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芥川合流点 ワンド観察会

 芥川と淀川との合流点(唐崎地区)では、昔あった「たまり」などの湿地性植物が生息できる冠水帯を蘇らせ、本来の川辺の姿を取り戻すために、国土交通省が整備を行なっています。“たまり”は、二枚貝類の生息場所、タナゴ類の産卵、稚魚の成育の場として設けられた浅い池です。

 今回は、平成22年度整備の1号ワンドと平成23年度整備の3号ワンドにどんな生きものがいるかを、みんなで調べてみました。当日は快晴。真っ青な空と水面に水辺の植物の緑、カラシナの黄色が映え、カラッとした気持ちのいい、そして暑いほどの天気でした。広報やチラシを見て参加された方、高槻第七中学校自然科楽同好会など総勢43人の参加です。

 まず、国土交通省から淀川ワンド・たまり整備について説明。「平成22年から24年にかけて順調に在来種が増えていたが、平成25年9月の大雨で外来種が入り込んでしまったらしく、残念ながら平成26年度は1号ワンドでほとんど魚が確認できなかったし、3号ワンドもブラックバスとブルーギルが多い。」ということでした。3号ワンドから調査を開始しましたが、水草が多くて投網が下まで入らず苦戦。タモ網でもほとんど魚が取れません。岸辺からすぐ深くなっているので貝も探しにくい。それではと1号ワンドに向かうと、貝の移動した筋が池底にたくさんあり、池に入って手探りで獲っていきます。慣れるにしたがって、どんどん獲れました。

1号ワンド
“1号ワンド”での貝調査

3号ワンド
“3号ワンド”は深い

 この日の二枚貝類の成果は、ドブガイが3個体とイシガイが多数確認できました。タナゴは、二枚貝に卵を産むので、少なくなっているタナゴが生きていくためには貝がいる環境を守ることが大切です。魚類は、ほとんど確認できずドジョウ、カダヤシ、ドンコ(本流)のみで、国土交通省の説明を裏付けた結果となり、改めて自然再生の難しさを感じさせられる結果となりました。

講師説明
山本講師の説明

20150418wando_kai.jpg
 1号ワンドで獲れた貝類

日時
2015年4月18日(日)
場所
芥川と淀川の合流点(唐崎地区)
講師
上野専門官(国土交通省淀川河川事務所)
山本研究員(大阪府水生生物センター)
参加者
43名
主催
芥川・ひとと魚にやさしい川づくりネットワーク(~愛称:芥川倶楽部~)
共催
高槻市立自然博物館(あくあぴあ芥川)