あくあぴあブログ あくあぴあの理念(ミッション)はこちら

企画展「敵か味方か スズメバチ」プレビュー #26

チビアシナガバチ属(1)

オキナワチビアシナガバチ Ropalidia fasciata (Fabricius, 1804)
 ススキやサトウキビの葉の裏に巣をつくります。1匹の女王が巣をつくる場合と、何匹かの女王が協力して巣をつくる場合があります。それでも巣は小さく、ひとつの巣の働きバチの数は20~100ぐらいです。



オキナワチビアシナガバチ

オキナワチビアシナガバチ(大阪市立自然史博物館所蔵標本)

おうちでみつける生物多様性(5)

地下水は雨が降るたびに注ぎ足され、地下を流れ、地表に押し出されます。地下水が地表に押し出されたのが湧水です。雨が地下水となり湧水となるまでの時間はさまざまで、ごく短期間の場合もあれば、何年、何十年、何百年、何千年、オーストラリアのグレートアーテジアン盆地の地下水は110万年以上といわれています。

さまざまな期間、地下を流れてきた湧水が合わさって川になり、生物が生きていくために必要な水として使われます。川の水の元をたどれば、森林という、さまざまな生物で構成される生態系に降り注いだ雨で、森林があることで、生物が利用できる淡水がつくられているということです。



水道水

蛇口(シャワー)から流れ出る水道水
生活に必要な水を、遠く離れた水場まで汲みにいかなくても、水道が機能していれば水栓をひねるだけで手に入れられます。

企画展「敵か味方か スズメバチ」プレビュー #25

チビアシナガバチ属 Ropalidia Guérin-Méneville, 1831
 小型のアシナガバチで、ホソアシナガバチ属と同じように、腹部のくびれから後ろの方も細長くなっているのが特徴です。しかし、ホソアシナガバチ属ほど細長い体形ではありません。
日本には2種生息します。



オキナワチビアシナガバチ

オキナワチビアシナガバチ(大阪市立自然史博物館所蔵標本)

おうちでみつける生物多様性(4)

雨には大気中に浮遊していたさまざまなものが混じっています。今の時期ならタクラマカン砂漠やゴビ砂漠などから飛んでくる黄砂がそうですし、PM2.5や花粉、胞子、海面上の飛沫などから大気中に舞い上がったプランクトンの破片なども含まれるそうです。

雨に含まれるさまざまな微粒子は、森林の土壌中を通るときに取り除かれ、地層中の水を通さない層の上に溜まります。

その溜まった水のところまで穴を掘って水を汲みだす仕組みが井戸です。場所にもよりますが、井戸水がそのままでも飲めるのは、土壌中を通過するときにろ過されているからです。



黄砂の跡

黄砂の跡が残るベランダの手すり

企画展「敵か味方か スズメバチ」プレビュー #24

ホソアシナガバチ属(2)

ヒメホソアシナガバチ Parapolybia varia (Fabricius, 1787)
 ムモンホソアシナガバチよりも体色と斑紋の色の差が大きいので、より斑紋がはっきりしています。葉の裏などに細長い、ヘビの抜け殻に似た形の巣をつくります。



ヒメホソアシナガバチ

ヒメホソアシナガバチ(オス:大阪市立自然史博物館所蔵標本)

おうちでみつける生物多様性(3)

森林の土壌の表面は枯れ葉や枯れ枝で覆われています。これらは様々な生き物によって分解されて土になり、さらに森林の植物などが利用する養分にまで分解されます。枯れ木なども同様に分解され、倒木となり、やがて森林の土壌になります。

枯れ木を分解する生物の中にはキノコ類も含まれます。マイタケはクリなどのブナ科の樹木の根もと付近の材を分解します。



マイタケ

マイタケ(新潟県産)
スーパーマーケットで売られていたもので、おそらく菌床栽培されたもの。

企画展「敵か味方か スズメバチ」プレビュー #23

ホソアシナガバチ属(1)

ムモンホソアシナガバチ Parapolybia indica Saito-Morooka, Nguyen & Kojima, 2015
 体色は淡い黄色で、それよりすこし濃い色の斑紋があります。葉の裏に巣をつくります。


ムモンホソアシナガバチ

ムモンホソアシナガバチ
2003年9月29日 高槻市萩谷総合公園で撮影
巣の解散後、しばらく巣の近くにあつまっていますが、やがて他の巣の個体と交尾するために分散します。

おうちでみつける生物多様性(2)

災害などで家屋の下敷きになった人を72時間以内に救出しないと生存が危ぶまれるというのは、水が飲めない状態で3日過ぎると命にかかわるという意味です。サバイバル3の法則でいう「3日以内に飲み水」を確保しなければ生き残れないというのと同じ意味です。

淡水はそもそもは雨水ですが、雨水を溜め、ろ過して川に供給し、さまざまな生物が利用できるようにしているのは森林です。



クリの種子

クリの種子
クリは日本の森林を構成する樹種のひとつ。ただし画像は天津甘栗として売られていたもので、中国で栽培されたもの。

企画展「敵か味方か スズメバチ」プレビュー #22

ホソアシナガバチ属 Parapolybia de Saussure, 1854
 体が細長く、腹部のくびれた部分から後ろの方も細長くなっているのが特徴です。日本には2種が生息しています。



ムモンホソアシナガバチ

ムモンホソアシナガバチ

おうちでみつける生物多様性(1)

新型コロナウイルス感染症の影響で、おうちの中で過ごす時間が長くなった人もいらっしゃるでしょう。生物多様性に関する展示や講座、観察会を企画してきたあくあぴあですが、今回はおうちの中で生物多様性をみつけようという企画を考えました。

サバイバル3の法則というものがあります。事故や災害などで命が危険にさらされたとき、生き残るために必要な3つのものを、一定の時間内に確保しなければ生き残れないというものです。

3分以内に酸素
3日以内に飲み水
3週間以内に食料

これら3つのものは生物多様性が保たれていることで供給されています。

まずは酸素から。3分以上呼吸ができなければ命に係わります。その酸素は植物がつくりだしたものです。植物が持つ葉緑体が光を受けて、二酸化炭素と水から炭水化物を合成するときに、不要になった酸素を出すことで、私たちは呼吸ができ、生きていけるのです。

さて、冷蔵庫の中にサニーレタス(香川県丸亀市産)がありました。緑色をしているので葉緑体がある証拠です。根は切ってありますが葉には水分が含まれているし、空気中には二酸化炭素があるし、光もあたっているので今も酸素を出しているはずです。

だからといって密閉容器の中にサニーレタスといっしょに入っても、またたく間に窒息してしまうでしょう。私たちが窒息しないのは、それだけ大量の葉緑体が、森林の植物の葉だったり、海洋の植物プランクトンの中などにあるからです。



サニーレタス

サニーレタス
キク科の植物で、種は綿毛で飛ばします。風で飛ぶほど小さな種から、店頭に並ぶほどの大きさに育ち、収穫されて私たちのもとにとどきます。その間、大気中の二酸化炭素と土中の水をとりいれて酸素を供給していたのだな、などと思いながら撮影しました。


前の10件 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11