昆虫が肉の分解を行うため、骨に蛹が付着していることや分解しきれなかった肉、土などの汚れが残っている状態でした。この汚れを基本的には歯ブラシでこすり落とし、こびりついている部分は骨を傷つけないように気をつけながらメスやハサミも利用して作業を進めていきました。トラの骨格は足と胴体の洗浄後に並べる作業も行ったのですが、同じような形をした骨が多く、まるでジグソーパズルのようでした。また、シカの洗浄は頭部の洗浄でしたので鼻の中など壊れやすい部分が多く、そのような部分は歯ブラシを使わずに流水のみで洗うようにし、細かいパーツが流れていかないよう細心の注意を払って作業を行いました。しかし、細かいパーツが土や幼虫などのゴミと混ざりあってしまっていたため不慣れな私は骨だと思い込んで木の枝を洗浄していることや抜け落ちた歯かと思い触れてみたら白い幼虫ということもありました。
実習2日目は、実際の作業の一部を体験することができたことで、骨格標本を作る地道さ、難しさを体感することができ、その他にも標本の管理方法や骨格について学ぶことができた実習でした。

2023年度夏期博物館実習2日目(8月24日)

8月24日(木)のブログ担当の京都橘大学のO.Mです。

実習2日目は、班ごとに実習を行いました。4班は担当学芸員である植物研究室の佐久間さんのご指導のもと作業を行いました。

午前は展示ブースの清掃を行いました。比較的簡単に清掃できるような作りのブースでも大変な作業であると感じました。より複雑なものはかなり骨の折れる作業であるのだと思いました。今回清掃を行うきっかけになったのは、タバコシバンムシがケース内に発生していたためです。この虫は植物系に被害を与える生物なのだそうです。他にもカツオブシムシという動物系に被害を与える生物がいると教えていただきました。清掃後は実際に顕微鏡を使いタバコシバンムシの観察をしました。2~3mm程の赤褐色のカブトムシの雌やコガネムシのような見た目をしていました。食性が幅広い為、被害が拡大しやすくなるそうです。被害を受けると二度と元の状態には戻りません。博物館資料を虫やカビから守ること対策をすることや発生した場合は即対応するということが重要であると感じました。

午後は収蔵庫内の収蔵品の海藻類の写真撮影と郵送されたキノコの標本のデータ入力をしました。植物標本は乾燥しているので崩れやすく取り扱いには細心の注意を払う必要があります。植物標本は台紙に貼ってあり、移動させる場合は水平又は垂直に動かし裏返すことはしてはいけません。植物標本を撮影台に設置し、撮影を行いました。またキノコの標本のデータ入力も行いました。標本には採取場所、採取者、日付、名称、ナンバリングがされており、この情報をパソコンに入力しました。写真や収蔵品をデータ化するということは、博物館に直接訪れることの出来ない人にも情報を提供することが出来るという利点になると思います。学芸員の仕事が増え、負担になることもありますが、多くの人が研究活動を行いやすい環境を整えるということでも重要な仕事であると思いました。直接資料を扱う機会が多く様々な経験ができ良かったと思います。