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今日はボンドガール活動日

今日はボンドガールの活動日でした。先月から芥川緑地に仕掛けてあるトラップをみんなで回収しに行きました。

トラップ点検
トラップのビンの入り口に大きなクモが巣を作ってしまい、入ってくる虫をどんどん食べている状態でした。ビンを回収して新しいビンを取り付けます。


捕れた昆虫

トラップの中身です。それなりに昆虫が取れています。ほとんどハエの仲間で、ハチが少し、甲虫が少し、トビケラが少し、でした。フユシャクというガの仲間が取れました。冬に成虫が発生し、メスには翅がないとてもかわったガです。集まった昆虫はあくあぴあの標本として収蔵します。

次回活動日は3月11日です。この日は日本博物館学会&日本ミュージアムマネージメント学会の研究会が見学に来ます。その横での活動となりますので、ちょっと狭いですがご了承ください。

視覚障害者への対応研修をしました

あくあぴあに限らず、博物館のものはほとんど全部ケースに入っています。様々な障害がある中で、スロープや多目的トイレなどは充実しつつありますが、展示ケースはなかなか変わりません。あくあぴあも水槽やケースが多く、障害の中で視覚障害者が一番遠い存在であるように感じていました。
そこで、社会福祉法人日本ライトハウスの方に講師に来てもらい、スタッフ研修を行いました。


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最初に基本的な研修です。
視覚障害者といえば全盲を意識しがちですが、弱視の方のほうが多いとか、色盲では障害者認定されないとか。
「これ」「あれ」ではなく「右側」「10時の方向」などと言うこと、とか。
白杖は視覚障害者である目印として持っている方もいる、とか。
突然手をつかむとびっくりするので、先に「手引きしましょうか」と声をかけること、とか。
わからないことは直接聞けばいい、とか。
知らなかったことがたくさんありました。


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次に、館内を実際に見て回ります。
黒い眼鏡は弱視を体験するもので、
視野は広いけど全体にぼんやりしているもの、
視界はクリアだけど視野が狭いもの、
片目は完全に見えないもの、
などの体験眼鏡をかけて館内を歩いてみます。
実際にやってみると、真っ白な壁に真っ白な廊下はかなり怖いです。
階段の角の赤い滑り止めはデザイン的にイケてないと思っていましたが、とても重要なサインでした。


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全盲のスタッフさんの手引きも体験しました。
予想とちがってスタスタ歩いてくださるので、ヘンに気を使わなくても大丈夫ですが、「ここから下り階段です」とか、必須な言葉はあります。
自分と体格の違う方を案内する場合には特に要注意です。痛い目に合わせてしまうと信頼を失うので、二人分が通れることを確認することが大切。

みっちり研修していただきましたので、これからはちゃんと対応できるようになるはず。
展示室の安全性や案内ラベルなど修正ポイントがたくさんあったので、できるところからどんどん改善して、4月からは「どうぞいつでもお越しください」という案内を出す予定です。今来ていただいても、もちろん歓迎です。

「鳥の巣と卵」をちょっと修繕

3階の事務所前に設置してある「どの鳥の卵かな?」のパネルをちょっとだけ修繕しました。イラストの中に鳥とその巣が描かれていて、鳥の巣と卵を合わせ、卵カードを巣にくっつける、というものです。巣の中と卵の裏面にはマジックテープがついていたのですが、みんなが使ってくれるたびにテープが弱り、最近ではあまりくっつかなくなっていました。
そこで、卵の裏面を磁石、巣の中も磁石に変えました。


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ところが、磁石同士だと中途半端に反発するので、鉄板に変えることにしました。
ちょうどいい鉄板がないので、物入れに使っていたお菓子の箱をつぶしました。


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完成。巣の中がキンキラキンですが、使いやすくはなったんじゃないでしょうか。
あくぴは廃棄物や台所用品でなんとかする、主婦の知恵みたいな展示が多いです。
「手作り感があっていいね」とほめてくださる方が多くて有り難いです。

常設展「ポンポン山」を模様替えしました

あくあぴあ1階にある「ポンポン山」の生きもののコーナーを模様替えしました。エレベーターのないほうの階段にある造花が古びてきたので撤収し、高槻にある花だけをポンポン山コーナーに移動させました。


Before

Beforeはこの状態。
シカやイノシシ、ヤマドリ、アオダイショウなど、ポンポン山にいる大型動物のジオラマ展示。
7年前に配置換えしてからずっとこの状態でした。


After

After!階段の造花を移動させ、花盛りにしたのですが、遠くからだとあんまり変化がわかりませんね。


フクジュソウやコスミレ

けものたちの足元にも小さな花を配置。
フクジュソウやコスミレなど、ポンポン山にある植物たちです。


ドクダミ

イノシシの前にはドクダミ。

この造花は15年ぐらい階段に展示されていたのですが、ほこりをはらって形を整えれば、生き返りました。
とても精巧に作られていて、ちゃんと種名がわかる造花たちです。捨てるなんてもったいない。
少々古びているのは大目に見てください。

階段も徐々に変わっていく予定なのでお楽しみに。

高槻中学高等学校の生物部とホネ作り

高槻中学高等学校の生物部から電話がありました。「シロハラの死体を拾ったので骨格標本を作りたい。作り方教えてもらえないでしょうか」というもの。
大阪自然史フェスティバルで知り合いに相談したところ、あくあぴあを紹介されたらしいです。

説明
早速見学に来てくれました。この日はどういう作業をするのか、道具は何を使うのか、などの説明をしました。
高槻中学高等学校の生物部は中高一貫ということもありますが、とても人数が多く、複数のチームに分かれているとのこと。ブログは最近更新されていませんが、こんなところだそうです。
骨格標本づくりは中学1年生の3人が行いました。

材料のシロハラは学校の校舎の横に落ちていたとのこと。
横に英語を勉強したとおぼしきメモ用紙が落ちていたので、「勉強しすぎて死んだ」らしいです。
実際には窓ガラスへの衝突でしょう。


完成

途中の作っている様子は割愛。
3回目の作業で完成しました。
初めてなのに、とても上手にできたと思います。
文化祭などで展示するそうです。

ブカツ「チーム・ボンドガール」活動報告

今日はあくあぴあのブカツプロジェクト「チーム・ボンドガール」の活動日でした。今月から、マレーゼトラップという昆虫採集用の網を芥川緑地に設置して、毎月の活動日に回収し、捕獲された虫を調べることにしました。今日から12月末まで1年間設置します。新種のハチが捕獲できるかもしれません。楽しみ~。

設置
みんなでマレーゼトラップを設置しました。

マレーゼトラップ
1年間ず~っと調査中なので、さわらないでくださいね。

標本作業
そのあとはいつものように部屋の中で、宮城県の復興支援事業で採集されたサンプルを標本化する作業です。

小さいハチ
今日は小さな小さなハチをSさんが本格カメラを持ってきて撮影してくれました。
肉眼では三角台紙の端っこの汚れ、ぐらいのサイズです。

ヒメバチ
アップにするとこんなに綺麗。ハネの脈がとても精巧で美しいです。

顔アップ
さらに顔を拡大。こんなに小さいのに、ちゃんとハチの顔をしていてカッコイイ!

コバチ
ハネに脈がないハチもいます。

チーム・ボンドガールでは、小さいけどかっこいい昆虫の標本化を行っています。
次回は2月19日(日)です。
みなさんのご参加をお待ちしています。
参加される方は事前にあくあぴあ3階事務所までお問合せください。

植物の寄贈コレクションを整理しました

今年3月に「大学は下宿になるので、今の部屋を掃除しないといけなくて・・・」と、ずっと来てくれていたH君が自分の植物標本一式を持ってきてくれました。新聞に挟んだ未整理の状態のものなので、「H君コレクション」としてラベル付けと台紙貼りをして、収蔵庫に納めました。

標本の束
植物の押し葉標本が全部で108点ありました。
日付の一番最初は2008年なので小学生からのものです。

ギンリョウソウ
ギンリョウソウの標本です。
根っこまでとれた、ちゃんとした標本です。
植物好きの子どもは珍しいです。
標本を残している子どもはもっと珍しいです。

ギンリョウソウデータ
ギンリョウソウの採集データは、大阪府島本町若山神社。2009年5月12日。
ちゃんとデータが残されています。

ラベル
全ての標本の新聞紙に採集年月日、採集場所、詳細環境が書いてあります。
標本として保管してあったことがわかります。
いくつかは、もう少なくなっている植物の貴重な生育データでした。

こんなメモが
「今日はテスト」らしいです。
親に「勉強しろ」と言われ、気に病みながらも植物採集をしていたのかもしれませんね。

一緒に採りに行った思い出のある標本や、「こんなの採りました。名前教えてください」と持ってきた標本もありました。
大学生になっても植物好きは続いているようです。
博物館に出入りしていた子どもたちが、大人になってもその分野のことを続けていることがとてもうれしいです。

今日の天気

今日は突然雨が降ったり、太陽が出たり、「狐の嫁入り」みたいな天気でした。
お昼すぎに虹が出たのですが、カメラを取りに行ったら消えてしまいました。
夕方、手前は晴れているのに山のほうは黒い雲になり、山際だけに虹が出ていました。
不思議な景色が撮れました。

虹

虹


年末年始休館のおしらせ

あくあぴあ芥川は12月28日(水)から1月4日(水)の期間は休館です。新年は1月5日(木)から開館します。

部活「チーム・ボンドガール」の極小昆虫標本作成

今日は部活「チーム・ボンドガール」の活動日でした。9人の部員と館スタッフが参加。
このチームはマレーゼトラップという昆虫を捕まえる網で集めた昆虫類を標本にする作業をしています。今年8月から始め、今日で5回目。南三陸町で捕獲した昆虫類を標本化しています。指導してくれるFさんの専門がコマユバチという小さなハチなので、部員たちは小さな小さなハチをとても丁寧に拾い上げてきます。回収されたトラップの中の昆虫類を選り分ける「ソーティング」をする人、ソートされた昆虫を昆虫針につける「マウント」をする人、マウントされた昆虫に採集データが書かれたラベルを付ける人の3段階に分かれての作業です。

スズメバチみたいな大きなハチもトラップには入りますが、今回紹介するのはSさんがマウントした一番小さいハチです。

処理前
前回までにソーティングして、ハチだけを取り出したもの。
今日はこのハチをマウントします。


小さなハチ

今日一番ちいさいハチはこれ。
台紙の端についた黄色はシェラックという接着剤です。
先端にちゃんとハチがついています。


”ホソハネコバチ"

顕微鏡(ファーブルミニ)+スマホで拡大撮影してもらいました。
ホソハネコバチというコバチの仲間で、ハネが鳥の羽みたいにふわふわしてます。


コバチの仲間

こちらも小さなコバチの仲間。


完成前後

全部マウントできました。これだけ作業するのに約7時間。
右下の3列は何も貼ってない台紙です。
ちゃんとハチがついていても、サイズ感が変わらない・・・。

世の中にこんな小さなハチがいることも知らなかったし、ものすごくたくさんの種類がいることも知りませんでした。
チーム・ボンドガールの魅力は目の前にあるのに知らない世界をちょっとだけ見ることと、
ホコリみたいな小さな昆虫も拡大するとかなり美しい、ということでしょうか。
肩と目は疲れますけどね。


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